Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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NEXT GENERATION MATCH 2012 U-18Jリーグ選抜×日本高校サッカー選抜 @国立競技場
 12月にJユースカップで優勝を飾ったことに伴い、名古屋U18からは高田監督以下のスタッフ4名と、ニッキ、北川、森の三選手が招集された今年のNEXT GENERATION MATCH。一方の日本高校サッカー選抜ではもちろん中京大中京の宮市剛が注目プレーヤー。世の中的には、ハーフナー・マイクの弟 VS 宮市亮の弟 という煽りになるのかもしれないが、名古屋ファンからすれば、かつて名古屋U-15時代に高田監督の元でアタッカーのポジションを争っていた北川、森、宮市のライバル対決は見逃せない。ここに来年は金や石川や伊藤といったユース組のほか、高校選抜でも石田(市船)や加藤(山梨学院)や濱田・児玉(星稜)、直江(前橋育英)あたりが絡んで来てくれたら・・・と考えると楽しみは尽きない。

 試合の方は、北川と森が2トップを組むのかと思いきや、森が左サイドへと押しやられて、いつもの森のポジションにはC大阪ユースの南野が入った。この南野が凄かった。背筋をピンと伸ばし胸を大きく張っているように見える南野はまさしくピッチの王様。技術はもちろんのこと視野が広くて状況判断も良い。序盤、北川と並んで中盤から出てくるボールを待ちながら北川にポジションニングを指示しているようなシーンもあったりして、北川はこれまで年代別の代表で南野と一緒にプレーしたこともあるとは思うが、そのプレーは北川にとってはもちろん同じポジションの森にとっても大いに得るものがあったに違いない。

 森も北川もボールを受けて1対1の勝負となればおそらくこのエリートを集めたチームの中でもトップクラスの強さを発揮するに違いない。実際、森はこの試合でもピッチ中央で相手DF二人に囲まれた状態でクサビのボールを受けた後、鮮やかなターンで一瞬のうちに彼らを置き去りにしてしまったようなシーンもあったし、前半のロスタイムにボックスの左角あたりで野津田からのパスを受け、目の前のマーカーをかわして右足でファーポストを狙って放ったシュート(シュートが少し浮いて惜しくもバーに当たったんだと思っていたら、後でVTRを見たらGKが指先で触ってポストの上部を直撃していた)などは、ボールを受けてからシュートまでのイメージも完璧だった。しかしシンプルに周りの選手を使っていればもっとチャンスが広がっていたような場面で、周りの選手達の自分を呼ぶ声を遮断してまずは自分がドリブルで持ち出すことを優先してしまって判断が遅れ、結局チームとして攻撃が詰まってフィニッシュまで辿り着けないといった場面も何度かあった。上で書いた鮮やかなターンでマーク二人をはがしたシーンの後もそうだ。もちろん時と場合によってはこうしたプレーが有効なことはあるし、ひょっとしたら本人も自分にマークを引き付けることで周りをフリーにしようとしているのかもしれないが、状況判断や周り選手達の使い方といった部分ではまだ伸びシロは大きい。
 同じことは北川についても言える。FWとして当然フィニッシュに絡む仕事を求められている北川は、3分に左サイドからのクロスボールに対して上手くDFとDFの間にスペースを見つけて飛び込みダイビングヘッドでシュートを狙った場面(シュートは惜しくもゴール左に外れる)や24分にボックス内へと飛び込もうとする野津田に完璧なリターン(ワンツー)を戻して決定的なシュートを打たせた場面(GKが好セーブ)など、局面局面ではFWとしての仕事をハイレベルにこなしているが、それらのプレーだけではまだ北川のポテンシャルを十分に引き出しているとは言えない。北川より二回りくらい小柄な南野の方がボディコンタクトも強いし、南野のようにピッチ全体を俯瞰で見渡せるまでには至っていないようにも感じる。極端なことを言えば自分でずっとボールを持っていなくてもピッチを牛耳れるぐらいの存在感はまだ北川にはない。北川にはトップチームそして世界で活躍するプレーヤーとなるためにもまだまだ大きく成長して欲しい。

 思い返せば一昨年のNEXT GENERATION MATCHでは、追加招集された高原が後半途中から出場して不慣れな左サイドハーフを任され、(特にディフェンス面で)かなり戸惑いながらプレーしていたのが印象に残っている。そしてそれから二年後、トップ昇格を見据えた高田監督によって自らのチームで左サイドハーフにコンバートされた高原は、そのポジションでのタスクと高田監督から課せられたゴール前での仕事を両立してチームのJユースカップ制覇に貢献した。北川や森はトップチームへの昇格を検討される頃、どれぐらい成長した姿を見せてくれるだろうか。

 名古屋関連以外で印象に残ったシーンとしては、高田監督によって組織された急造チームはセットプレーのディフェンスでも名古屋方式のゾーンディフェンス(ゴールエリアの横のラインに沿って4人の長身選手が等間隔で並び、ゴールマウスにはニアとファーの両ポストに一人づつ、さらにペナルティスポットを挟むような感じで二人が前方のスペースをカバー)を採用していたこと。選手の並び順がトップチームの旧型(2008-2009年モデル※)だったとは言え、196.5cmのニッキや186cmの岩波がゴール前にそびえ立つゾーンディフェンスは要塞のようだった。そしてそれ以上に興味深く感心したのは、高校サッカー選抜がそのプロ顔負けの高さを誇るゾーンディフェンスを破る工夫をして実際に惜しいシーンを作り出していたことだった。

※2008-2009年は、コーナーキックが右サイドからなのか左サイドからなのかによってゴールエリアに並ぶ4人がニアから決まった順番で並んでいたが、2010年以降は、どちらのサイドからのコーナーであっても中央の二人(闘莉王と増川の両CB)が通常のDFラインと同じく右に闘莉王左に増川となっている。この試合でのJユース選抜は、ニアサイドからニッキ→岩波の順番を崩さなかった。

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by tknr0326g8 | 2012-03-03 23:59 | Youth
ジャパンユースサッカースーパーリーグ2012 名古屋U18×富山第一 @トヨスポ
 昨日に引き続きJYSSL。今日の対戦相手はプレミアリーグWESTに名を連ねる富山第一ということで、昨日の大垣工戦よりは均衡した試合内容が予想される。
 名古屋のスタメンはこんな↓感じ。中盤から前は昨年の高円宮杯U-15優勝メンバーそのままだ。この二日間の先発メンバーを見る限り、高田監督の中では、最終ラインのニッキ、大谷、樫尾、そして2トップの北川と森の起用がほぼ固まっていて、それ以外のポジションをどうしていこうか考えている感じだろうか。金の評価も高そうだ。

         北川

          森
伊藤                桜井

       金     石川

樫尾   ニッキ   大谷   富田

          板倉

 スタメンを見る限り、前線はこのメンバーで試合をするのが一年ぶりとは言えさすがにコンビネーションに問題はないだろうし、最終ラインも富田の右SB起用というのは確か昨年のプレミアリーグでも実績があったはずで、これなら富山第一が相手でもスムーズにゲームを進められるのではないかという楽観的な予測がよぎる。

 しかしいざ試合が始まってみると、そんな俺の淡い期待とは裏腹に、昨日と同様名古屋はなかなかリズムを掴むことが出来ない。まだチーム作りは始まったばかりなので、現時点でその機能性について云々する段階ではないが、どうにも選手の組み合わせがハマっていない感じがする。
 具体的にはどちらも同じような動き(プレー)をしている2トップとボランチの組み合わせだ。2トップに関して言えば、二人とも足元でボールを受けて、相手DFに囲まれてもキープ力を生かして自分の周りにスペースを作りしてドリブルで突破を仕掛けていくようなシーンが目立つ。しかしいくら個々の能力が高い2トップと言えどもこれだけで相手チームを崩すのは簡単ではない。Wボランチについても、どちらも攻撃面でその能力を発揮する比較的タイプの似ている二人なだけに、(さすがにどちらかが上がった時はどちらかが残るようにしてはいたが)いざ守備に回った時には二人でボールに行ってしまってバイタルエリアを空けてしまう場面も少なくなかった。富山第一が繰り出すカウンターがバイタルエリアを素通りして一気に名古屋DFラインへと到達していたのはそのためだ。

