Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
<   2005年 11月 ( 8 )   > この月の画像一覧
第33節 対新潟 0-1 (得点:なし) @BS
 「危険を冒さないサッカーは塩とコショウのないスープのようなもの」
というのはオシム語録を世に広めるキッカケとなる名セリフのひとつだが、今の名古屋はまさしくそんな言葉がピッタリのチームになってしまったようだ。ここの所しょっちゅうそんなことを書いている気がするが、塩もコショウもないスープを飲まされ続ける観客はたまったもんじゃない。かつて極度の外国人依存と言われた名古屋のサッカーは、例えるなら化学調味料たっぷりのスープといった趣で、それを排した今は単に味気のないスープに成り下がってしまった。チームにとって基幹となるべきダシ(藤田や楢﨑や秋田)はあると思うんだが、その上澄みは他の選手達のレベルアップにしてもゲーム中の戦術的エッセンスとしても一向に加えられる気配がない。

 どこからそんな自信が湧いてくるのかサッパリ俺には理解できないが、「攻撃的な意識で勝ちに行くという」(中スポ)という中田監督の威勢のいい発言に反して相変らずな内容のサッカーに、TVの前の俺は前半だけですっかり眠くなってしまった。結局のところクライトンのいない名古屋の攻撃は大宮戦(前半での負傷退場後)、ヴェルディ戦(後半)、そしてこの新潟戦と全く実を結ぶ気がしないのが実状だ。
 初出場から二試合連続ゴールという鮮烈なデビューを飾った鴨川と、ライバル中山の加入という刺激もあってかその能力を試合の中で発揮できるようになった二年目の豊田という2トップは確かに新鮮ではあったが、後ろからタテ1本を放り込むばかりの今のチームにあっては彼等をどう使っていくのかが見えてこないまま、時として前線で動きが被ったりポジションのバランスが悪かったりと、攻撃は全くと言っていいほど形にならなかった。そもそも試合の流れの中で若い2トップが前方で孤立しているようではどうしようもない。これは新手のFW育成方法ですか?
 挙句残り15分となったところで豊田をベンチに下げ本職ではないDFの増川をトップの位置に入れてのパワープレーを指示する始末。勝ちに行くための秘策とでも言えば聞こえはいいが、せっかく与えた若手への機会を奪ってまでやる戦術かこれは。来シーズンは増川をFW起用してくんですか?来シーズンにつなげるとか何とか言いながら、こんなサッカーの先に何かが残るかどうかに関して俺は限りなく疑問だ。

 それともチームはシーズンオフの補強で外国人アタッカーをまとめて取ってきて今日の鴨川と豊田のポジションにそのままはめ込む方針を固めたのだろうか。それならまだ話は理解出来る。チームの方向性として、自陣ゴール前に人数を掛けてとにかく守りあと(攻撃)は前線の選手に任せるっていう方向性を目指しているということなら・・・。そういう戦い方を志向しているなら、今は前線のタレントが不足していて結果は出ていないが、シーズンオフにちゃんとした補強すれば形にはなるだろうし、今はその準備としての役割を果たしていると言っても差し支えないだろう。人数掛けて守って前に蹴り出す練習。それならそうと早く言ってくれないと。

 だったらとっととワシントンとエメルソンをセットで獲得して来いよ。

 というわけで、後半が始まる頃には俺の関心はユースの青山が出場しているU-18アジアユース一次予選のネット中継へ。先のU-17世界選手権でベスト8に入った難敵・北朝鮮を相手に日本は苦しい展開を強いられながらも、プラン通りに後半ラスト10分で勝負をかけ、ロングボールに対してマイクのポストプレーから交代出場の安田(G大阪ユース)が北朝鮮DFの裏に抜け出して決勝ゴールを決めるという大仕事をやってのけた。全盛期のギッグスがよくああいうゴール決めてたよなぁ~、しかも試合後のコメントがステキ過ぎ!(笑) 青山はこのチームでの定番となった「守備的ボランチ」の役割を普段の三割増ぐらいの集中力で(笑)全うした。
 ここ何代かのこの年代の代表チームと比べてもこのチームは小粒な印象が拭えないが、今後この大会を欠場した森本や山本といった絶対的なタレントが復帰してきて、下の年代からの押し上げや今はまだ高校生の選手達がプロに入って成長することでチームとしても強くなっていければいいと思う。青山もこの先のアジアユース本大会、そしてワールドユースまでレギュラーを維持するためにはトップチームに上がっての一層の成長が必要となるだろう。この年代ではトップレベルの経験を積むことで狂ったように成長する選手もいるし、その意味ではボランチに(レベルはともかく)多くの人材を抱える名古屋で青山に出場機会が巡ってくる可能性が限られることを考えると試練ではある。そして俺は青山に一番欠けている要素は実はメンタル面だと思っているので、それが名古屋というチームでどうなるかと考えると若干不安がないわけでもないが・・・。

 で、何の話書いてたんだっけ?(笑)
 ああ、新潟とのホーム最終戦ね。一応記録のためにスタメンを書いておくと、こんな感じ↓

      豊田   鴨川


           中村
 藤田  本田         角田
         吉村
   井川   秋田   ヨンハッ

         川島

 前半は、孤立した上ボールの収まりが悪い前線の二人に対して藤田や本田が絡むことで何度か人数を掛けて押し込む時間帯を作ることも出来た。しかし連戦の疲労からか本田あたりがいつもと比べればややプレーに精彩を欠きミスも目立つ。正直これは(本田に代えて)初出場となる井上の登場もあるか?と予感させたほどだ。後半になると時間を追うごとにさらに名古屋の攻撃は停滞し、さらにアンデルソン・リマの職人芸とも言えるFKで先制され新潟に守る意識を与えるともはや打つ手なし。途中本田と藤田がポジションを入れ替わり、中田監督の試合後コメントによれば本田によるサイドからの崩しを意図したようだが、藤田がボールに触る回数が逆に減ってしまいった。結果としてボールも有効に動かせなくなり、本田もサイドでポイントとなり切れない。このポジション変更は明らかに失敗だった。こうなると頼みは中村の一発だが、さすがにボールが渡れば随所にキレのあるプレーを見せるものの、新潟の守備がブ厚い上、最後の所で精度を欠いてチャンスには結び付けられない。

 先行した新潟は高校生ながら名古屋相手にそれなりのプレーをしてしまった田中に代えて岡山を投入。これは反町のプラン通りかそれともファンサービスか。そして名古屋はそんな岡山に交代直後ポスト直撃のあわやというシュートを喰らう有様。(3トップ気味に)2トップと絡む役割を担うはずの新潟の岡山と名古屋の中村。プレーヤーとしての特徴は違うが「10回ボックスに飛び込んで1回ビッグチャンスが来るかどうか」と考えてそれを繰り返す岡山と、「10回同じプレーを繰り返したら相手に読まれる(警戒される)から」と満を持して決定的な1回の飛び込みに賭ける中村。俺は中村が第7節に日立台で決めたようなゴールを決める姿を見たいんだが・・・。

 名古屋の反撃の一手は上で書いたような増川を投入してのパワープレーのみ。しかしチームとして全くそれに意思統一が図れていないのと、193cmの増川がやすやすとヘディングの競り合いに負ける姿は逆に落胆を誘うものでしかなかった。増川の高さを生かすようなボールがそもそも入らないし、その周りの選手達の動き出しもギクシャクしている。途中サイドに流れた増川の足元にパスが出て増川がフェイントを織り交ぜたドリブルで仕掛けて中に切れ込んだシーンなんかは、観ている側の感覚としても期待よりも苦笑や興味本位といった感じだった。
 例え1万人を割りそうな観客しか集まっていなかったとしても、ホーム最終戦で交代枠を残したまま手をこまねいている、機能しないパワープレーがポロリと上手く行く瞬間を祈るように待ち望んでいるだけの姿勢は、プロとしてちょっといただけないものだったと俺は思う。最終ラインを一枚削って中盤なり前線の人数を増やして勝ちに行く姿勢を見せるべきだったと。まあそもそも新潟のあの布陣・やり方に対応するなら、俺なら早い段階で4バックに切り替えるわけだが。最後は3バックの一角のヨンハッがボールを前線まで持ち出して攻撃に参加するような諦めない気持ちを見せてくれたことだけが救いだった。

 奇しくも最終節の相手は冒頭で語録を引用したオシム率いる千葉。相手は優勝が懸かっているが、今年タイトルを獲った彼等がそれに舞い上がる可能性は低い。すなわちメンタル的には最上級のパフォーマンスを出してくるだろう。今日試合での名古屋のパフォーマンスを見る限り形勢は明らかに不利だが、一度フクアリ見てみたいので来週は曽我へ参戦します。またしても頂きもののチケット(メインスタンド)ですが(笑)。せめて往復の交通費1,900円を無駄に感じさせない試合してください。フクアリと千葉のサッカーで元が取れたとかいうオチはなしで。

 というわけで、一年間の集大成、日頃のご愛顧への感謝を込めて・・・というわけではないんですが、今俺の手元に頂きもののチケット(ジェフシート)が一枚余ってます。たまにはメインスタンドで観てやろうかなという方で、千葉サポの間で肩身の狭い思いをしてもいいという気概のある方、ご連絡ください。1名様限り有効です。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-27 23:31 | Game Review
2005年のランクル賞は中村直志
 日曜日に迫ったホーム最終戦を前に今年のランクル賞が発表された。

 第11回愛知トヨタ「グランパスランクル賞」受賞選手のお知らせ(公式)

 ランクル賞はいわば名古屋の内輪のMVPで、今年の受賞者は中村。
 まあ妥当な選択だ。なにせ中村はチームで唯一全試合出場(交代出場含む)しているんだから。(笑)

