Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第22節 vs大宮 5-0 @スカパー
 名古屋がこれほどまでに一方的な試合をしたのは2005年9月10日に瑞穂で行われた柏レイソル戦以来じゃないだろうか。その年のリベルタドーレスカップでサンパウロFCを南米チャンピオンに導いたルイゾンが二試合連続2ゴールとその真価を発揮し、突如確変した杉本がキレキレのドリブルで柏DFを蹂躙したその試合から1週間後ネルシーニョは解任され、全く覇気を感じさせないまま敗れ去った柏はその年J2へと降格したのだった。それから二年の月日が流れ、当時の柏と同じくJ2降格危機にある大宮を相手に、当時柏のエースストライカーだった玉田の先制ゴールで勢い付いた名古屋がここ数試合の鬱憤を晴らすようなワンサイドなゲームを展開したのは何かの因縁だろうか。

 ただ試合は名古屋がキックオフから終始大宮を圧倒していたわけではない。立ち上がり早々に津田がスローインしようとした時誰もボールをもらいに来なかったシーンなどは――観ている側からすれば腹立たしいこと極まりなかったのだが――新潟戦(0-4)、横浜戦(0-3)という惨敗続きによって自信を失っているチームの病巣が深いことを感じさせた。またヨンセンと入れ替わるようにピッチへと戻って来た玉田は復帰後初の先発出場で生き生きとしたプレーを見せていたものの、コンビを組む杉本は玉田との間合いやリズムが上手く掴めないのか試合開始から15分後まで全くボールに触れないような有様だった。
 さらに大宮が4-3-3のような4-1-4-1のようなフォーメーションを取ってくることは分かり切っていたにも関わらず敢えて前節の4バックから3バックに変更したチームも、フェルフォーセンが試合後に振り返ったように大宮に3バックの両脇のスペースを使われて守勢に転じる場面が生じただけでなく、最終ラインからのビルドアップにおいても吉田、阿部の両DFの位置に大宮の配置(プレス)が上手くハマってしまいとても窮屈な状態を強いられていた。

 そんな名古屋がゲームをワンサイドに持ち込むことが出来たのは、試合途中のシステム変更(特に津田の右WHと山口Kの右SB)がハマったことも当然あるのだが、タテパス一本でアッサリとDFラインが決壊していた大宮の状態の悪さに因る部分が大きい。同じ戦い方が今後対戦が続く川崎やG大阪、鹿島に通用するかは全くの未知数だ。大宮戦はあくまでも名古屋にとっての「ボーナスステージ」であったと考え、得意の「切り替え」で次からの試合に備えて欲しいし、そこでどういう結果を残すかで真の評価が下されるべきだろう。

 真価を問われるのは次節以降ということで気になった点をいくつかピックアップ。

■本田のプレースキック
 ミッドウィークに行った国立競技場(五輪代表戦)でも周りの観客が「ブレ球ブレ球」五月蝿かったように、(ライトな層を含む)サッカーファンにはイメージとしてすっかり定着した感のある本田のFK。しかし例えその特徴を実戦の中で磨かせようという意図であったとしても、今のチームで本田にプレースキックの全権を委ねるのはどうなのだろう。それはなにも昨日の試合幾度となくあったCKで本田の左足から放たれたボールが一度たりとも際どいコースに飛ばなかったからだけではない。GKの楢﨑を除けば180センチ台の選手が吉田と本田しかないない昨日の名古屋のスタメンで、その本田をキッカーに回してしまったらターゲットは吉田しかいなくなってしまう。この空中戦での絶対的不利な状況がキッカーの本田に「ピンポイントで蹴らないと決まらない」というプレッシャーを与え、それがキックの精度にも(悪)影響を与えるという負のスパイラルが出来上がっているのではないだろうか。本田はヘディングの競り合いにも強い。であれば玉田をキッカーにし吉田と本田がターゲットとなる方がまだ「可能性」は高いはずだ。

■片山のFW起用
 フェルフォーセンはこの小柄なドリブラーのFW起用をいつまで続ける気なのだろう。第11節の横浜FM戦でFWの駒不足に悩んだフェルフォーセンが後半途中から杉本に代えて投入しカウンターから見事な追加点を決めた。その鮮烈な「デビュー」によってフェルフォーセンの考えは固定されてしまったのだろうか。確かに片山は玉田とともに今の名古屋にあっては貴重ともいえる自らドリブルで仕掛けられるアタッカーだ。しかし決定的な場面で時に迷いすら感じさせるその動きはFWとしての経験値が決定的に欠けていることを感じさせる。チームが今後片山を玉田の後継者と目してFWとして育てていくというなら話は別だが、そうでないなら本職の巻を優先出せるべきだと俺は思う。