 そんな名古屋は21分に森が豪快にフカした初シュートを号砲代わりに少しづつ攻撃に人数を掛けてフィニッシュまで持ち込めるようになっていった。そしてその中で地味に良い仕事をしていたのが左SHの伊藤。U-15の頃のようにサイドをドリブルで切り裂いてチャンスメイクというところまでは行けていないが、前半に名古屋が獲得したコーナーキックは、ほとんどが左サイドでの伊藤のドリブルでの仕掛けによって生み出されたものだった。

 0-0で折り返した後半、ピッチに向かう選手達の中から2トップを呼びとめ高田監督が入念な指示を送る。ゼスチャーを見ると二人の動き方を指示しているようだ。高田監督はこの後試合中にも珍しく前に出て来て進行中のゲームをよそに森を呼び出して何やら指示を与えていたので、監督としても2トップに関してはコンビとしての機能不全を感じているのだろう。

 後半に先制点を奪ったのは富山第一。13分、富山第一ボールでのスローインを前に富山第一が選手交代を行って一瞬集中が切れてしまったのだろうか、名古屋はあっさりとゴール前までボールを入れさせてしまい、一度は後半から出場のGK小島がシュートを防いだものの、そのこぼれ球を再度プッシュされてしまった。

 先制点を奪われた名古屋は、22分に左右のMFを交代(桜井→曽雌、伊藤→青山)。さらに25分には石川に代えて真柄を投入、真柄を右SBに回し右SBの富田をボランチに配置換えした。真柄は昨日の試合でも右SBで出場していたが、個人的にはSBよりもボランチで見たい選手。富田はもとより、金や石川のような選手と組ませたとしても、危機察知能力が高く激しい守備で相手からボールを奪取出来る真柄なら彼等の攻撃的なセンスを存分に引き出してくれると思う。そして何より真柄とニッキ、大谷で形成するトライアングルにより名古屋の守備はより盤石なものになるに違いない。まあ昨日も書いたようにここはユースならではの難しさもあるんだろうが。

 そんな名古屋が同点ゴールを奪ったのは32分のこと。樫尾のスルーパスに抜け出した北川の折り返しは相手DFにクリアされてしまったが、これを拾った富田が今度は森を走らせるスルーパス。これを受けた森は軽やかなステップで相手DFとGKのタイミングを外し、左足で豪快にネットへと突き刺した。この辺りは個人能力の高さを誇るこの2トップの真骨頂。来週のゼロックス・スーパーカップの前座として行われるNEXT GENERATION MATCHでも大観衆を前にどんなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

 ゲーム終盤の名古屋は2トップがシンプルにプレーし始めたことでチーム全体に攻撃のリズムが生まれ始めていたが、結局追加点は奪えないまま1-1の引き分けで試合は終了。富山第一との決着はプレミアリーグまで持ち越された。

 その後B戦も頭だけ観戦したが、2トップを青山貴と青山景のW青山が務めていたり、伊藤が左SBに入っていたりといったこと以上に、真柄がボランチとして石川とコンビを組んで伸び伸びとプレーしていたのが印象に残った。そして青山貴が自ら倒されて得たPKを豪快に蹴り込んだところで今日は第二グランウンドを撤退。真柄にしても青山貴にしても、もちろんこの先本来のポジションでレギュラーを獲得する可能性は十分あると思うし、昨日今日といずれもBチームで左右のSBを務めていた中根とともに、一年間の長いリーグ戦を戦って行く中では必ず彼等の力が必要とされる時が来るだろう。
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by tknr0326g8 | 2012-02-26 23:59 | Youth
ジャパンユースサッカースーパーリーグ2012 名古屋U18×大垣工 @トヨスポ
 Jユースカップで優勝し文字通り「有終の美」を飾ったチームから主力の三年生が卒業し、新チームとしてのスタートを切った名古屋U-18。新チームでの参加が恒例となったこのジャパンユースサッカースーパーリーグ(以下JYSSL)はこれまであまり出場機会に恵まれてこなかった選手達にとっても貴重な実戦経験の場となるに違いない。

 一応Aチームに分類されている第一試合の注目のスタメンは↓のような感じ。

        北川

         森
伊藤              青山貴

     富田     金

樫尾  ニッキ   大谷  真柄

         渕上

 どうやら昨年のトップチームのトレーニンングマッチ用のユニフォームをお下がりで譲り受けているらしい選手達の胸には「TOYOTA」そして左腕には「中部電力」のスポンサーロゴが輝いている。そして何より新鮮なのは彼等が黒いユニフォームを身にまとって試合をしているということかもしれない。

 試合の方はと言えば、まだまだチームとしては選手の組み合わせやポジションのコンバートなど様々なことを試している段階ということもあってか、力的にはやや落ちる大垣工に対してなかなか思い通りの試合展開に持ち込めない。そしてしっかりと自陣にブロックを作って名古屋の攻撃を受け止める大垣工に対してその攻略に手間取っていると、8分、カウンターからペナルティエリア内へとドリブルで持ち込まれて、その折り返しを中央でオフサイドポジションにいた選手のさらに大外から走り込んだ選手(こちらは完全なオンサイド)に合わせられ先制を許してしまった。

 その後、前半終了までの間に、コーナーキックからファーサイドでニッキが頭で落としたボールを大谷が右足で押し込んだゴールと、相手のミスを突いた北川のゴールによって、難なく逆転に成功した名古屋ではあったが、その攻撃はどうにもしっくり来ない展開が続いていた。一番の問題は北川と森の2トップを上手く使えていなかったことだろうか。ブロックを作って守備を固めている大垣工に対して、名古屋はカウンターのリスクを回避するためかタテにボールを入れるのではなくサイドへとボールを運ぶことが多かったが、相手の守備ブロックのバランスが崩れていない以上、ボールを運んだサイドでも突破どころか気が付けば逆に数的不利な状況に追い込まれているといった事態も少なくはなく、またそこでの中とのコンビネーションも希薄だった。

 後半の開始に当たって名古屋は一気に三人を選手交代。
 渕上→板倉、青山→曽雌、真柄→大森。全て同ポジションでの交代だ。

        北川

         森
伊藤              曽雌

     富田     金

樫尾  ニッキ   大谷  大森

         板倉

 前半のうちに逆転を果たして少し気が楽になったのかチームは活気を取り戻していた。そしてハーフタイムにベンチからの戦術的な修正もあったのだろうか、名古屋は2トップにボールをつけるシーンが増え始めた。しかし2トップにボールを入れても、そこから先のコンビネーションプレーなどはあまり見られず、逆に2トップもボールを持ち過ぎたりといったシーンが目立ち、ゴール前までは行けるもののシュートを打てないような時間帯が続く。

 そんなチームとしての閉塞感を打ち破ったのは金だった。前半から時折鋭いスルーパスやタテパスで攻撃に変化をつけていた金は、後半18分に右サイドのボックス手前あたりでボールを持つと、ドリブルで左へと流れながら2トップにスルーパスを出すような雰囲気を漂わせる。そして2トップ(とそこにマークに付く相手DF)をやり過ごして目の前の視界が開けたところでコントロールされた左足ミドルをゴールへと流し込んだのだった。これで3-1。

 その後試合は後半30分を過ぎる頃にはすっかり相手のプレッシャーも弱まり、Wボランチが好きなようにプレーし始めると名古屋が完全にゲームをコントロールしワンサイドな展開になって行った。後半30分、伊藤に代わって途中出場し右サイドに入っていた(曽雌が左サイドへ)桜井がタテパスに抜け出して相手DFを押さえながら右足でゴールへとねじ込むと、38分には直前のプレーでカウンターから独走するチャンスを得ながらシュートにまで持ち込めなかった北川が金のスルーパスからボックス内でDFとGKを翻弄するドリブルから得点、さらにはその1分後にクロスボールのはね返りを拾った途中出場(32分に富田と交代)の石川が豪快にミドルを突き刺して、10分間で3得点。6-1とリードを広げて試合を締め括った。

 この時点で少し予定時間は押していたが、トップチームのTM(松本山雅戦)まではまだ2時間以上あるので引き続きB戦を観戦。B戦のスタメンはこんな↓感じ。新一年生が4名と、A戦の後半途中から入って来た選手を含めてかなり新鮮な顔触れだ。