 しかしチームがこの体たらくでよくランクル賞とか選出するよな。この賞がもしもファン(サポーター)投票によってのみ決定されるのであれば、無理繰り誰かを選出するのもありだと思う。だが、このランクル賞はまがりなりにも「グランパスランクル賞選考会」なるところが決めているらしいく、その上(というかその内実というか)中スポの記事によれば最終的にはクラブの意思が反映されてるらしい。どう考えたって「該当者なし」だろ。まあこういう賞自体が、基本的にはスポンサーの商品PRの一環として行われるもので、選ばれる側(クラブ)が勝手に辞退とか出来ないんだろうけど。

 確かに今シーズン序盤の中村は無尽蔵とも思われる運動量でピッチ上を駆け回り、実効性の伴った高いパフォーマンスでチームを牽引した。おそらく彼の選手生活の中でもトップ3に入るのではないか(残りの二回はいつか知らないが・・・)と思われるコンディションの良さに後押しされたそのパフォーマンスは「代表」すら見据えることが出来るものだったと俺は思っている。しかし夏場を迎えるとガス欠。しばしの(途中出場などの)休息を挟み、チームが残留争いに巻き込まれる中で密かにひとり息を吹き返したが、苦境に立たされたチームを彼が救うことは出来なかった。

 名古屋はシーズン途中にネルシーニョたっての希望で磐田から日本を代表するMF藤田俊哉を獲得した。そしてその藤田と同じピッチに立った時中村の持つ未完成な要素、そして穴が明らかになってきた。プレーの質、実効性、仕事の量とすべての面において中村は藤田よりも見劣りしている。そんな藤田と比べて最も目立つ中村の欠点はアタマだ。勉強が出来るとかではなくサッカーをするアタマ。単純に戦術と結び付ければ話は早いが、もう少し大きな枠組みで考えて、藤田はゲームの中で「今何をすべきか」を知っていてそのための引き出しをいくつも持っている。中村にはそれが極端に欠けている。もちろん本人もゲームの中で考えてはいるのだろうがその引き出しの数は少ない。そして藤田はプレーの先を考える(イメージする)力、ゲームの流れを読む力を持っているが、中村のはそれが大きく欠けている。よく中村がパスを出した後止まってしまうのは、二手先、三手先をイメージする力を持っていないからだ。おそらく藤田が常に試合の流れを読みながらプレーしているのに対して、中村は思考停止しているんじゃないかってぐらいボーッと突っ立って外から試合を見ている時間が多い。で、突然何か思い出したかのように激しく動く。中村はよく自陣ペナルティエリアの付近でファールを犯すがそれはこれが原因だ。要するにプレーのスタートが遅いわけだ。遅れたタイミングで強引に守備に行くからファールを取られる。初めからゲームの流れを見てポジションをこまめに変えておけばそうならなくて済む。シーズン序盤は「だったら人の2倍走る」ぐらいの勢いでそのプレーに実効性を付加していたが、そんなプレーがシーズンを通して出来るはずもなかった。

 思考停止気味なアタマはしばし集中を欠いたようなアバウトで雑なプレーにも現れる。何度も書いているように、確かに中村には「一発」がある。だが、そうであるがゆえにそのプレーには緻密さが欠けているように見えてしまう部分もあるのだろう。そう考えると中村の持つ問題はハードパンチャーゆえの悩みということが出来るかもしれない。ガンバ戦でもヴェルディ戦でも藤田や本田がチャンスと見ればボックスにまで飛び出して行ってパスを受けシュートを放ったのに対し、中村は相変らずボックスの外で待っているだけだった。ボールがこぼれてきて(もしくはその足元にボールが回ってきて)その強烈な右足を振り抜けるチャンスを狙って。さっき書いた守備のファールも遅れながらも一発でボールを奪おうとする強引さがもたらしている面もある。
 もちろん藤田と中村にはプレースタイルに違いがあり、例えるならパンチはないものの足を使いながらシャープなパンチのコンビネーションを浴びせていくタイプの藤田に対し、中村は足を止めて一撃必殺のワンパンチを振り回して打ち合うタイプだ。藤田は中村のようなスタイルではプロ選手として生き残っていけないから今のスタイルに辿り着いたともいえるし、中村はその良さを最大限生かすためのスタイルを現状選択しているのかもしれない。それはそれで個性の違う選手達がそれぞれのスタイルで共存していて構わない。だが中村には藤田から学ぶ点は多いはずだ。アタマの部分はどのようなプレースタイルであれその基幹となる部分だし、それに現状チームへの貢献度という面では中村は藤田に及ばないのだから。

 というわけで、俺は、まだまだ伸びシロもありその能力をフルに稼動しているともそれでチームに貢献していたとも言えない中村のランクル賞受賞には断固反対です。もちろん他に選出する選手もいませんが。ホーム最終戦となる新潟戦は競技場までは行けませんが、行けたとしても受賞セレモニーで拍手はしないでしょう。チームの成績に関する責任はともかく、このランクル賞受賞に関して中村に一切の責任はないし、辞退しろなどと声高に叫ぶつもりもないが、俺はここで「おめでとう」という気にはなれない。どうしてもと言うなら、残り二試合で4得点獲ってシーズン当初の目標だった10ゴール(PK除く)達成、これを最低ノルマで。この世の中、どこに自ら掲げた目標未達でも特別な賞が貰える人間(お金をもらって働いている人)がいるんだ。

 強いクラブというのは、現場の選手やコーチングスタッフ、そしてフロントやクラブ関係者、ファン、サポーター、地元マスコミ、スポンサーが一体となって作り上げていくものだと俺は思う。それがこんなヌルイことしてたんじゃそれは先に遠のくばかりだ。それともこれをもって「チームは家族のように温かい」などと表現する人がいるなら話は別だが。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-27 02:24 | Topics & Issues
第32節 対東京V 0-0 (得点:なし) @味の素スタジアム
 関東在住の俺にとって、神戸はともかくレイソルとヴェルディが残留争いをしているこの状況は非常に芳しくない状況だ。柏サッカー場(どっちにしろ来年は出入り禁止か?笑)のあのピッチの近さも、毎年いい席を譲ってもらっているヴェルディも、どちらも失うにはあまりにも惜しい。というわけで今年もメインスタンドからの視界良好な観戦となりました。

 試合前に目の前で繰り広げられるヴェルディのアップを観ながら、時々選手の顔がアップで映されるヴィジョンに目を移すと、選手達の表情が若干こわばっている。おまけに戸川(二試合)と前節の浦和戦で退場喰らった林、平本が出場停止。大丈夫か、このチーム。とは言え、前節首位ガンバに勝った名古屋も人のこと心配してられる状況じゃない。

 名古屋は前節負傷退場した大森にドクターストップがかかり、その試合でサブにDFがいなかったこともあり今シーズン初めてDFラインに入ったヨンハッがこの試合でも引き続きDFに入る。確かにヨンハッはもともとマンマークには定評があり、前節もポジションを移した最初こそバタバタしていたが後半は安定したパフォーマンスを見せていた。勝っているチームを動かさないのも定石通りだ。しかし、俺はヨンハッの能力を考えれば1ボランチのポジションに戻すべきだと思う。ヨンハッもそのために新潟を出てきたんじゃないのか?俺個人の思いとしては、その特徴を考えれば1ボランチ(アンカー)でなければ前も書いた通り「仮想・パナディッチ」としてリベロでプレーさせてみたいのだが、多分中田監督は秋田のリベロ起用を動かすことはないだろう。まあ他に使える本職のDFがいないのであれば仕方ないが・・・古賀は怪我でもしているのだろうか、それとも大宮戦で犯した決定的なミスが原因で干されているのか。どうしてもいなければ、いっそユースの吉田でも使ってみたらどうだ?代表(U-18)の最終メンバーからも漏れたことだし、体格だけ見ればトップの選手と全く遜色ない。それに大分の福元で出来るなら吉田だって出来るだろう。(そう言えばユースがサハラカップで決勝トーナメント進出を決めてその初戦が12/10と日程に間があるからか、今日は神戸さんがチームに帯同していたようだ)
b0036243_3591049.jpg

 名古屋の基本的なポジショニングはこんな感じ↓。前節(TV画面越し)と比べると本田が若干引き気味で、藤田が上がった時はその後ろのスペースをケアしながら、どうやらボックス型の中盤を敷いてくるヴェルディの二列目(右)の小林大悟を基本的に見る役割も任されているようだ。

         鴨川
    クライトン
            中村

藤田   本田    吉村    角田

    井川   秋田   ヨンハッ

          楢﨑

 戦い方はガンバ戦とほぼ同じだが守備面では若干慎重だ。ヴェルディの個々の選手達にテクニックがあることもあって、ある程度パスを回されることも想定してか、相手ボールになると早々と引いてスペースを消し、ガンバ戦同様ワシントン、ジウという2トップを徹底的に抑える。そしてこの試合を振り返る上で欠かせない要素が、接触プレーをほとんど取らなかった主審。最終ラインやサイドでの1対1でも前節同様かなり激しい対人守備で臨んでいた名古屋にとって、これはかなり有利に働いた。

 攻撃は相変らず奪ったボールを余計な手数を掛けずにシンプルに前に蹴り出すもの。たまにクライトンがボールに絡んだ時にはそのキープ力に対する信頼感からか藤田、本田、角田の後ろからの押し上げもあり、パスをつなげてシュートまで持ち込めるシーンもあるが、それ以外はよっぽどヴェルディのDFがポカでもやらかさない限りチャンスに結び付く気がしない。確かに本職のDFが複数人出場停止で本来のポジションでない山田卓也がCBを務めるなど、ヴェルディの最終ラインに不安要素はあったがこれでは・・・。