■吉田麻也の育成
 コンディション(怪我?)の影響もあるのだろうか、吉田麻也のパフォーマンスが中断前の頃と比べても芳しくない気がする。高さ(特に正面から入ってくるボール)ではそれなりに競り勝って制空権を握ってはいるものの、1対1でアッサリ置いていかれたり、焦って中途半端なフィード(ミス)を繰り返す様に違和感を感じるのは、ユースで絶対的な存在だった頃のイメージが俺の中で根強いからだろうか。それがプロの壁でありプロと高校生の差と言われてしまえばそれまでだが、もしコンディション的な問題があるなら休ませるべきだと思うし、コンディション的に問題がないのだとしても(俺は育成のプロフェッショナルではないのでどちらが良いのかは分からないが)このまま我慢して試合に出し続けて経験を積ませるのが良いのか、一旦リザーブに落として時間を与えるのが良いのかの判断は必要だ。ひとつ言えるのは若い選手は試合に出しておけば伸びるというような乱暴な議論が成り立たないことだろう。

■津田の右WHと山口Kの右SB
 この試合の勝敗を分けたポイントは玉田の先制ゴールもさることながらそれと前後してシステムを3-5-2から4-4-2へと変更したことだろう。なかでも大きな効果を発揮したのが津田の右WHと山口Kの右SBだった。津田はストライカーのWH起用ということで俺のようなレトロなファンにはベンゲル時代の岡山を彷彿とさせるのだが、金正友や中村といった今シーズンこのポジションで試された他の選手と比べてもタテ(ゴール)への意識が強まったことに加えて、本田や阿部といった左サイドからゲームを作ることが多いチームにあって、ラストパス(左からのクロス)に対してPA内に詰める人数が一枚増えたという点でも大きな意味を持っている。ヨンセンというクロスのターゲット足りえる絶対的なストライカーが不在の今だからこそ名古屋に必要なのはクロスに対してPA内に何人の選手が詰められるかになる。そしてそれがこの試合では藤田の100ゴールにつながったことは言うまでもない。
 山口Kの右SBはネルシーニョ時代にも何度か試されたことがあるが、その時は今ひとつフィットせず、俺の中でも完全に選択肢として消えていた。しかしこの試合で急遽右SBに回った山口Kは気の利いたプレーで大宮を完封するのに貢献し、また普段プレッシャーのきつい中盤でプレーしていることもあってか一列下がった右SBの彼から繰り出されるパスはデビュー当時のような軽快さとも呼ぶべきテンポの良さと思い切りを感じさせるものを取り戻していた。そして同じユース出身ということもあってか前の津田、横の吉田との連携も良好だ。

■ミッドウィークの川崎戦に向けて
 大宮を完封こそしたものの守備面では相変わらず大きな不安が残る名古屋。アッサリと間を走り抜かれる最終ライン、そして上でも書いたように1対1に不安がある吉田麻也といった要素を考えると、川崎攻撃陣に名古屋の最終ラインが持ち堪えられる可能性は限りなく低い。そしてさらに致命的なことに名古屋はバイタルエリアの守備が緩い。このスペースでボールを受け前を向くのが得意な形であるジュニーニョによる虐殺ショーが繰り広げられる可能性は高い。大宮戦ではここを強化する意図もあってか吉村がそこに入っていたが相手のフェイントに振り回されワンツーに置いて行かれる様は相変わらず。TVの解説は吉村のプレーを褒めていたが、それは大宮が完全に戦意を喪失した後の話であり――実際守備だけでなくボールを捌く仕事にしても吉村がそれに絡み始めたのは後半で、前半は相変わらずボールから逃げ回っているかのようなプレーだった――そんな吉村の存在が川崎に対する特効薬となるとはとても思えない。
 そんな川崎に対して唯一名古屋が打てる手立てがあるとすれば、それは川崎封じの常套手段でもあるボランチ潰し。前半戦にトヨタスタジアムで行われた試合で名古屋が途中までなんとか川崎と互角に戦えたのは金正友が中村憲とマッチアップして潰していたからに他ならない。今回はその役割を誰がやるのか。横浜戦や大宮戦のように最終ラインの4枚と中盤の4枚が下がって守備ブロックを形成し相手ボランチのマークは2トップがするというような戦い方では通用しないのは明らか。フェルフォーセンの采配に注目したい。
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by tknr0326g8 | 2007-08-26 14:15 | Game Review
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