        青山景

        桜井
曽雌             青山貴

     真柄    石川

中根  大森    中島   高尾

         小島

 この試合は、相手の中盤のプレッシャーが弱かったことに加えて引き気味のトップの位置にボールが収まる桜井が入ったことで中央でのボールの動きが円滑となり、またクサビを受けて基点になれる桜井とスピードを活かして裏を狙うのが得意な青山景という2トップの噛み合わせが良いことなどもあって、名古屋が終始ゲームを支配し、第一試合終盤の流れを引き継いだ得点ラッシュとなった。

 コーナーキックからのこぼれ球を左足で蹴り込んだ青山景のゴールに始まり、石川→桜井とタテにボールがつながり→桜井のスルーパスから青山景が抜け出した2点目、石川のコーナーキックから中根がファーサイドでダイレクトボレーで蹴り込んだ3点目、真柄からのスルーパスを曽雌が逆サイドに決めた4点目と名古屋が4-0とリードして前半を折り返す。

 高尾と青山貴のポジションが入れ替わってさらにテスト色が強くなった後半も、第一試合同様に30分を過ぎたあたりからゴールラッシュがスタート。石川のノールック気味のスルーパスに抜け出した青山景のハットトリックとなる5点目を皮切りに、中盤でボールを奪い返した真柄から高尾へとパスがつながり高尾の折り返しを桜井が決めて6点目、締め括りは右サイドで高尾から外を回った青山貴にパスが出ると青山貴がサイドをえぐって折り返したボールを中央で青山景、桜井がつぶれて最後は大外から曽雌が蹴り込んで7点目と、得点数は第一試合を超えた。

 このチームには優秀なセントラルMFの人材が定数を上回っている代わりに、右SBを任せるべき人材が今のところ定まっていない。セントラルMFということで言えば、真柄&富田というU-15時代からのコンビはハードワークをこなせるいかにも名古屋っぽいWボランチだ。一方で上でも触れた金とメニコンカップMVPの石川という攻撃面でその特徴を発揮する二年生コンビ、新一年生でもおそらく笹沼が上がってくるに違いない。彼らをどう組み合わせて使っていくのか、高田監督の腕の見せ所でもある。ただチームとして機能することと同時にトップチームに人材を排出していくこともその役割として担っているユースではそのバランスを取ることも重要になる。
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 B戦が終わったところでトップチームのTM開始までおよそ30分。満を持して第一グラウンドに向かうと・・・黒山の人だかりがフェンスの周囲を幾重にも囲んでいた。天気予報も良くなかったし(「そんなに人は来ないだろう」と)完全にナメて掛かっていたが、こんなことならA戦の始まる10時前から席取りをしておけば良かった。というわけで、4バックに戻ったレギュラー組の様子を15~20分ほど遠巻きに観察し、「いつも通り」であることを確認すると、第二グラウンドにUターン。14時30分からトレーニングマッチを行う予定のU-15の試合を観戦することにした。トップのフルメンバーの試合なら開幕すればいつでもテレビで見られるし、それよりは来たるべくシーズンに中学最終学年を迎えるU-15が気になる。来月にはJFAプレミアカップの予選が始まる彼等は名古屋が全少で初優勝を果たした世代だ。

 予定時間を少し早めてキックオフしていた試合は、俺が第二グラウンドに到着した時ちょうどファーストゴールが決まったところだった。その後も得点経過などをメモっていないので詳しい経過は割愛するが、先日のU-15日本代表候補キャンプに三人を送り込んでいるチームは、U-18で10番を背負う兄と同様にこのチームでの10番候補の森が欠けている中でも十分に個性的なチームだった。
 まず成長期だけあって前回見た時から二年半ほどで多くの選手達(特に杉森、池庭、福山、住田あたり)の身長が大幅に伸びていることに驚いたが、それぞれがその身体の成長に見合った技術やプレーを身に付けているのが印象的だ。身長がかなり伸びた杉森はそのスピードにしなやかさが備わりそうした動作の中での細かいボールコントロールの上手さはそのままに、周りを使うプレーが上手くなっている。これは身長が伸びても背筋が伸びた状態(すなわち周りが良く見えた状態)でプレー出来ていることと無関係ではないだろう。森川監督から再三指摘を受けていたように、「声」を含めてもっとボールを呼び込むようなプレーが出来るようになれば更に成長するだろう。池庭と高橋のWボランチもそれぞれの特徴が上手く組み合わさった良いコンビだ。昨年一学年上のU-15ですでにレギュラーを掴みU-15日本代表候補にもなった高橋はそれほど身体が大きいわけではないが運動量が多く守備でも潰しが効くタイプで、池庭は小学生の頃から変わらずこのチームの司令塔として中盤でリズムを作れるタイプ。高橋とともに三重・四日市JFCからやって来たFWの上田はまだその身体能力を生かし切れているとは言い難いがゴール前での得点感覚が光り、この試合でもボックス内のこぼれ球につめてゴールを量産していた。またこの試合ではタイミングの良いオーバラップから好機を演出していた左SBの太田のプレーも際立っていた。
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 U-15の試合を二本目まで見て第一グラウンドの方に戻ると、キックオフから二時間を過ぎているのにまだ観客の歓声とボールを蹴る音が響いている。スロープを駆け上がると、ピッチでは控え組み中心の三本目が始まっていた。昨日はまだ大阪にいた磯村も精力的にプレーしている。
 しかし試合の方は停滞気味で、むしろ山雅のカウンターにしばしばゴールを脅かされているような状態。ようやく観客が盛り上がったのは、選手交代で高原や佐藤が入ってしばらくした後、それまでCFにいた田中輝が高原と入れ替わって左サイドへと移ってからで、左サイドからドリブルでカットインして右足で強烈なシュートを放つという田中輝の得意な形が見られるようになってからだった。ただこれをもって田中輝のパフォーマンスが良かったとするのは早計で、これぐらいのプレーは昨年から(もっと言えば高校生の時から)出来ていたプレーヤーなので、今更これぐらいで騒ぐほどでもない。今シーズンの田中輝には是非JリーグやACLといったレベルの高い公式戦の中でこうしたプレーを多く見せて欲しい。あとやはりこのチームとしては田鍋が起爆剤になるだろう。この試合は負傷により欠場していたが、この試合では田口と石櫃で組んでいた右サイドでの迫力不足を補えるプレーヤーであることは間違いない。
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by tknr0326g8 | 2012-02-25 23:54 | Youth
JAPAN YOUTH SOCCER SUPER LEAGUE 2012 登録メンバー
1  GK  渕上大樹  183/69
2  DF  大谷亮介  180/64
3  DF  樫尾和明  177/68
4  DF  ハーフナー・ニッキ  197/80
5  MF  真柄俊作  175/56
6  MF  富田亮輔  168/60
7  MF  野崎椋  181/63
8  MF  金来遠  173/64
9  FW  北川柊斗  177/66
10 FW  森勇人  171/64
11 MF  岩田考弘  173/62
12 FW  青山貴裕  172/65
13 FW  中根仁  174/64
14 MF  石川大貴  181/71
15 MF  伊藤昌記  164/55
16 GK  板倉徹汰  177/81
17 MF  曽雌大介  166/60
18 MF  大森史裕  180/64
19 DF  後藤弘樹  176/67
20 DF  中島康輔  177/64

※一年生は記載なし

新三年生の中で昨シーズンからコンスタントに試合に出ていたのはニッキぐらいしかいない。しかしこの世代はフィジカルのレベルが高く非常にポテンシャルを秘めた世代。ある意味では(U-15時代と同様に)高田監督がその手腕を最も発揮するチームとも言える。先の選手権ではU-15時代のチームメートだった河合、宮越、社本を擁する中京大中京が全国の舞台でベスト8という戦績を残しているだけに、彼等も負けていられないだろう。
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by tknr0326g8 | 2012-02-11 16:10 | Youth
高円宮杯 名古屋U-15 登録メンバー
遅ればせながら、記録までに。