 互いにやや慎重ながら、ヴェルディの方が若干多くチャンスを作り(名古屋が迎えた決定機はクライトンが持ち込んで→藤田→鴨川と渡り強引な突破から放ったシュートシーンぐらい)前半は終了。
b0036243_4487.jpg

 後半名古屋はクライトンを下げ杉本を投入。前半途中でクライトンが中田監督に呼ばれて話をしていたが、もっとヴェルディDFの裏を狙わせたいということか。名古屋の攻撃がよりいっそう単調にならなければいいが・・・と思っていると、さっそく勢いを増したタテパスがヴェルディDFの裏目掛けて飛び交い始めた。俺が監督なら、中村をベンチに下げてクライトンを中村の所に一列下げ杉本投入するけどな。まあ名古屋の中でクライトンだけは前半から徹底マークに遭っていて、ボールを奪われてそこからカウンターにつなげられたりしてたから、それが怖いというのもあったんだろう。それなら安全に蹴り出しておいた方が良いという判断。

 後半開始からしばらくしてヴェルディが名古屋のタテ一本攻勢をやり過ごし試合が落ち着いてくると、今度はヴェルディが反撃開始。二列目の小林大悟と玉乃が前半とは打って変わってガンガンドリブルで仕掛けて名古屋の3バックのサイドのスペースを突いてくる。この試合名古屋の両アウトサイドである藤田と角田は主に4バックのヴェルディのSBに対応する形だったから、早いタイミングでここで勝負仕掛けられるとちょっとキツイ。

 それを凌ぐと名古屋も何本か速攻を繰り出し、意外とボールの収まりが良い鴨川のポストを経由して角田が右サイドをスピード溢れるオーバーラップで駆け上がって、前半のクライトンの時とは違って「2トップ」という趣になった鴨川、杉本の大卒ルーキーコンビにラストパス(クロス)を供給するようなシーンを演出する。この右サイドからの速攻はこれまで左サイドに偏りがちだった名古屋の攻撃に見えてきた一縷の希望ではあったが、ラストパス(シュート)が雑なのと前線での動きが整理されていないのとでなかなか決定的なシュートを放つまでには至らない。後半の名古屋は何本かの枠内シュートを放ったがそれでもヴェルディのGK高木を慌てさせるようなものは皆無だった。
b0036243_4355856.jpg

 と、そんな応酬を続けていると、時間が進むに連れて両チームの中盤の足が止まりだした。ヴェルディは後ろからワシントンにボールが入り出す。名古屋としてはセカンドボールを拾って左サイドの藤田と本田のところで落ち着けたいところだが、ヴェルディの選手達も気合を見せ激しい当たりで何度となくこのラインを寸断する。そして町田、森本と前線の選手を次々と投入してくるヴェルディに徐々に押し込まれ始め跳ね返すだけになりつつあった名古屋は、カウンターから前線で鴨川に代わって入った豊田と杉本による単独突破に頼らざるを得ない状況へと陥っていく。しかしかつての「リーグ最強」と謳われた外国人2トップならともかく、完全なレギュラーですらないこの2トップがやすやすと破れるほどJ1のDFは甘くない。

 結局名古屋は終了のホイッスルまで辛抱強く、最後は「ワシントン、ワシントン、ワシントン」のヴェルディの攻撃を跳ね返し続け、17歳の切り札・森本にはこれといった仕事もさせないまま、0-0で試合を終えた。しかし名古屋にとって守り切ることは出来たが攻撃は完全に尻すぼみだったのも事実。カウンターから確かに中田監督がことあるごとに言っている「シュートを打って攻め切る」姿勢は見えたが、その分慌てすぎな印象もある攻撃は時として雑なプレーが目についた。
 それにしても名古屋のこの戦い方はもうちょっとなんとかならないだろうか。今日のチケットはもらいものだから良かったが、この戦い方に指定席のチケット代はちょっと出せない。勝ち点1をもぎ取ってJ1残留を確定させたこと、結果的に失点を0に抑えたことは評価してもいいが、手負いのヴェルディに対してこれだけ「受け」に回らなければならないほど名古屋は弱いのか。最初から「引き分けでもOK」というゲームプランがあったのか、それとも途中でそれに切り替えたのかは定かではないが、交代にしても、中盤の足が止まってるなら、最終ラインで耐えてひたすら終了のホイッスル待つだけじゃなく、ボールが動かせて前にも出て行ける山口Kを投入して中盤の動きを活性化するとか出来なかったのか。
 とりあえずこの引き分けによってJ1残留が確定したことだし、藤田の言うようにこのメンバーならチームとしてひとつ上のサッカーを目指していかなければいけないと俺も思うし、それが出来ないとチームも選手も向上していかないだろう。
b0036243_551143.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-24 05:40 | Game Review
第31節 対G大阪 2-1 (得点:鴨川、クライトン) @NHK
 今シーズン第2節の磐田戦、磐田の左アウトサイドを務めていたのは藤田俊哉だった。攻撃時に内へ内へと絞ってくる藤田は守備に回れば磐田の左サイドに大きなスペースを空ける結果となり、名古屋はカウンターから右SBの角田が抜け目なくそこを突いて次々得点に絡むチャンスを作り出していた。その試合は俺の中では、前年のリーグ戦終盤に海本幸治郎の怪我とともに右アウトサイドに定着した角田のサイドアタッカーとしての資質が開花しつつある確かな感触と、藤田俊哉の落陽を感じさせる試合となった。そしてそれから8ヶ月あまりの時間が過ぎ、迎えたこのG大阪戦。何の因果か名古屋の左アウトサイドには藤田俊哉が、そして右では角田が、おそらく第19節神戸戦以来(さらにその前は怪我により途中で退場した第13節大宮戦)となるサイドでの先発を果たしたのだった。

 藤田俊哉を3-5-2のアウトサイドで起用することに関して俺はかなり疑問だった。理由は単純に「もったいない」からで、今の名古屋において最も試合を決められる力を持つ彼を、相手ゴールから遠い位置で、しかもおそらく今の名古屋にあって(ポジショニングの流動性もなく)ボールに触れる機会も限られるであろうアウトサイドに起用することは、チームの可能性を矮小化することになりはしないかと考えたからだ。
 しかし結論から言えば、左サイドの藤田俊哉は――ネルシーニョ時代のベストゲームほどボールに触れる回数もそのクリエイティビティを発揮する機会もないものの――これまで名古屋の左アウトサイドを務めてきた誰よりも攻守に効果的な動き(絡み)を見せ、攻撃面だけでなく守備面でも時にはDFラインに入ってそのタスクを忠実に実行しつつ後ろからの指示でゲーム(ディフェンス)を引き締めた。その姿は「名古屋のベッケンバウアー」襲名間近を思わせるものであり、もし秋田の身に何かがあれば、ひと昔前のドイツみたいに10番をつけて中盤でバリバリ鳴らしたプレーヤーが晩年にポジションを下げて3バックの真ん中でリベロに収まるような、そんなこともあるのだろうかとの妄想が頭によぎるほど。もっともこの試合に限って言えば、対面する相手にもそこにポイントを置かない相手チームの戦術にも助けられた面があり、藤田のこのポジションでの起用が今後あらゆる試合で当てはまるベストポジションであるとは言えないと思うが。

 そんな名古屋のスタメンはこんな感じ↓

          鴨川
       クライトン

     本田     中村

藤田                角田
         ヨンハッ

   井川   秋田    大森

         楢﨑

 前節初出場初ゴールを決めた鴨川をはじめ、中田体制では初となる本田のスタメン起用、上で書いた藤田と角田のアウトサイド起用にヨンハッの1ボランチとくれば、ちょっとしたサプライズのようだが、これは簡単に言えばガンバのやり方に合わせたシステム。3バック+1ボランチのヨンハッでガンバが誇る前線のトライアングルをマークし、両アウトサイドには角田と藤田が、そして遠藤と二川のWボランチには本田と中村が当たる。もちろん試合の中で状況に応じた流動性というものはあるが基本はガチンコ勝負だ。

     (遠藤)     (二川)
      本田      中村
(渡辺)                (家長)
 藤田    (フェルナンジーニョ)    角田
           ヨンハッ
   (三木)         (アラウージョ)  
    井川    秋田    大森

 俺はチームとして全く一体感のなかった最近の名古屋が残り試合で少しでも多くの勝ち点を稼ぐ可能性があるとしたら、常に相手チームのやり方(システム)に合わせたガチンコ勝負で(例えば前節の大宮戦だったら4-4-2の相手に対して4-4-2で対抗)個々のプレーヤーの能力勝負に賭けるしかないだろうなと考えていた。その意味ではこの試合での名古屋の戦い方はまさしくそれに沿ったものではある。しかし俺は同時にその戦い方では個々のプレーヤーの質が名古屋と同等かそれ以上のガンバ相手には難しいものになるだろうとも考えていた。そんなガンバに勝つ術は果たして名古屋にあるのか。日本代表FW大黒が怪我により欠場し代わりにプロでは殆ど実績のない三木が先発、ボランチ橋本の出場停止のあおりで右アウトサイドに渡辺が入るという、名古屋にとってのプラス材料はあったものの、前節、出場停止でトゥットを、欠きさらには負傷退場でエース桜井を前半のうちに欠くことになった大宮に惨敗を喫している前例がある上、これまで散々「(リーグ戦)初ゴールをプロデュース」してきた名古屋が三木の初ゴールをプロデュースしないという保証はどこにもない。試合前の俺は全く希望を持てないままテレビの前に座るしかなかった。

