Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2008 第7節 vs千葉 @スカパー
 前節清水戦の勝利でシーズン序盤ながら首位に立った名古屋。しかし相手チームから研究され始めるであろう今後、その戦いがこれまで以上に難しいものとなるであろうことは容易に想像できる。サッカー(観戦)日和のホーム瑞穂に、今シーズン未だ未勝利の千葉を迎えたこの試合もまさしくそんな展開となった。

 今シーズンの名古屋はコーナーキックのディフェンス時にベンゲルとフェルフォーセンの中間のような守り方を採用している。ゴールマウスの中にGK以外に二人のDFを立たせるところはベンゲル流。ゴールエリアの横のラインに沿うように一列にラインを作ってゾーンで守るところはフェルフォーセン流。その二つを組み合わせたような形だ。しかしこの守備方法は第4節の大宮戦で既に綻びを見せ始めていた。セットプレーをゾーンで守る相手に対して、そのゾーンから外れたポイントにボールを入れるのは常套手段だが、名古屋の場合は一列に作ったラインの前方(すなわちゴールから離れたところ)がウィークポイントになる。フェルフォーセンの時には長身プレーヤー4人ぐらいでラインを作って、それ以外の選手に前方のスペースなどをケアさせていたが、今の守り方だとゴールマウスの中に二人の人数を割いているのでそのスペースをカバーし切れない。中村と吉村がラインの前に二人並んで立ってはいるものの根本的な人数不足に変わりはなく、前節の試合でも清水は徹底的にそこのスペースを狙ってボールを入れてきていた。
 では清水にゴールが割れず大宮と今日の千葉にゴールが割れた理由がどこにあるかと言えば、それはボールの質ということになる。清水は狙い通り名古屋のラインの手前で青山らがヘディングで合わせることに成功していたが、そこはあくまでヘディング、ゴールから離れれば離れるほどその脅威は減少する。しかし一旦ゾーンを外されて足でシュートを打たれるとこれはちょっとキツイ。それに加えて今日の失点は、ややラッキーなPKで幸先良く先制点を奪った油断からか、試合後にピクシーが語っていたように集中力が切れていたことと、いつもよりラインの位置が低かったこと(ゴールエリアの中に敷いたラインはパッと見た目だけでも既に違和感を感じさせるものだった)などの要素が加わってのものだった。
 個人的には、ベンゲル流とフェルフォーセン流の二つのやり方を取り入れつつも“おいしいどこ取り”になっていない今のやり方は今後変えていく必要があると思う。少なくともコーナーキックについてはラインによるゾーンで守ることをやめてマンツーマンにすべきだろう(もしくはラインではないゾーンディフェンス)。そもそもゾーンのイメージが強いアーセナルですらコーナーキックではマンツーマン(+マウス内に二人)を採用している。コーナーキックではオフサイドがないのだからラインを敷くことに意味がないのは当たり前と言えば当たり前なのだが、ピクシーが今のやり方にこだわるのか真意はどこにあるのだろうか。

 名古屋にとってもうひとつのアキレス腱はDFラインの前のスペースだ。ピクシー自身が「全てのスペース埋めることが出来る」という理由で4-4-2を採用しているはずなのだが、普通の4-4-2での守備と比べると後ろで4+4のブロックが形成出来ていないシーンが目に付く。特に小川やマギヌンといったSHのポジションを中心に二列目で上手くスペースが埋められていないことが多いし、二列目と最終ラインとの間でのコンビネーションにも課題が残る。これまでの試合では前線からのプレスによって中盤で潰すか、アタッキングエリアにまでボールを持ち込まれた時には最終ラインの4人でチェック&カバーの役割分担を徹底させることでなんとか凌いできたが、例えば大宮戦では最前線のペドロ・ジュニオールに当てて落としたボールを名古屋のDFラインと中盤のラインの間で二列目の小林大悟や内田が拾うといった形に苦戦を強いられていたし、横浜戦は後半セカンドボールが拾えず一方的に押し込まれてしまった。清水戦でも長谷川健太が「空く」と指摘していたのが中盤の両サイドのスペースだった。今日の千葉戦でも後半にDFラインと中盤のラインの間で苔口に前を向いてボールを持たれて青木孝太にスルーパスを通されたようなシーンもあったし、失点シーンもここを突かれたような形だった。
 失点シーンは、サイドのスペースを突いて来た千葉に対して、最終ラインは(直前のロングボールの競り合いの影響もあって吉田麻也と阿部が入れ替わってはいたものの)全体がスライドして中央のマークもしっかり出来ていたが、2列目は後ろから飛び込んできた相手を掴み切れていなかった(この場面では特に吉村がサイドに出ていたので小川が千葉のゴールを決めた選手、また飛び込んできたスペースをケアすべきだった)。
 名古屋のボランチ二人(吉村&中村)はともにディフェンスでもハードワークが出来る選手だし、そのことによってチームに一定の安定感が与えられていることは事実だが、ボールに連られやすい吉村とプレーの切り替えが遅い中村はともにポジショニングに問題を抱えている。今後2列目からの飛び出しをキーワードに対戦相手から攻め込まれたら名古屋が苦戦を強いられることは必至だ。これを解消するにはピクシーが試合を通じて常に指示しているDFラインの押し上げが生命線になるだろう。幸い最近の楢﨑は飛び出しも安定している。深手を負う前に少しづつ修正していって欲しい。

 あと気になったのは選手の疲労。4月~5月にかけては一週間に二試合が行われることも多い。今日の試合も水曜日のナビスコカップから中二日のハードスケジュールだった。中盤や前線などそれなりに代役がいるポジションであればいいが、特に心配なのが代わりがいない左SBの阿部。左SBをこなせる選手がまったくいないわけではないが、本職としてのディフェンスや単なるオーバーラップからの攻撃参加のみならず、その左足から繰り出される正確にして鋭いキックが攻撃の起点として、センターハーフの二人のビルドアップ能力の欠如(例えば吉村はサイドにボールを散らすのは上手いがタテにクサビのボールを入れるのが苦手だし、中村はどちらかと言えば周りに使われたり自分自身で前にボールを運ぶタイプのプレーヤー)を補っている阿部の代役は渡邉や片山には難しい。特に運動量とハードワークを要求されるポジションだけに、オランダあたりで相変わらず一部残留争いを続けている“悪魔の左足”を持った選手を阿部のサブとして引っ張ってこれないでしょうか。

 ちなみに攻撃については俺は意外と楽観視している。これから迎える夏場など、今の運動量を要求されるスタイルを継続することが難しくなる局面もあるかもしれないが、ヨンセンの高さと杉本のスピード&モビリティというカードを持っている名古屋にはロングボールという最もシンプルにして有効な奥の手があるからだ。それを考えても、最終ライン+中盤での守備ブロックの確立は名古屋にとって目標の5位以内を目指す上での最大のテーマと言えるのではないだろうか。
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by tknr0326g8 | 2008-04-20 02:01 | Game Review
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