Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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角田移籍(レンタル→京都)について思う
 少し古い話題だが、角田の京都移籍(レンタル)がクラブより発表された。
 
 「角田 誠選手、京都パープルサンガへ期限付き移籍のお知らせ」(クラブ公式)

 シーズン当初角田と同じく出場機会に恵まれなかった同年代の山口Kが、少ないチャンスをモノにして藤田からポジションを奪う形でレギュラーに定着したことを考えれば、こういった事態を招いたのは角田自身の責任と言うことも出来るし、結果を出せないチームが緊急措置として途中から3バックに変更してしまったことは、右SBとして想定されていた角田にとってはアンラッキーでもあった。

 2004年のシーズンを前に京都から移籍してきた角田は、そのサッカー選手としてのポテンシャルの高さを示すかのようなシーンも多くあったが、高い移籍金を払って当時の上田ジムTDから「名古屋を変えてくれ」と言われて招かれたことを考えれば現状は決して満足とは言えない。上田ジム同様俺も角田というプレーヤーにはかなりの期待をしていて、例えば2004年の移籍市場の時、同じくDFの目玉だった闘莉王はその年の夏に開催されたアテネ・オリンピックにも出場し(角田は落選)即戦力として短期的には成果を上げられるだろうが、長期的に見れば伸びシロの多い角田の方が名古屋というチームにとっては戦力になるというようなことを書いた記憶もある。そして何を隠そうこのブログ選定のアワーズでは、栄えある初代「Young player of the year」に選ばれている。(笑)

 そんな角田にとって主に同じポジションを争っていた海本幸治郎が移籍した昨シーズンは大きなチャンスが到来したシーズンで、ネルシーニョ念願の4バックを採用し始めたチームにあって右SBの定位置を獲得した角田は序盤のチームの好調にも少なからず貢献していた。しかし終盤にチームが失速するとそのユーティリティ性を買われてチームのシステムに応じて色々なポジションで起用されるようになり、次第にその口からは不満が漏れ始めるようになっていた。そしてこの頃から角田自身の立場は危うくなっていった。それは監督が代わってモチベーションも新たに臨んだはずの今シーズンでも変わることはなかった。

 単純に考えれば、出場機会を失いモチベーションを維持できない角田と、懸案のFW補強のために少しでも資金を調達したいクラブとの相互の利害が一致した必然的な結果とも考えられるが、俺の個人的な感想だけを言えばもう少しなんとかならなかったか・・・苦しいチームを救う手段として角田の有効な活用法がなかったかという思いが強い。

 具体的に言えば、今シーズン角田は右SBか3バック時の中盤右サイドでしか試されていない。扱い的には大森のサブだった。であるとすれば、今シーズンの名古屋は左サイドが落ち着かず有村、阿部、本田、渡邊等が入れ替わり立ち代わり務めていたことを考えれば、左も出来る大森を左SBに回し、角田(右SB)と併用することは出来なかったのか?という考えが真っ先に頭に浮かぶ。

 まあフェルフォーセンもこれぐらいはオプションとして考えただろうから、あえてそうしないのには何かしら理由があったのだろうし、実際そうしたところで結果が目に見えて違っていたかと言われれば、正直俺にも「絶対に違っていた」と答える自信もない。ひょっとしたら紅白戦か何かで試したこともあるかもしれない。
 だが、俺の中にあるもうひとつのオプションをフェルフォーセンが試していた(考えていた)ことは多分ないだろう。
 そのオプションとは角田のアンカー(ボランチ)起用だ。得点力不足(FW)にばかり目が行きがちだが、名古屋の成績が振るわないひとつの理由は確実にボランチにあると俺は考えている。シーズン前に金正友を獲得し、また彼が(少なくとも俺の中では)予想以上のプレーヤーだったことで見落としてしまいそうだが、よく考えてみれば名古屋はクライトンと安英学という二人のレギュラーを失っており、その代わりが金正友ひとりなのだから戦力ダウンは必然だ。いくら金正友が優れたプレーヤーだとは言っても、さすがにクライトンと安英学の二人分の穴を一人で生めることは不可能だ。そうした状況で今やチームの中でも1,2を争うほどの不動のレギュラーとして起用されてきたのが吉村なわけだが、吉村は(元来苦手とされる)攻撃面はもとより(アンカーとして)期待されている守備面においても実効性をチームにもたらしているようにはどうしても俺には見えなかった。
 そこで俺が勧めたかった(是非一度試してみたかった)のが角田のアンカー起用だった。2004年の「Young player of the year」の項にも書いたが、2004年シーズン「最大の発見」は角田のボランチだった。俺が味スタで観たときは山口Kをコンビを組んでいたが、それはまるでカペッロ時代のACミランにおけるデサイーとアルベルティーニのようだった。このコンビはここ数年の名古屋のダブルボランチの中でも俺のお気に入りにひとつだ。詳しくは当時のエントリーを見てもらうとして、アンカーの位置での角田の実効性は攻守両面においてとても高かった。