 名古屋は相手に合わせたガチンコマークを敷きつつも、やはり怖いのはアラウージョとフェルナンジーニョだ。そしてそここそが俺が考えるマッチアップ上最も不利な部分でもあった。しかし名古屋の守備陣は二人のパスワークやドリブル突破に振り回されつつも最後の所でなんとかこれを止めることに成功した。そのポイントはガンバの攻撃のやり方にある。ガンバはアラウージョとフェルナンジーニョにボールが入れば、彼等は間違いなくそこからゴールに向って勝負を仕掛けてくるから、そうなれば名古屋は対面する3バックが我慢して耐えている間に中盤の選手達が自分達のマークを放り出して戻って来て挟み(囲い)込むような守備をすればいい。もしここで相手のサイドからの押し上げ(サポート)があって一旦そこにはたかれたり、遠藤と二川のWボランチがそれを追い越してボックス内に飛び込んでくるような動きをされていたら名古屋のディフェンスも苦しかったかもしれないが、メンバー的な問題なのかコンディション的な問題なのかもともとこんな感じなのか、ガンバにはほとんどそうした動きがなかった。二年前清水への移籍が決まった時、当時のJ得点王だったウェズレイが「本当にアイツが日本に来るのか?」とガクブル状態だったとか違ったとかいう「ゴイアスの至宝」といえども3人、4人の選手に囲まれれば少々分が悪い。
 こうして名古屋は前三人を水際で食い止めることが出来ている。しかしこのとっておきのガチンコ戦術は意外なところから危機を迎えていた。キレまくりの家長を対面する角田を中心とした名古屋ディフェンスが全く止められない。そしてそこから何度となく突破を許し決定機を作られる名古屋。

 一方の攻撃面では、奪ったボールはFW目掛けてタテ1本蹴り出すシンプルかつ相変らずな戦術。しかし、怪我上がりでコンディション(接触プレー)に不安でもあるのか、それともデビュー二戦目の大卒ルーキーFWをナメているのか、そこにボールが収まったところでフォーローがなく孤立無援な最近の名古屋のチーム状態を見透かしているのか、鴨川に対するガンバのディフェンス陣のプレッシャーがえらく甘い。鴨川がやすやすとボールを受けてそれを捌くようなシーンが立ち上がりから何度か見られた。そしてまさしくそこを突いた大森の鋭いタテパスから名古屋に先制点が生まれる。

 この試合、俺にとって「?」と思うシーンがいくつかあり、そのうち二つが結果的に良い方へと転んだわけだが、先制点はその1だ。大森がボールを持ってタテに蹴り出した時、もちろんTV画面にはその先の鴨川の姿なんか映ってやしないから、俺は「慌てなくていいのに」とTVの前で思った。しかしそのフィードは真っすぐにノープレッシャーの鴨川の足元へと渡ると、そのまま前を向いた鴨川が遅れて対応に来た山口智、宮本を次々と交わして最後の砦シジクレイがカバーに来る直前に倒れ込みながらガンバゴールへと蹴り込んだ。決してテクニックがあるわけじゃないが、ゴールへと向う勢いの中で二人のDFを置き去りにし、半分スライディングのような形でシュートをねじ込む様は「元祖15番」を彷彿とさせなくもない。

 先制点を取ったからといって今の名古屋には全くアドバンテージにはならないが、この試合での名古屋は前節の教訓を生かしてか、主にディフェンスで積極性や玉際での厳しさといったものを失わずにプレーしていた。ピッチコンディションも悪かったし、あれだけ激しく当たられるとガンバの選手達も怪我が心配だったのではないだろうか。優勝に向けてまだ三試合(この試合を入れて四試合)を残し、ただでさえ怪我人が続出している状況だけになおさらだ。が、そんな怪我のアクシデントは逆に名古屋を襲う。おそらくフェルナンジーニョを止めに行ったシーンでヨンハッと交錯した大森が足を痛めて退場してしまったのだ。名古屋はアラウージョとフェルナンジーニョが前を向いてボールを持ったら、とにかく人数を掛けて時には警告覚悟の?激しい当たりで止めに行っていたが、このシーンではヨンハッのタックルがヒョイと交わされて大森に誤爆。なんだか雰囲気的には狭い部屋で激しくチャンバラやってて味方を斬っちゃったみたいな感じだった。

 アラウージョ・キラーという大役を仰せつかっていた大森が負傷退場し、ベンチには代わりのDFもいない。俺なら角田を右ストッパーに入れ、右アウトサイドには山口Kを入れるかなと思って見ていると、ベンチが用意したのは意外にも吉村だった。そして吉村が入ったピッチ上では、ワンボランチだったヨンハッが右のストッパーに移った。今シーズンここまで(俺が勧めるリベロはおろか)一度もディフェンダーをやっていないヨンハッをいきなりDFラインに入れるか?これはただ単に監督の頭の中でのサブメンバーのファーストチョイスが吉村だったというだけで行われた交代じゃないのか?俺の中での第2の疑問。(しかし最終的にはこれがチームに勝負を決める2点目をもたらすことになるのだが・・・)

 早速、そのヨンハッのサイドに試合開始から散々名古屋の右を切り裂いていた家長がドリブルで進入してくる・・・そしてこれに対応しきれずペナルティエリアの中で家長を倒してPKを与えてしまうヨンハッ。このPKを遠藤が落ち着いて決めて1-1の同点、前節の嫌な記憶が蘇る。それにしても、楢﨑は代表及び横浜Fでのチームメートである遠藤のPKに対して早く動き過ぎではなかったか。ナビスコの決勝を観ていても、直前まで相手(GK)の動きを見て蹴るタイプの遠藤に対しては早く動いた方が負けだ。もう少し我慢出来なかったか。まあ遠藤は遠藤で試合後のコメントで「タイミングを変えた」と言っていたけど。

          鴨川
       クライトン

     本田     中村

藤田                角田
         吉村

   井川   秋田    ヨンハッ

         楢﨑

 後半、選手交代はなし。
 後半になると、相手の右サイド渡辺の力量を見切ったのか、藤田が左サイドで高い位置をキープし攻撃に絡みだす。藤田、本田、クライントンが互いにポジションを入れ替えながらパスを回しボールをキープする様は強豪チームのそれのようだ。そしてそこでたっぷりタメを作って右サイド大外を積極的にオーバーラップする角田にダイアゴナルなパスが通る、これがこの日一番よく見られた名古屋の攻撃の形。角田をアウトサイドから動かさなかった判断がここで生きた。チャンスと見たら後方から勢い良くオーバーラップしてボックスまで飛び込んでくるような思い切りの良さは中村には期待できないし、そのフィジカルの強さに裏打ちされた攻め上がりの迫力は山口Kにはないテイストだ。そしてオプションの豊富さでは杉本を上回る。守備では家長に振り回されることも多かったが、角田のサイドプレーヤーとしての資質は今の名古屋にあって最上位にランクされるべきものであることを再認識した試合。

 そしてそんな角田から追加点が生まれる。ボックスの角手前あたりで前を向いてボールをキープした角田の後方を、遅ればせながら中村がクロスオーバーするように右サイドのスペースへ出る、そして角田と対面するDFがその中村に意識を移した瞬間、内へ切り返した角田がそのまま左足でミドルシュート。ガンバGK藤ケ谷が弾いたところを詰めていたクライトンがプッシュした。角田の思い切った(効き足でない左足での)ミドルシュートも良かったが、こぼれ球に反応したクライトンと杉本の反応もまた早かった。

 その後当然のようにガンバは反撃に転じ、主に名古屋の右サイドに狙いを絞った攻撃でフェルナンジーニョや二川がそのスペースに出て行ってそこを基点に何度か決定的なチャンスを作る。左からのクロスにサイドネット(外)を揺すった三木のヘディングシュートなど、それに腰が引けたわけではないだろうが、名古屋のディフェンスが下がり始めると、今度は家長あたりがバイタルエリアでフリーとなり、ボックス内に決定的なスルーパスを通し始める。それを名古屋は楢﨑の抜群の飛び出しを中心になんとか凌ぐ。

 試合はそのまま名古屋がディフェンスを中心に集中を保ち2-1のまま終了した。名古屋ファンの俺ですら試合前はまさか勝てるとは思っていなかった試合――ガンバの西野は負けてなお「ここで勝ち星を落とすとは考えていなかった」と試合後のコメントで言っていた――で手にした勝ち点3。これは大きいし、下を見れば柏が清水に敗れたことで残留の可能性は高まった。だが、チームとしては次のヴェルディ戦、そしてその後に続く2試合でこそ真価が問われる。「気を引き締めて」などというのはまがりなりにもプロのプレーヤーに対しては陳腐な言葉だが、(来シーズンを含めた)今後につなげる意味でもチームとしてそして個人としてパフォーマンスを向上させていって欲しい。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-22 14:44 | Game Review
第30節 対大宮 2-3 (得点:秋田、鴨川) @スカパー
 ここ最近の名古屋の戦い方を観るにつけ、勝ち負け以前に観戦意欲が全く湧いて来なかったおかげで、埼玉まで出掛けて行って酷い試合見せられずに済みました。(笑)

 チームを応援することが一義的な目的ではなく、ましてマゾでもアンチもない俺にとって、名古屋の酷い試合を見せられるほど苦痛なものはない。相手構わず自陣に引き篭もって、後ろ足に重心が掛かったまま、攻撃(マイボール)になっても中盤からは誰も前に出て行かない。そして中盤からゲームを組み立てるわけでもなく、セーフティーの名の下に後ろからFWにロングフィードを放り込むだけ。

