Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第31節 対浦和 1-0 (得点:ヨンセン) @NHK総合
 昔々、普通のJリーグの試合がまだ国立競技場を満員にしていた頃、国立競技場での浦和と名古屋の試合のレポートを収録していた某在名TV局のグランパス応援番組が、どさくさにまぎれて(遠くから見れば同じ赤なのをいいことに)浦和側のサポーター席を背景に「名古屋サポーターも沢山駆けつけています」みたいな画を録っていたことがあったなぁ・・・などと、ホームチームの名古屋を差し置いてやたらと浦和のゴール裏を映したがる今回のNHKを見て思い出した。

 トヨタスタジアムという大箱でのゲームにも関わらず、公式HPの<チケット販売状況>では自由席以外は早くから「売り切れ」がアナウンスされ、(それがどう考えても名古屋サポの仕業によるものではないと考えると)試合内容そのものより当日のスタジアムの雰囲気が一体どうなってしまうのだろうかと不安半分楽しみ半分で迎えた試合当日。そしてそれを煽るように当日の中スポにも「公式戦最多入場者数更新か」の文字が踊った。
 だがいざ中継が始まるとちょっと拍子抜けしたというのが正直な印象。確かに浦和側のゴール裏は最上段までギッシリと埋まっていたが、試合の映像とともにカメラが捕らえるバックスタンドには一階部分ですら虫食いのように所々に空席が見受けられ、上の階に行けばブロック単位で赤いシート郡が取り残されている。これって本当に「売り切れ」なのか?スポンサーがまとめて大量に買い上げてバラ撒いてるチケットの弊害ではないのか?新潟のようなマーケティングの成功例もあるのでタダ券を配るなと言うつもりはないが、見る気もない人に配るのにはちょっと疑問を感じざるを得ない。

 というわけで試合。
 名古屋は累積警告で出場停止の金正友の代わりに藤田が起用された以外は大分戦と同じスタメン。フォーメーションも最初はいつも通りの3-4-3をベースにしているように見てたのだが、浦和の山田がトップ下ではなく右サイド(名古屋にとって左サイド)に開いてポジションを取ることが多かったため、本田が下がり気味になってこれに対応。さらにボランチの山口Kがそのサポートのためかかなり左サイドに重心を移したようなポジションを取っていたため、逆サイドにいたはずの中村がスライドしてかなり内側に絞るようになっている。数字だけで表せば4-3-3だろうか。

          ヨンセン
   玉田            杉本


   山口K   藤田   中村

本田
       増川   スピラール   大森

          楢﨑

 対する浦和も名古屋の3トップ対策ということでいつもの3バックではなく4バックに変更してこの試合に臨んで来た。そしてこの名古屋に合わせた布陣に象徴されるように、かなり慎重な試合への入り方をした浦和には想像していたほどの迫力がない。確かに前半からいくつかの決定的な形を作られはしたがそれらは十分に想定の範囲内での出来事。もっと押し込まれるかと思っていた俺にはこれはかなり意外な展開だった。

 個々の局面でも浦和の攻撃から迫力を奪っていた要素はいくつかある。
 例えばトップ下で出てこられたら嫌だなと思っていた山田がサイドに張り付いていたこと。かつて04年のナビスコカップ準決勝(瑞穂)でトップ下の山田に苦しめられた記憶が残っているだけに、本田の攻撃参加の量と引き換えにこれを消せたことは名古屋にとってはラッキーだった。
 そして累積警告による永井の不在。ペナルティエリアの左側で増川と本田がワシントンに二人掛かりでブチ抜かれて打たれたシュートが反対サイドのポストを直撃したシーンに象徴されるように、名古屋は個々の選手が高い集中を保って守備の組織を作っていたが、個々の勝負では浦和の選手に圧倒されるシーンが目立った。浦和が個の力でゴリ押ししてこなかった面にも助けられたが、もし永井がこの試合に出場していたらどうなっていただろうか。
 多くの選手が1対1で浦和に対して後手に回る中、唯一大森だけは三都主を完全封殺していた。三都主を調子に乗せると面倒なだけにこれも大きかった。

 逆に脅威を感じたとすれば他チームサポの立場からすると最近あまり聞かなくなった長谷部ぐらいか。ジーコに「将来の日本を背負って立つ」と言われた若者が元気そうなのはなにより。彼に対しては藤田がファールで止めるのが精一杯だった。

