Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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Jユース サハラカップ 対川崎 2-1 (得点:吉田、福島) @麻生G
 麻生グラウンド入口で配布されていたメンバー表に目を通した時、まず気が付いたのは青山の不在だが、よーく目を凝らして見ているとそれ以上に軽く衝撃的だったのがこの表記―

位置 番号  選 手   生年月日(年齢)   身長/体重   前所属チーム
                   ・
                   ・
DF  23  三宅 徹  1989/09/21(16)  188/73   名古屋グランパスエイト

 なにが凄いって、データの打ち込みミスでなければ・・・三宅の身長がまた1㌢伸びてる!!!
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 青山の他に上村、市川の主力3年生がベンチにも入らず、中田健が今日も客席の後方でビデオ撮影係を拝命している名古屋のスタメンは、こんな感じ↓

       久保
 花井         新川

   唐沢     福島
       吉田

清水  森本  三宅  根津

       長谷川

 試合は前半から個々のプレーヤーの能力に勝る名古屋のペースで、DFラインを中心にしっかりとボールを動かしながらSB、ボランチを経由してビルドアップする名古屋本来のスタイルだ。「勝負」という面では、特に新川がポイントとなり福島、根津が絡む右からの仕掛けが目立つ。だが川崎を相手に余裕があり過ぎるのか、全体的に一旦しっかりとボールを止めて、そこからさらに状況判断でワンテンポ置いてパスを出すといった感じの名古屋の攻撃は、速い攻撃へとつながるケースは稀で、中盤あたりから激しくプレッシャーに来る川崎ディフェンスを前になかなか思うようにはシュートまで辿り着けない展開。名古屋のサッカーが旧来の高校サッカーに見られがちな闇雲に前に蹴り出してフィジカルでゴリ押しするだとかそういう方向性でないことは確かだが、今後はコンビネーションの確立と合わせて判断の早さが課題となってきそうだ。

 そんな中で目立っていたのは、アンカーに入った吉田と右MFに入った福島。吉田はDFラインからボールを引き出して、通常のポジションであるCBの時に実証済みの「両足で強く正確なボールが蹴れる」キックを武器に両サイドへとボールを配給し名古屋の攻撃にリズムを作り出す。何度かプレッシャーを受けてボールを奪われ危ないシーンも作ったが、ベンチの指示もあって途中からは修正していた。福島は抜群の運動量でボランチの位置から前線までを幅広く動き、右サイドでやや窮屈そうにプレーする新川をフォローするようにそれを追い越して前に飛び出したり、ドリブルで突っかけてミドルシュートを放ったりと、ボールとゲームは支配しつつも若干停滞気味な名古屋の攻撃を「前へ」進める変化を与えていた。

 名古屋の守備はFWの久保以下が相手DFラインには自由にボールを持たせて、ボランチやSBに入ったところでプレッシャーを掛けに行くことを徹底している。なんとも落ち着いた戦い方。これに対して川崎は次第に中盤を省略してDFラインから前線にロングフィードを入れ、そこで基点を作る戦い方に方向転換(ひょっとしたらそれが本来の戦い方かも)してきたが、むしろこうなれば名古屋にとっては楽で、それほど大きな選手がいるわけでもない川崎の前線へのロングボールは三宅がことごとく跳ね返す。三宅はその体格からして既に「完成形」と思われがちだが、現実問題として彼はまだ1年生だし――1年生にしてはズバ抜けたレベルだとは思うけど――おそらくこれから様々な経験を積むことによって日々足りないものを補っていくような、改善・成長の余地を多く残したプレーヤーだ。しかし正直な感想として今日の相手は三宅の敵ではなかった。試合が進むにつれ相手は三宅を避け、サイドや森本のところにポジションを取り始めた。
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 そして川崎の攻撃を凌いだ名古屋に待望の先制点が生まれる。右サイドからの崩しだ。この試合やや右サイドに張り出してポジションを取っていた新川が珍しく中に絞ってポジションを取り、右サイド(根津?)からその新川へ入れたグラウンダーのボールを新川がスルーしてウェーブの動きで前方へ→すると新川の裏にいた花井がこのボールを受けワンタッチで前方に抜けた新川に通す→そのパスを受けた新川がペナルティエリア内でドリブルで仕掛け、相手DFのやや強引なチャージに待ってましたとばかりに倒れてPK獲得。主審によっては流された可能性もある微妙なプレーだったが、倒れ方含めて新川の方が一枚上手だった。このPKを吉田が冷静に蹴り込んだ。
 この試合での新川は往年のピクシーが左サイドでそうしていたように、時としてゲームの流れから外れてやや右サイドに張り出す形でフリーになっていることが多かった。このフリーの新川に早いタイミングでボールが渡って勝負を仕掛けられればチームとしてももっとチャンスを作り出せたのだろうが、新川にボールが渡る頃には対面する相手の左SBを初め川崎の守備が陣形を整えていることが多かった。あとはベンチからも時々指示が出ていたが、新川をDFラインの裏に走らせるような攻撃も前半はチームとしてなかなか実践できていなかった。新川がボールに触る位置は全般的に低く、そんなこともあってかいつも見られるような独特のターンを織り交ぜてヒラヒラと相手を交わしていく華麗なドリブル突破は影を潜め、シンプルなボールの捌きに終始していた感じだった。高円宮杯の時にも書いたが、俺個人の考えとしては、新川にはもっと自由にプレーさせた方が彼の特徴は生きると思う。自由というのは好き勝手にとか我侭にという意味ではなくポジション的にもっと流動性を持たせてという意味で。
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 結局前半の名古屋の得点は吉田のPKによる1点のみで、一方の川崎はロングフィードに対して相手FWがサイドに流れるようになってから、何度かそこを基点にサイドを破ってクロスを上げるようなシーンを作ったが名古屋のゴールを脅かすようなシーンはないまま、前半は1-0と名古屋のリードで終了した。

 後半がスタートすると、グループリーグ勝ち抜けに向けても後がない川崎が前から前からプレッシャーを掛けてくる。前半とは打って変わったこの川崎の戦い方に戸惑ったのか、それとも川崎の勢いに圧されたのか、後半立ち上がりの名古屋は守勢に回り、危ない位置でボールを奪われてはシュートまで持ってこられるシーンが続く。
 しかしこれを乗り切ると名古屋も徐々に落ち着きとペースを取り戻し始めた。前線で、高円宮杯あたりから好調を維持している(プチ覚醒した?)久保が身体を張って相手DFに競り勝ちボールをキープできているのも効いてきている。もっともこのレベルの相手(CB)であれば、恵まれた身体を持つ久保が競り勝てて当然といった見方も出来なくはないが・・・。図らずも久保に対してベンチから出た「点の取れるポジション取れ」という指示通り、あとは得点という結果を残して欲しかったところだったが、サイドからまともなクロスが上がること自体が少なかったこの試合では仕方ないかもしれない。

 そしてそんな試合の流れから名古屋に追加点が生まれる。左サイドから、右ワイドにポジションを取っていた福島に長いサイドチェンジが通る。福島は対応に来た相手DFをドリブルで振り切って縦に抜けさらに中に切れ込むと、PAの外辺りにポジションを取っていた花井に戻す。その花井がまたしてもワンタッチで絶妙なワンツーを福島に返し、PAの中でそのリターンを受けた福島がゴールネットを揺らした。1点目の時に劣らぬキレイな崩しとゴール。
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 点差を2点とした名古屋は、ベンチの指示通り後ろをしっかり守って「前3人で」攻めることを意識したカウンターだけに終始するのかと思われたが、川崎がさらに前掛かりになったことで前方にスペースが出来、むしろ両SB(特に清水)による攻撃参加が目立ち始めた。もちろんこれは相手にボールを奪われれば自陣にスペースを空けることも意味しているし、試合が進むに連れ選手達の足が止まりはじめた名古屋は、前線と最終ラインの間が空き始め中盤に大きなスペースが出来始めた。川崎はここをカウンターで突いてくる。
 選手交代、唐沢→土屋、そして足の攣った花井→酒井。ポジションの変更はなし。
 そんな名古屋にあってはDFラインの前で壁のように立ちはだかる吉田が、圧倒的な強さを誇るハイボールの競り合いはもちろん、重戦車のような寄せで中盤で広範囲に渡りクサビのボールを潰しまくるが、川崎のカウンターを前に名古屋は徐々にPA近辺やCKといったセットプレーを連続して与えるようになる。そして終了間際CKのこぼれ球を再度放り込まれて、DFがこのボール処理に手間取った所をPA内左サイドからゴール右上隅に豪快に決められ1点を献上。
 意気上がる川崎とは対称的に、チーム全体にガクッと来た雰囲気と若干の動揺が走ったようにも見えたが、残り時間が少なかったこともあってか名古屋は落ち着いてボールを回しながらカウンターを狙い残り時間を危なげなくやり過ごした。

