Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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選手紹介#7 「永遠の超高校級」 古賀正紘(5) 後編
 では、古賀正紘とはどんな選手なのかというと、恵まれた身体能力で「高さ」と「速さ」を併せ持ち、一番の武器は「前への強さ」を活かしたインターセプト。そして、意外かもしれないがロングキックの精度と質はチーム一と言っていい。その弾道の美しさは古賀がサッカー選手として持って生まれた才能。他の選手が同じ質のボールを蹴ろうと思っても蹴れるものではない。さらにDFのわりに、いわゆるボール扱いも上手い。DFとしての能力は、日本のトップと評される中澤や松田と比べても決して劣っていないということだ。それどころかむしろプラスアルファすら持ち合わせている。つまり、能力だけ見ればいつ日本代表に呼ばれも、ヨーロッパに渡ってもおかしくないわけだ。
 だが古賀にはそれが出来ない、プロスポーツ選手として致命的な欠点が存在する。
 それが「メンタル」だ。
 一口に「メンタル」と言ってもそれにはいろいろな意味があり、例えば入団当初はビクビクしたプレーぶりでサポーターにも「古賀はメンタルが弱い」と批判されたことがある。しかしこれに関してはレギュラーに定着し試合の場数を踏んだことで今ではほとんど感じられないくらいになった。現在の古賀にとって一番深刻な「メンタル」の問題はいわゆる「殻を破れない」もどかしさだ。例えば、試合中に古賀がボール持った時、トップにボールを入れることを模索してルックアップするシーンが何回あるだろうか。おそらく10回に1回。甚だ自分が中心となってチャンスを作っていく気がないわけだ。それで何をするかと言えば、何も考えず秋田(スイーパー)に横パス。または背中に相手のマークを背負いながら下がってくる左のアウトサイド(今は主に中谷)の足元にパスを預ける。最近では目の前のクライトンに預けるという「レパートリー」も増えた。(苦笑) とりあえず「自分の仕事は目の前のFWを抑えること。それで近くの選手にボールを預ければ自分の仕事は終了。あとは他の人の仕事。」という空気がプンプン漂っている。しかし上で書いたように、古賀にはロングキックがあるはずだ。それをなぜ使わない?古賀からFWにいいクサビが入れば、左サイドの中谷やボランチがそれに連動して動いて押し上げられ、サイドをはじめとするチームの戦術の幅がグッと広がるはずだ。
 さらに、そんなフィードだけでなく、味方がボールを持った時のフォローの動きも極端に少ないというかない。あたかも自分のプレーエリアを「半径○メートル」と限定してそこに張り付いているようだ。駄々っ子じゃないいだから頼むよ全く。代表なんかでは当たり前に見られる、サイドが前を切られて詰まった時、3バックの左右の選手が外からそれを追い越してオーバーラップ(クロスオーバー)する光景なんて、古賀では見たことがない。クロスオーバーどころか前が詰まってもフォローにすら行かない。挙句さっきも書いたようにガチガチにマークを背負いながら下がってきたアウトサイドの選手の足元にボールを入れて後は知らんプリしてる始末。ウェズレイが守備をしないとバッシングを喰らうなら、攻撃をしない古賀は批判対象にはならないのだろうか。
 攻撃面で貢献する意識がないだけじゃない。果たして古賀はディフェンスリーダーとしてDF陣を引っ張る気があるんだろうか。ここでも「自分の目の前の相手を押さえてさえいればそれですべてOKだ」と思ってないだろうか。優勝を狙ってスタートした2ndステージ初戦。ネルシーニョは「限界を感じた」3バックを捨て、自らの理想とするサッカーが可能な4バックを試みた。4バックのセンターには、古賀と2ndステージ直前に加入した井川。結果は無残だった。対戦相手のガンバ大阪にいいようにやられ、前半だけで2失点。ネルシーニョ自らも試合後の会見でこのチームへの4バックの浸透度のなさを嘆き、3バックへの回帰を宣言してしまった。