 リスクを恐れた消極的な戦い方はベルデニックの一年目(2002年)のようだ。

 闘莉王の言うところの「腐ったサッカー」がそこにはある。いくらチーム状態が悪く、その中で(J1残留に向け)勝ち点を取っていかなければいけない状況であるとは言え、まがりなりにもお金を取って試合を見せている以上こんな戦い方をしていいはずがないと俺は思うし、そのサッカーの先に未来に繋がる何かがあるとも思えない。それとも後になって「チームはこの戦いを通して我慢強さを身に付けた」とでも言うつもりだろうか。当時の山口素がそうであったように、最近は藤田のコメントにも(監督の決めたチーム方針には従うが)そのサッカーに対する違和感のようなものが感じられるようになった。

 じゃあそんなチームがていよく試合開始数分でセットプレーから先制して、その得点を守り切れるのかと言うと、決してそんなことはない。結局はいずれ訪れる「失点」の時を引き篭もって待っているだけだ。そこには組織も気概も(90分間持続する)集中力もない。案の定この試合でもチームは前半終了間際にPKで同点に追いつかれると、後半にはあっさりと逆転を許した。

 ディフェンスが拍子抜けするほど単純なミスからいとも簡単に瓦解していく様はJ開幕当初のようだ。

 そんな、良く言えば慎重、悪く言えば消極的なサッカーをしなければならないほど、名古屋は(他のJ1チームに比べ)戦力的に劣っているのかと言えば、決してそうだとは俺には思えない。確かに、これまでこのチームを牽引してきた強力な外国人アタッカーはこのチームにはいないし、主力も代表キャップを持ちつつもピークを過ぎたベテランと(年齢的にはもうそんなこと言ってられないが、特に精神的に)未成熟なプレーヤーで占められている。しかし今の名古屋は質的にも量的にも前任のネルシーニョが「優勝するために」かき集めた(残留争いをしているようなチームと比べれば)恵まれた戦力を持っていると俺は思う。

 そんな(そこそこの)タレント達がピッチ上でバラバラに存在する様はミルン時代のようだ。

 ズデンコ時代の攻撃に、J開幕当初のディフェンス、それにミルン時代の一体感のなさが加わるんだから、今の名古屋は相当なツキにでも恵まれない限りJ1チーム相手に勝てるはずがない。まあこの大宮戦に関して言えば、TVでリプレー見てたら入っているように見えた藤本のFKがノーゴールになったのはラッキーで、それでも勝てなかったんだが・・・。ツキということで言えば、渡邊が久永に与えたPKは時間帯を考えても痛かったしアンラッキーな面もあったが、後半同じようにPA内で渡邊が久永を倒したプレーはかなりPK臭かったから差し引きゼロだ。

 一応記録のために書いておくと、スタメンは、

        豊田
            クライトン
      藤田

渡邊   ヨンハッ  吉村   中村

    古賀  秋田  大森

         楢﨑

 天皇杯では、大きな実力差があるアローズを相手に高い位置をキープしていた両サイドも、大宮のSHに対応するするため、守備になると結局こんな感じ↓でほぼ5バック状態。

       ●    ●

 ●    ヨンハッ  吉村    ●
渡邊  ●        ●  中村
    古賀  秋田  大森

 これでもし相手のSBがオーバーラップしてきたらどうやって守るつもりだったんだろうか。率直な感想として個々のプレーヤーのレベルでは大宮よりも名古屋に分があるはずだから、4-4-2の大宮に対しては名古屋も4-4-2にしてガチンコでぶつかれば、チーム状態は悪いながらも勝機はあっただろうと思う。事実、(得点経過や試合の流れという要因はあるにせよ)後半4-4-2にシステム変更してからの方がまだサッカーになっていた。そもそも完全に受けに回って、中村や渡邊にこんな低い位置で守備(プレー)させてどうしようというのか。それでいてボランチは二枚ともボールを落ち着けられるタイプではない守備的なプレーヤーだ。

 ちなみに4バックにしてからはこんな感じだった↓

     杉本   鴨川

        藤田
   本田       中村
        ヨンハッ
渡邉             大森
     古賀   秋田

        楢﨑

 これまでそのキープ力を活かして中盤をひとりで切り盛りしていたクライトンを前線に上げた戦い方は、中盤を全く作れないマイナス面だけが目立ちJ1相手には通用しなかった。そしてそのクライトンが負傷退場の憂き目にあった試合は全く見るべきもののないまま終了した。これだけ観るべきものがない試合も珍しい。最後には古賀を前線に上げパワープレーを仕掛けたが、古賀を上げるならなんで豊田を下げたんだと。それに杉本を入れるなら中村に代えて投入すべきだった。

 そんなチームとしてはバラバラな状況の中でも選手達は全力で戦っていた・・・のであればまだ救いようがあるが、集中を切らすは、足止めて傍観者になり下がってるはじゃ話にならない。選手の立場からしてみれば、チームがこんなバラバラな状況じゃ怖くて(湯浅健二が言うところの)「後ろ髪引かれないランニング」がままならないのは分からないではない。しかし自分がボール奪われてカウンター受けてるのに、追っ掛けもせずボーっと突っ立てることに言い訳は存在しない。

 やる気をなくしているのか、それともどうしていいのか分からないのか、時間を追うごとに精彩を欠いて行った主軸の生え抜きプレーヤー達。先制点を挙げた秋田やこの日も試合を投げず常にその場で自分に出来ることを考え続けた藤田といった最後の拠り所となる選手達の影響力も今のチームには及ばなくなりつつある。このまま行けば、相当な運にでも恵まれない限り、間違いなく残り試合に全敗するだろう。あとは下位チームが勝手にコケての他力残留を願うのみだ。(例えば柏が残り4試合で3敗以上すること)

 次節の対戦相手は初優勝に向けて首位を走るガンバ。ただでさえ難しい相手だが、間違いなく言えるのは、今のように「受け」に回っていては確実にやられる相手だということ。いつかは崩される(ただ引いて守っているだけの)守備を敷いて「座して死を待つ」ぐらいなら戦って散れと。それぐらいの気概を持って戦ってくれ。そうすれば、今の名古屋にとってはどちらかと言えば組しやすい3バックのガンバ相手に万に一つの可能性ぐらい見出せるかもしれない。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-13 03:38 | Game Review
選手紹介#14 「マジカルレフティ」 本田圭佑(24)
 使い古された言葉だが、本田は名古屋に現れた久々の「黄金ルーキー」だった。
 冬の全国高校サッカー選手権で星稜高校をチーム初のベスト4に導いた本田は、直後に参加したカタール国際ユースでもその能力を存分に発揮し存在感をアピール、一躍6月のワールドユース(オランダ)を目指すU-20日本代表の主役のひとりへと躍り出た。帰国後休む間もなく名古屋のキャンプに合流すると、今度はネルシーニョ体制の集大成とも言えるシーズンで左MFとしてレギュラーを獲得、迎えた優勝候補・千葉との開幕戦ではさっそくアシストを記録し、ホーム瑞穂の観客の前で沸騰気味な地元マスコミの煽りに違わぬ力を見せ付ける。本田とは特徴の異なる右SH中村と組む攻撃的な中盤は、ベンゲル時代の岡山&平野、ジョアン・カルロス時代の望月&平野を越える可能性を感じさせた。

 本田の左足は言うなれば「マジック」だ。その左足は「魔法の杖」のように一振りで相手の急所をとらえるパスを供給し試合の局面をガラリと変えてしまうだけの力を持っている。本田がその左足でパスを出す姿は、まるで左足でボールを掴んで投げているようだが、助走や大きな予備動作をつけなくても、ノーステップで強く正確なボールを蹴ることが出来るのが本田の技術的な強みだ。当たり負けしない屈強な身体を持ち、決してスピードがあるわけではないが、フェイントで相手の裏を取る動きも上手い。大胆にして繊細。強くそして柔らかい。

 しかし本田がそこらいにいる「天才」と違うのは、そういった技術的な部分もさることながら、彼が常に高い志とそれを実現するための強い意志を持っていることだ。インタビューなどから窺い知る限りでは、彼は決して現状に満足しようとはしていないし、しっかりとした目標を持ち自分で物事を判断するだけの力を持った大人のプレーヤーでもある。そういったメンタルの強さと考える力も、そして確かな戦術眼も本田のサッカー選手としての大きな武器だ。

 こういうタイプのプレーヤーはかつての中田英寿がそうであったように、どのような環境下であれその成長の芽を潰すことなく成長していくだろう。俺にとっての元祖アイドルであり、どことなく本田が若い頃の彼を彷彿とさせる小倉のように、自分の理想形のようなイメージに囚われて考え過ぎてしまうことで逆に袋小路に迷い込んでしまうようなケースも考えられるが、本田を見ている限り今のところ心配はなさそうだ。

 だが、そんな本田が今ちょっとしたピンチに立たされている。大袈裟に言うならば、本田という特別なプレーヤーにとってサッカー人生を左右しかねない状況だ。
 最初のキッカケは、4月のヴェルディ戦では将来も語り継がれるような初ゴールを決めるなど順風満帆に来ていたリーグ戦で負った太股の負傷。そして決してコンディションが万全というわけではない状態で臨んだワールドユースで本田は挫折を経験する(本人がそう思っているかどうかは分からないが・・・)。開幕戦で、開催国にしていきなりコンディションをピークに持ってきたんじゃないかってぐらいのオランダと対戦した日本は、(最終的なスコアこそ接戦だったが)特に前半大人と子供ぐらいの差を見せ付けられる。それはショッキングなぐらいの光景だった。その試合に本田はボランチとして先発出場、(贔屓目込みで見れば)その身体の強さとJで積み重ねてきたプロの経験が活き、日本の中ではオランダ相手に「戦えている」数少ない選手の一人だった。にも関わらず、本田はその試合で途中交代させられ、その後決勝トーナメント一回戦で敗退するまで出場機会を与えられないまま帰国の途に着いた。
 チームの戦術の中で、中盤からボールをつないで行くのではなく、前線に置いた「大きいの」にボールを当ててそこから全体を押し上げて(押し上がらなかったけど)攻撃につなげていくスタイルでボランチに求められるのは、自分の頭の上を越えていくボールを追いかけて上がって行き、相手のボールになったらまた全力で自陣まで戻って守備(マーク)をするといった走力だ。そこではボールをキープしゲームを構成できる力なんかは二の次。同じようなスタイルだったズデンコの2年目に山口素弘が切られて吉村と中村のムラムラ・コンビが誕生した時とよく似ている。ユース代表チームのことより本田のことが大事な本田ヲタの俺からすれば、この采配は理不尽なことこの上なかったが、現場の決定権は当然監督にあるわけで、後は本田が必要以上に落ち込んだり考え込んだりしてスランプに陥ることなくチーム(名古屋)に復帰してくれることだけを望むしかなかった。