 グループリーグ(グループE)三試合目にして初勝利。グループ首位の磐田とは勝ち点で並んだ。残すはホームでの三試合。上手く戦って決勝トーナメント進出(上位二チーム)を決めて欲しい。あとは名実ともにこのチームの中心となりつつある吉田を一日も早くトップチームで見られることを期待したい。
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by tknr0326g8 | 2005-10-30 23:13 | Youth
サテライトリーグ 対湘南 1-0 (得点:鴨川) @荻野運動公園陸上競技場
 「結果」に拘り、まるで年功序列のような中堅~ベテラン偏重の選手起用を行っている割には結果どころか内容も伴わないトップチーム――率直な感想として「このメンバーでこの結果(内容)じゃ、後に何が残るんだ」という感じ――には全く「希望」を見出せず、(関東でも)3時間以上かかる茨城まで出掛けていく気力が湧いて来ないのが今の俺の現状だが、それだったらよっぽどサテライトの試合でも観に行く方がモチベーションは高まりやすい。サテライトには「未来」という曖昧で不確かなものだけど極めて淡い希望がある分、俺の気持ち的にも「逃げ場」があるのだ。
 というわけで、昨日のトップチームの遠征は直前でキャンセルしたものの、先週の川崎戦に引き続きサテライトリーグ・湘南戦へ行って来ました。
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 名古屋は昨日のトップの試合(鹿島戦)で途中出場だった本田と山口K、そしてベンチ入りしたが出場機会のなかった角田、川島、吉村がそのまま関東に残ってこの試合に先発出場。その他にもイエロー累積で昨日の試合出場停止だった豊田やネルシーニョ時代には一時期レギュラーだったこともある井川、同じくネルシーニョの元でチャンスを与えられJ1のピッチを経験している平林、津田、須藤といった「1軍半クラス」の選手がスタメンを占めていて、トップに出場経験のない選手はスタメンではルーキーの井上、サブでも二年目の西川しかいない。

   豊田   津田

      本田
平林          山口K
    井上  吉村

 井川  角田  須藤

      川島

 メンバー(名前)だけを観た段階では、本田がボランチに入り平林がトップ下、井上が左サイドになるのかと思っていたが、試合が始まると平林が左サイドで井上がボランチに入っている。これは井上の体力では左サイドは無理との判断なのか、それとも井上の今後(将来)を考えてあえてボランチを経験させているのか、微妙なところだ。平林は出来ればゴールに近く、そして中央寄りのポジションで使いたいところだが、豊田と津田の2トップに本田がトップ下でこれをコントロールする攻撃というのも見ものではある。
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 試合は個々の能力に勝る名古屋が湘南を押し込む展開。いわゆる「形」だけを問題にするなら、湘南の方がチームとして意識しているいくつかのパターンを持ってはいた。しかしほぼ全員がJ1のピッチを経験している(もしくはその常連の)名古屋は、前半30分を過ぎる頃まで湘南をほとんど相手陣内に釘付けにしていた。そして名古屋は本田や平林、山口Kといった二列目の選手達が積極的に前のスペースに飛び出してチャンスを作り出す。最後の決定力という部分では課題も残したが、例えば山口Kが右サイドからファーに通したセンタリングを平林がトラップしてシュート気味のクロス→ゴール正面で津田がスライディングしながらシュート→バー直撃、本田が右サイドを深くエグッた位置から冷静に入れたセンタリングを豊田が頭で合わせる→バーの上等決定機もいくか作り出した。
 相手の湘南がオーソドックスな4-4-2で、どちらかと言えば左SBの池田が上がって来ようとする姿勢を見せるため、トップ下の本田は守備ではそこへの対応として右に出ることが多かったが、攻撃時には右サイドや中央にとどまることなく、左サイドに流れて平林とポジションチェンジしたりとかなり広範囲に動いてボールに多く触れようとする意図が見える。

 湘南ゴールから名古屋ゴールに向ってかなり強い風が吹いていたこともあり、湘南の単純なタテパスに対して名古屋はディフェンスの人数が揃っているにも関わらずちょっとバタバタしたシーンは幾つかあったが、逆に言えばそれぐらいしか危ないシーンがなかった試合展開が一変したのは、前半30分頃に湘南が右サイドから繰り出した稲妻のような高速カウンターで名古屋ゴールを脅かした辺りからだ。攻め疲れというよりは少しダレた名古屋に対して湘南が押し返して連続してセットプレーを得るなど反撃を開始。
 名古屋はこれを個々のプレーヤーの「絶対的な能力差」によって何とか切り抜けたが、結局前半が終了するまで名古屋が再び流れを取り戻すことはなかった。
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 後半になっても名古屋のマッタリさ加減は変わらない。時折左サイドで平林がアクセントとなって面白い仕掛けを試みるが、前半のように二列目の選手達が最前線に飛び出していくようなプレーは影を潜め、右サイドを山口Kが上がってクロスを上げるようなシーンも激減していた。名古屋の攻撃は能力に任せたほとんど「ゴリ押し」のような感じになっている。
 一方湘南も決定機を作り出すことは出来ないが、前半からの勢いを継続し高い位置からプレッシャーを掛けてくる。そして名古屋の最終ラインでの判断が悪くモタついた時や、吉村がボールを持ったところを狙ってプレッシャーを掛けると、そのままシュートまで持ち込むようなシーンも何度か作った。

 前線を中心に停滞が続く名古屋は、津田に代えて鴨川、平林に代えて中島を投入。中島がボランチに入り、井上が左サイドへ。そしてこの頃になると前線に人数を増やしつつあった湘南に対し、名古屋はそれまでリベロをやっていた角田が井川と入れ替わって左に出て、山口Kがかなり引き気味になる変形の4バックのような形になっていた。

   豊田   鴨川

      本田
井上
    中島  吉村
             山口K
 角田 井川 須藤

      川島

 しかし選手は交代してもサッカーの内容自体はほとんど変化がなく、むしろ前線で積極的に仕掛けてそのリズムに変化をもたらしていた平林がいなくなったことで、名古屋のサッカーはより一層ゴリ押し感が強くなった。
 そんなじれったい展開からすれば意外なほどアッサリと名古屋に先制点がもたらされたのは、このまま淡々とゲームを終えるのか・・・と思った矢先の出来事だった。GK川島のキックからそのままDFラインの裏に抜けた鴨川が相手DFと競り合って身体を預けながら右足で流し込んでだ。去年の「関東大学リーグ得点王」は、その経歴と背番号からシーズン前から話題になっていた通り、どことなく森山を彷彿とさせるゴールで「FW不足」のトップチームにアピールすることが出来ただろうか・・・(って、この試合も監督は中田監督だったんだけど)。
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 その後も名古屋は平塚の反撃を凌ぎながら、本田によるちょっと強引なドリブル突破などの「力技」で幾度もセットプレーを得るなどチャンスを作った。ひとつ気になったのは本田のキックの精度で、直接狙える位置でのFKのチャンスが何度かあったが、これがことごとく枠を大きく外れていた。角度の問題や、本田が狙っているコースの問題(「とりあえず枠の中」ではなく厳しいコースを狙っていれば当然外れる確率も高くなる)もあるんだろうけど、去年のカタール国際ユースではこれぐらいの決めてなかったか?今の名古屋の環境で本田の左足が錆び付かないことを祈るばかりだ。そう言えば、前に本田のFKは特別指定選手時代に「ウェズレイ直伝」って話を聞いた気がするけど、目の前にいい手本がいたりするとまた伸び方も違うんだろうな。

 試合は結局そのまま1-0で終了。選手の能力からすれば順当な結果だが、もう少しチームとしてまとまって戦えれば、もっと差がついていてもおかしくなかい試合だった。トップチーム同様、パスが3本4本とつながる「流れるような攻撃」はサテライトでもついに見ることが出来なかった。

 この試合、試合とは別に俺の中で印象に残ったのは、二試合連続で遠征に帯同しベンチ入りしながら出場機会のなかったセバスティアン。チームのリズムが良くない時間帯に、しばし相手のプレッシャーを受けてボールを奪われていた吉村に代えて投入し、中盤の底でいったんボールを落ち着かせてゲームを作らせても面白いかとも思ったが、セバスティアンはそんなに「使えない」選手なんだろうか。この冷遇っぷりを観ていると来シーズンが心配になる。この日出場機会のなかった西川も然り。本職ではない上、前日の試合にも(途中)出場し、後半ほとんど上がれなくなっていた山口Kに代えてすら入れられないほど、彼は試合に出られるレベルに達していないのだろうか。
 新監督やら新外国人やら移籍やら新加入やらで、名古屋サポにとっては浮ついた季節がまたやって来るが、一方ではその分だけ厳しい評価が待ち受けている人間もいるということだ。それを思うとこの時期のサテライトはなんだか切ない。
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by tknr0326g8 | 2005-10-23 23:34 | Game Review
第28節 対鹿島 0-1 (得点:なし) @BS
 この試合を後半30分ぐらいから見た人はこう思ったに違いない。

 「名古屋も退場者出した上に、鹿島相手に追いかける展開はツライな・・・」

 名古屋の監督や選手達は、かつてのように「スーパー」な外国人プレーヤーが前線にいるわけではない今の名古屋が、この期に及んでリスクを犯さなくても得点を奪えると考えたのだろうか。試合終盤を迎えての名古屋の戦い方は、ひとり少ないチームが前線の人数を減らして得失点差の拡大を避けることを第一に考えたような戦い方だった。