 と、そんな感じであまり勢いのない浦和を相手に試合開始から意外とボールを持てている名古屋。最終ラインと藤田が中心となってボールを動かしながら、機を見て大森と本田の両SBも積極的に前のスペースへと出て行く。一見いい感じ。だがよーく見てみると、名古屋はセンターサークルの真ん中の点と浦和側の両コーナーを結んで三角形を描くとするとその中に全く入って行けていないことに気付く。名古屋はその外でボールをつないではいるが、その中にボールを入れようとすれば、それがヨンセンの高さを狙ったボールであれ杉本と玉田のスピードを狙ったボールであれこれをキープすることがままならない。ただでさえ攻守の切り替えが早い浦和が重心を後ろ気味に掛けて慎重に守備ブロックを作っているのだから無理もない話。

 前半名古屋が枠に飛ばしたシュートはおそらくミドルレンジから中村が左足で放った1本だけとアタッキングエリアではほとんど何もさせてもらえなかった名古屋だったが、守備では全員が集中し(カウンター気味に前の三人でいくつかの決定機は作られたものの)前半を0-0で終了することに成功した。まずはしっかり守って少ないチャンスをモノにするというプラン通りか。ミッドウィークにも代表戦を戦った選手が多い浦和相手であることを考えると、我慢していれば後半必ずチャンスは来るだろうし、どちらにせよこの浦和の守備を崩すには後半勝負に賭けるしかないのも現実。

 後半開始。名古屋はいつものように少しづつエンジンをかけていこうかと考えていると、それ以上にペースを上げてきたのは浦和だった。その原動力となったのは前半とは異なり中に入ってプレーするようになった山田。勘付かれたか・・・。中でプレーし始めた山田はワシントン、ポンテと絡んでいくつもの決定機を作り出す。山田にラインを破られ独走を許したシーンで楢﨑のビッグセーブに助けられたり、シュートがことごとく枠を反れたりでなんとか凌いでいた名古屋だったが苦しい時間帯が続く。

 このままではマズイと感じたのだろう、ベンチも藤田に代えて吉村を投入し浦和の前線のトライアングルに対する対応を図る。さらには両SBが積極的に攻撃参加するようになるなど勢い付いて徐々に前掛かりになる浦和に対して、名古屋は玉田に代えて渡邊を投入し中盤を厚くする。ゲームの流れを読みながらの的確な選手交代は、浦和を格上として見て明確なゲームプランを描けているからこその対応だろう。これが同レベルの相手であれば、0-0の状況では変な欲とかが出てきてこれだけ割り切った采配も出来ない。

 逆に采配によってみすみす流れを手放した格好なのが浦和。後半25分勝負を賭けて山田に代えて小野を投入。確かに山田は後半再三に渡って訪れた決定機をモノに出来ないでいた。それを見たベンチが「今日は山田の日ではない」と判断しても仕方ない状況ではあった。だが名古屋にとってはこの山田こそがネックだった。名古屋にとってはこれで少し楽になった感は否めない。それは例え小野がボランチに入って、この日キレのあるプレーを見せていた長谷部が一列前に上がってきたとしても同じことだ。

 風は名古屋になびき始めた。そしてその機会を名古屋は逃さなかった。攻める意識と守る意識。特にメンタル面で一瞬バランスの崩れた浦和の隙を突いた二次攻撃で、本田の上げたピンポイントのアーリークロスに対してヨンセンが現役ノルウェー代表の決定力を見せ付けた。競り合っていた内館の前に瞬間的に頭だけ出してのヘディングシュートが浦和のゴールに突き刺さった。

 後がない浦和はポンテに代えて田中達也を投入。確かに良い時の田中達也のプレーは常にゴールに向かって来るイメージで怖さがある。だがペナルティエリアの中で決定的な仕事が出来るポンテと引き換えでは、名古屋にとって±0だ。名古屋に合わせたソリッドな4-4-2の採用といいやけにバランス重視な浦和。もしここで浦和に前線の人数を増やされていたらどうなっていたか。名古屋サポの俺が見ている限りでは、(鈴木啓太を外すとかなら論外だが)浦和の守備が一人減ったぐらいで名古屋が攻撃の糸口を見つけられるようになるとは到底思えなかったのだが。

 逆に名古屋は明確。動きの落ちた杉本に変えて中盤に須藤を投入し逃げ切りを図る。守りに入ったチームがあっけなく崩されるのはJでもよく見る光景だが、この日の名古屋はこれで逃げ切れると確信を抱かせるほどにそれぞれのプレーヤーが集中していた。そしてそのまま1-0で試合終了のホイッスル。

 まさにチャンピオンになろうかという浦和に今シーズン1勝1分という成績を残せたことはとりあえず満足すべき結果。ガチンコで浦和とぶつかり合って勝利を収める日がいつ来るのかは分からないが、それは来シーズン以降のお楽しみということで。
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by tknr0326g8 | 2006-11-19 23:59 | Game Review
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