 チームに帰って来た本田を待ち受けていたのは、中断期間中――本田がワールドユースを戦っている頃、日本のフル代表はコンフェデに参加していてリーグ戦は中断していた――に磐田から電撃移籍してきた元日本代表にして日本でもトップクラスのMF藤田俊哉とのポジション争いだった。コンディションの問題からか、最初こそその後塵を拝した本田だったが、やがてネルシーニョもポジションを入り繰りしながらの本田と藤田(そして中村)の共存という路線を模索し、それに落ち着いていった。おそらく普段の練習から、そして試合の中でも本田が藤田から学ぶものは少なくないはずだ。それを(本田の育成費用と)考えれば藤田の年俸1億円は高くはない。

 しかし、そんな本田にとって真の試練が訪れるのは、再び中断を挟んで再開されたJリーグで成績不振を理由にネルシーニョが解任され、主にセカンドチームを見ていた中田コーチが監督代行に就任してからだった。クラブはとりあえずこの中田体制でコーチングスタッフの補充も行うことなく今シーズンを乗り切るという。J1残留という最低限の目標をノルマとして課せられた中田監督代行は、チームの立て直し、そして(来シーズンに向けた)基盤作りを掲げ、実績のあるベテランを中心にチームを編成し始めた。そしてその後に重心が掛かった戦い方においては高卒一年目のアタッカーである本田がスタメンを勝ち取る可能性は極めて低くなった。この状態は少なくともJ1残留が確定するか(ある程度の確率が見込めるまで)続くだろう。
 自らも「試合の中で伸びていくタイプ」と公言する本田にとってこの状況は極めて厳しい。使われるポジションもWB、ボランチ、FWと様々な上、後半途中からの交代出場では与えられた時間もかなり限られている。本田の将来を考えたらこんな使い方をしていていいはずがない。これは「いろんなポジションを経験させる」とは全く趣が異なっている。本田自身はトップでの交代出場の傍らサテライトやリザーブ組の練習試合にも積極的に参加して己を高めようとしているようだが、極端な話ろくにコーチもいないような環境ならアマチュアチームと大して変わらないわけだから。

 正直に言えば、こんな最低なシーズンは早いとこ終え、新監督がやって来て、新しいスタッフと(外国人を含めた)メンバーによる新シーズンに思いを馳せたいというような気持ちが、一ファンの俺のような人間には少なからずある。そして全員とは言わないが、選手の中にも、とりあえず目の前の残留という目標に向って頑張りつつも、今出来ること・必要なことを考えて課題を持ってプレーするより、なんとなく消化試合的な雰囲気で試合に臨んでいるんじゃいかと感じられる選手も何人かいる。名古屋の選手達が得意な「切り換え」というやつで。でなきゃなんとなく試合に入って開始早々失点を喰らうという同じ失敗を何度も繰り返すはずがない。気分的にはこんなところか・・・

「今シーズンは目標だった優勝が出来なくて残念だけど、来シーズンは切り替えて臨みたい」

 そんな選手だけを責めるわけではなく、そもそもクラブ自体が今シーズンを「もう優勝もなくなったし残留できればいいや」と捨ててしまっている節があるのだから話にならない。今クラブトップがしなきゃいけないことは、J1残留に向けて喝を入れることじゃなく、例え残り何試合かであっても、金をケチらずちゃんとした監督連れてくることでしょう!俺(このブログ)は保守系なので(笑)、なんでもかんでも(ピッチ外の)フロントに批判の矛先を向けてそれで全てを片付けるようなことはしないが、今回はあまりにも目に余る。

 と、少し話が脱線気味だが、何が言いたいのかと言うと、現状に甘んじて向上心を失ったプレーヤーや無駄な支出は省きたいクラブにとって今シーズンの残りはただ過ぎるのを待つ嵐であり消化期間に過ぎないかもしれないが、この期間は同時に本田にとっては二度と訪れることのない、その使い方(過ごし方)によっては大きな成長をもたらせるかもしれない、19歳の何ヶ月間だということだ。上で本田のようなタイプは「どんな環境でも伸びる」と書いたが、そのための環境作りをクラブは怠ってはいけない。本田という宝を預かったわけだから責任持って育てるための準備だけは整えろ。その上で選手の伸び悩んだりするのは、色々な要素も関わってくるし仕方ない部分もある。クラブが育成上手とか育成下手とか言う以前に個人の資質であったりするし、クラブだけでなくマスコミやサポーターを含めたクラブを取り巻く環境全てが影響することでもあるから。
 
 まあとにかく本田にはこんな状況下でもクサらず己を伸ばしていって欲しいと願ってやまない。そして本田が無限の可能性の先にぜひとも「世界」を掴んで欲しいプレーヤーであることは間違いない。てか、そろそろ本田の先発が見たい。特にこんなチーム状況じゃ、本田が出るか出ないかは俺の観戦モチベーションを大きく左右する。本田が先発するなら他の予定流してでもさいたままで行ってもいいかな。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-05 05:54 | Player's Profile
天皇杯・四回戦 対アローズ北陸 1-0 (得点:豊田) @BS
 鹿島とのアウェーゲームの後「トップの選手が足りない。(本来)中盤の中村がFWをやっている。FWの選手が足りないと思う」(中スポより)とコメントしていたクライトンは、まさか二週間後に自分がそのFW(に近いポジション)をやらされるとは思ってもいなかっただろう。

 J1で目下絶不調の名古屋の天皇杯初戦(四回戦)の相手は、JFLで目下絶好調(らしい)北陸との試合で、リーグ戦の合間のテスト的な意味合いを含めつつも名古屋としては受けて立つ余裕などない。増川が怪我により欠場の名古屋は戦線復帰後左アウトサイドに入っていた大森が右のストッパーに入り、秋田、古賀と3バックを形成し、左サイドには中谷を起用。さらには相手ゴール前でさっぱり繋がる気配のない攻撃のテコ入れとしてクライトンを前線に上げFWに近い位置へ移動した。そしてこれまでFWに入っていた中村は清水戦の後半で好感触だった右アウトサイドに回され、杉本がベンチスタート。中盤の底ではクライトンが前線へ上がったことで吉村がヨンハッとWボランチを組んでいる。すなわちこんな↓感じ。

       豊田
          クライトン
    藤田        中村
中谷
     ヨンハッ  吉村

   古賀  秋田  大森

        楢﨑

 試合開始のホイッスルと同時に、とりあえず名古屋の「勝ちに行く」という気持ちだけは見える。相手との圧倒的な実力差、アローズの前線に人を掛けない戦い方、名古屋自体のメンバーとその配置の変更、これらの要素が複合的に合わさって、マイボールになるとゴール前にはかなりの人数が掛かっている。試合開始直後の豊田のシュートシーンでは、右から中村がクロスを上げた段階で、ボックスの中に豊田、中谷、藤田、クライトンの4人が入っていた。

 この試合の名古屋にとって一番の注目は、クライトンのFW(に近いポジションでの)起用なのだが、クライトンは前後左右へと幅広く動くことで中盤からのボールを引き出し、またボールを持てば抜群のキープ力で名古屋の攻撃に大きく貢献していた。チームメートとの間で感じさせるリズムのズレ――まあ今のチームにあってはクライトンに限らず全ての選手間でリズムが合っているとは言い難いが――を生み出しているそのプレースタイルは、スムーズにゴールまで繋がらない名古屋の攻撃のスケープゴートとしてまた「遅い」とか言われちゃうんだろうけど、クライトンの存在によって名古屋の試合展開が楽になったことは疑いようもない事実だった。もしこの試合クライトンではなく杉本がFWとして先発し、クライトンがベンチスタートでもしてようものなら、名古屋の攻撃が15分ぐらいで手詰まりとなり焦って前に出たところでカウンター喰らうという最悪のパターンに嵌っていただろうことは容易に予想できる。まあFWとしてクライトンの良さが全て出てるかといえば、それはまた別問題なんだけど。

 そして中村。相手を背負ってプレッシャーにさらされるトップ(中央)のポジションからサイドに配置転換されたことで、――中央でポスト役をこなす豊田やキープ力のあるクライトン&藤田にある程度マークが集中することもあり――比較的緩いプレッシャーの中、良い形(特徴を発揮できるような形)でボールを受け、右サイドで攻撃のポイントを作っていた。それにサイドに置いておけば、トップ(中央)でプレーしていた時には気になった「いるべき所にいない、入っていくべき所に入って行かない」ポジショニングも気にならない(ちなみにクライトンや藤田はそれをやっていた)。むしろサイドにいろと言われれば中に入ってきたくなるのが人情ってものだ。(笑) 3-5-2のサイドに求められる攻守の切り換えについても、コンディションのほぼ完全に戻った今の中村にとって、今日の相手に対応したあの程度のアップダウンは全く問題ないだろう。