世間でも「4バックは失敗だった」との説が定説となっている。しかし果たして本当にそうだろうか。俺には別の理由があるような気がしてならない。ハッキリ言おう。3バックがダメとか4バックがダメとかそういう問題じゃないんだ。「古賀がDFリーダーとなるDFライン」がダメなんだ。後半落ち着いたのは3バックにしたからじゃない。秋田がDFリーダーを務めたから安定したんだ。もし仮に井川、古賀、深津の3バックだったら、きっと後半もボロボロにやられていただろう。スピードに難があり4バックに不向きとされる秋田が古賀の代わりに先発して井川と4バックの真ん中を組んでいたら、結果はわからないが、DFライン自体は安定していたはずだ。つまり経験もあり意識も高い秋田、海本兄、大森、角田の4人のうち、誰かがDFラインを仕切らなければ、今の名古屋ではDFラインは成立しない(井川は加入したばっかりでそれを求めるのは酷)ということだ。
 そんな古賀の負のメンタリティーは、「自分の仕事は目の前の敵を抑えること」→「攻撃はアタッカーがやること」→「自分の持ち場より外で起こる出来事は自分の責任ではない」となり、最後には「チームが勝とうが負けようが関係ない。自分は自分の仕事してたんだから。」になってやしないだろうか。そうなったら終わりだ。が、あながち、それはさすがにないとも言い切れないんじゃないか?そうじゃなきゃチームの成績が低迷してる中、平気で年末に自分ひとりだけ年俸アップを要求してゴネたりなんかしないよね、古賀君。
 「才能」と「メンタル」。今後のサッカーを見ていく上で、古賀は最高の教材であり、生きた標本だ。才能はあるがメンタルに問題を抱える選手と才能はイマイチだが抜群のメンタルを持つ選手では一体どちらがいい選手になりうるのだろうか。そしてメンタルは、フィジカルや技術同様トレーニングでどこまで改善できるのだろうか。
 それでも名古屋のサポーターは願って止まない。古賀が真の意味でその能力を開花することを。そして「永遠の超高校級」から脱皮することを。生ヌルい関係はご免だ。
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by tknr0326g8 | 2004-09-30 00:40 | Player's Profile
選手紹介#7 「永遠の超高校級」 古賀正紘(5) 前編
 かつて、高校サッカーを席巻していた東福岡高校に、J全チームが争奪戦を繰り広げた「超高校級」DFがいた。元日本代表DFで協会スタッフだった加藤久も、当時のNumberの中で、「今すぐにでも日本代表に入れて英才教育しても良い」との趣旨の発言をしていた記憶がある。(ちなみに加藤はデビュー直後の小倉を評し、世界の錚々たるスーパースターと並べて「自分が対戦した世界FWベスト5」とかに入れてたこともある) 
 彼は、プロ入団に当たり、最後は名古屋、横浜マリノス、柏レイソルとの三択の中から名古屋を選択した。練習参加した時の名古屋(当時の監督はベンゲル)の練習が「一番頭を使う」内容だったこと。ベンゲル、ピクシーをはじめとして当時の名古屋が「ヨーロッパ色」を打ち出していたこと。名古屋の初代監督で、今でも幹部としてチームに残る平木隆三が、東福岡の監督と懇意であったこと。あたりが理由だったらしい。お涙頂戴が好きなスポーツ新聞的には、決定打となったのは「ベンゲルからの手紙」。さらには「もともと名古屋ファンだった」というフレーズが、嘘でもファン泣かせ。かくして、ファンの誰もが期待をいだかずにはいられない名古屋の古賀正紘が誕生したのだった。当時の触れ込みは、「抜群の読みと身体能力を持ち、ボランチもこなす大型DF」。U-17ワールドユースを経験し、その後もU-19アジアユースのスタメンに高校生ながら名を連ねていた男(この年代では中村俊輔(レッジーナ)と古賀の二人だけ)に、名古屋は異例の10年契約を提示した。(古賀が「甘えたくない」と断った) 何から何までが破格、超高校級。前途は洋々に思えた。

