Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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2005年 09月 03日 ( 1 )
横浜戦プレビュー 予定調和
 いよいよ崖っぷちまで来ちゃったなぁっていう印象。それでもまだ横浜より順位は上なんだけど。(笑)

 ひょっとっしたら300万ドルを置き土産に名古屋を去るかもしれないルイゾンはともかく、藤田までスタメンから外す事態はちょっと想定外。

 こういう状況で思い出すのは、名実ともにチームの顔的存在だった「例のトリオ」を外して臨んだヴェルディ戦で、(ピクシーも累積警告だかで不在の)サブメンバーが気持ちを前面に出したいい試合をしたが、レフェリーの試合を決定付ける誤審なんかもあって結局負けてしまい、試合後辞任を表明した田中孝司。

 藤田は今の名古屋のフィールドプレーヤーの中では間違いなくNo.1プレーヤーで、怪我とかコンディション不良でもないのにこういうプレーヤーをメンバーから外す場合、もし試合に負ければ責任という名の批判は全て監督に降り注ぐことになる。ひいてはそれが監督の進退問題につながることも少なくない。確かにチーム状態は悪いが、今そこまでの賭けに出る必要ではあったのかどうか。俺はそういう事態が起こるとすれば、(判断の是非はともかく)楢﨑がスタメン落ちするときだと思っていたが、藤田が先に手をつけられたのは意外だった。

 俺自身の考えとしては、藤田俊哉をスタメンから外すのは反対だ。それはさっきも書いたように、藤田が名古屋のフィールドプレーヤーでは最も優れたプレーヤーだからで、それは「実績」という面でも、ピッチ上でのプレーの「実効性」という面においても疑いの余地はない。そして今の藤田が怪我やコンディション不良を背負っているわけでもない。そんなプレーヤーを外すことは、少なくとも俺の中では考えられない。
 しかしサッカーは同時にチームスポーツでもある。ひとりのスーパーなプレーヤーよりも11人のプレーヤーの集合体としての実効性の方が問われるのも事実だ。ネルシーニョは様々なパターンを試した今週の紅白戦の中で、藤田のいない組み合わせが最も機能していたと言った。そして前節の浦和戦においても――フォーメーションの変更などの要因はあったにせよ――藤田のいた前半よりも藤田のいなかった後半の方がチームは相手ゴールに迫った。ネルシーニョがチームをあくまでも11人のユニットと捉え、藤田外しを決断したのも決して分からない話ではない。

 ただ俺が最も危惧しているのは、これでチームが再び下方修正した「予定調和」に入ってしまわないかということだ。藤田がいる時よりもいない時の方がチームは機能した(動きが良かった)という「事実」は確かにある。
 しかし、これは、

 「藤田がいると周りの選手が萎縮してしまう、藤田がいると周りの選手が藤田任せになってしまう」

 ということではないのか?それで藤田を外してチームが機能していると言うのなら、それはあまりにも低次元な話だ。
 藤田がいなければボールをもらう動きやマークをサボっても「なんでそんなことも出来ないんだ(やらないんだ)?」って怒られることはないし、それによってチームがボールを奪われたり失点につながっても、ボールを持っていた選手や最後にディフェンスに入った選手に「なにやってんだ?」って両手を広げるゼスチャーでもすれば済んでしまう。そんな細かいことまで見ちゃいないマスコミも表面的なところだけ叩く。
 チームというかマスコミやサポなんかのクラブを取り巻く人達も含めて「もっと上」を向いた雰囲気が出来ないこんな状況では、選手個々の力で上回っている試合や用意した戦術がバッチリハマッた試合ではファンを喜ばせるような試合も出来るだろうが、チーム力自体は一向に上がっていかない。

 ルイゾンに関して俺は加入前に「周りの選手達の技術・戦術両面でのレベルが高くなければ成り立たない」と書いた。もちろん本人のコンディションの問題はあるが、周りの選手達は彼を活かし切れなかった。そしてチームでもっとも経験があり戦術眼にも長けた藤田に誰一人としてついていく事が出来ず、彼をチームのパーツとしても取り込めないまま結局「異分子」としてベンチに追いやってしまった。最後にはネルシーニョが志向するサッカーも実現できないまま、彼すらも放り出すことになってしまうのか・・・。

 チームは、まだ一流とは言い難い大多数のプレーヤー達のレベルに合わせて、彼らのやりやすい方向へと「修正」されていく。そんな「予定調和」を続けていてはチームは成長していかないし、優勝や常勝チームなんて単なる空想でしかない。「予定調和」は最近それに気付き始めたサポによってしばし「中位力」と訳されるが、単に順位とか得失点といった表面的な現象にとどまらず、チームの成長自体を阻害しかねない、もっと根が深くて深刻な問題だ。

 まあそれでも俺は、豊田や渡邊といった今日スタメンに起用される才能溢れる若いプレーヤー達(本田がいないのはとても残念だが)が、高い志しを持っていつかそんな「予定調和」を乗り越えて行ってくれることを信じて、これから横浜まで繰り出します。
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by tknr0326g8 | 2005-09-03 14:39 | Pre-view