 新しく入った中谷と吉村に関しても、中谷は(対面する相手とのマッチアップもあるが)積極的に前のスペースを窺い、吉村は清水戦でのレヴューでも書いた通りこのチームに決定的に欠けている前後のポジションチェンジをもたらした。そして吉村はヨンハッとともにボランチのラインを押し上げセカンドボールを拾うことで、ヨンハッのミドルシュートを誘発した。

 試合は前半途中から激しく降り始めた雨の中で、名古屋と北陸の選手達の間のフィジカル、技術の差がより一層明確になってきた。ボランチが押し上げことごとくセカンドボールを拾うと、ヨンハッが積極的にミドルシュートを狙うなど圧倒的に押し込む名古屋。北陸も時折カウンターを仕掛けるが、悪条件の中でのボールコントロールのミスだとか結構ファールを流す主審によって名古屋は事なきを得ている。全体的に見れば、相手との実力差がある(しかもそれが雨という条件によって増幅されている)「参考記録」。そしてその中でも相変らず最後の部分でなかなかコンビネーションが合わなかったり、(雨も考慮に入れてか)最終ラインからセイフティファーストで大きく蹴り出すようなシーンもまだまだ目についたのも確かだ。だが、この試合に向けて名古屋がいつもの「受けて立つ」みたいなメンタルで試合に臨まなかったことだけは評価していいだろう。

 後半開始に当たってメンバー交代はなし。
 そして開始5分と経たぬうちに、前半と同じような流れの中相手をボックス内に押し込んで、中村の空けた右サイドのスペースにクロスオーバーするように走り込んだ吉村が、ボックス手前中央のクライトンからパスを受けるとこれを頭で折り返し、真ん中で飛び込んだ藤田の競ったこぼれ球をファーで豊田が触るだけのごっつぁんゴールでやっと先制。

 先制点を奪った後若干ペースを落とした名古屋に対し、北陸は前に人数を掛けて反撃に出る。選手交代も次々と前線の選手を投入してきているようだ。前の厚くなった北陸は中盤やサイドを経由してトップに良いボールが入り始め、名古屋にとっては何度かヒヤリとさせられるシーンも作られた。DFラインでの1対1は絶対優位とは言えないようだ。名古屋はこれをポストに救われたりしながらなんとか凌ぐ。

 その後名古屋は怪我明けの中谷の大事を取ったのか、それとも直前の1対1で相手に振り回されたのが気に入らなかったのか中谷に代え左サイドに山口Kを投入。そしてそのまま30分過ぎまでやや中盤の開き出した名古屋と北陸の攻め合いは続き名古屋は二人目の選手交代。

 豊田out、本田in。

 また純粋なFWをピッチ上から消しちゃったよ・・・。杉本は使えないのか?名古屋が先制してから相手はDFラインをかなり押し上げ来ている。カウンターが狙うにはもってこいだ。連戦の疲れでコンディションでも悪いのか?だとしたら遠征に帯同させること自体ナンセンスだと思うが。それに本田とクライトンの2トップは有り得ないだろ、組み合わせ的に。本田を入れたいのならクライトンに代えべきだし、豊田を代えたいなら杉本を入れるべきだ。その後終了間際になってクライトンに代え杉本を投入し、形としては豊田・クライトン→杉本・本田ということになったが、ちょっと?な采配だった。

 そして試合は1-0のまま終了。
 欲を言えばこのような試合展開の前半に押し切って点を取れるような強さや、後半カウンターから得点を奪えるようなしたたかさを身に付けて欲しいが、まあそういったものを可能にするコンビネーションを含めものをこのチームに一度に全て要求するのは無理そうなので、とりあえず勝てたことと、強い気持ちを持ってゲームに望めたことを今日の収穫とすることにしよう。ただこれがそのままJ1で通用するかはあくまで未知数だが・・・。個々に同レベルの力を持つ相手が両サイドでもっと押し込んできたとき、ボランチのあたりでボールを落ち着かせてゲームをコントロールされた時、このやり方はどういう結末を迎えるのだろうか。そもそも継続するのか?これ。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-04 00:52 | Game Review
第29節 対清水 1-2 (得点:角田) @スカパー録画
 このブログを始めた頃から書いていることだが、俺はシステム論者ではないし、相手(チーム)がいて、ボールを中心に常に人が動くボールゲームであるサッカーでは、試合の中で選手のポジショニングも変わっていくものだから、システムに拘って話をするのはナンセンスだと俺は思っている。もちろんシステムが象徴的にそのチームの戦術的な方向性やコンセプトを表していたり、システムによってその一端を窺い知ることはあるが、システムに則って選手を並べることが戦術では決してないし、(観念的な言い方だが)むしろ「システムを壊すこと(崩すこと)」こそが戦術だと俺は思っている。よく「これで行け!」的に選手名を並べたシステムを書く人がいるが、システムに則って選手をただ並べただけでは――それは絵に描いた餅と同様で――選手は(ゲームは)動き出さない。

 とまあ昔から書いている話をなぜ今さらまた書いたのかと言うと、こと名古屋の今のメンバーに限って言えば、オーソドックスな(日本サッカーに定着している、杉山某ライター風に言うなら3-4-1-2の)3バックシステムというのは名古屋の持つ悪い部分を引き立たせるだけのような気がするからだ。大森がシーズン前のキャンプで負傷し長期間の離脱を余儀なくされたという事情はあったが、今シーズン、ネルシーニョは古賀か増川が出られない試合で秋田を起用せざるを得ない状況を除いては4バックをベースとして戦ってきた。そのネルシーニョ路線を踏襲すると宣言した中田監督が、なぜこのシステムに拘り続けるのか俺には分からないが、このシステムを採用した戦い方(もしくはそのベースとなる考え方)が、チームとして前へ進む力を減退させているような気がしてならない。

 秋田が出場停止の名古屋は、そのポジションに角田が入り後は固まりつつメンバー。ベテランを中心にメンバーを固定して戦うことで来季に向けたチームのベースを作ろうと中田監督は考えているのだろうか。基本的なポジショニングはこんな↓感じ。

       豊田   中村

         藤田
                   杉本
 大森   ヨンハッ  クライトン

     増川  角田  古賀

          楢﨑

 怪我や出場停止で主力メンバーの何人かを欠く清水は、残留争いの最中大胆にも(というかそれしか手がないのか?)サテライトに毛が生えた程度のメンバー構成。そんな清水に対して名古屋はキックオフのホイッスルと同時に(いつもの試合よりは)積極的な立ち上がりを見せた。スコアとスポーツニュース等によるダイジェストを見ただけの段階では、システム論的に4-4-2の清水に対して3-5-2の名古屋がサイドで数的優位を作られてマークが大混乱し攻められまくる杉山某ライターが見たら大喜びしそうな展開だったのかと思いきや、システム的なズレにも動じずまがりなりにもマークは付いて行っている。例えば、システム的に数的不利が発生すると言われるサイドで、右WBの杉本が相手左SBの山西にプレッシャーに行けばWHの兵働に対してはボランチのクライトンがマークに付く、左サイドに大きく大田が開けば大森がマークに行きSBの市川に対しては藤田がマークに行くといった具合。ただ悲しいかなこのマークも「アリバイ」とまでは言わないが、受け渡してマークしてますよという程度でしかなく、局面におけるマークはとても緩く後手に回っている感は拭えない。
 清水は、良く言えば「拘り」、悪く言えば「馬●のひとつ覚え」のようなサイドアタック一辺倒でサイドに基点を作ってそこからのクロスという形を徹底して(固執して)いる。まあその分相手チームからしてみたら対策は立てやすいんじゃないかと思うんだけど、名古屋の緩いマークを前にすればそれは「迷いのなさ」という強みとなって出ていた部分が多々あった。例えばネルシーニョはよく「(試合ごとに)システムをいじり過ぎだ」と批判されていたが、もしこの試合に清水を潰すことを第一に考えて、1対1でガチンコにぶつかるポジショニング(システムor戦い方)を採用していたなら、個々の能力に勝る名古屋は局面での戦いを制し結果的に清水は成す術をなくしていたのではないだろうか。そうなれば怖い(予測不能な)のはマルキーニョスぐらいだ。

 試合開始当初の時間帯こそ勢いと集中のあった名古屋だがそれは5分ほどで消失した。そして不用意に与えたCKを一度は増川が頭でクリアしたものの、そのこぼれを拾われて再び簡単にゴール前に放り込まれるとファーサイドで、高卒ルーキー青山にやすやすとヘディングを許し先制される。地元出身で去年本田とともに名古屋の特別指定選手だった青山がリーグ戦初出場すると聞いて嫌な予感はしてたんですよ。それにしても本当にやられるとは・・・名古屋のボランティア精神には恐れ入る。ここ2シーズンぐらい、俺が今思い出すだけでも、広島・田村、柏・大谷、東京・茂庭、C大阪・前田、G大阪・前田、そして清水・青山・・・名古屋相手に「筆下ろしゴール」を決める選手は後を絶たない。

 その後は自陣に引き篭もって守備陣形を整えそこからサイドを軸としたカウンターを狙う清水とそこに攻め入る名古屋という展開が続いたが、名古屋が一方的に押し込んでいたかと言えばそうではない。ただでさえ全体的に動きが少なく硬直気味なアタッカー陣に加え、名古屋はDFラインの3人が後ろに張り付いたままで、ボールを持っても引き出しに来たボランチにボールを預けるか、デタラメなフィードを前線に放り込むだけ。彼等は攻撃に関しては完全に思考停止している。これでは清水の守備陣形を揺さぶることは難しい。名古屋が3バックを採用する弊害その1。名古屋が3バックを採用すればこうなることは目に見えている。だから俺は名古屋に3バックは勧めない。