 豊田が出場停止の名古屋は中山が先発に復帰し、増川が怪我から戻ったDFライン(3バック)では角田がベンチへ。

     中山   中村

       藤田
           クライトン  杉本
  大森  ヨンハッ

   古賀  秋田  増川

        楢﨑

 試合は前半から鹿島が二列目の小笠原と深井がポジションチェンジをしたりと流動的に動きながら圧倒的にボールを支配する展開で進む。そしていきなり前節川崎戦でのジュニーニョの2点目と全く同じ形で、右に流れた深井に対する古賀の対応が甘く、左足で逆サイドネットを狙った強烈なシュートを許すが、楢﨑が今度は(古賀がシュートを打たせるのは想定済みとばかりに)横っ飛びで弾き出す。だが前半楢﨑が脅かされたようなシーンはこれぐらいだった。
 守備の意識が高い名古屋は――最前線にいるAミネイロに対してを除いては決してマークが厳しいわけではないが――相手ボールになると素早く引いて自陣ペナルティエリア外側あたりから守備ブロックを作り、鹿島に有効なタテ方向へのパス(ラストパス)を通させない。そして鹿島の「チャレンジ」の少ない攻撃、濡れたピッチの影響かボールが流れてしまうようなシーンにも助けられ名古屋は前半を無失点で乗り切ることに成功する。
 問題があるとすれば、名古屋の作る守備ブロックの前でリカルジーニョがフリーでボールを持つシーンが度々見られることで、そうなると3バックの前(中央)のスペースを消しているヨンハッが引っ張り出され、空いたスペースを小笠原に狙われたりしている。しかし鹿島の右SBに入った青木がタテ(前)への突破を狙ってくるタイプではないこともあって、大森が守備時には臨機応変に中に絞ったポジショニングでカバーに入るなど絶妙なバランスを取っている。この辺の勘はさすがだ。

 名古屋の攻撃面での狙いはそんな守備からボールを奪ってのカウンターのみで、それ以外では組み立てを放棄したかのようにセイフティーファーストでデタラメなロングフィードを放り込むばかりだ。トップの位置では「一応」ターゲットの中山がボールを受け切れなかった印象が強いが、このやり方では中山がターゲットとして役に立たなかったからチームの攻撃が作れないのか、いいボールが出ないから中山が機能しないのかはどっちもどっちといった感じで、むしろ中山は気の毒かもしれない。
 名古屋がカウンター頼みの攻撃に勝機を見出せるのは、ひとえにヨンハッというボール奪取能力に優れたボランチがいるからだろう。守備にかなりの重心を置き攻撃の組み立てに課題を残すサッカーは、なんだか受ける印象としてズデンコ時代のそれを彷彿とさせるが、今のチームにはヨンハッがいることであの頃より高い位置でボールを奪いそれをカウンターにつなげることが出来るのだ。ただ悲しいかな、そこから先どうやってゴールまでボールを運ぶかという部分に関しては、それとは別問題で全く整理されている印象はないし、選手間での意思疎通もアイデアも不足している。まぁルイゾンを基点としたボールの流れが出来つつあったのを自ら放棄しちゃったんだから仕方ない。
 あとひとつ不可解なのは――杉本が右サイドで抑えられたという「結果論」込みでの話だが――カウンターから鹿島DFラインの裏を狙うような攻撃を意図するなら、なぜ杉本を最初からFWで起用しなかったのかということだ。

 中山と2トップを組む中村は、前節の反省からか中盤に下がってくるプレーを封印。鹿島最終ライン付近に中山と並んで張り付いていた。しかし立ち上がりこそやや無理のある体勢からミドルシュートを積極的に放っていたが、その後は沈黙してしまった。そもそも試合の中で杉本と特徴を消し合っている中村をこのポジションで起用する意図を俺は理解しかねるが、後半数回(一、二度)あったように中央で相手のDFとボランチの間のスペースに入り込んでボールを受けるようなプレーがもっと増えてくれば可能性を見出せるかもしれない。ただ、あのセットプレーでのキックの精度のなさはチームとしても考えものだが・・・。

 両チームとも選手交代無しで後半がスタート。
 さっそく増川が空振りして、そのボールを拾った深井が左サイドをエグって上げたセンタリングをファーサイドでAミネイロにドフリーでヘディングを許す。Aミネイロの前では古賀が情けない格好でカブっていたが、Aミネイロはこれを枠の右に外す。ラッキー以外の何ものでもない。そして相変らずサイドからのファーを狙ったセンタリングには簡単にマークを見失ういつもの姿を曝け出す名古屋。

 後半を迎えるに当たり名古屋も若干の修正を施して来た。前半は後ろの守備ブロックとやや距離が離れている印象のあったFWのラインが守備時には自陣にまで引いて相手ボランチに対応している。そして図らずもこの(守備を意識したと思われる)修正によって最終ラインと前線との間がコンパクトになった名古屋は、攻撃においても「中盤」が復活した。奪ったボールが中盤を経由して両サイド、FWへとつながりチャンスらしきものを作り出す。しかしリズムの良くなった名古屋対して、今度は鹿島が逆にカウンターで応戦し、ゲームは両チームのゴール前を行き交う攻め合いの様相になってきた。ただゴール前で決定的なシーンまで作るのは圧倒的に鹿島だ。

 そんな攻防がしばらく続いた後、Aミネイロへのクサビのボールを上手く奪った秋田がピッチド真ん中を怒涛のドリブルで攻め上がり、案の定相手に奪われカウンターを喰らう。守備陣形の整わない名古屋に対し、杉本の上がっている右サイドを新井場が持ち上がると、ズルズルとゴールライン付近まで下がる名古屋DFをあざ笑うかのようにマイナスに折り返し、これを後ろから走り込んだ本山がボックスの外からダイレクトで名古屋ゴールに突き刺し先制点を奪われてしまった。本来なら「オイオイ、ベテランが何つープレーしてんだ?」と呆れたり怒ったりしたくもなる秋田の無謀とも思えるプレーに対して、なんとなく温かい気持ちになってしまったのは、そのプレーがかつての飯島を彷彿とさせたからだろうか。(笑) ベンゲル時代の飯島もたまにパスコースがないと出来もしないドリブル仕掛けては、潰されて失点につながるカウンター喰らってたよなぁ・・・。

 先制点を奪った鹿島は精神的にも余裕が出てパスが回り始め、取られた名古屋はすっかり出足が悪くなった。それでもチームを引っ張る意思を見せ先頭切って走り続けるのが藤田というプレーヤーだ。一度自分のいた左サイドから全力で走ってきて、右寄りの位置にいた中村の前にいるボールホルダー(中村はその選手の5mぐらい手前で静観していた)にプレッシャーを掛けに行ったシーンがあったが、あのシーンとか中村はどう思ってたんだろう。

 その後名古屋は続々と選手交代を行い、中山に代え本田、そして藤田に代えて山口Kを投入。杉本をトップに移動し、山口Kが右サイドに入った。確かにこのゲームの中じゃ機能していたとは言い難いけど、藤田代えちゃうか・・・。多分藤田には誰よりもチームのために全力で走っていたという自負があるだろうし、周りは笛吹けど踊らずで挙句自分が交代と、その心中を察するには余りある。

     本田   杉本

        中村
          クライトン  山口K
  大森  ヨンハッ

   古賀  秋田  増川

        楢﨑

 杉本をトップに持っていくことにはゲームの流れを見れば賛成だが、試合後の監督コメントを見るとどうやら山口Kには「サイドアタック」を指示していたようだし、だとすればそこで投入すべきは山口Kではなく角田ではなかったか。山口Kも角田も純粋なサイドアタッカーじゃないが、どちらによりその適正があるかと言えば、間違いなく角田だと俺は思う。

 そして試合は前半と入れ替わったようにスペースを消して守る鹿島と、それに対して攻めあぐむ名古屋という展開になった。刻々と刻まれていく時間と空転し続ける(鹿島のDFに跳ね返され続ける)攻撃。それでも監督は後ろ(3枚のCB)を一枚削ることなど考えもしなかったようだ。鹿島は60分台で既に深井に代わって鈴木が入り、Aミネイロと鈴木の2トップになっていたから、タイプ的に考えてもその時点で後ろに人を余らせておく必要などなくなっていたと俺は思う。

 新たに選手を投入するでもなく、最終ラインから古賀なり増川を前線に上げるでもなく(古賀はなんとなく中途半端な上がりを見せるそぶりをしていたけど)、名古屋寄りの笛で次々と与えられたセットプレーのチャンスを淡白に潰すだけで、無策なゲームは進んでいく。
 試合を見ている間は、「この人達は勝つ気があるんだろうか?」と怒り心頭で見ていたが、さっき監督コメントを見たら、なんかこの人を責めるのは酷なような気がしてきた。監督からして鹿島を恐れている。もちろん今の名古屋のチーム状態もあるんだろうけど、敢えて中堅~ベテランに拘った起用をしているというのに、それでもまだ弱気なのかと、そんなことでチームが勝てるわけがないとも思うが、なんかこれ以上追い詰めたらヤバイ雰囲気すら漂わせている。

