Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第33節 対福岡 2-0 (得点:玉田、中村) @スカパー
 7月30日のデビュー戦(vs千葉)以降、代表召集と重なった鹿島戦以外は全試合フルタイム出場を続けてきたヨンセン。高い決定力を誇る攻撃面はもとより決して手を抜かない守備面においてもその貢献度は高く、身を粉にしてチームに尽くす姿はポジションこそ違えどかつてのデュリックスに匹敵するのではないかと思う今日この頃。そんなヨンセンが累積警告により出場停止となった今節の最大の見所はそのものズバリ「ヨンセン抜きでの戦い方」になるわけだが、前節から中二日という準備期間のなさを考えてもそれがかなりの難題になることは間違いない。

 鹿島戦でやったように増川をヨンセンの穴に持ってくるとか、セカンドチームで燻っている豊田をトップチームに引き上げるとか、ランクル賞で「新人賞」を獲得した津田をCFWとして起用するとか様々なオプションも考えられた名古屋だが、いざ蓋を開けてみればフェルフォーセンが選択したのは、玉田と杉本の2トップに藤田、金正友、中村、本田、山口Kという中盤の5人のタレントをフルに組み合わせるという、まずはメンバーありきのオーソドックスな選択だった。

    玉田   杉本

  金正友    山口K

       藤田    中村
本田
    増川  スピラール  大森

       楢﨑

 試合はキックオフかからヨンセン不在の影響がピッチに色濃く現れる。名古屋は中盤で藤田を中心にパスをつなぎながら攻撃を組み立てようと試みるが、慌ててタテに入れようとしてボールを失ったり、テンポよくボールがつながったところで意味のないバックパスを入れてスピードを落としてしまったりと、攻撃がなかなかフィニッシュまで辿り着かない。そして前半途中から振り出した雨の影響でボールコントロールが難しくなったのか、現役代表と元代表が入り乱れる豪華絢爛な中盤に似つかわしくないミスが次第に目立ち始めた。

 ヨンセン不在の中でも選手からはなんとかしようという意欲が伝わってはきた。それは分かる。藤田と本田はボールを落ち着け起点となってパスを配給しゲームを作っていこうとしていたし、金正友と山口Kは積極的に前方のスペースへのランニングを試みていた。中村も自分の持っている良さを発揮しようとボールを持てば積極的にプレーしていた。
 しかし実際にピッチ上の現象となって現れるのは、藤田のらしくないキックミス連発であり、カットインする動きなどが相手に研究されていた部分もあるがボールを持ち過ぎて進む先々で袋小路に追い詰められていた本田であり、時々動きが被る金正友と山口Kであったり、未だにアウトサイドとして攻撃面でチームの中に居場所を見つけられない中村のチーム全体の動きからすると斜め上を行っているかのような噛み合わないプレーだったりした。また金正友については大型連休明けでやや試合勘も鈍っていたのだろうかいつものキレもなかった。

 そんな展開で名古屋が手にするビッグチャンスはと言えば、杉本がスピードを生かして相手DFにプレッシャーを掛けてボールを奪い取った時ぐらいだが、悲しいかな杉本にはこういったコンディションでも正確にかつ落ち着いてゴールにシュートを沈められるほど技術が伴っていない。こういうところを少しづつでも上達させて行ければ本当に代表も夢じゃないと思うんだが。
 
 攻撃とは逆に守備は安心して見ていられた。福岡の前線にひとりで局面を打開してしまうようなスーパーなプレーヤーがいないということもあって、DFラインと中盤でしっかりと作った守備ブロックが崩される雰囲気はない。前々説(浦和戦)、前節(C大阪戦)、そして今節と守備に関してはそれなりに目処が立ってきたということだろうか。ただ解説の田中孝司(元名古屋監督)が指摘していたように、クサビのボールに対して鋭い出足でこれをことごとく潰すスピラールとは対照的に相棒の増川が相手にやすやすとポストプレーを許してしまっているのは気になった点だ。「ヨーイ、ドン!」での追い掛けっこや単純にタテに入ってくるロングボールに対しては強さを見せるが、以前から指摘しているサイドからクロスを入れられた時のマークや、ボールを持った相手との1対1、そしてこのようなクサビに対する対応を見ると、どうも増川は相手との距離感(距離のとり方)に問題があるように思える。