1  GK 佐藤快 (サトウカイ) 173/60
2  DF 長谷川三四郎 (ハセガワサンシロウ) 164/57
3  DF 大橋祐太朗 (オオハシユウタロウ) 171/61
4  DF 吉住幸一郎 (ヨシズミコウイチロウ) 170/62
5  MF 赤塚竜馬 (アカツカリョウマ) 171/69
6  MF 杉原啓太 (スギハラケイタ) 176/63
7  MF 森晃太 (モリコウタ) 160/52
8  MF 笹沼孔明 (ササヌマヨシアキ) 171/58 CAP
9  FW 桜井昴 (サクライスバル) 174/72
10 FW 川村悠輔 (カワムラユウスケ) 177/62
11 FW 青山景昌 (アオヤマヒロアキ) 167/57
12 DF  吹ヶ徳喜 (フケノリキ) 173/63
13 DF  高尾瑠 (タカオリュウ) 175/54
14 MF 藤島樹騎也 (フジシマジュキヤ) 161/49
15 MF 奥田俊亮 (オクダシュンスケ) 171/57
16 GK 加藤大智 (カトウタイチ) 175/54
17 FW 杉森考起 (スギモリコウキ) 160/46
18 FW 森山泰希 (モリヤマタイキ) 170/63
19 FW 田崎大地 (タサキダイチ) 178/65
21 GK 小島亨介 (コジマリョウスケ) 178/61
22 MF 加藤直生 (カトウナオキ) 164/54
23 MF 治部広夢 (ジブヒロム) 175/60
24 DF  藤原宙航 (フジワラヒロカズ) 179/72
25 DF  高橋誠二郎 (タカハシセイジロウ) 163/56
26 FW 上田航大 (ウエダコウダイ) 166/53
27 DF  渡邊一生 (ワタナベイッセイ) 172/63
28 MF 池庭諒耶 (イケニワリョウヤ) 171/51
29 DF  住田涼 (スミダリョウ) 170/60
30 DF  柴田駿 (シバタシュン) 161/51
31 GK 岩本大輝 (イワモトタイキ) 168/54

公式プログラムに<カタカナ>表記が加わったのは小さなイノベーション。
運営スタッフ(特にアナウンス周り)の業務を円滑にするだけでなく、変わった名前(や読み)を探しているだけで、試合と試合の合間やハーフタイムも時間を持て余さなくて済む。
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by tknr0326g8 | 2011-12-27 23:59 | Youth
第19回 F・マリノスカップ(U-10) 三日目 @マリノスタウン
 今年は、U-18がJユースで準決勝以降に勝ち残っていた影響からか、恒例のGO FOR 2018 CUP(昨年まではGO FOR 2014 CUP)の出場を辞退したようなので、今年は年末のこの時期マリノスカップに集中。

 グループリーグを破竹の5連勝で勝ち抜いた名古屋が決勝トーナメント一回戦で対戦するのは川崎フロンターレ。言わずと知れたあの久保健英が所属していたチームだ。もし彼がバルセロナに見染められなければ、今日もこのピッチに立っていたかもしれないと思うと、CWCでバルセロナが来日した際に情報漏れ対策として人工芝ピッチの周りに張り巡らされた白い目隠しもなんだか味わい深い。
 川崎は全少での優勝経験こそないものの、ダノンネーションズカップの日本大会で4連覇を達成していて、今や神奈川のジュニア年代では横浜に匹敵するかそれ以上存在になっていると言っていい。そんな川崎の試合はグループリーグでも見たが、少なくともこの大会についてはあまり勝負に執着していないように見えた。5試合で22得点(一試合当たり4.4点)という圧倒的な攻撃力とは裏腹に「14」という5,6位決定トーナメントに回ってもおかしくない失点数はそれを如実に物語っていて、実際試合を見ていても、GKがほとんど手を使わない(使おうとしない)状態では、5-2、3-3、4-4、5-4、5-1というスコアも自然だ。

 名古屋のスタメンはグループリーグの追浜戦と同じだが、並びが少し変化している。

      岡崎

西山   田邉   新玉

中川   牛澤   阿部

      石田

 立ち上がりの名古屋は少し硬いようにも見えた。それは相手が川崎フロンターレだからなのか、グループリーグとは違い負けたら終わり(実際には順位決定戦がある)という緊張感からなのか、はたまた試合前にピッチ脇に整列させられた状態で前の試合の劇的でもあり残酷でもあるPK決着を見せ付けられたからなのかは分からないが、何らかの心理的な要因があったのだろう。
 対する川崎は比較的サイズありそして上手い選手が多い。それは名古屋の持ち味とも言える攻→守、守→攻の切り替えの速さや粘り強いディフェンスの威力を削いでしまうほどのレベルだった。少なくとも(いくら川崎の選手がひと回り大きいからと言って)名古屋の選手が試合でシャペウをやられるなどということは、同年代においてはこれまでなかったことだろう。

 贔屓目なしに見て川崎がやや優勢な状況は、名古屋がドリブルで中央を突進した田邉から出たボールを受けた新玉がゴール前の密集を横切るようにドリブルで抜けて右足を一閃した先制点ゴールや、田邉の右からのコーナーキックからゴール正面で牛澤がドンピシャのヘディングを合わせて名古屋のリードが2点差に広がってからも大きく変わることはなかった。そして名古屋は川崎のキャプテンを務める9番の選手を中心とした攻撃を最終ラインが粘り強い対応でなんとか凌いでいる感じだったが、前半終了間際に川崎の9番の選手にスルーパスから抜け出されてGKの鼻先をループで越える鮮やかな追撃ゴールを決められてしまった。

 スコアに反映されない川崎の優勢は選手交代にも表れている。状況判断を誤ったり独り善がりなプレーをしようものならすぐにターンオーバーされて大きなピンチを招いてしまうゲーム展開の中、佐賀監督は何度か同じような判断ミスを繰り返した中心選手を前半の比較的早い時間に交代させるている。これはこれでひとつの「気付かせ」なのだろう。(もっともこの大会はルール上、交代で下がった選手の再登場も認められているが・・・)

 名古屋が2-1で折り返した後半、試合を決定付けたのは開始早々の名古屋のゴールだった。GKのロングフィードが右サイドでDFラインの裏に抜けた西山に通り、これを新玉につなぐと新玉が落ち着いて蹴り込んで3-1。これで川崎の集中力が切れたわけではないだろうが、その後川崎GKのキックミスからこぼれたボールを田邉が拾ってループ気味にゴールに蹴り込むと、カウンターからスルーパスに抜け出した新玉が冷静にゴールへと流し込んでハットトリックを達成と、名古屋が立て続けに3ゴールを奪って試合を決めてしまった。

 得点を重ねることで名古屋の選手たちはいつもペースを取り戻し、いつしか川崎と互角に戦うようになっていった。そして得点差が開いてからは、川崎の7番の選手にペナルティエリアの外から直接FKを蹴り込まれたかと思えば、コーナーキックから牛澤がこの試合二本目となる豪快なヘディングシュートを決めたり、再び川崎の7番の選手にドリブルで右サイドへと流れながら鮮やかなミドルを叩きこまれたりと、取ったり取られたりという展開の末、名古屋は6-3のスコアで準決勝進出を決めた。

 一年半後、この川崎がどういうチームになっているかは楽しみだし、今回勝った名古屋にとっても強力なライバルとなっていることは間違いないだろう。

 準決勝の相手はレジスタFC。マリノスSPクラス、ヴィッセル、ヴェルディといったJ下部チームを振り切りグループBを首位で勝ち抜けてきたチーム。グループリーグを見た時には、とにかくベンチがピッチや選手に対して高関与型でアグレッシブな印象だった。ハーフタイムのミーティングまで選手自らが行う名古屋は極端な例としても、最近は「選手達に自分で考えさせる」見守り系コーチングスタイルが主流になりつつある中で、プレーのひとつひとつに対してコーチからのダイレクトな指示が飛ぶし、中途半端なプレーに対しても即座に叱責が入る。その声色も含めて俺がすぐさま連想したのはザ・パンチのツッコミがピッチ脇に常にいる感じだった。(笑)
 こんなことしてたら、よく言われるように子供達がベンチの顔色伺いながら試合するようになってしまうんじゃないかとも思わずにはいられなかったが、それでも選手たちが結果を出しているところを見ると、この指導方法はこの指導方法でこのチームには定着しているのだろう。

