Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
高円宮杯U-15 vs浦和Jrユース @ひたちなか
 せっかくひたちなかまで行くのだからということで、第一試合の柏vsFC東京(深川)から観戦。試合は昨年ベスト4の東京(深川)を柏がその攻撃的なサッカーで前半から圧倒する展開。柏はマイボールになると次々と後ろからオーバーラップを仕掛けてくる攻撃的な姿勢をチームとしても明確に打ち出していて、個々テクニックレベルも非常に高い選手たちが自由な発想でプレーしているから観ている側にもとても楽しいサッカー。一方の東京(深川)は、前線と最終ラインに高校生の中に入れても全く見劣りしないぐらいの大柄な選手を並べてガツガツと相手に当たり、オーソドックスな型(戦術)にハマったサッカーをしている。そんな両者の対戦は、なんだか一昔前のチャンピオンズリーグでスペインのクラブとイングランド・プレミアリーグのクラブが対戦した時のような趣き。
 試合は試合の流れそのままに前半のうちに柏が3点をリード。東京は1点を奪われた後、セットプレーのこぼれ球からミドルを決めて同点に追い付いたかと思われたシーンがオフサイドで取り消される不運もあったが、前半のうちになんとか1点を奪い返した。東京は柏の両SBが上がった裏へFWが流れてカウンターという形を徹底して活路を見出していた。それでも柏は攻撃的なスタイルを止めないし、カウンターになっても前線の選手は必要以上に守備に戻らないで前線に留まっていて、ディフェンスはほぼ数的同数のDFが個々の能力で対応するといった感じ。ただある意味中学生らしく、ペース配分を考えていないと思われる攻撃的なサッカーは前半終了間際にはガス欠の気配を感じさせつつあったのが気掛かりだった。
 古き良き時代のスペインのエスプリを感じさせる柏の攻撃サッカーを満喫した俺は、後半開始に合わせて隣のグラウンドで行われていたFCみやぎバルセロナの試合へ移動し、しばらく観戦した後戻ってくると東京(深川)がさらに1点を奪い返しスコアは3-2になっていた。見るとすでに柏の選手たちはスタミナ切れから青息吐息の状態。それでも攻撃になれば前の3人ぐらいでシュートまで持って行き決定的なチャンスを作り出している。ここで一点でも決めていれば試合は決まっていたかもしれない。
 前半から攻撃的で非常に面白いサッカーをしていた柏だが、トーナメントを勝ち抜く上ではあまりにもディフェンスが脆弱だった。前半何度となくサイドのスペースを突かれたためか、後半からSBを入れ替えたようだが、それは個人の問題というよりもむしろ組織の問題だから人を入れ替えただけでは東京(深川)の攻撃を抑えられるはずもない。そもそも守る人数が少ないわけだから仕方のない部分もあるのだが、4人のDFラインでもボールにアプローチに行く選手とカバーに入る選手といった基本的な役割分担も出来ていないし出て行くタイミングも良くないから、ポストを使った簡単なワンツーでアッサリとDFラインを破られるシーンが続出。その折り返しに対して中でフィジカル的な勝負を挑まれるといかんともしがたい感じだった。
 そしてその後長い長いロスタイムの1点を含む2点を奪った東京(深川)が逆転での準々決勝進出を決めました。柏がここで消えてしまうのは残念ですが、観ている側としては存分に楽しませてもらったし、驚異的なスピードで右サイドを何度も切り裂き往年の神丸を見ているようだった7番の鳥山や、独特のルーレットを駆使したテクニックで東京DFを振り回していた19番の仲間といった選手が今後どういった成長を見せるのかもとても楽しみです。

 と、「前置き」が長くなりましたが、ようやくお目当ての第二試合。
 第一試合で技術的にも高くアグレッシブでおまけに0-3からの大逆転というドラマティックな試合を見せられた観客からすると、両チームともに慎重で全体的に動きも少なくロングボールを蹴り合うような展開でスタートしたこの試合は、会場の大部分を占めたサッカー少年(中学生)が口走っていたように「つまらない」試合に映ったかもしれない。実際スタンドはかなり緩んだ空気に支配されていたようにも思える。そしてタッチラインを割ったボールを拾おうとしたカメラマンが足を滑らせて転倒したシーンがそれに拍車をかける。しかし時間の経過とともに両チームが試合に馴染んで来ると徐々にそれぞれのカラーを出し始めた。
 最初に持ち味を発揮したのは浦和。浦和が特徴とする前線からの強烈なプレスは(それがハマるかハマらないかは別問題として)どちらかと言えばどのような状況下においてもそれが発揮しやすい特徴なのかもしれない。そしてそのスタイルは、後ろから細かくパスをつないでいく名古屋のスタイルに対してはバッチリハマっていた。名古屋は15分ぐらいまで前へとボールを運ぶことが出来ずほとんどハーフコートに押し込められた状態が続く。ゴールキックを近くにDFに出す→詰められる→戻す→詰められる→大きく蹴り出す→拾われる→なんとか浦和の攻撃を凌いでゴールキック→近くのDFに出す→詰められるという無限ループ状態。そしてそんな中からDFラインで相手にボールを奪われて与えたコーナーキックで、スルスルとファーからニアに入ってきた相手に付ききれずフリーでヘッドを合わされ先制点を許してしまう。

