Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
J1 2008 第23節 vs清水 @スカパー
 二度のリードを許しながらも最後は3-2と好調・清水を降した試合は、生まれ変わった名古屋が身に付けつつあるチームとしての確かな力と依然としてチームが抱える課題の双方を改めて浮き彫りにするような展開だった。

 清水はまずしっかりとした守備からゲームに入るプランだったようだ。そして名古屋のことをよく研究していた。キックオフから名古屋にポゼッションを許した清水だったが、押さえるべきポイントをしっかりと押さえそこから名古屋のウィークポイントを狙った攻撃へと移行する清水に全く動揺は見られない。まず守備では、サイドにボールが渡ると清水はサッと数的優位を作ってそこを塞ぐことを徹底していた。名古屋の攻撃の定番はSBのオーバーラップによって数的優位を作り出すサイドアタックだが、清水は名古屋のSBがオーバーラップする前に先に数的優位を作ってしまったわけだ。もっと言うなら、清水はそのサイドのスペースに敢えてボールを引き込んでいたと言えるかもしれない。4枚のDFラインとその前の3枚の中盤がペナルティエリアのラインをまたぐようにコンパクトに並びスペースを消す守備陣形といい、名古屋が今季初黒星を喫した東京V戦を思い起こさせる光景だった。
 それでも名古屋は阿部の左足から放たれるダイナミックなサイドチェンジなどによって素早くサイドへとボールを展開してサイドで1対1の状況を作り出すようなシーンも何度かあり、ゴール前へとクロスボールを送るようなシーンも何度かあった。しかしそこに待ち構えていたのは清水の二枚目の壁。名古屋がサイドから入れるクロスボールに対して、清水は鉄則通りに最終ラインがスライドし、CBの二人と逆サイドのSBの計三人がゴールエリア内に立ってスペースを消していた。またアンカーの伊東と逆サイドのMFもボックスに入って最終ラインと挟み込むようにクロスに備えている。これではいかにヨンセンと言えどもクロスボールに合わせてシュートをゴールに叩き込むことは難しい。名古屋の攻撃がパスを回しながらもなかなかシュートまで辿り着けなかったのはこのためだ。

 攻撃面でも清水は名古屋のウィークポイントを突いた形で何度となく名古屋ディフェンスを慌てさせるような場面を作り出していた。名古屋のウィークポイントは言わずと知れたDFラインと中盤のラインとの間に大きなスペースが出来てしまうことで、名古屋がここを突かれるパターンはいくつかあるが、この試合で目立ったのはセカンドボールを拾われるパターン。名古屋の最終ラインは阿部を除く三人が180cm台の長身で特に真ん中のバヤリッツァ、増川(吉田)の高さは際立っており、ロングボール(縦パス)であればほとんどはね返してしまうし単純なハイクロスでは失点する気がしない。しかし名古屋ディフェンスを崩す上でロングボールというのは実は有効な手段のひとつだ。ロングボールを入れてダイレクトにゴールに直結する可能性は皆無に等しいが、バヤリッツァや増川がはね返したボールを狙えば、それを拾った選手はかなりの確率でフリーで前を向ける。これは半分冗談だが、バヤリッツァや増川が落としたボールを拾うという意味では、バヤリッツァや増川は相手チームのポストプレーヤーとして機能している。
 DFラインと中盤の間のスペースでボールを持った枝村やマルコス・パウロが放った強烈なミドルシュートは楢﨑がGKでなかったら勝敗は逆だったかもしれないと思われるほどのインパクトがあったし、後半立ち上がり早々に矢島に左足で決められた素晴らしい弾道のミドルシュートを「事故」と片付けるのは容易いが、このゴールやホームの鹿島戦で小笠原に決められたスーパーなミドルシュートを「事故」と言っていては、悲劇は(低確率ながらも)繰り返されていくだろう。

 それでも名古屋はこの試合二度のビハインドを追い付きスコアを引っ繰り返した。名古屋の得点は、サイドで1対2の数的不利な状況をドリブルでブチ抜いた小川のアシストや直接FKを壁越しに沈めた玉田のFKといった個人能力に依るものであり、なんでもないハイクロスをキャッチし損なった清水GK西部のミスをマギヌンが抜け目なく決めたものだ。これをチームで奪ったゴールと言うのは少々憚られるが、それでも選手達は間違いなく精神的に強くなっているし、これをチーム力ということに対しては何の躊躇もない。願わくば、どうやら確変を終了したらしい杉本が一巡目の対戦と同様に最後に廻って来た決定的なチャンスをしっかりと決めて清水の息の根を止め、ナビスコカップの決勝で対戦するかもしれない相手にトラウマを与えておけば文句なしだったのだが。
[PR]
by tknr0326g8 | 2008-08-30 00:51 | Game Review
<< なでしこリーグオールスター2008 J1 2008 第22節 v... >>