 試合をする前から負けていた試合。直前で現地観戦を断念した身としては、観に行かなくて良かった――こんな試合を観た後バスで2時間以上も揺られて帰るのかと思うと気が重くなる――が、名古屋の憂鬱はまだまだ続きそうだ。
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by tknr0326g8 | 2005-10-22 23:59 | Game Review
サテライトリーグ 対川崎 2-2 (得点:平林、エドアルド) @麻生グラウンド
 前日の嫌な気分を払拭しようと栗平にある麻生グラウンドまでサテライト川崎戦へ。ユースがJユースカップの初戦で湘南と試合(大神)をしているのとどっちにしようか迷ったが、大神は駅からも遠いしこっちを選択。ちなみにセカンドチームも見ることになったという神戸さんの姿はなかったようなので、ユースの方に行っていたんでしょうか。ちなみに(×2)この試合も名古屋の監督は中田監督・・・って、状況が状況ではあるけど、ちょっと同情する。

 名古屋の先発はこんな感じ↓で、せっかくだから普段見れないものを・・・と思っていた俺の意に反し意外と普通だ。(笑)

       エドアルド
   井上       平林

西川             山口
     中島   吉村

   増川  諸江  井川

        川島

 トップチームの試合とは違い選手の声がピッチ上に響く中で試合を見ていると、このチームがどういう構成になっているのか(誰が中心なのか)が分かりやすい。よく声が出ているのは、前では平林、後ではキャプテンの井川とGK川島。平林は誰かがボールを持つとその選手の名前を大きな声で呼びながら受けに入ったりスペースへボールを要求して動き出したりと、背番号10にふさわしくこのチームの攻撃の軸となっているようだ。井川も(メンバー表を見て改めて驚いたが)まだ22歳と若いながらもその経験のなせるわざか、諸江あたりにはよく指示やアドバイスを出していた。そして川島。決してDFだけに留まらずピッチ全体を見回して後から的確な指示を飛ばす。
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 試合は前半から名古屋が決して身長が高いわけではないエドアルドの頭を狙ってロングボールを蹴るという無茶な攻撃も時々見られる(大抵川崎の3バックの真ん中に入ったヨンデに潰される)ものの、平林と前日にトップチームの試合でも交代出場していた山口Kが基点となることで右サイドから攻撃を作っていくシーンが目立つ。ネルシーニョに寵愛されたチーム屈指のユーテリティプレーヤー・山口Kのサイド起用に関して俺は少し懐疑的だが、やはりこのレベルでは余裕を持って「一枚上」のプレーを見せてくれるようだ。しかし、名古屋の攻撃は最後のところで詰めが甘くなかなか「枠内シュート」という形でこれを結実させることができない。

 一方の川崎は、トップチーム同様プレスが緩い名古屋の中盤をかいくぐるような早いパス回しからフッキ、黒津につなげる速い攻めで名古屋陣内に攻め入って来る。こちらは名古屋とは対照的にテンポの良いパス回しからフィニッシュまで辿り着くことも多いが、名古屋は川島の安定したセービングと増川、井川といったトップチームのレギュラークラスのDFが2トップに激しく当たることで(特にフッキを潰して)なんとかこれを凌ぐ。

 そしてそんな前半に先制点を奪ったのは名古屋だった。ペナルティエリアの外あたりの混戦ででボールを持った平林が一度はボールコントロールをミスして失ったボールが再び自分の足元に転がってきて、迷わず右足を一閃。相手DFの足に当たったボールはコースが変わって川崎ゴールに吸い込まれた。GK下川反応できず。
 そして1-0のまま前半終了。
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 後半に入ると名古屋は最終ラインの組み合わせを若干変えてきた。カード対策もあるのだろうが、前半のうちにカードをもらった井川をリベロに、右に増川、左に諸江をそれぞれストッパーとして配置する構成。

 名古屋がリードしていることもあってか、後半のペースは川崎が握り名古屋にとってはシュートすらなかなか打てないような展開が続いたが、それでも追加点を奪ったのは名古屋だった。カウンターからエドアルドが抜け出し、エリア内でこぼれたボールに井上が詰めると、ほぼ同タイミングで飛び出してきたGKと交錯して倒れる。さらにこぼれた所を押し上げてきた平林が拾ってシュート態勢に入った所でPKのホイッスル。PK自体は微妙な判定だったが、まあそのまま流して平林がシュート打っても入ったと思う。このPKをエドアルドが決めて2-0。
 これは前日の1-4の借りをさっそく返すチャンスか?との思いが一瞬頭をよぎったが、名古屋の見せ場はここで終了した。あとはひたすら川崎の猛攻を受ける。途中左サイドの西川に代えてFWに津田を投入し、井上が左サイドに入るとその傾向は一層顕著に。井上は攻撃面でもその良さを発揮できていなかったし、左WBにポジションを移してからは肉体的というよりも精神的にスタミナが切れた感じで、川崎の右WB森勇介に再三の突破を許していた。これはもう少し時間が掛かるかもしれない。
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 そして名古屋はバイタルエリアあたりでのマークが緩くなった所をフッキにミドルをブチ込まれて2-1。さらには調整での出場となった増川の代わりに後半途中から投入された須藤が自陣のゴールエリアで判断が遅れたところを相手選手にボールをさらわれ、最後はゴール正面につめていたアタッカーに流されるとこれを冷静に決められついには同点。

 名古屋は途中で投入した津田も全く有効に機能しないまま、平林の運動量が落ちてくると攻撃の形もほとんど作れなくなってしまった。そして後半はほとんど良い所なく試合終了。なんとか同点で踏みとどまるのが精一杯だった。フィールドプレーヤーで唯一出場機会のなかったセバスティアンをボランチに投入し、もっと中盤からゲームを作っていくような展開が見たかったが、最後の時間帯は相手の3バックの脇のスペースにロングボールを送ってそこに基点を作ろうとする攻め一辺倒になってしまった。
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 名古屋の中では、川島、増川、井川、山口、平林といったトップチームでも実績(出場経験)のある面々にいつトップチームからお呼びが掛かっても大丈夫そうな目処が立った(特に怪我明けの増川)が、一方で若手選手達にはまだまだ時間が必要だと感じた。いや、正直言うと、これは本当に時間(と練習)が解決する問題なのかどうかすら疑わしい選手がいたのも事実だが・・・。
 そして今上で「経験者」のところにあえて名前を書かなかったけど、吉村あたりはトップチームで相当な経験を積んでいるし、このクラスの相手ならもう少し圧倒的なパフォーマンスを見せてくれるかと思っていたが、出来としては凡庸で、むしろWボランチを組んだ中島の方が目立っていた。まあ試合終盤の川島のキックの精度同様、水を含んだピッチやサテライトというモチベーションの問題もあったのかもしれないが、こうなるとよく言われる「サテライトの意義」のようなものも考えさせられてしまう。

 2-0から追いつかれてしまったわけだが、こうなったら仕方ない。トップチームの借りは、再来週のユースで返すとしよう。
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by tknr0326g8 | 2005-10-17 16:42 | Game Review
第27節 対川崎 1-4 (得点:古賀) @スカパー
 国際Aマッチデーがスケジューリングされていた関係で二週間ぶりとなったリーグ戦。この期間の名古屋は、中スポによれば二部練習連発の「地獄トレ」やらユースレベルの「スローイング特訓」を敢行し、エルゴラによれば「どこでプレスをかけるのか、どこでボールを奪うのかの徹底」という「本来はシーズン前のキャンプで行わなければならない」「守備の整備」を行っていたとのこと。(カッコ内はエルゴラの引用です)

 果たしてその成果は・・・と期待半分不安半分で試合を観たわけだが、結論から言えばこれがまたここ数年記憶にないような酷い試合だった。ホームでここまで惨めに負けるのはJリーグ創設当初~ベンゲルがやって来る前までの「暗黒時代」以来じゃないか?確かに去年のナビスコカップ準決勝で浦和に同じようなスコアで大敗したことはあったけど、それでもここまで酷くはなかったよ。試合後に「この借りはリーグ戦で返す!」ぐらいの気概が、イチブロガーの俺ですらあったからね。今回はもう戦意どころかグーの音も出ない感じ。

 名古屋のスタメンは、前節の広島戦から比べると最近好調を持続している豊田を中山に代えて先発に、そして左サイドでは中谷に代わって大森が去年の天皇杯以来となる復帰を果たした。ちなみに大阪ニッカンでは記事になっていたこの大森復帰を中スポが事前に記事にしなかったのは、御用新聞として相手チームにとって利益となるような「インサイダー情報」に注意したからだろうか、それともまた単に出し抜かれただけか。

         豊田
    藤田       中村
         クライトン
大森               杉本
         ヨンハッ

    古賀  秋田  角田

         楢﨑

 試合開始直後、名古屋はいきなり川崎に先制点を献上する。よく試合後の名古屋の選手のコメントとして「先制点を奪われてゲームプランが・・・」という言葉が発せられるが、それにしては曖昧で気の抜けた試合の入り方だ。名古屋ボールでのキックオフから無作為に相手陣内に入って行って奪われたボールをスイスイとつながれ、最後はペナルティエリア内ファーサイドにどフリーでいたマルクスがヘディングシュート、これが絶妙なコースに飛んでゴールに吸い込まれた。ハーフタイムのコメントとして中田監督の「アクシデント(みたいなゴール)」との言葉があったが、このゴールは試合全体を通しての展開を象徴しているようなゴールだった(もっとも、クロスに対してファーが空いてしまうということに限れば、それは今に始まった話ではないが)。それを「事故だから忘れよう」では、ハーフタイムを挟んだところでチームが立て直せるはずもない。