 それから数年が経ち、選手としてのピークを迎えつつある古賀正紘は、名古屋で、ガルサ→トーレス→大岩と受け継がれた「5番」を背負い3バックの一角にレギュラーポジションをキープしている。シャツをだらしなくパンツの外に出し、ソックスをくるぶしまでズリ下げるスタイルは今や瑞穂の定番だ。
 しかし、「黄金世代」と呼ばれベスト8に進出したシドニー五輪、史上初めてアジアで開催され、その「黄金世代」を中心にして臨んだ結果「決勝トーナメント進出」という偉業を成し遂げた2002年日韓W杯、そして2000年に続き2004年もアジアカップを連覇し、2006年ドイツW杯を目指して予選を戦う日本代表、そのいずれのメンバーにも古賀の名前はない。怪我を抱えているわけではない。他の選手に比べDFとしての能力が劣っているわけでもない。ましてや代表監督のジーコやスタッフと目指すサッカーの方向性の違いから喧嘩をしたわけでも、クラブチームのために代表を辞退したわけでもない。
 なぜそうなってしまったのか?当時のスカウト達の目は節穴だったのか?これが本当の古賀の実力であり、限界なのか?

(後編につづく)
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by tknr0326g8 | 2004-09-29 00:35 | Player's Profile
選手紹介#6 「暴走機関車」 海本幸治郎(17)
 おそらくネルシーニョが自分のサッカーの「色」を示す上で、外国人の次に重要な選手と考えていると思われるのが、この海本幸治郎だ。それは日本人のフィールドプレーヤーの中で唯一キャンプ中から一度もスタメンを外れていないことからも明らかだ。
 幸治郎の一番の武器はなんと言ってもその走力。猛烈なスピードで攻め上がったかと思えば、また全力疾走でディフェンスに戻って来る。特に攻め上がる時の迫力はJリーグを見渡しても他の選手を寄せ付けない。その日本人離れした圧倒的な走力は、カフーやロベルト・カルロスといったブラジルの優秀なラテラルが例外なく持ち合わせる資質に通じるものがあり、ネルシーニョが決して外さない理由もそこにある。
 しかし問題がないわけではない。というよりこれから先に広がる日本代表などの未来を考えれば、クリアすべき課題はいくつもある。その代表格が「クロスの精度」と「ディフェンスでの粘り強さ」だ。ど迫力のオーバーラップから、細かいステップでディフェンダーを交わす。ここまではいい。しかし問題はその後。幸治郎の右足から放たれたクロスは行き場なく宙を彷徨う。今の名古屋のスタメンにストロング・ヘッダーがいない部分を差し引いても、なんとも勿体無い。かつて石川康も同じようにクロスがどうしようもなく下手だったが、晩年は綺麗な放物線を描くクロスをマスターし、いくつものアシストを量産した。今からでも改善の余地はある。そして守備だ。相手に追い付くスピードはある。しかしフェイントに引っ掛かった幸治郎の体がヒラリと半回転するシーンはこれまで数限りなく見られた。これでは安心してサイドの1対1を任せられない。ネルシーニョが将来的に4-4-2を志向している(幸治郎は当然のように右のラテラル)ことからしてもこの対人守備をどうにかしなきゃいけない。あと守備に対してはすごく淡白な時がある。もうこの辺はその走力を活かすってことを考えると、もったいないなぁっていう感じ。
 レギュラーに定着した去年は、周りの選手とのコンビネーションが合わない場面もあったけど(岡山とだけはコンビが合っていた)、今シーズンは右サイドで直志とのコンビも試合を追うごとに確立されてきた。思えば、直志が始めて先発でトップ下に入った1stの鹿島戦は直志と幸治郎が被りまくりで全く機能しなかった。今では直志が幸治郎が走らせるだけでなく、幸治郎が直志を使うプレーも出るようになった。早いタイミングで幸治郎からディフエンスラインの裏に通されるパスは右サイドのスペースを使う上で今ではチームの大きな武器だ。
 これだけの能力を持った選手だけに代表を目標にして、さらなるステップアップを期待したいところだ。
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by tknr0326g8 | 2004-09-28 23:33 | Player's Profile
選手紹介#5 「名古屋のプリンス」 平林輝良寛(26)
 名古屋と言えば、「金満」「無節操な大型補強」「若手潰し」みたいなイメージが他チームサポには定着しているかもしれないが、意外にも何年か前からユース年代の育成に力を注いでいる。つっても、「お金をかけてる」っていう部分が一番大きいかもというのが現実だし、ヴェルディやガンバ、広島、市原にはかなり遅れを取ってしまっているが、徐々にその成果が現われ始めているのも事実だ。

 そして、そんな「お金を掛けた」ユースが最初に花開いたのが、俺の知る限りでは恐らくこの平林の代だろう。俺自身もこの年代には並々ならぬ期待と思い入れがあった。その理由は・・・
1.この平林を擁した名古屋のJrユースがU-15(つまり中学年代の)高円宮杯で全国制覇を成し遂げたこと。2.この世代のU-17代表チームが「黄金世代」と言われる小野・高原・稲本の代以来のU-17ワールドユース出場を果たしたこと。(名古屋からはこの平林だけしか出場出来なかったが、その予選となるアジアユースには富岡(現筑波大学)も選ばれていたし、代表候補には神丸や日下なんかもエントリーしていた時期があった。) 3.この年代の名古屋の下部組織の選手達にとってサッカーを始めた頃からの幼少体験としてベンゲル時代の名古屋「黄金期」が刷り込まれているであろうということ。おまけとしてトップチームが二度目の天皇杯制覇を成し遂げた時の準決勝、国立競技場の名古屋側スタンドで俺はU-15の高円宮杯を戦っている最中のこのチームに遭遇している。そして近くに座ってただけでユースの選手なのになぜか緊張した。(笑) そんな経験が俺の中でこのチームをさらに特別なものにしたのかもしれない。
 まあ冗談はさておき、当時ユースのサッカーに全く触れたことがなかった俺はこのチームのサッカー(のレベルの高さ)に驚愕してしまったのだった。

