Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2008 第13節 vs札幌 @札幌ドーム
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 後半途中までという(時間)制限付きではあったものの、札幌ドームでの札幌×名古屋戦を観戦することが出来ました。

 前半の名古屋は前節神戸戦の教訓が全く活かされておらず――札幌が名古屋を十分に研究していたことを差し引いても――そのパフォーマンスはブーイングに値するものであったと言って過言ではない。そして俺もたまたま観戦した去年の選手権一回戦で何も出来ないまま敗退(vs境@等々力)した室蘭大谷高校出身のルーキーでU-19代表候補でもある宮澤にプロ初ゴールをプレゼントしたありはいかにも名古屋らしい展開だった。
 ただ今シーズンの名古屋は試合の前半と後半でパフォーマンスがガラッと変わることも多々あるだけに、後半札幌の足が止まったところでチーム力に勝る名古屋が同点→逆転というシナリオは十分に予測し得る事態でもあり、なんとなく後半に入ってしまった札幌に対して立ち上がりに同点、そして俺がスタジアムを後にする前に逆転、さらに珍しくダメ押しゴールによって試合まで決めてしまったことはある意味予定調和だったのかもしれない。

■札幌の守備ブロック
 札幌は最終ラインと中盤でそれぞれ4人がフラットに並んでピッチの横幅をカバーして守備ブロックを形成する定番の4-4-2。最終ラインに平岡、柴田、吉弘、坪内といういずれもCBタイプを並べるのものいかにもヨーロピアンテイストだが、名古屋の攻撃の仕上げがサイドからのクロスをヨンセンに合わせるパターンであることを考えると、DFラインがスライドしても常にCBタイプが中央に三枚残るこの組み合わせは意外と効果的かもしれない。
 整備された2ラインによる守備ブロックに加え、前線からアグレッシブにプレスを掛けてくる札幌に対して名古屋は前半明らかに受けに回ってしまっていた。前線では札幌の激しい当たりと素早い囲い込みにキープすることが出来ず、プレスに押されてボールはどんどん後退。逆にパスミスから奪われたボールを素早くタテ(前線)に入れて速攻を仕掛ける札幌は、名古屋の最終ラインと中盤のラインのギャップを突いて次々とチャンスを作り出す。雰囲気的には昨年の天皇杯のホンダFC戦を思い出させるような展開だった。

■コンサ中盤の王様・クライトン
 札幌の攻撃の軸はパワフルな突破を図るFWのダヴィもさることながら、やはりクライトンの存在感が絶大。広い視野から敵の急所をエグるように繰り出されるパスは三年前に在籍していた名古屋時代から変わらないが、守備面でも相手からボールをむしり取るように奪うパワフルさを残しつつ意外とグループの中でもフィットしている印象だった。元々チームのために闘える選手だけにこういう札幌のようなチームは合っているのかもしれない。

 そんなクライトンを最初に日本に呼んだのは名古屋(ネルシーニョ)だった。当時の名古屋は、強力な2トップ(ウェズレイ&マルケス)がいるにも関わらず、奪ったボールを彼らに預けてキープしている間にオーバーラップから波状攻撃を仕掛けるリアクションスタイルから抜け出せずにいた。それはピクシーがまだ現役でベンゲルが監督をしていた頃から名古屋の伝統的なスタイルではあったが、2トップが押さえられるとお手上げという状態から脱却するためには、中盤でゲームをコントロールし前線へとボールを運べるクライトンのようなプレーヤーが必要不可欠だった。まあクライトンを連れて来たら連れて来たで今度は中盤(ゲームメーク)が極度のクライトン依存になり、オシム率いる千葉にクライントンのマンマークを付けられた途端に機能不全に陥ったこともあったわけだが。

 と、なんでこんないつかも書いたようなクライトンの思い出話をしているかと言うと、当時ネルシーニョに見切りを付けられたWボランチこそが今の名古屋のセンターハーフコンビでもある中村と吉村の“ムラムラ・コンビ”であり、今の名古屋が相手にしっかりとブロックを作られてサイドに蓋をされると成す術がないのは、ゲームを作るという部分においてこの二人がセンターハーフとして物足りないからに他ならない。そのうち改めて書こうと思っているが、中村を中心に巷では極めて評価の高い今のセンターハーフコンビのパフォーマンスに俺は満足していない。