 3バックにしてズデンコの時代に戻ったと考えればそれでいいが、ひとりで何とかしてくれるアタッカーが存在するわけではない――確かに中村には「一発」があるがそれはウェズレイの比ではない――今の名古屋に当時と同じことを求めるのは無理だ。さらに言うなら守備においても当時ほど中盤からの忠実なチェーシングやマークはない。そして敢えて言うなら、俺はズデンコの時代の堅いイメージのある守備は、その半分をパナディッチ個人の能力に依っていたと今でも思っている。経験に裏打ちされた群を抜く危機察知能力とそれをベースとしたカバーリング、シュートコースに入るポジション取り。彼なくしてズデンコ時代の守備は成り立たなかった。それは日本を代表するDFとしてW杯出場や300試合以上のリーグ戦出場を積み重ねてきた秋田だろうが、サッカーエリートとしてUカテゴリーから国際経験を含め日本トップレベルの経験を積み重ねてきた将来有望な角田だろうが、簡単に補えるものではない。
 すなわち今の名古屋のサッカーは、攻守ともに中途半端なズデンコ時代のサッカーと言うことが出来る。そう、クラブ史上最低順位に沈んだ2002年の2ndステージよりさらに下のイメージ。当時よりも優れている点と言えば、中盤にクライトンというボールの収まりどころがあり、彼が起点となってゲームを組み立てられるところ――ズデンコであればクライトンのようなタイプの選手は使われないだろう。同じような理由で山口素がズデンコの構想から外れたぐらいだし。――と、サイドに杉本というチーム全体が明確に意識しているる武器があること。しかしこの杉本も一旦引かれて4人のバックでサイドのスペースを埋められているとなかなかそれを打ち破るまでにはいたらないのが現状だ。

 名古屋は、二者間でならともかく三人目まで見れば意思疎通もへったくれもない単調で迫力のない攻撃で、清水のディフェンスを崩すどころかミスを連発しては清水にボールを明け渡し反撃を喰らう展開が続く。そしてサイド偏重のワンパターンな清水の攻撃はそれでも名古屋の緩いマークをかいくぐって中にクロスを送り込む。中ではマークと役割分担のハッキリしない3人のストッパーが再三に渡り清水のFWをフリーにしてシュートを許す。
 そんな流れの中、追加点を奪ったのは清水だった。左サイドに流れたマルキーニョスにボールが渡ると、マルキーニョスは目の前の古賀をまるでものともせず右足でゴールに向って曲がるクロスを放つ。中ではまたしてもチョ・ジェジンの動き出しに置いていかれた増川がチョ・ジェジンを前に行かせてしまう。結局チョ・ジェジンはボールに触れることは出来なかったが、これが良い囮となり楢﨑が反応できないままボールはそのままゴールへと吸い込まれた。それにしても古賀は、川崎戦のジュニーニョ、鹿島戦の深井、そしてマルキーニョスと三試合連続で同じような形からシュートを許してる(深井のシュートは楢﨑がファインセーブ)が、試合後なんの反省もしていないのだろうか。間合いを詰過ぎてフェイント一発で交わされて置いて行かれるのも困りもの(ましてそれでユニフォームを引っ張ってイエローといういつものパターンも論外)だが、古賀のこの対応が三試合連続で失点につながっている(もしくは大ピンチを招いている)ことについては考えてみる価値はあると思うが・・・。

 そして名古屋にとっては結局リズムが全く出ないまま前半が終了した。清水じゃなければあと1、2点取られてもおかしくない前半だった。逆に攻撃は清水じゃなくても点を取ることは出来なかっただろう。

 後半開始に当たって選手交代はなし。0-2で負けてる試合で選手交代を行わないということは、それだけスタメンに絶対的な信頼があるということか、それともメンバーを変えなくてもこの清水相手ならイケると思ったのか。そうであるならば前半の腑抜けたパフォーマンスはなんだったんだ、最初からそういう姿勢で試合に臨めるよう持ってくるのが監督の仕事だろうと俺は思うのだが。

 後半の名古屋は前半にも増してアグレッシブな姿勢が目立つようになった。前からディフェンスに行けるようになった事もそうだが、特に中村の動きの量が増え、豊田を中心に右へ左へと動いて前線でボールを引き出すようになった。逆に前に出てこられなくなった清水に対して、クライトンやヨンハッといったボランチのプレーヤーが押し上げることでセカンドボールもことごとく名古屋が拾う好循環が生まれていく。
 しかし名古屋はどう崩すのかという部分に関して互いの意思疎通がまだ十分ではなく、例えばせっかく豊田が身体を張ってボールをキープしてもそれを上手く活かせない。ならばとサイドへと展開し、杉本や大森がサイドからクロスを上げるが、中で名古屋の選手が重なっていたり、単純に上げるだけでは清水のDFに弾き出されてしまうのがオチだ。
 こうなるともう頼みはセットプレーで、後半開始早々古賀のファーサイドでのヘディングがポストを叩くシーンがあったが、その後も何度か得たCKの何本目かでニアで後ろにスラしたボールをファーサイド後方でフリーになっていた角田が右足でシュートし1点を返すことに成功した。

 反撃もほとんど出来なくなった清水に対し、名古屋はボランチのヨンハッに代え本田、そして前半から右サイドでかなり長い距離のアップダウンを繰り返していた杉本に代え中山を投入、中山がFWに入り中村が右サイドへと移った。

       豊田   中山

         藤田     中村
                   
 大森   本田  クライトン

     増川  角田  古賀

          楢﨑

 ほぼコンディションが戻ったと言っていい中村のアウトサイド起用は、今のチーム状況そしてその中での中村の動きを見る限り俺的にはありだと思う。そこで中村の特徴がフルに生かされるかどうかにはやや疑問は残るが、豊田とコンビ(2トップ)を組むならゴールへ向うタイプの方が俺はいいと思っている(その意味ではこの試合での中山には不満だ)。(ゴールへの)ダイレクトなプレーというより、むしろ曲線を描くようにそこ(ボックス)から外れていく動きが目立つ中村はトップよりもゴールから離れたポジションに置いておいた方がチームとしては無難だ。むしろそのポジションがゴールから離れれば離れるほど、逆にゴール(ボックス)への渇望が生まれてくるんじゃないかという期待すらある。事実中村はポジションを右アウトサイドに移してからペナルティエリア深いところへ進入し、決定的なシュートを放っている(シュートは枠の外へ)。それにどう考えても戦術に強いタイプではない中村は、「後ろに引いてくるな」だとか「積極的にシュートを打て」といった監督の指示を忠実に実行する、監督からしてみたらなんともかわいいプレーヤーだが、ゲームの中では比較的動きが限定されているアウトサイドの方がいいような気がする。もちろんチーム全体でコンビネーションが確立されてきて、中村の動きがチームの中でフィットしてくれば、アウトサイドに縛り付けておく必要はもないんだけど。

 本田が入ったことでタテに狙いを持った鋭いパスが入るようになり、ボールの動きにさらなるアクセントが出来たものの、名古屋がゴールへ向うような(シュートの)シーンはなかなか増えていかなかった。だがこれは、藤田以外にゴールに向けたダイレクトなプレーが出来る選手がいないんだからある意味必然的な結果とも言える。大森、本田、クライトン、中村・・・チームとして前後のポジションチェンジ、中盤から前線への飛び出しがない。俺が監督ならこういう場面でこそ吉村を投入するんだが・・・吉村の姿はベンチにもなし。吉村はボールを動かすことが得意ではないが、前線のスペースを見つけること、そしてその走力を生かしてそこへ飛び出すことに長けたプレーヤーだ。そういう変化を与えてやらないと、相手は1.5軍とは言え組織を整えた守備を崩すことはなかなか難しい。もしくは鴨川や津田のようなゴールへ向うタイプのストライカーを前線に入れたいところだが、そういったタイプもベンチにもいない。

 結局名古屋は清水の守備を崩しきることが出来ず、そのまま1-2で試合を終了した。交代枠をひとつ残したまま、後ろに3人のディフェンスを残したまま。どう考えたってここは後ろをひとり減らすべきでしょ。ホームで下位チーム相手にリードされているという現状、そして試合の流れから判断すれば当然取るべき処置。マルキーニョスがいなくなった後なんて絶対的なチャンスであり、例え交代枠は使わなくても、やり方を代えて後ろを2枚にすべきだ。もちろんリスクはあるが、それを恐れていては何も出来ない。

 後半はほとんど清水を押し込むことに成功していたが、名古屋の守備が改善されたかと言えば決してそうとは言えない。相変らずカウンターのピンチではクロスに対してマークを外しているし。
 監督は天皇杯のアローズ北陸戦に向けシステムを含めたやり方を変えることも示唆しているが、もしも今のやり方(3バック)に拘るのであれば、俺は苦肉の判断でヨンハッのリベロへのコンバートを提案する。あれだけの身体能力とミドルシュートを持ったプレーヤーを最終ラインに置いておくのは勿体無い気もするが、今の名古屋で最もチームとして危険なポジションを察知できる能力、人とスペースをケア出来る能力に優れたプレーヤーは他ならぬヨンハッだ。現在もボランチとしてしばしば最終ラインに入ってクロスへの対応をするシーンがあるが、他の誰よりも状況が見えているように思える。

 パナディッチの代わりを務められるのはアン・ヨンハッしかいない。

 まあ好みの問題から言えば、基本的に俺はこの3バックが名古屋にもたらす方向性が好きではないし、それが良い方向であるとは思えないんだけど。
[PR]
by tknr0326g8 | 2005-11-03 06:43 | Game Review