Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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高円宮杯・グループA vs市立船橋 @秋津
 去年のファイナリスト名古屋が秋津に帰って来た。なんだかここ数年毎年秋津とひたちなかへ行っている気がするが、もしもそれが名古屋がこの大会の常連になっていくことに対する対価であるとすればこの上ない喜びだし俺はそれを甘んじて受け入れるだろう。
 そんな名古屋の初戦の相手は高校サッカー界の雄・市立船橋。今年のチームは夏の高校総体を制し、またプリンスリーグ関東を1位で抜けるなど好調なようで、個々のプレーヤーを見ても年代別の代表選手を何人も抱えている。相手にとって不足なし・・・と言いたいところだが、初戦で当たるにはちょっと厳しい相手かもしれない。しかも会場は市船の「ホーム」と言っても差し支えない秋津だ。市船にはベンチ入りできなかった選手だけでなく、父兄や地元の人、そして高校サッカーファンと多様なサポーターが付いている。それが名古屋の選手たちに余計なプレッシャーを与えなければいいんだが。

 名古屋のスタメンはこんな感じ↓

        アルベス
     岸        太田

 中田   安藤  西山  三島

    西部   津田  三宅

         鈴木規

 試合が始まると市船はこの気温を考え後半に体力を温存しておく考えなのだろうか、それともこれが本来のチームのスタイルなのかは不明だが、リアクションのスタイルを徹底している。一方の名古屋は今年に入って一度市船と対戦していることで立てた対策なのか、長いボールで市船DFラインの裏を突くような組み立てが目立つ。どちらも慎重な立ち上がりだが、そんな中にあっては右サイドをキレキレのドリブルで突破し市船DFを振り回していた太田がひと際目を惹いていた。そしてそんな太田に引っ張られるように名古屋は着実に自分達のペースへと試合を引き込もうとしていた。

 しかしそんな中先制点を奪ったのは総体王者・市船の方。名古屋がようやく後ろからボールをつなぎ始めたなと思った矢先、西山の(横)パスをトラップしようとした西部のコントロールが流れた所を、狙い済ましてインターセプトした市船の選手がそのまま持ち込みペナルティエリアの手前から逆サイドに弾丸ミドルを突き刺した。シュートを打たれた状況では即座にカバーに戻って来た西山も含めて2対3の数的優位な状況が出来上がっていたのだが、間合いが甘く思い切ったシュートを打たれてしまった。GKの鈴木規も後ろから指示を出している時に突然打たれたシュートに少し虚を突かれたようだった。
 どことなく去年の決勝戦(vs滝川第二)の一点目を彷彿とさせるようなゴール・・・選手達の脳裏にも俺と同じシーンとイメージが浮かんだのかどうかは知らないが、この失点からしばらくは名古屋の選手たちにもは明らかに動揺のようなものが見て取れた。逆に先制点を奪って余裕の出た市船にいいようにボールを動かされ走り回らされるかのような時間帯がしばらく続く。このまま行けば後半先にガス欠を起こすのは名古屋の方だろう。

 名古屋にとってそんな嫌な展開を破ったのは中田健太郎だった。左サイドをオーバーラップして積極的に攻撃に絡み、目の前に二人ぐらいDFがいてもものともせずドリブルで中へと切れ込みシュートを放つ。シュートは時として大きくバーの上を通過して行ったが、中田健太郎のそんな強気な姿勢に導かれるようにチームは少しづつ活気を取り戻していった。そして迎えた前半終了間際、ゴールからかなり離れた位置で得たFKで中田が直接ゴールを狙って蹴った強いボール(速報では無回転と書きましたが「やべっちFC」で見たら無回転ではありませんでした)を市船GKが正面に弾いたところに三宅が詰めて名古屋は試合を振り出しに戻してハーフタイムを迎えることに成功したのだった。