 そのチームで10番を背負っていたのが平林だ。当時の印象は「クラスで一番運動神経のいい子」。いわゆるサッカー選手としてのスケールの大きさは神丸の方があったかもしれないし、サッカー選手としてのセンスは一学年下の深谷の方が上だったかもしれない。それでもこのチームにおいて「10番」は平林しかいなかったし、平林だけが各年代の代表に名を連ねながらU-17では世界大会も経験した。そんな名古屋出身で、(Jr)ユースからの生え抜き、しかも10番を背負うエリートを人はいつしか「名古屋のプリンス」(トッティのパクリ)と呼んだ。

 そんな平林もいつしか高校を卒業しトップチームへの昇格を果たす。しかしそれから先は常に怪我との戦い。体脂肪率が高いだの骨の密度が薄いだのいろいろ言われたが、「怪我のデパート」状態だった。今年もキャンプではネルシーニョに注目され好スタートを切ったものの、またしても怪我で途中リタイヤ。高円宮杯優勝メンバーでは富岡や神丸、深谷等がことごとく昇格を見送られてきただけに、平林とともに俺が幻想を抱いた名古屋版「第一次黄金世代」はこのまま終わってしまうのか...そんな不安が渦巻き始めていた。
 そして迎えた2ndステージ、ピクシーが公式戦ラストマッチを飾り、センターサークルにキスをして後にした味の素スタジアムでの東京V戦。サブに平林輝良寛の名が!!試合には敗れたが、得点を取りに行くシーンで平林が投入された。まさか平林のJデビュー戦まで生目撃できるとは。これも何かの巡り合わせか。パフォーマンス自体はアピール出来るような材料がなかったけど、また次の出場機会はすぐ巡ってくるはずだ。ただ試合は2-1に追いついた時点で、逆転出来そうな雰囲気がっただけに残念だったな。もしそうなってたら最高のデビュー戦になってただろうし、決勝点は平林が...なんてこともあったかもしれない。でもJのピッチで平林とヴェルディの平野がボール競ってる時代が来ようとは...。時代を感じるよ。
 これからは怪我にケアしつつトップチームの「10番」目指して成長していって欲しい。
 あとはこれという武器を身に付けることかな。器用貧乏には終わって欲しくない。
 
 平林だけにとどまらず、ユースは後輩からもいい選手が次々と出てきているし、若い選手の将来はどうなるか全く読めないけど、今後の名古屋に楽しみな要素が多いことは確かだ。
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by tknr0326g8 | 2004-09-27 02:19 | Player's Profile
第7節 対大分 雷雨により中止(延期)
 今日も中継がないので、速報HPが頼り。
 スタメンは、DFラインに秋田が復帰。ウェズレイに代え、ジョルジーニョが前節に引き続き先発。一方相手の大分はディフェンスにサンドロを欠く布陣で、ジョルジーニョのJ2ゴール目も期待できそうだ。

...が、試合は前半を終了したところで、雷雨により中止(延期)。伝え聞くところによれば、名古屋の2トップは何度も相手DFラインを破っていたとか。サンドロの累積は次で消化されちゃうし、少しアンラッキーかな?