 そんなレジスタを迎え撃つ名古屋のスタメン。確か昨日は見なかった7番の松山が川崎戦の途中から戦列に復帰している。

      新玉

松山   田邉   西山

中川   牛澤   阿部

      石田 

 試合が始まるとレジスタは非常に寄せが早く、粘り強いマークと忠実なカバーリングを組み合わせてチームとしてよく鍛えられている印象。そして攻撃になれば前線で攻撃の全権を委任されている10番の選手(その名も 翼 君!)が特別な才能を発揮する。上でも書いたように、子供の試合に大人が顔を出しているというか、大人のゲームプランに子供が乗っかって試合をしているような印象が拭えないのも確かだが、これならこの短い試合時間と狭いピッチの中でJ下部チームが苦戦を強いられるのも分かるし、名古屋もシュートチャンスと言えばセカンドボールからのミドルくらいでなかなか思い通りに試合を進めることが出来ていなかった。

 そんな試合を見ながら、後半に相手の運動量がいくらか落ちてくればチャンスも生まれるかもしれないと思っていたが、レジスタの運動量はなかなか落ちてこない。試合は相変わらず拮抗している。そしてそんな試合展開の中で決定的な仕事をしたのは10番の田邉だった。中盤からドリブルで持ち出して追いすがるマークを振り切ると行く手を塞ごうと集まって来るDFを目一杯引き付けたところでボールを左に流す。これを受けた新玉が右足でゴールへと蹴り込んだ名古屋が遂にレジスタゴールをこじ開けた。ギリギリの勝負の中での一撃。これで勝負ありだ。

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 そして迎えた決勝戦。いつもはマリノスのトップチームが使用しているスタンド付きの天然芝ピッチに場所を移して迎える相手は“ホーム”の横浜Fマリノス・プライマリーだ。ちなみに決勝戦はFIFAのフェプレーフラッグとともに入場するとか、両チームの選手名が会場内でアナウンスされるとか、ちょっとした演出も施されている。

      新玉

松山   田邉   西山

中川   牛澤   阿部

      石田

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 グループリーグからここまでの試合を見ている限り、いくら相手がマリノスのプライマリーと言えども、このチームがそうそう負ける気はしないというのが正直な戦前の感想ではあったが、ここまで来ると選手達にもかなりの疲労があるだろうし、慣れない天然芝でのプレーということでどうなるのかなと思いながらスタンドからピッチを見ていると試合は意外な形で動く。
 攻め上がった牛澤の放ったミドルシュートを横浜GKが正面に弾き、これを拾った新玉がもう一度シュート、すると横浜GKは対応が間に合わなかったのか、これをキャッチし切れずにゴールマウスの中へとこぼしてしまった。名古屋としてはややラッキーな感もあった先制点。
 そして名古屋はさらに前半のうちに追加点を奪うことに成功する。カウンターから新玉にパスが渡り、新玉は自分の右側に走り込んだ田邉にパスを回す。田邉はドリブルからキックフェイントを一回入れてGKを外すと逆サイドネットに豪快なシュートを蹴り込んだのだった。

 2-0という順調な流れで迎えたハーフタイム。横浜のベンチ前では監督がボードを使って丁寧に後半に向けた指示を送っている一方で、やはり名古屋は選手が円陣を作って独自のミーティングを行っている。ベンチの佐賀監督はと言えば、ベンチ前で腕組みをしながらウロウロして子供達によるミーティングが終わるのをじっと待っているというこの大会でも見慣れた風景。

 そうして迎えた後半はさすがに横浜も意地を見せて点の取り合いになった。最初にゴールを奪ったのは横浜で、中盤でのターンオーバーからボールが渡った9番の選手に頭(ヘディング)でDFラインを抜け出されて1点を返されると、この大会で何度も見られた田邉による中央突破から絶妙なタイミングでのスルーパスに右からフリーで抜け出した新玉が豪快にネットを揺らして名古屋が再びリードを広げたものの、横浜は直接FKから3番の選手が直接ゴールに沈め再び一点差へと詰め寄る。

 しかしそんな一進一退の攻防は、後半の選手交代によって勢いを増す横浜の攻撃を名古屋がなんとか凌ぎ切り1点差を守り切りった。そして名古屋からはMVPに10番の田邉、優秀選手には決勝でも2ゴールを挙げるなど特にトーナメントに入ってからの活躍が目立った新玉、名古屋ディフェンス最後の砦としての守備だけではなく、川崎戦ではコーナーキックからヘディングで2ゴール決めるなど攻撃面でも大きな仕事を果たした牛澤が選ばれた。
 
 この年代での「結果」はまだ重要な要素ではないと思うが、この歴史あるマリノスカップというJ下部や神奈川を中心とした関東地区から多くの強豪チームが集う大会において圧倒的な戦績で初優勝を果たしたことは、選手達にとっても大きな自信になっただろう。この大会で得た自信と経験を糧にしながらさらに大きく成長していって欲しい。当面の目標は来年のチビリンピック全国大会出場を懸けて年明けに開催される東海大会だ。
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by tknr0326g8 | 2011-12-27 23:58 | Youth
第19回 F・マリノスカップ(U-10) 二日目 @マリノスタウン
 気が付けば年末恒例・F・マリノスカップへの参戦も今年で四年連続。当時の写真を見るとまだマリノスタウンの隣にFIJI XEROXの社屋が建っていない三年前は、現在は夏開催に移行したU-12の試合が行われていて、笹沼、桜井、赤塚といった今年高円宮杯U-15を戦っているメンバーが名を連ねていた。そしてその年の全少で準優勝を成し遂げたチームはこの大会でも準優勝を果たし、笹沼がMIPに選ばれる健闘を見せた。二年前は今年の全少で準優勝したチーム(当時U-10)が出場していたが、住田を中心としたチームの安定した強さは当時から目立っていて、決勝トーナメント一回戦で柏に敗れはしたものの今年の全少での躍進を予感させるには十分なインパクトを残していた。そして昨年は、小柄ながらテクニックに優れる選手が揃っていて、残念ながら1位2位決定トーナメントには進めなかったが、この大会をステップとしてチビリンピックの東海大会を制し全国大会という舞台に立った。

 昨年そして一昨年のチームと同様に、名古屋は今年のチームも同じ8人制のサーラ・カップで優勝してこの大会へと乗り込んできている。その時の様子を紹介した中スポ「ユースニュース」によれば、田邉光平や西山蓮平といったアタッカーを中心に攻撃的なプレーをするチームとのこと。そう言えば田邉は昨年の大会でも一学年上の選手に交じって出場していて、ひと際小柄ながらサイドの位置からキレのあるドリブル突破を見せていたのを今でも覚えている。そんな彼がこの一年でどう成長して、今度はチームを引っ張る立場としてどんなプレーを見せるのかも楽しみだ。

 昨日行われた試合でグループ最大のライバルと思われる柏を2-1と撃破し、FCカルパには13-0、足柄FCに4-1 と三連勝を飾って順調なスタートを切った名古屋は、今日の試合では柏と並ぶグループDのライバル・横浜Fマリノス追浜、そして群馬の雄・ファナティコスと対戦する。

 というわけで二日目・第一試合となる追浜戦がキックオフ。
 名古屋は3人のDFの前に3人の中盤、そして1トップというのがベースとなる布陣だ。

      新玉

岡崎   田邉   西山

中川   牛澤   阿部

      石田

 チームの中心は文字通り真ん中に位置する10番の田邉。昨年見た時にはサイドのポジションからのドリブル突破が主な武器だった田邉は、同学年と戦う今年のチームでは周りの選手も上手く使いながら名古屋の攻撃をリードしていた。

 試合が始まるとこのチームのチームとしての特徴が明らかになる。それは攻守にとてもアグレッシブでその切り替えが速いこと。前線の選手でもボールを奪われたらすぐに奪い返しにいく様は、つい10日ぐらい前までこのグラウンドでトレーニングをしていたバルセロナも顔負けな勢いで、一見小柄な選手達も粘り強い球際の対応を見せるだけでなく、足を出したり体を入れたりといった事が非常に上手い。ひょっとしたら彼等はひとつのボールを奪い合いそしてゴールを目指すというサッカーの本質を誰よりも楽しんでプレーしているのかもしれない。