 名古屋は前半の途中から市船の両SHの圧力に押されたのか左WBの中田と右WBの三島が3バックの脇まで引っ張られ5バックみたいになってしまっていた。それでもアルベスを中心に前線の3枚と安藤、西山で攻めの形を作ることは出来るのだが、どうしても攻撃に厚みが足りない。後半逆転を狙うのであればいつかこのバランスを崩さなければならないだろう。
 また前半を見ていて気になったのは、市船と名古屋の間に存在するボールとゴールへの執着心の差だ。相手を「潰す」勢いで球際に激しく当たってくる市船に対し名古屋の選手たちはとてもスマートだ。当然競り合いになればボールはことごとく市船の方にこぼれていた。また市船の選手たちはペナルティエリアの近辺にまでボールを運ぶとまず最初にゴールまでの最短な道筋をイメージする。そしてそんな姿勢が先制点につながっていたのは言うまでもない。これらを単に鍛えられたフィジカルの問題で片付けるのは容易いが、そこに高校サッカー界の常勝チームとして幾重にも積み重ねられたプライドのようなものが介在しているのは誰の目にも明らかだった。

 後半になると市船はやはり前に出てきた。キックオフから前線にボールをどんどん蹴ってくる。名古屋は後半立ち上がりにしてさっそく5バックに後戻りしてしまった。とにかくしばらくは我慢でその圧力をなんとか凌ぎ試合が落ち着くのを見計らってから反撃・・・と思っていたら、カウンターからアルベスが市船DFラインの裏へと抜け出し右サイド深い位置でキープ。そこに後ろからサポートに来た三島にボールを戻すと三島がクロスを放り込み、ファーサイドに詰めていたボランチの安藤が頭で決めて名古屋が逆転ゴールを奪う。三島からのクロスが上がった時には真ん中から二アサイドに向かって岸が相手を釣る動きをしており、安藤に飛び込むスペースを作っていた。そしてそこに長い距離を走ってしっかりと詰めていた安藤も立派だった。見る度に進化を遂げているこのボランチもまた名古屋には欠かせないパーツと言えるかもしれない。

 逆転ゴールを決めた名古屋は後半開始間もないこの時間で益々守備重視の慎重な戦い方にシフト。スペースを埋めて市船の攻撃を待ち構えボールを奪ってはカウンターを狙う。そうした中で前(攻撃)へ後ろ(守備)へと誰よりも走っていたのはおそらく岸であり、DFが最終ラインで身体を張るように前線に出たボールに対して身体を張って上手くキープしていたのがアルベスだった。まさにチーム一丸となっての守備といったところだが、特にアルベスは浦和入団が決まっている190cmの市船・橋本を向こうに回して互角以上に渡り合っていた。去年の豊田国際ユースのエントリーでも書いた気がするが、アルベスのプレーから感じられるのはまずその体幹の強さ。そして相手より半歩先に出て身体を入れる上手さと足元の技術もアルベスは兼ね備えている。その柔らかなポストプレーは、それを生業としている選手達(例えば日本代表の巻や去年このチームにいた久保)とは一線を画し、そういった選手達に共通している思わず見ているこちらが息を止めて見てしまうような窮屈さがまるでない。(さっきの岸もそうだが)このアルベスもまだ二年生であることを考えると、この先順調に次にステップへと階段を上がってくれればと思う。

 そうしてチーム一丸となって一点のリードを守り切った名古屋は、いきなり総体王者を下しグループAの首位通過に向け好スタートを切った。

 その他で目立ったのは選手はと言えば、ともに三年生の三宅と西山だろうか。三宅はコンディションがいいのだろう。そのプレーからはアグレッシブさが滲み出ていた。そしてそれが彼自身のプレー、ひいては名古屋DFラインの安定感にもつながっていた。西山はピッチの中央に立ち、まるで俯瞰するかのように攻守に渡ってバランスを取り周りに指示を送っていた。雰囲気がどことなく去年の吉田麻也に似てきた気がするのは気のせいだろうか。言うなれば「小さい吉田麻也」といったところか。イエローカードを一枚もらったのはお約束だが、このカードが願わくば決勝トーナメントまで持ち越されないことを願わざるを得ない。
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by tknr0326g8 | 2007-09-13 02:01 | Youth
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