 まあ、でも「人生万事、塞翁が馬」ってことで。再びこの試合を迎える時、名古屋が優勝争いをしていることを望む。


※なお延期された試合の日程は、後日11月10日(水)に決定しました。
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by tknr0326g8 | 2004-09-26 23:59 | Game Review
選手紹介#4 「中西哲生の再来」 吉村圭司(25)
 とにかくサポーターには人気がある男である。労を惜しまない献身的なプレースタイル、小気味良い動きは、見ている側には心地良く人気が出るのも納得できる。そんな吉村がチャンスを掴んだのは2003年のことだ。
 2002年のシーズン終了後、チームの中心であり元日本代表の山口素弘に戦力外が言い渡された。年齢から来る体力面での衰えが、中盤での(特に守備における)機動性を重視するズデンコの構想との間にズレを生じさせたためだった。そこで白羽の矢が立ったのが、ユバーシアード代表として愛知学院大学から入団して一年を迎えた吉村だった。
 吉村は持ち前のフィジカルの強さ、メンタルの強さ、高い機動性を生かして、ズデンコサッカーの申し子となった。中盤での忠実なチェーシング、機を見た前線への飛び出しが吉村のセールスポイント。これがズデンコのサッカーにピタリとはまった。ズデンコの時はそれだけで良かった。
 しかしそんな吉村に転機が訪れるのはネルシーニョ就任後のこと。ズデンコの時は中盤で相手をフリーにしなければOKだった。それによってある程度限定された相手の攻撃(中へのボール)は最終ラインかGKで跳ね返す。攻撃も長いボールが(自分の頭を越えて)トップに入る。中盤はそこに向けて押し上げて行くだけだった。ネルシーニョは中盤でのボール奪取と中盤の底からのゲームメークを求めた。吉村は怪我人事情もあって引き続き先発で起用されたものの、タテにボールが入れられない。タテに出したボールはことごとく相手に引っ掛かった。ディフェンス面でも1対1の対応にモロさを見せる。ボールを取りに行けば交わされる。特にテクニシャン系の選手に対してはことごとく振り回された。(一番記憶に新しいところでは、ナビスコカップのグループリーグ最終戦でジュビロの前田の切り返しにものの見事に引っ掛かり、そのままミドルシュートをぶち込まれたシーン) 危険なゾーンでのファールの数も急増した。「パスセンスの欠如」「1対1の弱さ」という徐々にその能力の「限界」が顕になってきた。
 2ndステージ、ブラジルからボランチにクライトンが加入し、前線へのパスの供給はクライトンの仕事となった。そのクライトンのパートナーとして主にその後ろのDFラインとの間のスペースのカバーを担当している。しかし、J1の優勝を狙うチームとしてはやや物足りない感じは否めない。「汚れ役」「汗かき」=「マケレレ」と言えば聞こえは良いが、マケレレはタテにパスを通せてこそのマケレレなのである。
 
 では、吉村にはこの先未来はないのか。

 かつて、名古屋に同じような特徴を持った選手がいた。決して個人としての能力は高くなかったが、運動量と献身的なディフェンスを武器にベンゲルに重宝された中西哲生だ。ベンゲルは中西を主に勝ちゲームの後半途中から二列目(岡山・平野のサイドハーフ)のディフェンス強化(中盤の運動量アップ)と前線のスペースへの飛び出し専門のスーパーサブとして起用した。吉村にもこれが出来るはず。今のシステムで言えば勝ってる試合で直志に代えるイメージか。3ボランチ気味にして前からチェーシングしつつ、機を見てボックスに飛び出すみたいな役割。実際吉村みたいなタイプがサブにいるとかなりゲームが締まるよね。後半途中からのテコ入れにもなる。
 あくまでスタメンにこだわるのであれば、その集中力と走力を生かして3バックの真ん中でカバーリング専門のリベロへのコンバートをおススメする。これも中西哲生がJ2川崎フロンターレへの移籍後の晩年に辿った道ではあるんだが。
 そんな「中西哲生の再来」吉村がどこまで高い意思を持ち続け課題をクリアしていけるか。それはそれで楽しみではある。チームには岡山のような例もあるのだから。
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by tknr0326g8 | 2004-09-25 23:58 | Player's Profile
選手紹介#3 「背番号7の系譜を継ぐ男」 中村直志(7) 後編
 まず望むのは、得点やペナルティエリア内での仕事に対するもっと強い意志。直志とプレースタイルが似たライバルの一番手は浦和の山瀬だけど、直志はこの部分では山瀬に大きく遅れを取っているし、実は代表入りのアピールに最も必要なのがこの部分と言っても良い。
 具体的に言うと、それほど強くない大学(日大)で「王様」だった頃の名残りか、まだまだ「自分を中心にボールを動かす」ことを意識が強すぎる傾向がある。一旦自分の足元にボールをもらいたがるし、さらに言えば自分を経由してないボールに対するリアクションが遅い。それが顕著に現われるのが、サイドにボールがある時で、直志はたいていそのボールに寄って行くケースがすごく多い。一旦自分にボールもらってサイドを走らせようというイメージだ。しかし、それよりも前のスペースに入ってボールを受けるとか、サイドの選手にスペースを作る動きをした方が攻撃はスムーズに行くはずだ。その証拠に直志がボールに寄っていった時、たいていそのサイドは詰まっている。マルケスに対しても同じだから、さすがにこれは困りものだ。マルケスが左サイドで前向いてボール持てば大抵一人で状況打開して、中にいいボールを通してくる。そこにポジションを取る(つまりゴールを狙う)べきだ。それなのにマルケスに対してもやっぱり寄っていってしまう。もちろん自分もマーク引き連れてるから、当然マルケスも詰まる結果になるわけだ。この辺のスペースへの入り方とスペースでのボールのもらい方に関してはいいお手本(岡山)がいるんだから、見習うべきだと思うな。まあ近くでもらうのとスペースに入るのの割合(とあとはその時の状況判断)の問題でもあるんだけど、今のポジションにしてはやや前者にシフトしすぎかな?と思う。
 二つ目は、間合いの近さ。いいミドルシュートを持ち、おまけにパスも出せてドリブルも出来る直志は、ついつい「一発」を狙い過ぎる傾向にある。だからプレーがワンテンポ遅くなるし、ドリブルで言えば切り返しの間合いも一歩近い。これでは日本ではよくても、世界に出た時恐らく通用しない。シュートであればシュートコースに詰められるし、パスだったら読まれるかライン上げられる。ドリブルだったらDFの足に全部引っ掛かってしまう。上のレベルを狙うならこれも改善点だ。
 そして三つ目は、ボックス付近でのディフェンス時のファールの多さ。ある意味献身的にディフェンスに戻っている証拠であり、その闘争心は買える。さらにズデンコの時と違い、「中盤でのボール奪取(そしてそこからの速攻)」を掲げるネルシーニョのもとではこういうプレーが増えるのはしょうがないのかもしれない。しかしセットプレーからの得点が重要な位置を占める近代サッカーでは、これはチームにとって致命的になりかねない。