 名古屋は久野と中村(憲)のボランチコンビを自由にさせ過ぎていた。この二人に対するマークが曖昧でプレッシャーも緩いため、そこから前の三人(ジュニーニョ、我那覇、マルクス)に次々とパスが出てくる。そしてそんな状態でボールが入った前の三人に対して名古屋の3バックはほとんどなす術がない。
 川崎の「前三人」による攻撃は、前半は基本的にジュニーニョ(中央~左)、我那覇(右)の2トップに、一列下がった位置からマルクスが左サイドに出てくる形が目立った。ちょうど昨シーズンにウェズレイ(中)、マルケス(左)の2トップにトップ下の中村が右サイドに飛び出したような感じだが、この時点で名古屋の3バックは既に形勢不利だ。前でパスの出所(ボランチ)を全く抑えられていないことと、ジュニーニョを中心にスピードのある川崎の攻撃を気にする余り、ディフエンスは完全に「受け」に回ってしまっていて、古賀は得意のインターセプトを狙えず我那覇にやすやすとポストプレーを許し、よりによってジュニーニョとマッチアップすることになってしまった秋田はそのスピードにおいていかれ気味だ。そして名古屋は2トップに対して3バックが一人余るような形で対応し、マルクスはヨンハッが見るというのが一応の役割分担だったようだが、ヨンハッとしても自分の前でこれだけ自由にボールを動かされては前に出ざるを得ない。そしてヨンハッのマークが外れて左サイド中心に飛び出しを見せるマルクスを、一点目を見ても明らかなように角田がつかまえ切れない。
 抑えるべきはまず久野と中村(憲)のボランチなんだが、後半になってもこれが改善される気配は一向になかった。基本的には名古屋は守備になったらFWまでがセンターサークルの先まで下がりディフェンスの組織を整える約束になっているようだが、相手DFラインで回しているボールが左右のストッパーに入ったあたりで突然中村とかが獲物を見付けた警察犬のようにくらい付いて行ったかと思えば、空いたボランチにボールを出され後手後手の対応でボールを前の三人へと運ばれてしまう。
 一体この二週間何を準備してきたんだ?どこでプレスを掛け、どこでボールを奪うかの確認をチーム全体でしてきたんじゃないのか?それとも川崎でこれまでレギュラーボランチだった谷口の怪我により、谷口よりボールを動かすことに長ける久野が入ったことが名古屋にとっての誤算だったのか?

 前半は、中盤を迎える頃から名古屋も徐々にリズムをつかみ始めボールをキープする時間が長くなるが、最後のところでは川崎ディフェンスをヒヤリとさせるようなシーンは全く作れないまま終了した。

 攻撃面では、豊田の身体を張ったポストプレー、コンディションが戻ってきつつある中村の「一発」、逆に一時期に比べコンディションが落ちてきてはいるものの相変らず前線でスペース(特にボックス内)への飛び出しと惜しみないランニングを見せる藤田、杉本のスピード溢れるドリブル突破、クライトンのキープと個々に良い要素はあるのだが、それ等がチームとしてまったく噛み合っていない。レポーターの情報によればチームはこの二週間、攻撃のバリエーションを増やす練習にも取り組んだそうだが、本当になにやってたんだ?と言いたくなる。もちろん試合と言うのは相手のあるものだし、例え準備をしていたとしてもその通りにはいかないものだ。しかしこのチームとしての一体感のなさ、バラバラな感じはなんなんだ?

 ところでこの試合の前半、副審のアクシデントにより第4の審判と交代するというアクシデントがあったが、その交代だけで裕に1分ぐらいの時間はあったはずだが、ロスタイム1分とはどういうことだったんだろう。それ以外ではロスタイムなしという判断だったのか。

 後半、選手交代はなし。前半の中盤以降はボールも支配していたし、このまま行けばゴールも時間の問題と踏んだのだろうか。

 そして開始早々セットプレーから再びジュニーニョに決められて失点。失点シーンではジュニーニョにマークに付いていた豊田が一瞬のスピードで置いていかれた形だが、元を辿れば中盤での緩いプレスからジュニーニョにボールが出て、それをマークしていた古賀が振り切られ、ヨンハッがファールで止めて与えたFKだった。(後半の川崎はジュニーニョと我那覇が左右入れ替わってプレーすることが多かった)

 三失点目。DFラインで箕輪に出たボールに藤田がプレッシャーに行くが、これをアッサリとボールを引き出しに来た中村(憲)に出され、連動どころか全く後ろからの押し上げ(フォロー)がない名古屋の中盤からの守備を尻目に全くフリーな中村(憲)が狙いすまして名古屋の3バック(古賀)脇のスペースへパスを送る。そしてここに走り込んだジュニーニョがドリブルで持ち込んで中にクロス。一旦は必死でボックスまで戻った秋田がスライディングで跳ね返したものの、そのボールは再びジュニーニョの足元へ。そしてジュニーニョは目の前にいる古賀をあざ笑うかのように左足で緩いカーブを掛けて逆サイドネットに突き刺したのだった。

 四失点目。中村がまるでFWのプレーヤーが相手の最終ラインにプレッシャーを掛ける時のような緩さで、DFラインからボールの出た中村(憲)にプレッシャーに行くが、当然のごとく軽く交わされ、そのボールをアウグスト(左)→我那覇(トップ)→そして再び中村(憲)とつながれ、バイタルエリアに入った中村(憲)からのスルーパスにジュニーニョが抜け出す。これを楢﨑がペナルティエリアの中で倒してPK献上。(PKを取るなら)レッド出されてもおかしくなかったが、その時点で0-3だし、レフェリーも気を遣ってくれたのかイエローで済んだのはラッキーだった。

 PK直前に名古屋は豊田に代えて中山を投入。三点差(四点差目前)でFWに代えてFW投入?中盤の守備のテコ入れでリズムを取り戻すためでもなく、サイドにフレッシュな選手を入れたり前にポイントを二つ作ったりして攻撃にバリエーションを持たせるでもなく、意味不明とまでは行かないが、意図が伝わりにくい交代だ。「やり方は変えないからピッチ上の自分達でなんとかしろ」ということか。

 その後名古屋は、マルクスが(余裕の)交代をし攻撃のリズムと迫力をやや減退させた川崎に対しセットプレーの流れから古賀のヘッドで1点を返すことに成功した。古賀は今シーズン5点目か・・・これだけは素直に褒めてもいいかな。

 しかしその後も名古屋は動きの落ちた杉本に代え右サイドに山口Kを入れるなど、ピッチ上もベンチも「受け」に回ったまま試合終了。去年から同じ形でチームを熟成させてきた川崎と、「ネルシーニョのベースを受け継ぐ」としながらもほぼオリジナルでチームを一から作り直そうとしている名古屋のチームとしての完成度の差が(前節に続き)出たと言えばそれまでだが、それ以上に「絶望感」が漂うような試合展開だった。

 それが来シーズンにつながるかどうかはともかくとして、ネルシーニョが監督を続けていればここまで酷い試合は見せられなくて済んだだろう。ネルシーニョならおそらく最小失点で切り抜けた前半を終えハーフタイムでクライトンを含め相手ボランチへのマークを徹底していたはずだ。そして攻撃が形にならないと見れば、少なくとも後半途中では大森に代え中谷を投入し、サイド攻撃の活性化を図っていただろう。
 久々の公式戦出場となった大森は、ハッキリ言って良くなかった。いや良くなかったというより、いるのかいないのか分からなかった。確かに対面する長橋に仕事をさせた形跡は全くないが、後半はむしろ「大森の裏」を川崎に狙われていたような気もするし、攻撃面では元々足元で欲しがるプレーヤーだけに中谷の時に見られる左サイドの「スペース」を使うような動きが全く見られなかった。これは名古屋の攻撃が停滞した、川崎のディフェンスに揺さぶりを掛けられなかった一因と言っても過言ではないだろう。10ヶ月ぶりの本番でコンディションや試合勘の問題もあるだろうし、いきなり決め付けるのはどうかと思うが、藤田俊哉のいる今、(相手の右サイドによっぽど(攻撃が)強い選手でもいない限りは)俺は左サイドとしては大森よりも中谷の方がチームとしての機能度は高いと思う。

 まあ名古屋の攻撃が停滞していたのは、大森だけが原因ではなく、解説の川本治が「孤軍奮闘」と称していた中村にしても、コンディションは上がってきてはいるものの、そのプレー振りは「劣化版・ウェズレイ」みたいな感じで、「一発」の期待は持てるがチームの歯車とは全く違う次元でプレーしていて、むしろそれが「ノッキング」の原因になっているのも事実だし、藤田俊哉の献身的なランニングが浮いて(時に滑稽に)見えてしまうほど今のチーム状態は悪い。

 残り7試合、チームはどうなっていくのか俺には見当もつかないが、フロント、スタッフ、選手を含め「良い方向に向っている過渡期」と思っているのなら、それはあまりにも暢気だと言わざるを得ない。
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by tknr0326g8 | 2005-10-16 04:28 | Game Review
第26節 対広島 2-1 (得点:OG、豊田) @スカパー
 中田監督代行体制二試合目となる広島戦。初陣となったC大阪戦は、相手のセレッソのチーム状態が良かったとは言え、全く良い所なく敗れ去り今後に対する大いなる不安を感じさせたが、1週間でどこまでチーム状態は上向いているだろうか。

