Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第27節 対清水 1-1 (得点:ヨンセン) @スカパー
 それは5年前の出来事。天皇杯でアマチュアの佐川急便にボロ負けという伝説の試合をやらかした選手たちは、その後監督不在のまま1週間練習を続けさせられたこと、翌年の始動を1週間早められたことに対して、「負けたのは間違いなく僕ら選手が悪い。だけど、いい形で来季のスタートを切りたいし、日程を決めるにしろ目的をしっかりしてほしい。この1週間、意味もないまま、練習が続いたわけだから。」(楢﨑)との不満が噴出し選手間での緊急ミーティングを開催。キャプテンの楢﨑、選手会長(当時)の岡山、ベテランの山口素が選手を代表してフロントと掛け合ったのだった。(当時の中スポ)
 不甲斐ない試合を見せた後にも関わらず、「オフの返上(短縮)」や「練習方法」に関して「コンディショニング」を理由に選手たちの不満が爆発――今回のお家騒動は(中スポがやや煽り過ぎの感はあるが)5年間でチーム(と中スポ)が全く成長してないことを図らずも露呈してしまった。
 先月新潟戦に快勝した次の試合でコンディションの良くない横浜に負けた時俺は「メンタルが問題」だと指摘したが、今回オフ返上と走り込みを課したというフェルフォーセンも同意見だったらしい。当然俺はフェルフォーセンを支持する。まあ例えフェルフォーセンがチームのこの問題に気付いてそこにメスを入れようとしたとしても、その手術が成功するとは到底思えないのがこのチームの病巣の深さなのだが。多分この選手たちではオシムを連れて来て(千葉でそうしたように)休日を与えずに鍛えたとしても文句を言い始める(それを試合に負けた言い訳にする)だろう。

       ヨンセン    杉本

              山口K
本田  金正友
                    中村
           藤田

    古賀  スピラール  大森

          楢﨑

 前節出場停止だった山口Kが戻ってきた名古屋は3-5-2のようなフォーメーション。名古屋は本来であれば4-4-2の清水に対しては新潟戦でそうしたように3-4-3で対応したいところだろうが、フェルフォーセンの中では中盤の5人はヨンセン、スピラールと並ぶ絶対的な存在のように思われるし、彼らを全員起用するにはこの形しかない。試合翌日の中スポで元名古屋の藤川が中村の右アウトサイド起用に疑問を投げ掛けていたが、この5人を全員使い切るなら選択肢は4-3-3のウイング起用か3-5-2のアウトサイドしか残っておらず、まがりなりにも「ポリバレント」を標榜するオシムッジャパンの一期生に対して、(GKやDFや1トップをやれというならともかく)中盤でポジションを少し変わるぐらいで「機能しない」は失礼だろう。

 3-5-2の名古屋が4-4-2の清水に対していつものように前からプレッシャーを掛けようとすればシステム的にアンマッチが生じてしまうのは仕方のない部分。それを補おうと名古屋は例えば清水のDFライン(4バック)に対して2トップに加えてトップ下の山口Kが出て行ったり、右SBの市川に対して本田が出て行けばその裏のスペース(アレッシャンドレ)を金正友がカバーしたりしてしているのだが、こうなると藤田がひとりで真ん中を回さなければならない。しかも清水の左SHの高木とFWマルキーニョがそれぞれ左と右のサイドのスペースをしつこく狙ってくるので、その対応に3バックの大森や古賀が引っ張り出されるとスピラールはそのカバーに回らざるを得ずバイタルエリアはますます手薄だ。名古屋はいつしか前からのプレッシャーではなく自陣へと引いてスペースを埋めて守るようなやり方にシフトチェンジしていった。
 だが全体が引いてスペースを埋める守り方が機能していたかと言えば決してそうとは言えず、そうすることで逆に精神的な余裕でも生まれてしまったのか、選手個々の足は止まり気味(ボールウォッチャー気味)になり、ゴールに鍵を掛けるどころか清水のパターン化された速いボールの動きに度々ボックスへの侵入を許す。