 そんな名古屋の勢いにさしもの追浜も気圧されたのか、序盤は名古屋が試合を優勢に進めていた。そして田邉が中央やや左寄りの位置からドリブルで突破を試み、相手のブロックからボールがこぼれたところを狙っていた西山が左足を思い切りよく振り抜き名古屋が先制点を挙げる。そしてその後も田邉のタメからスルーパスに抜け出した岡崎のシュートがポストを直撃したり、惜しいシュートが相手GKの好セーブに阻まれたりしていたものの名古屋は多くのチャンスを作していた。
 名古屋はテンポよくパスをつないでゲームを組み立てるというよりは、ボールを持ったらまずドリブルで目の前の相手をはがしにかかる。そして相手を引きつけておいて裏(スペース)へパスを出すようなプレーが目立った。ピッチが狭く相手のプレスが激しい中でもスペースを見付けてそこを使っていく意識はかなり高いようだ。

 そして驚いたのはハーフタイム。大会の運営スタッフと何やら話しをしている佐賀監督を尻目に、ベンチの横では選手たちが円を描くように固まり、選手達だけで後半に向けたミーティングを始めている。高校生や中学生ならまだしもこれで小学校4年生とは恐るべき自主性。そう言えば佐賀監督は今年の全少で準優勝に輝いたU-12についても、「ユースニュース」の中で度々その<自主性>を褒めていたが、彼等とて小学校6年生。それをU-10からやっているとは・・・。

 そして試合は、時間の経過とともに追浜が少しづつ名古屋のプレーに慣れ始めると、前半の終了間際から一進一退の様相が続いていたが、名古屋がなんとか1点のリードを守り切って貴重な勝ち点3を獲得することに成功した。

 約二時間のインターバルを挟んで行われた第二試合はファナティコスとの対戦。グループ2位以上を確定したこともあってか、名古屋はこの試合では少しメンバーを入れ替えてきた。

       新玉

鈴木    西山   服部

多和田  牛澤   石田

       阿部

 二列目の両サイドにはひと際小柄な二人のアタッカー。もしかすると・・・と思ったら、やはり昨年の田邉同様に二人とも3年生だった。しかしこの二人、3年生ながらひとつ上の4年生のチームでプレーするだけあってやはり技術のレベルは相当高い。左利きのドリブラー・鈴木がキレのあるフェイントや切り返しで相手DFを手玉に取るように振り回せば、右サイドで走力にも優れる服部はドリブルで相手DFの前に入ってコース取りするのが上手くカウンターの起点になったりと、見ていて楽しいプレーをする。これでまた来年の楽しみが増えた。

 試合はメンバーを大幅に入れ替えたことによるぎこちなさが要因なのか、ロングフィード一発で裏を取られてアッサリと先制を許したものの、相手陣内で新玉から左サイドの鈴木に密集の間を抜けるようなパスが通り、これを鈴木が倒れ込みながら左足で流し込んで同点、さらにはピッチ中央で相手のタテパスをインターセプトした石田がそのままミドルを放って逆転、そして左コーナーキックからゴール正面で多和田がボレーを合わせて名古屋がファナティコスを一気に突き放す。
 その後自陣でのDFとGKの連係ミスからバックパスがそのままゴールに吸い込まれてファナティコスに2点目を与えてしまったものの、西山に代えて田邉が登場すると、右サイドでスルーパスに抜け出した服部の折り返しを田邉がさらに左後方へと戻し、これを多和田が左足で豪快にミドルでネットを揺らして4点目、さらには中央で上手くスルーパスを呼び込んで裏へと抜け出した田邉が飛び出してきたGKと駆け引きしながらスライディングシュートで流し込んで5点目と、3点をリードして後半へと折り返した。

 後半になると名古屋はDFラインの中心である牛澤を下げて田邉に右DFを任せる。

       新玉

鈴木    岡崎   服部

多和田  石田   田邉

       阿部

 後半に名古屋が奪ったゴールは、混戦からボールを奪い返した石田がそのままミドルを突き刺して奪った一点のみだったが、選手達は残りの時間も考えながらそのままゲームをクローズに掛かって、そういった声が出始めたところで左サイドを崩されてその折り返しから(一度は止めたものの)失点してしまったところなどは、気持ちのが試合に影響したと言えるのかもしれない。
 最後にちょっとだけ後味の悪さを残してしまったものの、この試合も名古屋は6-3というスコアで大勝。グループリーグ全勝で決勝(1位2位)トーナメントへの進出を決めた。
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by tknr0326g8 | 2011-12-26 23:59 | Youth
U15東海リーグ2011  名古屋U15×清水Jrユース @トヨスポ
 2008年に全少で準優勝に輝いた世代も気が付けば中学三年生。三年前に全少の会場である西が丘から現高3の世代が優勝を果たすことになるクラ選の会場であるJヴィレッジに直行したのも懐かしい思い出だ。

 そんな彼等は中学に入学後も順調に成長を続けているように見えた。個人的に見られた試合は限られているが、昨年はJFAプレミアカップで準優勝、10月の関東遠征でヴェルディ相手に見せたパフォーマンスも高いものだった。プレーヤー個々で見ても桜井や赤塚は昨年一学年上のメンバーが見事優勝を遂げた高円宮杯で出場機会を得ていたし、ゲームキャプテンを務める笹沼やFWの青山などは年代別の日本代表合宿に招集されている。

 当然、今年からレギュレーションが変わって国内もU15が対象となったプレミアカップでも彼等の雄姿が再び見られるものだと思っていたし、京都へのリベンジを果たしてくれるものと期待していたが、結果はまさかの県予選敗退。知多SCに1-4の完敗だったらしい。その後のスペイン遠征を経て、U-15東海リーグでは清水に次ぐ2位に付けているが、彼等が今どんな状態にあるのか一度見てみたかった。残念ながら前節磐田と引き分けたことで前期優勝の目はなくなってしまったが、首位清水との直接対決はそれを測るにはある意味絶好の機会とも言えるだろう。

 今年からコーチングスタッフが変わった名古屋は、それに伴いポジションにも変化が加わっている。またこの試合はオール三年生で臨んでいたが、プレミアカップ予選では一学年下の選手達も加わっていたようだ。こうした状況だけを見ていると、クラブがどうやら目先の結果よりも「トップチームへの人材供給」というJ下部が持つ至上命題に向けて大きく舵を切っているのであろうことがことが伺える。

 ただこの試合に関して言えば、個々のプレーヤーの能力が名古屋と同等かそれ以上にあり、さらに今年のプレミアカップなどを経てチームとしての完成度が名古屋より遥かに高次元で安定している清水に対して、名古屋は完全に後手に回ってしまった。ポテンシャルも含めて個々のプレーヤーの能力という面では、名古屋と清水に大きな差はないと思うが、この試合についてひと言で言ってしまえば、チームとしてやるべきことがハッキリしていて個々のプレーヤーが能力を存分に発揮出来る素地が整っている清水と、チームとしてやるべきことに対してまだ迷いが見られ個々のプレーヤーが能力を発揮し切れていない名古屋といった感じで、清水と比べれば名古屋はチームとしてまだスタートラインにも立てていない状態だったかもしれない。そんな両チームが試合をすれば結果は見るまでもなく明らかだ。二年前に鹿島ハイツで見た清水は「前線と中盤にやたら大柄な選手がいる」ぐらいしかイメージがなかったが、しっかりと個々のプレーヤーを伸ばしながらチームとしての成熟度も高めているようだ。

 立ち上がりから清水にペースを握られていた名古屋はロングボールで清水DFの裏を狙って1トップの青山を走らせる形が目立った。清水の圧力の強さは試合前から分かっていたことだろうし、青山の機動力(スピード)を生かそうと思えば、確かにこの戦い方は理に適っている。しかし中盤でのパスワークやそこからの強烈なサイドアタックによって勝ち星を積み上げていた昨年のチームからすると大きな違和感を覚える戦い方であるのも事実だった。チームは今どういった方向に進もうとしているのだろうか。
 去年までの高田監督と比べるとベンチから指示が飛ぶ回数が多い森川監督からはチームやゲームというよりはどちらかと言えば個人戦術的な部分での指示が多く、0-3とリードされた後半にはシステムを3-4-2-1のような形に変更して試合に入るなど、チームとして型にはめるというよりは個々のプレーヤーの戦術眼や判断力を高めようと(求めようと)しているのかもしれないと思える部分もあるが、その要求に対して選手達はまだそれらを十分に消化し切れず戸惑いながらプレーしているような印象も受けた。