 とまあツラツラと書いてきたが、さっきも書いたプレースタイルを完成させつつある直志を見ると、彼の適正はやっぱりセントラルMFにあると思う。彼の能力を活かすという意味でもセントラルMFが一番いいだろう。まあこればかりは監督が決めることなのでどうしようもないが、直志の未来像としてひとりのプレーヤーが俺の頭の中には浮かんでくる。チェルシーのランパードだ。俺的にはやはり直志は「日本のランパード」としてのセントラルMFの道を切り拓き、目標を世界に置いて欲しいプレーヤーだ。
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by tknr0326g8 | 2004-09-24 03:35 | Player's Profile
選手紹介#3 「背番号7の系譜を継ぐ男」 中村直志(7) 前編
 ジョージ・ベスト、ブライアン・ロブソン、エリック・カントナ、デビット・ベッカム、クリスティアーノ・ロナウド(おまけ)。言わずと知れたマンチェスター・ユナイテッドのエースナンバー「背番号7の系譜」。

 名古屋グランパスエイトの場合、W杯得点王・リネカー、妖精・ストイコビッチ、チーム史上初のJリーグ得点王・ウェズレイがリレーしてきた「背番号10」に注目が集まりがちだが、ピッチ上には、いつもその10番の脇で渋い光を放つ「背番号7」がいたことは、名古屋ファンなら誰でも知っているだろう。ジョルジーニョ(初代)、デュリックス、バウド、ウリダ。いずれ劣らぬ名プレーヤー。彼らにはさっきの10番みたいな大それた「肩書き」はない。(強いて言えば全員「仕事人」だ。(笑)) そして、今その7番を受け継ぐのが中村直志だ。
 ピクシー引退後初の公式戦でゴール2発という鮮烈デビュー(正確にはデビュー戦ではないが)を飾り「ピクシーの後継者」などと謳われたこの男もまた、背番号7を手にした今「仕事人」としてのプレースタイルを完成しつつある。
 名門市立船橋で全国制覇も達成した高校時代はアウトサイド、大学時代はトップ下でプレーしてきた直志がプロ選手として開花のキッカケを作ったのは、ズデンコ時代にボランチを経験してからだった。潜在的なフィジカルと対人プレーの強さ、そして折れない心がディフェンス面でも十分に活かされ、加えてドリブル、そしてシュート力という本来の持ち味もこれまで以上に発揮できるようになった。
 トップ下にポジションを移した今シーズンは、中盤でのチェックやバイタルエリアまで帰ってのボール奪取などのディフェンス面から最前線に飛び出しての得点までフル稼働。大野や岩本等元日本代表選手も加わった中盤でガッチリとレギュラーポジションをキープしている名古屋期待の星だ。
 しかし、プレースタイルは完成しつつあるとは言え、ひとつひとつのプレーの質に関してはまだまだ改善の余地は大きく残されている。それにさらなる成長、やがては代表入りも望むならばまだまだ注文したいこともいくつかあるのも事実だ。

(後編につづく)
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by tknr0326g8 | 2004-09-24 03:34 | Player's Profile
第6節 対セレッソ大阪 5-2 (得点:マルケス×3、クライトン、ジョルジーニョ)
 本当は、現地(瑞穂)で観る予定だったんだけど、結局地元に帰るのが来週になったので行けず。TV中継もないので、ネットの速報が頼り。(スカパー中継を待って、ゲームレビュー追加します)
 スタメンは、怪我もあり不調のウェズレイがついにスタメン落ち。代わりにウェズレイの実弟でC契約のジョルジーニョがスタメンに入る。ジョルジーニョは18歳と若く、フィジカルに弱さが観られるが、2ndステージ第二節の磐田戦で、決定的な仕事こそ果たせなかったものの、前線で動き回り攻守に貢献。チームに良いリズムをもたらして久しぶり(5年ぶり?)の磐田戦勝利に貢献しただけに、不安ばかりではない。その他では出場停止の秋田に代わり、海本兄が久しぶりの復帰。