 攻撃面では杉本の好調ぶりが目立つ。大宮戦でハットトリック、FC東京戦でもチーム唯一の得点と結果を残していることもあって彼には自信という名のオーラが漂っており、それはいつも俺が課題として指摘していた勝負の「間合い」についても明らかに好影響をもたらしている。これぐらいの間合いでいつも勝負できれば杉本を止められる選手はそうそういない。
 だがチーム全体を見渡せば、やや押されていることもあってか、ほとんどの時間帯においてロングボールでヨンセンの頭を狙うかDFラインの裏を狙って杉本を走らせるという単調な攻撃に終始している印象が強かった。それをなんとかチャンスにつなげようとトップ下(二列目)山口Kや左サイドの本田、さらにはボランンチの藤田が何度かボックス内への飛び出しを見せるが、これで清水の守備ブロックを崩せというのは至難の業だ。
 そしてそんなチームにあって気になったのが中村のプレー。時間とともに清水の左SHの高木に引っ張られてポジションが低くなっていった要素は差し引くとしても、DFとFWの「間」でフラフラしながら足元でボールを受けて前にボールを供給するだけという司令塔めいたプレーイメージは、アバウトで正確性を欠くフィードをとともに名古屋の攻撃からダイナミズムを失わせていた。例えば反対サイドの本田と比べてペナルティエリアに入ってプレーした回数などを比べればそれはおそらく一目瞭然で、バランスを執っていたと言えば聞こえはいいが、リスクを冒さず、足元でボールをもらおうとするプレースタイルは、およそ本オシムジャパン一期生らしくない。

 そんな試合が動いたのは後半が始まって早々の5分。カウンターから本田が持ち出して左サイドに流れた杉本へ。そして杉本の上げたクロスにファーサイドでヨンセンが頭で合わせてキーパーの頭越しにゴール。ゴール自体はヨンセンの高い個人能力をが存分に生かされたものだったが、またしても良い間合いで相手ディフェンスを外してクロスを上げた杉本、しっかりニアサイドに走り込んでいた山口Kの存在も決して見逃すことは出来ない。

 追いかける展開となった「格上」の清水が入り押し上げてきたことで、名古屋もアバウトなロングボールを使った攻めが生き始め試合はその後攻め合いへ。
 そしてゲームは激しく動く。杉本のシュートがポストを直撃した余韻も収まらぬうちに、清水がカウンターからセンターサークル付近で中村、金正友を相次いでなぎ倒し攻め込んでくるとマルキーニョスが放ったシュートを楢﨑が前にファンブルこれを拾ったチョ・ジェジンに落ち着いて押し込まれ同点に追い付かれてしまった。

 その後藤田の運動量が目に見えて落ちてくると中盤がスカスカになり、CBがサイドにつり出されてクロスボールという形で何度も危ない場面を作られたかと思えば、65分に中村がこの試合で初めてボールをもらってタテに抜け、そのマイナスの折り返しに本田がポスト直撃のシュートを放ったかりと、数では清水に分があるものの両チームともにチャンスを作りながら試合が進んでいく。
 玉田を投入して勝負に出たり、山口Kと運動量の落ちた藤田のポジションを入れ替えて守備を落ち着かせようとしたりと手を打ってくるフェルフォーセン。最後の方は90年代のアヤックスの3-4-3のようで懐かしさを感じた。特にヒットだったのがトップ下(リトマネンの位置)に入った藤田で、途中出場の津田がファーストタッチで流したボールに藤田が抜け出してシュートを沈めたシーン(オフサイド)なんかは藤田の良さが最大限に発揮されたシーンでもあったと思う。そこに本田がいなかったというのが痛いがぜひまた観てみたい形だ。

 試合は結局1-1のままで終了。現状の清水とのチーム力の差を考えれば仕方がないことだが、とても難しい試合だった。こういう試合をものに出来るようになると自信も付いていくんだけどな。

 怪我から復帰し途中出場を果たした玉田はそれなりにキレも感じさせるまずまずのプレー。ただスタメン復帰に関しては、玉田が投入された時間帯が両チームともに攻めに入っていた時間帯であることを差し引いて考えなければならない。あの時間帯玉田には守備がほとんど要求されていなかったが、試合開始からとなるとそうはいかないだろう。あとはフェルフォーセンが中盤の5人との兼ね合いでどう考えるか。スパーサブとして起用するという手はあるが、それでは玉田は納得しないだろう。最近好調の杉本は外せないだけに、前を3人にして中盤からひとりを削るしかない。この日パスミスが目立った藤田を削って山口Kと金正友でボランチを組むのか、それとも単に山口Kを外すのか、3バックを採用するなら右アウトサイドを出来る選手は中村しかいないので中村は不動だが、4-3-3なら中村を外すことも有り得る。そして3トップの甲府に対しては4バックの可能性も高い。フェルフォーセンの次節以降の采配に注目が集まる。
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by tknr0326g8 | 2006-10-20 16:12 | Game Review
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