 もし名古屋が昨年のチーム(戦い方)の積み上げによってチームを作っていたなら、この試合でもきっと清水相手にもっと良いプレーが出来てもっと接戦を演じられただろう(それを見てみたかった気もする)し、それを一旦崩した今の状態では10回やって8回か9回ぐらい清水に負けてもおかしくはないが、個々のプレーヤーレベルにおいてこの成果が何年後かに開花することを期待したいし、個の成長がチームの成長にもつながって、今シーズンが終わる頃には清水とより対等な勝負が出来るチームになっていてくれたらいいなと思う。
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by tknr0326g8 | 2011-06-20 08:01 | Youth
高円宮杯U18プレミアリーグ 名古屋U18×C大阪ユース @トヨタスポーツセンター
 今シーズン高田新監督のもと新たなスタートを切った名古屋U18。中学年代に全国の舞台で好成績を残してきた年代(特に二年生と一年生は高田新監督のもとでの成績)が揃う今シーズンは、舞台がこれまでのプリンス(地域予選)→高円宮杯(全国大会)という流れから全国リーグへと刷新されることを含めても彼等にとって大きなチャンスのシーズンとなるだろう。

 しかし満を持して臨んだはずのこの全国リーグで名古屋はまさかの連敗スタート。同じJ下部であり近年この年代で好成績を残しているこのC大阪戦は、チームが自信を取り戻し波に乗るためのきっかけにしたい試合に違いない。そしてそんなことは百も承知の選手達はこの試合に対してかなり気持ちが入っている様子で、キックオフと同時に前線からのプレスでC大阪に猛然と襲いかかるチームからは勝利への渇望が充満していた。

 名古屋は負傷から復帰した高原を1トップに、二列目の両アウトサイドには岩田(左)と都竹(右)、センターには川村と一年生の森、アンカーに10番・水野を据えて、最終ラインは左から佐藤、川本、奥山、加藤の4枚、GKに石井という布陣。個人的には去年公式戦への出場機会がなかったもののどうやら今年はレギュラーポジションを掴んでいるらしいニッキと、チームの二大看板と言っても過言ではない高原と北川の2トップが見てみたかったが、代表のフランス遠征帰りの二人は疲労を考慮されてかベンチスタートだった。

 試合は立ち上がりこそ「前」への推進力を強めてC大阪陣内へと攻め込む名古屋だったが、これにC大阪が激しい潰しで対抗し始めると、流れは次第に停滞しやがてC大阪ペースへと移行していく。名古屋の攻撃は組織というより個人技を全面に打ち出している印象で、前線のプレーヤーにボールを預けたあとは彼等の個の力による突破がひたすら試みられていた。こうなると守る側のC大阪に大きな混乱をもたらすことは難しい。C大阪とすればパスの出先でドリブル突破を仕掛けてくる相手に対してグループで数的優位を作って対応していけばいい(それでも止め切れずファールで止めるようなシーンも多かったのも事実だが)。そして個の突破を試みては囲まれてボールを失うという繰り返しでリズムがどんどん悪くなっていく名古屋は、次第にその勢いが減退していくというサイクルに嵌まっていった。

 名古屋が数的不利な状況下でも前線のアタッカー達によるある意味では無謀である意味では潔い個の仕掛けに拘っていたのは、前へ前へといういう気持ちや焦りが強すぎたのかもしれないし、この試合で導入された新システムが熟成していなかった(例えば敢えて左利きの都竹を右SHに置いて本来アタッカーの加藤翼を右SBに配置しているのなら、これに水野を絡めたトライアングルでもう少し定型化された崩しが見られるかと思っていたが、そういったシーンはなかった)からかもしれないし、あるいはひょっとしたらチームの方針として「局面を打開する個の力」が重視されているのかもしれない。チームの方針という考え方は非現実的かもしれないが、トップチームへの人材輩出ということで考えれば、実際今のトップチームで活躍出来そうな選手を育てようと思ったら、同じ高校生相手にこれぐらいの局面は個人で打開出来ないようであれば話にならないと言われればなんとなく説得力がある話でもある。

 0-0で折り返した後半も展開は同じ。ハーフタイムを挟んで気持ちを入れ直したのか、再びキックオフ直後こそアグレッシブなプレーを見せていた名古屋だったが、その試みが繰り返し阻まれるに従ってその勢いをなくしていった。そして何度か一度確実に名古屋ゴールに迫っていたC大阪は、試合終了間際遂にそのチャンスをものにする。名古屋の選手達はそれでも気持ちが切れている風ではなかったが、「またか」という空気が観客も含めてピッチを覆ってしまっていた。

 先制されたことで名古屋ベンチはパワープレー要員としてニッキをベンチにスタンバイ。そしてまるでそのために用意されたかのようなコーナーキックでいよいよニッキ登場かと思っていると、ピッチ上の流れを把握していない広野GKコーチがベンチ前で作戦ボードを片手にニッキに入念な指示を与え続けている。その後事態に気付いて慌てて交代の申請を出したものの、既にピッチ上では「空白」を生むのに十分な時間が流れており、「(試合の進行を)待ってくれ」という名古屋ベンチと「まだ準備出来てないだろう」というC大阪ベンチのせめぎ合いの中、レフェリーは交代を待たずに試合の続行を宣言してしまった。
 これによって名古屋は千載一遇のチャンスを失ったかのように思われた。だが何がどう転ぶか分からないのもまた人生。この選手交代(未遂)に伴う「空白」によってC大阪の選手達は一瞬集中が切れてしまったのか、川本をドフリーにしてしまった。ひょっとしたらニッキが入らなかったことでホッとしてしまったのかもしれないし、ニッキの登場に備えて確認していたマーカーの変更が混乱を招いてしまったのかもしれない。名古屋からしてみたら気持ちを切らさなかったことに対する正当な報酬であったこの得点は、C大阪からしてみたらアンラッキーかつ不本意な失点だった。
 そして試合は両チームが勝ち点1を分け合い終了のホイッスルを聞くことになる。

 印象に残ったのは一年生ながらフル出場を果たしコーナーキックのキッカーまで任されていた森勇人。もともと能力の高い選手であることは分かっているし、もっともっとゲームに関与する時間を増やして欲しいところだが、決して身体が大きいわけでもない一年生の彼がボールを持った時にこれだけのプレーが出来ることは正直予想以上だった。ひょっとしたらフィジカル的に劣勢を強いられている分彼の持つ技術やボディコントロールの上手さが際立っていたのかもしれない。

 もう一人は左SHに入っていた岩田。年代別代表に選出された経歴もあり調子の良い時は手がつけられないこの「名古屋らしい」サイドアタッカーは、まだメンタル面のムラがプレーにも反映されている印象を受けることもあるが、試合を見ているとこの大器に対するベンチやチームメート(特に高田監督)からの期待をヒシヒシと感じ取ることが出来る。あとは少し大人しい印象を受ける彼がこの先一皮むけられれば将来トップ昇格を果たすことがあってもなんら不思議ではないと個人的には思っているんだが。
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by tknr0326g8 | 2011-05-01 03:24 | Youth
高円宮杯(U-15) 決勝 名古屋U15×京都U15 @国立競技場
 準決勝で神戸に一年がかりのリベンジを果たしてこの決勝に勝ち進んで来た名古屋。国立競技場という大舞台で迎える決勝の相手は京都U15だ。京都のメンバーを見ると今年のプレミアカップでU14を力任せに粉砕したメンバーも多く(しかも先発に)含まれている。名古屋で今年のプレミアカップに出場していたメンバーは先発では桜井、ベンチでも赤塚と笹沼しかいないが、弟の仇はぜひ兄に撃ってもらいたいところ。

 名古屋のスタメンは↓のような感じ。高田監督は結構動いてくるイメージがあったが、この大会では一回戦から終始このスタメンを貫いている。勝っているから変える必要がないと言えばそれまでだが、大会を通してチームとして成長していることも「変えない」理由のひとつなのかもしれない。