 前節、中村と杉本の2トップが全く機能しなかった―そもそも内部昇格人事であるにも関わらずその利点(選手の特徴を把握できている)が生かされていないのがどうかと思うが―名古屋は、杉本を右サイドに回しトップには中山を起用してきた。中山はHOT6初戦の大宮戦で負傷して以来ずっと怪我を引きずったままプレーしていて満足いくパフォーマンスを見せられないでいたが怪我はもう癒えたのだろうか。俺としては、初ゴール以来メキメキと自信を付けピッチ上で自らの長所を活かしアピールする術を身に付けつつある豊田を積極的に起用して欲しいと思っていたが、監督代行にも何かしら考えがあるのだろう。基本的なポジションとしてはこんな感じ↓。積極的に前へと勝負する杉本に対し、守備時には中谷が最終ラインに入ることが多い。

    中山   中村

   藤田
         クライトン  杉本
中谷   ヨンハッ

  古賀  秋田  角田

       楢﨑

 試合は序盤から現状でのチームの完成度の違いのようなものがハッキリと分かるような展開だった。もちろんチームとしての「やり方」自体に180度近い違いがあるので一概には言えないが、それでもその差は歴然としていた。名古屋は広島による前からの連動したプレスを前に藤田、クライトンといったあたりがいい形でボールの触れず自慢の中盤でゲームを作ることが出来ない。そして前の試合に比べれば中山という「目標」が出来ただけマシな気はするが、それでもその中山に対して出されるボールはポストを意図したものなのか、裏を狙ったものなのか曖昧なものだった。そもそもポストと言っても2トップを組む中村との距離感が最悪で、これではコンビネーションもなにもあったものではない。どういった形で攻めるのかチームとしても整理できていない感じがする。それに対して広島は糸でつながったように人とボールが良く動き選手達に迷いもない。このままいけば試合の勝敗は見えている。
 しかし広島の選手達は「やるべきこと」はハッキリしているものの、この試合に向けてどこかうわの空のような、集中力の欠如が目立つ。優勝争いをする上で負けられない試合、しかもホーム、どうしちゃったんだ?広島は。パスミスは連発するわ、危険なポジションで名古屋にプレゼントボールするわで目も当てられない。名古屋が唯一攻撃で活路を見い出せているように見えた杉本と中谷によるサイドからの攻撃も、広島からしてみればプラン通りというかむしろ「追い込んでいる」はずなのにそのサイドでの競り合いに負け何度も突破を許すようではプランが成り立たないだろう。

 そしてそのサイドから先制点が生まれる。右サイドで杉本が上げたなんでもないセンタリングを名手・ジニーニョがGKとの連携を誤りオウンゴール。ジニーニョの後ろにはマウスを空けて飛び出したGK下田ともうひとりDFがいて、名古屋の選手はこれに絡めるような位置には誰ひとりいなかった。ハッキリ言ってラッキー以外にも何ものでもないが名古屋にとっては貴重な先制点。

 その後も広島の散漫なプレーは続き、ついにはベットが前半途中にして交代。ベットといいジニーニョといい、試合後「実はブラジルから魅力的なオファーが来ていて試合に集中できなかった」とか言い出していないか心配だ。(笑)

 後半になると若干広島がハーフタイムの修正を挟んで持ち直してきた。攻守ともにチームでの共通認識として「形」は持っているから、パスが合い出せば名古屋としてもかなり分が悪い。名古屋は、速く、上手く、そして良く動く広島の2トップに3バックが前半から手を焼いていたが、(完成には程遠いが)リトリートを意識したチーム全体の守備と、それに戸惑ったかのような広島の拙攻に助けられなんとか凌いでいただけだったから、失点は時間の問題だったのかもしれない。
 そして後半途中、リ・ハンジェとの交代でガウボンが入ったのを合図に、マークのズレを見逃さす広島FW佐藤が名古屋DFの裏へアッサリ抜け出し、飛び出してきた楢﨑も交わすと、無人のゴールへ蹴り込んだ。

 こうなると広島は押せ押せで猛攻を仕掛けてくる。名古屋危うしか。

 だが、それになんとか耐え切ると、肉体面でか精神面でかは分からないが、広島の選手達が切れてしまった。足が止まりだし、自陣にズルズルと下がり始める広島。名古屋は再び・・・というよりこの試合初めて試合の主導権を握り、このタイミングで満を持して(?)中山に代え豊田投入。そして相手陣内でボールを回す時間帯が続いた後、右サイドの杉本のクロスにニアで藤田がスラし、大外に待ち構えていた豊田がジャンピングボレーでこれに合わせて広島を2-1と突き放した。
 この試合の藤田はこれまでに比べれば決してコンディションが良さそうには思えず、少し身体が重そうだったが、前半から何度か訪れたサイドからクロスが入るようなシーンでは必ず(中山か豊田とともに)ボックスの中にポジションを取っていた。もちろん中盤に下がってボールを動かすことも、前線へと飛び出すこともサボらない。それと比べるとこの試合でもFW起用された中村の「いるべきとこにいない」感じがどうしても際立ってしまう。チームの中心となってゲームを動かすには、中村にはもっと「プレーによる自己主張」が必要だ。それは決してボールに多く触れるとか決定的なスルーパスを出すとかそういうことではなく、自分がどうしたいのか(周りにどうして欲しいのか)を有効な動きの中からチームメートに向って示していかなければならない。
 
 そして後半の窮地に立たされたチームにあって光っていたのがヨンハッだった。中盤で広島の攻撃の芽を潰し、タテにヨコにとボールを動かしながら自身も積極的に攻撃に参加した。同点後広島の猛攻を凌ぎ名古屋が盛り返したのは、広島のトーンダウンの他に、中盤の底に位置するヨンハッの攻守両面での「前へ」のプレーにチーム全体が「ところてん」式に押し出された部分がかなりあったのではないかと思う。

 2-1とした後の名古屋は、中谷に代え本田を投入。本田を(ポジションも含め)こんな使い方しかしてもらえないのは俺にとっても全くもって不本意だが、中谷がいなくなったことで気の抜けたようなパスミスから速攻を喰らうこともなくなり、本田も含めたクライトン、藤田等のキープ力の高い選手達によるパス回しは広島からさらに戦意を削り取っていった。

 そしてそのまま2-1で試合終了。

 目標をどこに置くかということひとつ取っても、かなり微妙な時期ではあるが、監督交代以降の初勝利を収め、勝ち点「3」でとりあえずは降格から一歩離れることが出来た。監督代行に課されているノルマは「降格阻止」だろうから、(99年のように選手達のモチベーションをMAXまで高めてここから天皇杯まで怒涛の連勝を続けるなら話は別だが)俺としては今後の試合では「新しい力」の台頭を期待したい。
 なんでもかんでも若手を使えば良いという話ではないし、なんでもかんでも若手は使えば伸びるという話でもない。若手は波があるし起用タイミングも難しい。ベテランや中堅の方が「計算」が立つのも事実だ。ただ現状試合に出ているレギュラーには「伸びシロ」を感じさせないプレーヤーも、レギュラーを保障されるほどのパフォーマンスを見せられていないプレーヤーもいる。その「影響力」(実際のプレー以外での効能)を考えれば例え「伸びシロ」がなくてもチームのために使い続けた方がいいプレーヤーもいるが、そうでないプレーヤーならば、コンディションが良く彼等と同レベルのプレーが出来る若いプレーヤーがいれば、そちらを優先して使うべきだと俺は思う。
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by tknr0326g8 | 2005-10-09 03:24 | Game Review
全日本ユース 対滝川ニ 0-2 (得点:なし) @秋津サッカー場
 名古屋はグループリーグで初戦の入り方がまずく予想外の苦戦を強いられたものの、尻上がりに調子を上げてなんとか進むことが出来た決勝トーナメント。初戦(ベスト16)の相手はプリンスリーグ関西2位の滝川第二、2位と言っても一度はG大阪を下したり、この大会のグループリーグでもクラブユース王者のヴェルディから2-0と勝利を収めている手強い相手だ。
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 青山が出場停止の名古屋は唐沢と福島がWボランチを組み、最終ラインは金曜日の試合に引き続き左から吉田、森本、三宅を並べた3バックを採用、前は久保をトップにその下左サイド寄りに新川、そして上村が右ウイングのようにサイドに張り出している。基本的なポジションはこんな↓感じ。

       久保
   新川         上村

市川  唐沢  福島  根津

  吉田  森本  三宅

      長谷川

 試合は、前線に大会最強FWデカモリシを擁する滝川ニがもっとそのデカモリシにボールを入れてガンガン攻め込んでくるかと思っていたが、意に反して慎重な立ち上がりを見せており、守備でも前からプレッシャーを掛けて来るようなことはないので、名古屋は落ち着いて最終ラインからボールを回しながら「本来の」ペースで試合を進めることが出来ていた。
 一方の滝川ニは言えば、4-4-2の滝川ニに対し3-4-3(3-4-2-1)のような名古屋が守備時には3バック、両サイド、そして2人のボランチが素早く下がってスペースを消してしまうため、全く攻め手を見出せないどころか、ダラダラとDFラインでボールを回すような時間も長く何をしたいのかサッパリ見えてこない。