■札幌の名古屋対策・その1
 中盤とDFの二つのラインが連動して守備ブロックを形成していた札幌とは対照的に、名古屋の守備は相変わらず最終ラインと中盤との間にギャップがあり、それぞれが別々の動きをしているような印象だ。名古屋はアタッキングエリアで相手にボールを持たれると、DFラインがタイミングを見ながらラインをブレークしてチェック&カバーの役割分担を徹底することでなんとか相手の攻撃を防いでいるが、そこに中盤からのヘルプはない。そんな名古屋にとってバイタルエリアはギャップを作りやすいアキレス腱であり、札幌もボールを奪ったらいきなり裏に蹴るのではなく、2トップが一旦このスペースでボールを受けることを徹底していた。
 これまでの名古屋を見ていてもやられるパターンはこのスペースを使われるパターンがほとんどで、このスペースでボールを受けた強力なFWが前を向いてドリブル突破を仕掛けたり、中盤の選手にこのスペースから余裕を持ってスルーパスを通されたり、ここから精度の高いミドルシュートを打たりすると、DFラインだけは正直どうしようもない。この試合では札幌の攻めがいずれもカウンターからだったので一概には組織的な欠陥とも言えない部分はあるが、ペナルティエリアの外で前を向いたダヴィにドリブル突破を仕掛けられて吉田がイエローカードをもらったシーンや、クライトンからの絶好のスルーパスに抜け出した砂川が楢﨑と1対1になったシーン、そして前線でダヴィが潰れてその後方にいた宮澤がフリーで放ったミドルシュートがゴール左隅に突き刺さったシーンなど、この試合で名古屋が迎えた決定的なピンチはいずれも典型的なパターンだった。

■札幌の名古屋対策・その2
 セットプレーでも札幌は名古屋の弱点を徹底して突いてきていた。この試合最初のCKでダヴィを二アサイドに走り込ませて合わせたシーンに始まり、ことごとくアウトスイング系のボールで名古屋のゾーンから外れたところを狙い続け、後ろにこぼれたところを二列目から走り込んでミドルシュートで狙う形。シュートはいずれも枠をそれたが、精度の高いシュートを放てる選手がいたらセットプレーだけでやられていたかもしれない。

■スーパーサブ・杉本
 後半になって動きが落ちてきた札幌に対し、後半開始直後の同点ゴールからしばらくは両チームオープンな攻め合いになったが、試合を決めたのは途中交代で登場した杉本だった。去年のこの時期に代表候補に選ばれた時はほとんどおまけのような感じだったが、今シーズンの杉本はは先発で試合に出ていさえすれば(候補でない)代表に選ばれてもおかしくないぐらいのブレークスルーを果たしたと俺は思っている。
 明らかに何かを掴んだ杉本が一体何を掴んだのかと言えば、それは間合いに他ならない。絶対的なスピードを持ちながらも余りにも相手と近過ぎる間合いで勝負を仕掛けていた昨年までは、まるで相手の足元に向かって突っ込んでいるかのような「自爆ドリブル」で憤死していたケースがよく見られたが、今シーズンは誰かからのアドバイスがあったのか、非常に良い(杉本の良さを活かせる)間合いで相手と勝負出来ている。願わくば今の杉本が再び代表に選ばれて、日本人とはリーチの異なる外国人選手と対戦し肌でそれ感じる中でさらにその間合いと駆け引きに磨きを掛けてくれれば言うことはないんだが。

■U-23代表候補・吉田麻也
 帰りの羽田行きの便で、20日から始まるツーロンへ向かうためチームとは離れてひとり東京へ向かう吉田麻也の姿がありました。今回のフランス遠征での吉田の背番号が「19」で、北京五輪の登録選手枠が「18」ということからして、既に厳しい戦いになるであろうことを物語っているが、まずは国際試合の中でしっかりとアピールして欲しいところ。実力的には選ばれても何ら不思議ではないが、CBのポジションには(G大阪で試合に出ていないとは言え)このチームで予選からキャプテンを勤めていた水本、同じく予選で不動のレギュラーだった青山と伊野波がいて、その次が森重あたりだと思われる。吉田にとっていばらの道ではあるが、北京のピッチに立っている吉田の姿を俺も見てみたい。
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by tknr0326g8 | 2008-05-17 16:44 | Game Review
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