スタメン

    マルケス     ジョルジーニョ

           中村

中谷   クライトン   吉村   海本弟

   古賀    海本兄    井川

           楢崎

交代:中村→岡山、海本弟→角田、ジョルジーニョ→氏原

 前半の試合の入り方は最悪だった。髪を金髪に染め、なんだか「落語家」みたいになった海本兄を中心としたDFラインが不安定だ。上げ過ぎては裏を取られ、引き過ぎてはミドルを打たれる悪循環。マークも捕まえ切れていない。開始早々から決定的なチャンスをいくつも作られ、ついに古橋に豪快なミドルを決められてしまう。
 しかしその後はだんだん慣れてくると同時に、マークもハッキリしてきた。ボール支配も徐々に名古屋優位となったものの、ジョルジーニョとのコンビネーション不足もありなかなか得点を奪うことが出来ない。目立ったのは右サイドを使った攻撃。幸治郎が何度も右サイドを破る。しかし中へのクロスは全く得点の臭いを感じさせない。クロスの精度の問題もあるが、クロスに対して誰がどう合わせるかが全く出来てない。というより、共通理解もない。幸治郎もなんとなくクロスを上げるだけになってしまっている。あれだけサイドを突破してるのに、もったいない。とは言え。マルケスもジョルジーニョもヘディングは得意じゃないしなぁ。直志もなかなかボックスには入って来ないし。その後ろの選手は言わずもがな。
 そんなことをしてるうちに、ジョルジーニョがエリア内で倒されPKを得る。ラッキーな判定だったが、これをキッチリマルケスが決めて同点。そこからはもうイケイケ。左右前後入り乱れての総攻撃から、マルケスが美しいループシュートを決めて逆転だ。しかし、サイドのマークが甘くなったところを突かれ、ドフリーでセンタリングを上げられると、西沢がアクロバティックなボレーで同点。まあ「事故」と言ってしまえばそれまでだけど、サイドも中もマークが甘かったのは大いに反省すべき点。その後もどちらかといえばボールとゲームを支配しながら前半終了。セレッソもマークが甘く名古屋のアタッカー陣は自由にやらせてもらっている感じ。後半も撃ち合いかな?
 そして後半。開始早々右サイドでワンタッチでキレイにつなぎ、抜け出した直志が深い位置からマイナスのセンタリング、これを後方から猛烈な勢いで走り込んできたクライトンが左足のインステップで強烈に叩き込んで勝ち越し。ジョルジーニョも慣れてきたのか、前線で基点になるプレーも出来るようになってきた。しかし守備は相変らずピリッとしない。試合はいよいよノーガードの撃ち合いの様相を呈してきた。名古屋はその後、左サイド中谷の長いドリブルから→中央の直志→右サイドを駆け上がってきた幸治郎とつないで、最後はマルケスがゴールに流し込み、ハットトリック達成。その直後には、幸治郎のスルーパスに反応したジョルジーニョがDFラインの裏へ走り込み、倒れ込みながらも左足でJ初ゴール。セレッソの左サイド、札幌から加わったばかりの大森健作が周りとフィットしてないと見たネルシーニョが、右サイドのジョルジーニョと幸治郎の前のスペースを狙えと指示したとのこと。この策がピタリと当たった格好だ。その後も途中出場の岡山がらしいプレーで決定的なシュートを放つなどチャンスは作ったけど攻撃は全体的に少し雑だった。一方のディフェンスも最後までセレッソに決定的なチャンスを作られっぱなし。久しぶりの大勝とゴールラッシュはうれしいが、喜んでばかりもいあられない感じだ。

