Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2008 第27節 vs浦和 @スカパー
 ほんの数年前まで中村直志は浦和キラーと呼ばれていた。2003年の2ndステージで優勝目前だった浦和を相手に勝ち越しとなるヘディングゴールを叩き込んだのも、翌年豊田スタジアムで都築が一歩も動けなかった大空翼顔負けのドライブシュートを含む2ゴールを決めたのも、その年のナビスコカップ準決勝で4失点を喰らい完敗を喫したチームにあってドリブルからのシュートを決めて一矢を報いたのも中村直志だった。かつて中田英寿がユヴェントス戦になると決まってゴールを記録したように、浦和戦はいつも中村がゴールを決めてくれそうな雰囲気が漂っていたものだ。

 大混戦のJリーグ、残り8試合となった段階で迎えた首位攻防戦で口火を切ったのもそんな中村の雨天を切り裂くようなミドルシュートだった。シュートは都築に阻まれたものの、それは立ち上がりの名古屋イレブンに活気を与えるには十分で、試合序盤は名古屋のペースになった。
 浦和は今シーズン三度の対戦の対戦でいずれも大敗を喫している反省からか、名古屋のサイドアタックを封じるために両アウトサイドが3バックの脇まで下がってポジションを取りボランチと挟み込むような対応をすることが多かった。これによって名古屋のサイドアタッカーに自由を与えず、また3バックがサイドに引っ張り出されずに済むことでアーリークロスに対してもペナルティエリアの中で万全の対応が出来る。しかしこれではゴール前を固めることは出来てもなかなかセカンドボールを拾えないしパスをつないで攻撃に転じることが出来ないのも事実で、名古屋にとってはゴールへと近づくことは出来なくても危なげない試合展開だった。
 試合展開が変わってきたのは20分過ぎ。浦和の攻撃を担う3人のプレーヤーが名古屋ディフェンスの泣き所であるDFラインとボランチの間のスペースでボールを受けるようになり、そこにボールが収まることで後ろからどんどんと押し上げが可能になってきた。こうなるとただでさえ玉田の守備に全く期待が出来ない名古屋の中盤でのディフェンスはいつも以上に「後追い」度合いが増してくる。中盤でボールを動かされて受けに回ると弱いのが今シーズンの名古屋の特徴だ。中盤とDFラインでマークの受け渡しが不明瞭になる悪癖が顔を覗かせ始めた名古屋に対し、一人一人が力を持っている浦和のアタッカーがこの隙を逃すはずはなく、高原にフリーで抜け出されて決定的なシーンを作られたかと思えば、下がってボールを受けた高原に前を向かれてペナルティエリア近辺まで独走を許し、そこを起点としてエジミウソンのゴールを決められてしまった。

 少し嫌な雰囲気を持ったまま迎えた後半、しかし開始早々にその雰囲気を断ち切ったのは小川と巻のホットラインだった。チームに勢いを付けるにはもってこいの若手プレーヤーによる電光石火のゴールが決まって盛り上がる名古屋に対して、浦和はやはり過密日程が響いてか後半かなり早い時間帯から足が止まり始めた。こうした展開になると生き始めるのが玉田だ。広く開いた中盤のスペースでボールを受けるやスリッピーなピッチを泳ぐように(どことなくアメンボっぽいドリブルで)進んでいく玉田は文字通り水を得た魚。正直なところ前半のようなガチンコ状態での玉田の左SH起用は成功だったとは言えないと俺は思っていて、それはどことなくシーズン前にマギヌンがドリブルのし過ぎだとピクシーから注意を受けたことを連想させる。もちろんこのチームで玉田が左SHでプレーするのは初めての経験であり仕方のない部分はあるものの、玉田は意外と不器用なタイプなのかもしれないと思いながら俺は試合を観ていた。しかし中盤でスペースが空いてくればサイドハーフではなくトップ下としての玉田が輝きを放ち始める。ピクシーはこの後ヨンセンを外して杉本を投入し、巻、玉田、杉本の3トップっぽい形にしていたが、玉田を敢えて前線に出さずにトップ下に置いた4-2-3-1のような形にしていれば玉田の良さはもっと生きていたかもしれない。

 そしてやはりこの試合を語る上で欠かせないのが中村直志。浦和という対戦相手、そして大観衆を前にした中村の感覚は研ぎ澄まされていた。滅多に見せないペナルティエリア内への侵入(フリーランニング)を絶妙のタイミングで試みたかと思えば、攻め上がったバヤリッツァが空けたスペースを自然と埋めていた場面に代表されるように気の利いたポジショニングでカウンターを防ぐ場面もあった。浦和の選手達の動きが特に後半鈍っていたこともあるが、攻守において中村の判断はいつもの二割増しで速く、そして中村自体の動きもいつものように後半落ちることはなかった。中村が常にこれぐらいのパフォーマンスを維持できればチームの安定感も増すことは間違いないのだが。
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by tknr0326g8 | 2008-09-30 01:30 | Game Review
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