       北川

        森
伊藤            桜井
     金   石川

松田  中島  後藤  若園

       板倉

 対戦相手の京都は体格的に大柄な選手が多く、立ち上がりからそれを活かした戦い方を徹底していた。名古屋がDFラインでボールを動かすのを深追いせずに組織を整え、ブロックの中でボールを奪ったらタテ1本でスペースを突いて来る。中でも馬力のある岩元と瀬戸口の突破は脅威だ。そんな京都の「一発」が名古屋にとっていかに警戒すべきものだったかは、例えば前半終了間際の相手陣内深くでのスローインの場面で、後から「ハメろ」と指示が出ているにもかかわらず、その後では岩元一人に対して三人のDFが残っていたところを見ても明らかだろう。そして名古屋にとっては立ち上がり早々にヘディングが二回バーを叩いたセットプレーも京都の特徴が活かされる場面として注意が必要だ。

 そんな京都に対して名古屋はDFラインから「間」を通して→ボランチ→トップ(北川や森)へとボールをつけ、そこを基点(攻撃のスイッチ)とした攻撃を仕掛けようとしている様子が伺えるのだが、手ぐすね引いて待ち構えている京都に対してはクサビの入れ方やボールの運び方という面で駆け引きが不足しているような印象も受ける。簡単に言えば、パスを出す方では勇気を持って京都のブロックの中にボールを入れることが出来ているし、受ける方でも前線では強さとキープ力のある北川、ボランチでは卓越した技術とインテリジェンスを持ち合わせる金が上手くボールを引き出したり相手のプレッシャーに遭ってもボールを失わずに確実にキープすることが出来ているのだが、そのどれもが正面突破。京都のブロックを喰い付かせたりサイドを変えたりしながら前後左右に揺さぶったり、ブロックを左右に広げたりするような駆け引きはあまり見られない。

 個々の能力が高い名古屋の選手達はそれでもコンビネーションが上手く連鎖した時には、例えば15分に中央でのパス交換からDFラインの裏へ抜け出した北川の折り返しをゴール中央で伊藤がスルーしてその外に詰めていた石川がシュート→GKが弾いたボールをさらに伊藤がプッシュ(オフサイドの判定)という場面や、18分に中央でボールを持った森のスルーパスに外側からDFラインの間を斜めに走り抜けた伊藤がGKもかわしてゴールライン際の角度のないところからシュート(戻ったDFがブロック)という場面など決定的なチャンスを作り出しているが、「正直」に入れるクサビのボールが京都のブロックに引っ掛かって逆にピンチを招く場面も少なくなかった。そんな名古屋がリスクを抑えるためか時間の経過とともにDFラインからロングボールで直接北川にタテパスを入れようとするシーンが増えて行ったのは自然な流れだったのかもしれない。

 ただ名古屋では立ち上がりからほとんど存在感を出せていなかった右サイドの桜井が20分を過ぎたあたりからようやくボールに絡み始めるとチームとしてもピッチを広く使えるようになってきていた。名古屋にとってこれは良い兆候だ。
 登録上は170cmとなっているがひと回り大きくなったようにも感じる桜井は従来の技術的な部分に加えフィジカル的に無理が効くようになったことで上級生に交じって右SHのポジションで攻・守に渡って堂々たるプレーを披露していた。これなら俺がこのチームの中では北川に匹敵するぐらいに特別な存在だと思っている曽雌からレギュラーを奪っている現状にも納得だし、本大会になって突然登録メンバーから消えた宮市の離脱を感じさせない。この大会での名古屋の成長はすなわち桜井の成長と比例しているのかもしれない。

 そして迎えた後半、立ち上がりこそ突然目を覚ましたかのように襲い掛かって来た京都にシュートにまで持ち込まれて肝を冷やしたものの、後半開始から5分、遂に名古屋に歓喜の時が訪れる。ここでも正面突破でDFから金そして北川とつながったボールを混戦から森がシュート、こぼれ球に北川が詰めて名古屋が待ちに待った先制点を手に入れたのだった。

 これで攻めに出なければいけなくなった京都。準決勝の追浜戦を見る限り交代で入って来る選手もレベルが高く、交代のカードを切るごとにチームが攻撃的になって行った印象も受けたが、この試合についてもそれは同じで、特に名古屋にとって厄介だったのが、岩元が退いて代わりに瀬戸口がトップに入っていた時間帯だ。その後交代のカードが切られるごとに瀬戸口がポジションを下げて行ってくれて助かったが、あのまま瀬戸口がトップを張っていたら、ある程度失点は覚悟しなければならなかったかもしれないと思う。

 一方で京都が攻撃のスイッチを入れたということは、名古屋にとってはそれだけ攻め込むチャンスが生まれるということ。名古屋はプレッシャーが緩くなった中盤から高くなったDFの裏を突くように次々とカウンターを繰り出す。
 18分に右SBの若園がライン際を突破してゴールラインまでエグッてからの折り返しを金がシュート(GK正面)したプレーを皮切りに、森のスルーパスに抜け出した北川がドリブルから鮮やかな切り返しで対面するDFを手玉に取り桜井へラストパス(シュートは枠の外)した一連のプレー、右サイド桜井のドリブル突破から森→北川とボックスの手前でラグビーのようなパスがつながって、最後は北川のパスから抜け出した伊藤がシュート(GKが好セーブ)、再び伊藤が抜群のスピードでロングボールに抜け出してシュート(わずかに枠の外)、森のスルーパスに抜け出した北川が右サイドからドリブルで切れ込んで一人二人とかわし左足でシュート(GK正面)、左サイドでボールを受けた北川がDFをなぎ倒すようにドリブルで持ち込んでからのシュート(枠の外)と名古屋が京都DFの裏を突いて作りだしたチャンスは枚挙に暇がない。それにしても北川のドリブルは周りが良く「見えている」印象だ。

 ただ名古屋はそうしてチャンスを逃し続ける一方で、残り10分を過ぎたあたりからはさすがに足も止まり始めていて、セカンドボールをなかなか拾えない状態が続いていたりもした。ベンチからは桜井に対して「(スタミナは)大丈夫か?」という確認がなされていたが、ベンチから交代がないのであれば、こうした苦しい場面や最も集中を必要としていた終了間際のCKでピッチ上で声を出して盛り上げられる選手が欲しいところ。このチームで言えば、GKの板倉、DFの松田、そしてキャプテンの森あたりが良く声を出しているイメージがあるが、どちらかと言えば全体的にはシャイな選手が多いかもしれない。

 迎えたロスタイム。ようやく行われた選手交代で金に代えて赤塚、桜井に代えて曽雌が投入されると、右サイドからDFラインの裏へ抜け出した北川からファーサイドへ走り込んでいた赤塚にグラウンダーのクロスが通る。これをまだ入ったばかりで足元がおぼつかない赤塚がなんとかゴールに押し込んで名古屋が試合を決定付ける追加点を奪った。赤塚的にはプレミアカップ決勝でのオウンゴールのリベンジを果たせた感じだろうか。カウンターと見るやゴール前まで全速力で走り込む後ろ髪引かれないランニングが下級生らしくて潔かった。

 そして試合は2-0のまま終了。1999年以来名古屋が実に11年ぶりとなる優勝を飾った。
 平林を筆頭に、神丸、富岡、深谷、日下とタレント揃いだった当時も凄いチームだったが、今年のチームはそれを上回ると言っても決して過言ではないだろう。個人的に初めてこのチームを見た時の印象は強烈だった。しかし個々の能力が高いゆえに並みの相手ではなかなか課題を見つけにくく、また個々のプレーヤーも「自分でなんとかしよう」という意識が強過ぎてチームとしての成熟が遅れた印象は拭えない。一つ上のカテゴリー(U18)や一学年上の日本代表(U17)に参加していた北川などは今年に入って周りを使うプレー(の選択やタイミング)が抜群に良くなった印象があるが、それ以外の選手達については、正直なところまだボールを持ち過ぎて判断が遅れるような場面も少なくない。ただこれは逆に言えばチームとしてはまだ伸びシロがあるということ。実際チームはこの短期間での微修正によって日本一の栄冠を獲得しているのだから、そのポテンシャルは折り紙つきとも言える。彼等ならもっと凄いサッカーが出来るはずだしU18に進む選手は上のカテゴリーで更に成長した姿を見せて欲しいと思う。

 そして元旦の国立競技場から始まった2010年を(それも非常に意義深い一年を)、再び国立競技場でしかも最高の形で締め括らせてくれたU-15の選手、スタッフ、父兄を含めた関係者の皆さんにはお祝いとともに感謝の意を表したい。
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by tknr0326g8 | 2010-12-29 23:16 | Youth