 あとジョルジーニョが両足を攣って倒れてた時、足を伸ばしてくれたセレッソの久藤って良い奴だね。ちょっと良いシーンだった。
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by tknr0326g8 | 2004-09-23 23:59 | Game Review
選手紹介#2 「黒いピクシー」 マルケス(9)
 マルケス...彼はまるで「忍者」のような身のこなしで相手のマークをいとも簡単に振り切ってしまう。(そう言えばマルケスが忍者の格好したらスゲー似合いそう。(笑)) 本当に相手の間合い、タイミングを外すのが上手い。決してスピードがあるわけでもないのに緩急をつけてマークに来る相手DFを次々と抜き去っていく。使うテクニックは違うけど、マドリーのフィーゴとかもそういう緩急で相手の間合い外すのが抜群に上手い。浦和のエメルソンだとか全盛期のオーウェンみたいに爆発的なスピードを武器にしてるタイプとは好対照だね。前に代理人やってる人から聞いたんだけど、ヨーロッパのスカウトが選手見る時に注目するのがまさにそういう間合いを外す動きなんだそうだ。
 そんなマルケス、来日当初から随所に「セレソン」らしさを発揮していたものの、その凄さを「確信」したのは、その年の2NDステージのジュビロ戦。左サイドを主戦場とするマルケスと対峙するのは、言わずと知れた鈴木秀人。全盛期のピクシーですら対戦を嫌がっていたJ屈指のスピード系DF。その鈴木秀人をチンチンにやっつけちゃったんだから。「こりゃ本物だ」と。

 そして今年1STステージ第2節での磐田戦。
 この試合で伝説に成り得るスーパーゴールが生まれた。

 ここでマルケスの得意なプレーを復習しておくと、左サイド、ペナルティエリアの縦のライン、ここを「マルケスゾーン」という。そこでボール受ければ、縦のラインに沿って相手を翻弄して完全に抜ききった上で、確実に中の選手にラストパスを供出するまさに「ガルソン」(給仕)。抜き方はいろいろあるが、代表的なのは相手に背中向けた状態からフェイント掛けながら、その後クルッと回って、相手DFを置き去りにする通称「マルケス・ターン」。

 話を磐田戦に戻します。
 この試合でも前半早い時間帯に、「マルケスゾーン」で鈴木秀人と1対1を作るや右足一閃。「事故」(ジュビロ監督・選手一同)というスーパーシュートがジュビロゴールの(逆側)サイドネットに突き刺さった。でもさ、鈴木秀人だけは分かっているはず。あのゴールが事故でもなんでもないことを。どういうことかというと、試合が始まってから、例によって左サイドのマルケスに二度ボールが渡った。そこで対峙したジュビロDF(鈴木)に対し、マルケスはまた例によって二度「縦」に破った。(そのうち一度はエリア内だったため、縦に抜いてシュート)それで、この日三度目の「マルケスゾーン」がこの得点シーン。マルケスにボールが渡った瞬間、二度縦に抜かれ、しかも一度は決定的なシーンを作られている鈴木秀人は、縦に抜かせないポジションを取った。つまりゴールに向いてるマルケスに対して(マルケスから見て)左側にポジションを取ったわけだ。それをマルケスは見逃さなかった。自分の右足の前が空いてるわけだから、迷うことなく右足をひと振り。強烈なシュートがジュビロゴールを襲ったというわけ。
 「被害者」は鈴木秀人だけにとどまらない。デビューするや日の出の勢いで瞬く間に日本代表、そしてメンズ・ビオレのモデル(笑)にまで昇り詰めた浦和の坪井。彼に人生初のレッドカードをプレゼント。いまや「何をするか分からない」(G大阪・遠藤)とJのディフェンダー達をウェズレイ以上に恐れさせる存在。
 しかし、こんな紛れもない「本物」、紛れもない「セレソン」にも弱点はある。ヘディングはものすごく弱い。ひょっとしたら、そこいらの中学生かそれ以下のレベルではないだろうか。これまでも決定的なシーンでヘディングをとんでもない方向に飛ばしたシーンは何回か見た。少なくともサイドからの鬼クロスにダイビングヘッドでゴール...などという、ラーションや森山のような光景は今後も見られそうもない。
 そして、名古屋のファンにとって一番恐れる事態...それはトーレスやバウドの時と同じパターンでマルケスが名古屋を去ること。ブラジルでもその実力を認知されているマルケスだけに、名古屋以上の好条件でのオファーがブラジルから舞い込まないとも限らない。実際、去年リヴァウドが引退を表明してクルゼイロを退団した時、その後釜に名前が挙がったのがマルケスだったとか。条件といってもそれは何も年俸だけの話ではない。トーレスはバスコ・ダ・ガマから「引退後もスタッフとしてチームに残ってもらう」という保証付きのオファーを受け入れブラジルへ帰って行った。36歳くらいだったバウドはこの年齢にして異例の長期複数年契約のオファーを受けブラジルへと帰って行った。マルケスにも同じような話が来ないとも限らない。いずれそんな日が来てしまうかもしれない。
 マルケスのプレーをまだ生で見たことのない方はお早めに!
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by tknr0326g8 | 2004-09-22 12:09 | Player's Profile