 両チームともにミスが多く決め手を欠く凡戦。こういう展開になると名古屋はペナルティエリア内で突然誰かをドフリーにしたり、楢﨑がポロッとやったりして相手チームに「優しさ」を振りまいちゃうのがお約束だよな・・・などと思って見ていると、天からの贈り物が名古屋に舞い降りた。
 大森がインターセプトからそのままオーバーラップしてグングン持ち上がり、ハーフウェーラインを越えたあたりでファーサイドにいる玉田目掛けてアーリークロス。これをコントロールした玉田が次のタッチで相手の前に出て抜け出そうとしたところで福岡DF柳楽と接触して倒された。柳楽としては身体を入れただけなのだろうが、これがPKと判定されてしまった。名古屋にとってはラッキーな、残留を争う福岡にとってはアンラッキーでは済まされない判定だった。このPKを玉田が落ち着いて決めて名古屋が先制。俺に記憶が確かなら、玉田は豊スタでの鹿島戦でPKを止められて以降、向かって真ん中から右にしか蹴っていないんだけどな。福岡GKの水谷は自分からから見て右側(すなわち反対側)にヤマを張っていた。飛び出すタイミングも相当早かったし、仮にあれで止めていても蹴り直しだっただろう。

 名古屋が先制点を奪ったことで試合開始からの展開はますます加速。ずっと同じテンポで淡々と進んでいく試合の流れに時間の経過がいつもより速く感じられる。

 そして相変わらずミスは目立つもの精神的にも少し落ち着いてカウンター狙いというイメージをベンチ含めて全員で共有している名古屋は、ハーフタイムを挟んで後半15分、相手CKの流れからインターセプトした藤田が持ち出しカウンター発動。その少し前に前に増川がインターセプトから攻め上がった時には並走する選手がFWの二人しかいなくて結局シュートまで辿り着かなかったのに、今度は2トップに加え後方から本田と中村が追走。数的優位な状況で藤田が相手を引きつけるだけ引きつけて左サイドの杉本へ。これを杉本が左足で折り返したところにファーサイドから走り込んで来た中村がボレーで鮮やかに合わせて追加点を奪うことに成功した。まさしく絵に描いたようなカウンター。

 それにしても、ランクル賞の発表もあるホーム最終戦という舞台で、受賞者の本田、ヨンセン、杉本を傍目に、今シーズンクラブではパッとしなかった玉田と中村の二人が得点というなんとも皮肉な展開になった。玉田はW杯でブラジルから先制ゴールを奪い、中村はオシムジャパンになって代表に初選出されたりとそれぞれ別の舞台で一瞬の眩い輝きは放ったが、それぞれが「3億円で移籍」(=玉田)、「昨年のランクル賞MVP」(=中村)ということを考えると、クラブレベルでは「期待を裏切った選手」にカテゴライズされるべき二人だ。是非これを弾みに天皇杯、そして来シーズンでの巻き返しを期待したい。

 リードを2点とした名古屋には一層の余裕が生まれた。名古屋同様攻撃のつなぎにおける福岡の細かいミスに助けられた部分はあったが、スピラールを軸とした守備ブロックはそう感嘆には崩れそうになかった。そして結局そのままの展開で2-0のまま終了のホイッスル。

 確かに試合前からの狙い通りとも言える結果ではあった。少ないチャンスながらカウンターから確実に2得点。その後も選手たちはまずはしっかり守ってカウンターという流れをひたすらに遂行した。ベンチも取り立てて選手交代を行うでもなくただその行く末を見守っていた。俺もチームには少しでも上の順位に行ってもらいたいし現実的に見えている7位に向けて残り試合なにがなんでも勝ってもらいたいと思う。
 ただ試合を見ながらずっとこれで良いのだろうかと思いながら観ていた。かつては黒山の人だかりだったホーム最終戦ですら昨シーズンから空席が目立つようになった。もちろん天気のせいもある。そんなあいにくの天候にも関わらずこの日スタジアムに来たのはチームに強い思い入れを持った人達なのだろうが、もし初めてスタジアムに来ていた人がいたとしたら、この試合を見てまた再び観に来ようと思っただろうか。前節のように味方が一人少ない状況だったりその前の浦和戦のように相手チームとの間に明確な実力差があるのならば(しかも負けているわけではない状況では)それも仕方ないが、この試合のように同等かそれ以下の相手に対して「カウンターで手堅くスマートに仕留めて快勝しました」では名古屋はいつサポーターにスペクタクルを提供するのか。少なくとももう少し攻撃面でチャレンジがあっても良かったと思うし、チームが常勝ではなく発展途上(のはず)の中位であるならば、落ち着いた大人のサッカーを志向するのはまだ早いのではないかと思う。
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by tknr0326g8 | 2006-11-26 23:59 | Game Review
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