 その後15分を過ぎぐらいから少しづつ前にボールを入れられるようになってきた名古屋だったが、トップチーム同様後ろに人数を残してなんとも手堅い戦い方をする浦和は中盤から後ろも非常にタイトでボールへの寄せが早く、名古屋はなかなか人数を掛けた攻撃に転じることが出来ない。前線の高原もほとんど1トップ状態で孤立していて、アタッキングサードにおける名古屋の攻め手が小幡と高原による独力のドリブル突破だけではなかなか浦和ゴールへと迫ることは難しかった。それともベンチはある程度こうした展開になることを予想して前半は敢えて抑え目な(守備的な)入り方をしたのだろうか。

 後半予想通り浦和のペースが落ちてきた。そうなれば名古屋のつなぐサッカーが生きてくる。そして名古屋の特徴は単にパスをつなぐだけではなくて、そのボールコントロールの上手さにあった。前半と比べれば浦和のプレッシャーが弱まっていたこともあったのだが、それぞれの選手が相手のプレッシャーに晒されても上手くボールをコントロールしてそれを交わし味方へとパスを送るということが普通に出来ている。ファーストコントロールでボールをどこに置くかということも含めて非常によくトレーニングされている印象だ。ボールを受けてから考えるどこかのトップチームとはえらい違い。
 そして迎えた決定機。右サイドの福田からニアに入り込んで来た高原へとグラウンダーのパス、これを高原がヒールで落として右サイドからクロスすように走り込んで来た後方の樋江井にパス。樋江井はこれを逆サイドに逃げる動きをしていた小幡へつなぐ。これを受けた小幡がPAエリア内へと侵入してGKを外して左足でシュート。惜しくも戻って来た浦和DFがゴールライン上でクリアしたが、一連の流れるような攻撃は実にエレガントでこのチームの真骨頂とも言えるシーンだったのではないだろうか。
 たら・ればを言えば、これが決まっていればこの試合の勝者はひょっとしたら名古屋だったかもしれない。しかし決定機を逃した名古屋に対し追加点を奪って試合を決めたのは浦和だった。後半の名古屋は苦しい場面でも大きく蹴り出したりせず必ず味方につないでいたのだが、失点シーンでは右サイドでの苦し紛れのクリアがペナルティエリアの外あたりで待ち構える相手に渡ってしまった。
 その後名古屋は途中出場の加藤翼のゴールなどもあり怒涛の追い上げを見せたが追いつくことは出来なかった。あと一歩のところでは浦和が、良く言えば身体を張り、悪く言えば「大人のファール」で名古屋の攻撃を阻んでいた。そしてPAエリアのすぐ外側で得たFKを直接狙った小幡のキックがGKに直接キャッチされて試合は終幕。

 試合に負けはしたが名古屋は素晴らしいサッカーを展開したと思う。そして名古屋が見せたサッカーが浦和とは対照的だったからこそ見えてきた部分も多かった。危険なところをファールで止めるのは一見大人のサッカーのようだが、この年代でもれなくそんなプレーをしていては選手としての伸びシロはないだろうし、前線の選手たちによるフィジカルに支えられた個の能力によるカウンター攻撃はもし自分たちをフィジカルで上回る相手と対面した時どうするのだろうか。名古屋のこのチームの場合170cmを越えるような選手がほとんどおらず、現実的にそうしたフィジカルを前面に押し出したスタイルが出来ないという事情はあるが、テクニックで相手のプレッシャーを交わしながら、ショートパスで攻撃を組み立てるスタイルはどことなくメキシコ代表を思い起こさせ、将来において名古屋のユース(U-18)やトップチーム、さらには日本代表が目指すべき方向性を示していたと言っては判官贔屓が過ぎるだろうか。

 名古屋に関して気になったのは大きな展開が見られなかったこと。あそこまで徹底してショートパスをつなぐのを見ていると敢えてそうしているのだろうと思われるが、ひとり飛ばしたり、逆サイドまで振ったりすれば、もう少し楽に浦和のプレッシャーを抜けられるのになぁと思ったシーンが何度もあった。あとこの試合に関して言えば、中盤から前線へと飛び出していくようなシーンも少なかったように思える。まあこの辺りに関しては俺はこのチームをこの一試合しか見ていないし、同時にこの年代の善し悪しを図るような物差しもなければ、相手も強いチームだったからというのもあると思うのでなんとも言えない部分でもあるが。

 気になった選手はやはりFWの高原。前を向いても相手を背負ってもプレー出来る本格派のストライカーで、相手を背負っての鋭いターンからの突破はドイツにいる「本家」を連想させる。おそらくは一学年上の浦和DFを相手にしても一歩も引いていなかった(というよりむしろ上回っていた)し将来が楽しみな選手だと思う。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-12-25 01:19 | Youth
<< 高円宮杯U-15  決勝 G大... 高円宮杯U-15  vs浦和 ... >>