 そして名古屋は久保のポストプレーを軸に右サイドに張り出した上村が何度となくサイドのスペースを突破してチャンスを作る。滝川ニの左サイドはハッキリ行って「穴」だった。左SBは小柄でいかにもスピードがありそうな選手だったが上村のスピードの全く付いていけてない。上村は引きちぎるようにあっという間に相手DFを引き離して加速し何度も敵陣深くまで攻め入った。
 そんな右サイドに触発されたのか、左では新川が少しい引いてボールを引き出したりラインの裏や左サイドのスペースへと流れたりと幅広く動きながら、得意のドリブルでアタッキングエリアへと侵入していく。低い位置からスピードに乗ったドリブルでトップスピードのまま小刻みに身体を振ったフェイントを織り交ぜながら入って行く様はマイケル・オーウェンのようでもあり、左サイドのスペースに流れてボールを受け鋭いフェイントで目の前のDFのマークを外して「お膳立てした」ラストパスを中に供給する様はどことなくマルケスを彷彿とさせる。
 しかし名古屋は何度かあった決定機をシュートまで持ち込むことが出来ず、チャンスを活かすことが出来なかった。1対1では完全に勝ててるんだけどな・・・上村は判断が悪く、新川のラストパスは中と合わなかった。ちなみにこの試合での清水は右サイドが攻撃的なこともあってかやや自重気味で、新川のフォローに回っていた印象だった。

 守備はどうだったかというと、これはもう完璧と言っていい出来。滝川ニの攻撃が消極的と言っていいぐらい人数を掛けてこなかったこともあって、森本をひとり余らせた最終ラインはまさしく磐石。デカモリシも吉田が完全に抑え込んでいた。三宅も今日は落ち着いてプレー出来ている。
 じぁあ青山が欠けたWボランチ(唐沢と福島)はどうだったかというと、運動量のあるこの二人が守備になればサッとDFラインの前まで戻ってポジションを取り、セカンドボールを拾いまくるもんだから滝川ニの攻め手はますます失われていった。ぶっちゃけ青山の時よりもこの二人のコンビの方が「バランス」はいいんじゃないか?

 30分過ぎぐらいから少し運動量の落ち始めた名古屋を尻目に徐々に滝川ニも攻撃がつながりだしたが、それ以上に名古屋は前の3人を中心としてチャンスを作り、全体的には完全な名古屋ペースのまま前半は0-0で終了した。
 それにしても、滝川ニはどうしちゃったんだ。それともこれが真の姿なのか。

 ハーフタイム、ふとグラウンドの向こう側にあるフラッグを見ると、向かって右から左にかなり風になびいていた。スタンドから試合を見ている限りほとんど気にならなかったが、ひょっとしたらグラウンドレベルでは多少風があるのかもしれない。ちなみに前半風上に立っていたのが名古屋で風下が滝川ニだった。ひょっとして滝川ニが前半消極的だった理由はこれだったのか?
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 そして後半。風上に立ったからか、それともハーフタイムに監督にカツを入れられたからか、滝川ニが積極的に攻撃に出てきた。開始早々いきなり遠目の距離からシュートを打って来たことを考えると、「風」という要素もあながち外れてないかもしれない。
 その後も滝川ニは前半とは打って変わって早め早めに前へとボールを出してくる。その上名古屋は中盤から前線にかけて嫌な形でボールを奪われてそのまま攻撃へと移られることが多いため、ボランチやサイド(根津)が戻り切れず滝川ニの早い攻撃に数的同数ぐらいの状況で守らなければならない状況が続出していた。しかし名古屋はそれらの攻撃を長谷川の好セーブや、滝川ニが攻め急いでくれたおかげでなんとか凌ぐ。

 前線では相変らず右サイドの上村が好調で、いい形でボールを受けると圧倒的なスピードで滝川ニの左サイドを蹂躙。しかし相変らずボックスに入ったあたりからの判断の遅さ・悪さが目立った。一長一短というか、ないものねだりでもないが・・・この辺を改善していけば、上村はさらにワンランク上の素晴らしいプレーヤーになれると思うんだけど。現状では「速いが、それだけ」という評価が妥当ぐらい。何度となくあったチャンスのせめてひとつでも得点に結び付けていれば・・・とか、もしも名古屋の右サイドに青森山田の松本怜がいたら5点ぐらいは取ってたんじゃないか・・・とも思わなくもないけど、現状ではこれが上村の実力なんだから仕方ない。(逆に上村じゃなきゃこれだけチャンス作れてないかもというのもあるし) これが上村の(現状の)実力であり、その上村がレギュラーだという名古屋の力。ここは実力以上のものを求めるよりも今後の成長に期待したい。

 よく考えたら、名古屋は後半開始直後に久保がゴールエリア内でシュートを放ったが、それ以降はセットプレー以外でボックス内でのシュートは打ってないよなぁと思いながら見ていると、再び滝川ニが名古屋陣内にボールを持ち込み、ボックスの外やや左寄りの位置からセンターハーフの10番が利き足の左足で思い切り良くシュート!これが意表を突かれたのかそれともDFの陰になったのか、反応の遅れた長谷川の左脇を抜けるように逆サイドのネットに決まって先制を許してしまった。
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 こうなると滝川ニはセイフティファーストでDFラインからどんどん前に蹴ってくる。足の止まり始めた名古屋にとってこれは結構きつかった。そして吉田と長谷川が譲り合うような形でゴール前に相手選手の侵出を許すと、慌てた?吉田が後ろからこれを倒したと判定されPK。微妙な判定だったが(判断)ミスもあったし仕方ない。
 PKキッカーは先制点を挙げた10番。これ決められると厳しいなと思っていると、10番がこのPKを失敗。まだ時間は10分ぐらいあって「行ける」という雰囲気が名古屋の選手にもベンチにもスタンドにも充満していた。

 しかしそんな名古屋に待っていたのは、前掛かりになったところを突いての滝川ニによるカウンターで、スピードに乗った攻撃からDFラインを突破されると、一旦は長谷川が飛び出して抑えたかに見えたボールを突っ込んできた相手FWとの接触から持ち出され追加点を許してしまった。ゴール後主審に高校生とは思えないほどの勢いで執拗に抗議する長谷川。その直前に相手ゴール前での久保と相手GKとの接触がキーパーチャージ取られてたし、長谷川が怒るのも無理はない。試合後も長谷川は大泣きしてたしちょっと可愛そうだったな。

 名古屋は途中で足の攣った唐沢に代え花井、前線には清水に代え酒井を投入、さらには吉田を一列上げた(根津を右のストッパーに下げた)りしたが、惜しいシュートが相手GKの正面を突くなどの不運もあってついに滝川ニのゴールを割ることが出来なかった。 唐沢、福島のWボランチは運動量もありバランスも良かったが、「展開」という意味では十分とは言えない面があったから、俺はひょっとしたら花井が流れを変えるキーマンになるのではないかと思って見ていたが、前半のような試合展開ならともかく、後半のように早いリズムの中では途中出場でいきなりリズムをつかむことは難しかったようだ。

 あと気が付いた点で言えば、1トップとも3トップの真ん中とも取れる久保がポジションを基本的に真ん中に固定されていること。グループリーグの試合の中でもベンチからそういう指示が出ていたのを聞いたことがあったが、これはどうなんだろう。例えばこの試合、滝川ニの最終ライン(4バック)で左側のストッパーをやっていた5番の選手はヘディングが強く久保とも互角以上の競り合いを展開していたが、久保はそれ以外の選手との競り合いではほとんど負けていなかった。例えば、試合の流れの中で久保を(名古屋にとっての)左サイドに動かし、新川を真ん中に持ってくるといったようなポジションチェンジをしたら面白かったと俺は思うけど。ルイゾンがたまにやってたアレだ。そうして左サイドの久保狙ってフィード出せばおそらく100%近い確率で勝てるし、新川が(よりゴールに近い)中央でDFラインの裏を狙う動きは相手チームにとって脅威になっていたに違いない。その辺の攻撃面における戦術的流動性が名古屋は少し足りなかった気がする。
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 これで名古屋の高円宮杯は終わった。監督(体制)が変わり、去年までは1,2年を中心としたトレーニングマッチのような扱いだったJユースカップにチームとしてどう取り組んで行くのかは定かではないが、来年に向けては是非久保と酒井の2トップ(に新川、中田健、福島等を絡めた攻撃)にチームとしてチャレンジして欲しいと思う。この大会を通しても、――ストライカータイプの酒井ではなくポストプレーヤータイプの久保を起用していたという理由はあるにせよ――「セットプレー以外での得点力」という部分が、最終的には課題として残ったと俺は思うし。
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by tknr0326g8 | 2005-10-03 00:24 | Youth
全日本ユース 対青森山田 0-0 (得点:なし) @ひたちなか市総合運動公園陸上競技場
 名古屋にとっては負けても決勝トーナメント進出の可能性は残されるものの、最低でも引き分けて自力で決勝トーナメントの扉をこじ開けたいグループリーグ最終節の相手は、インターハイ王者の青森山田。小澤、松本を中心に「超高校級」のタレントを擁した高校サッカー屈指の強豪だ。名古屋ユースにとってこの試合はひとつの「集大成」となるかもしれないなと思うと、観に行かずにはいられなかった。やっとの思いで柏まで辿り着いたら、さらにそこから特急(フレッシュひたち)に乗り換えて1時間、そうして降り立った勝田駅から抜群のアクセスの「悪さ」を誇るスタジアム・・・スカパーで必ず録画中継のあるトップチームの試合だったらちょっと考えちゃうな。(笑)
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 スタメン発表の時点で軽くサプライズだったのが久保と酒井の併用だ。名古屋の基本フォーメーションとの関係もあるのだが、いつもはこの二人をターンオーバーのように交互に使ったり、試合後半に備えてどちらかをベンチに残しておいたりする。スタートからこの二人を併用する(それも二人ともアタッカーとして)というのは俺の記憶の中でも初だ。これは「この試合点を取って勝つぞ」という気持ちの表れ(意思表示)と見ていいだろう。

 しかしチームは単なるイケイケではない。キャプテンで右SBの根津が前節退場を喰らい出場停止になったことに伴い、この試合は(吉田、三宅、森本で)3バックを組んでくることが予想され実際そのような顔触れがスタメンに並んでいたが、いざ試合が始まってみると、変則的な相手の布陣(2列目右の松本がかなり右前に張り出し小澤(中央)、伊東(右)と3トップのような形になり、2列目左のベロカルが中央に絞ってくる)に合わせる意味合いもあったのだろうが、左アウトサイドの清水がDFラインまで引いてきて松本に対応し、4バックのような形で完全にスペースを消している。戦い方としてはかなり慎重だ。すなわち基本的なポジショニングとしてはこんな感じ↓

       久保
          酒井
  新川         
               上村
     福島  青山

清水  森本  吉田  三宅

       長谷川

ちなみに青森山田のアタッカーの配置と合わせるとこんな感じ↓

         (ベロカル)
            ●
      福島  青山

(松本)  (小澤)     (伊東)
 ●     ●        ●
 清水  森本  吉田  三宅

 DF4人で最終ラインのスペースを消す名古屋の戦い方は、強力な個の力を有する青森山田攻撃陣に対して先制パンチを打たせないという意味では一定の成果を得ていた。しかし、全体的に引き気味にポジションを取るがために、青森山田にボールを支配されただけでなく、前との間隔が空いて3列目(ボランチ)以降がスピードに乗って攻めあがってくると対応に手間取ったり、小澤や伊東が下がってボールを受けた時に(最終ラインにスペースを空けないことに神経を使いすぎる余りか)誰も付いていかずに自由に捌かれたりして青森山田の攻撃を喰らうようなシーンも何度かあった。
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 だだ名古屋も黙って青森山田の雪崩のような攻撃をひたすら耐え忍んでいたわけではなく、右サイドでは上村が、そして左サイドでは清水がスピードある突破で度々青森山田のサイドを切り崩しては好機を作り出した。大きなサイドチェンジからDFラインの裏を狙いサイドをエグる上村と、左サイドの高い位置でポイントなる新川や中盤でボールを捌ける青山等とのコンビネーション(パス回し)から思い切りの良い攻め上がりでサイドの突破をする清水の両サイドは好対照ながらもともに会場のどよめきを誘っていた。
 そして前線でそんなサイドにひけを取らない程の存在感を発揮していたのが久保。何が彼を変えたのかは分からないが、この試合の久保は俺が観た久保の中では「最強」。これまでは相手DFのプレッシャーを上手く受け流せないまま上手くポスト役をこなし切れていない印象のあった久保だったが、この試合では前線で身体を張り、その強靭な肉体を活かしたポストプレーは青森山田DFをことごとく制圧。さらにはフィフティのボールに対しても闘志を前面に出したチェーシングと上手い体の入れ方によってこれをものにしてしまう。いよいよ久保がその才能を開花させる時が来たか?
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 名古屋が攻めれば、青森山田も負けじと押し返す。上で書いた3列目(ボランチライン)からの押し上げの他に、名古屋の布陣を見た青森山田は試合途中からゴールキックや最終ラインからのフィードを右サイド(名古屋にとっての左サイド)に向って蹴ることを徹底してきた。理由は簡単で吉田と三宅を外すためだ。この結果ヘディングの競り合いでの名古屋の優位性は極端に消失し競り合いはフィフティになった。そしてそこで負けて前線に基点を作られたり、小澤と伊東には細心の注意を持って接していても、松本が高校レベルを超越した華麗なドリブルで仕掛けてくると誰も止められなかったりとピンチを招くが、ポストに助けられたり、長谷川の好セーブで名古屋はなんとかこれを凌いだ。
 そして開始直後の青森山田のペースから名古屋が鋭いカウンターを繰り出して押し返し、それに対してさらに青森山田が反撃に出たところで前半終了。

 前半の名古屋はやや慎重な出足ではあったものの個々のプレーヤーも気持ちで戦っていて、試合としてはかなり締まったいいものになっている。ただ、唯一酒井だけが攻守ともに自分が何をしたらいいのか分からないといった感じでピッチを彷徨っているように見えたのが後半に向けた不安材料と言えば不安材料だった。
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 後半、名古屋はそんな酒井に代え中田浩を投入してくる。中田浩は酒井のいたポジションに入ったが、よーくピッチを見てみると名古屋のDFラインに若干の修正が入ったことが見て取れた。前半何度も良い上がりを見せていた左SBの清水が右SBに移り、中央を三宅と吉田、そして左サイドに森本という4バックになっている。前半否応なく小柄でスピードのある伊東とマッチアップさせられていた三宅を中に移しその役をスピードのある清水に任せる。そして、同じく前半に相手のロングフィードに対してヘデイングで競り合うチャンスのなかった三宅と吉田をセンターに移したことでその「高さ」という面での優位性を再び高めようということか。

       久保
         中田浩
  新川          上村         

     福島  青山

森本  吉田  三宅  清水

       長谷川

 そしてこの作戦がピタリとハマる。後半開始直後の時間帯こそ青森山田の猛攻にあったが、これを再びGK長谷川の好セーブなどで防ぐと、その後青森山田の攻撃はどんどん手詰まりになって行った。両サイドのスペースを使う動きを封じされ、中央ではタテに出されるロングボールに対して吉田が圧倒的な制空権でボールをゴールに近付けない。GKの長谷川はその独特な存在感といい、「やられた」っていうような危険なシーンでコーチ(伊藤裕二)譲りのスーパーセーブ連発するあたり、もしトップチームに上がったとしても人気のあるプレーヤーになるに違いない。
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 その後名古屋は、足の止まり始めた青森山田に対し、中盤で青山がボールに触る回数が激増。そして青山による効果的な左右への配給によって、両サイドからバランスよく攻めを繰り出せるようになった。青森山田は自陣でサイドにボールが出るとまずボランチがチェックに行きSBがカバーに入るとういうような必ず二人掛かりでディフェンスに来るため、上村が勝負してもそのスピードが活きるような場面はなかなか演出出来なかったが、そこに清水や青山が絡んだり、左サイドではスペースに流れた新川がボールをキープするその内側にコースを取って森本が積極的に前のスペースに走りこんで惜しいチャンスを作った。それでも相手GKに弾かれたり、最後の場面で落ち着きがなかったりして得点を決めるには至らなかったけど。

 後半はどちらかと言えば名古屋優勢で、青森山田はペナルティエリアの外あたりまではボールを運べるけどそこから先へは進めないといった感じで試合は進んで行った。

 吉田と三宅を中心とするバックラインは、相変らず一試合のうち一度か二度は危ないシーンを自作自演する愉快なDF達だが、それでもこの試合小澤には何もさせなかった。そして後半主に小澤に付いていた吉田の気合たるや凄まじいものがあった。惜しむらくはCKのこぼれ球拾っての波状攻撃で、青山の上げたクロスにファーで飛び込んで吉田のドンピシャヘッドが相手キーパーの好セーブに遭い3戦連続ゴールを逃したこと。
 中盤では累積イエロー2枚により次節出場停止の青山が足が攣るまで中盤を走り続け、(代理)キャプテンとしても「声」でチームを鼓舞し続けた。もう少し中盤で守備に激しく行って相手潰せるようになるといいんだけどな。そして青山は残り5分ぐらいを残して花井と交代した。

 そしてそのまま0-0のまま試合終了。後半中田浩を入れて前線~中盤のバランスは良くなったが、酒井を先発させてしまったことで、後半の「切り札」がいなくなったのもまた事実だった。
 内容としては、全員から戦う気持ちが伝わってくるいい試合で、仮にこの試合に小澤の一発とかで結果負けていたとしても俺は満足だっただろう。間違いなく高円宮杯グループリーグ三試合の中では一番良い内容の試合だった。

 家に帰ると、わざわざひたちなかまで行った俺に対するご褒美か、福岡が浦和東と引き分けたため、名古屋はグループDを2位での通過が決定していた。これでトーナメント初戦の秋津開催が決定。1位だとそのまま残って「ひたちなか」、3位だと「ひたちなか」か「藤枝」だったから、正直言って観戦は厳しいかなと思ってんだけど。
 相手は大会最強FW「デカモリシ」・・・吉田、三宅にとっては相手にとって不足ないんじゃない?Jリーグ予備軍「デカモリシ」が勝つか、名古屋ユースの誇る吉田、三宅のCBコンビが勝つか、ガチンコ勝負してやろうよ。俺はもしこの二人で高さや強さで勝てなかったら諦めがつく。それでも負けたらまた一年練習するしかない。
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by tknr0326g8 | 2005-10-01 04:27 | Youth