 今となってはあとの祭りだが、この先外国人FWの補強が上手く行ったとしても、その他のポジションで残りのシーズンを現有戦力のまま乗り切るということなら、角田の放出が痛手にならなければ良いなと思う。
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by tknr0326g8 | 2006-05-28 02:48 | Topics & Issues
ユース関東遠征 対駒沢大学 @駒沢大学グラウンド
 去年に続き二年連続で行われることになった名古屋ユース・春の「多摩川」遠征。これが恒例化してくれれば、俺のような東京在住の名古屋ファンにとってはその年の「ユース初め」として絶好の機会となるんだが・・・。まあそうでなくても、名古屋ユースの選手達にとって、去年の大学チャンピオンでもある関東大学リーグの雄・駒沢大学と試合を出来ることは貴重な機会なので今後も継続していって欲しい試みだと思う。
 金曜の夜に関東大学リーグの公式戦を戦った駒沢大学がどこまで主力を出場させていたのかは不明だし、名古屋も昨日クラブユースの愛知県予選を戦っていて、さらに昨日の夜か今朝名古屋を出発しての(マイクロ)バス移動であることを考えれば、この試合の結果に意味を見出すことは無理があるかもしれないが、約半年ぶりに見るユースのプレーヤーたちがどれぐらい成長しているのかという視点で見ればこの試合はとても楽しみだ。
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 そんな名古屋のスタメンはおそらく現在のベストメンバーで、顔とピッチ上で呼ばれていた名前から判断するにこんな↓感じ。

              久保(15)

 新川(19)                  中田(10)
        福島(20)     花井(5)

              吉田(8)
後藤(12)  森本(13)   三宅(23)  酒井(21)

             長谷川(22)

 グランドに到着したらすでにキックオフの後だったが、見たところ名古屋は思ったよりもプレー出来ているなというのが第一印象。もちろん名古屋がゲームを支配していたわけではないが、ある程度出来ていると感じるのは一年前にほとんど何もさせてもらえないまま完敗したのを目の当たりにしているからだろうか。
 名古屋がやられっ放しにならず時にボールをつないで攻撃面で様々なチャレンジを試みることが出来ていた最大の要因は1トップの久保だった。久保は去年の春先に見た時は技術的にもフィジカル的にも少し頼りない感じで、その後も夏ぐらいまでは酒井に先発の座を譲ることが多かったが、俺の知る限り高円宮杯・青森山田戦あたりから突如覚醒したかのように吹っ切れたプレーを見せ始め、先発(レギュラー)の座を確固たるものにしていった。そしてこの試合でも久保は大学生相手に全く引けを取らない強さを発揮しており、その安定したポストプレーがチームに活路を見出していた。
 そしてもう一人、大学生相手に全く遜色ないどころかむしろそのレベルを凌駕したプレーを見せていたのが吉田だ。アンカーとしてDFラインの前でことごとくロングボールを弾き返し、大学生相手でも全く当たり負けしない激しいディフェンスで危険なポイントを潰している。つなぎの部分でも(相手のプレッシャーが弱かったせいもあるが)去年のJユースカップで見た頃とは比べものにならないぐらいの落ち着きぶりで左右へとボールを散らしている。

 フィジカル的に大学生に負けていない上記の二人に加え、機動性に優れる福島と高い技術を持つ花井がポジションを取る名古屋の中央部分はかなり強い。この試合では花井が少し身体が重そうで寄せてきた相手に競り負けてボールを失うことが多かったが、この花井のコンディションさえ良ければ、(花井も良いポジションでボールを受けることは出来ていたし)もう少し自分達のペースでこの試合を進めることが出来たかもしれない。

 これとは逆にサイド攻撃という部分では名古屋はイマひとつ消化不良だった感が否めなかった。前線の両ワイドには新川、中田というともにこの年代では突出したレベルの個人能力を持つプレーヤーが配置されていて、新川は大学生相手でも簡単にボールを取られることはまずないし、中田も去年見た時より随分身体が強くなった印象を受けたが、チームがこの二人の能力を活かし切っているかと言えば少し疑問だ。個人的な思いとしては、新川はあまりサイドに縛り付けずもう少し自由にプレーさせてボールに触れる回数を増やした方が特徴が出せると思うし、中田にしてもサイドで1対1を仕掛ける時よりは久保の近くでプレーしていた時の方が光っていた。まあ前線のサイドでこの二人にいい形でボールが渡れば何かしてくれそうな雰囲気はあるし、ここが活きてくればこのチームに「怖さ」が加わることになるとは思うんだけど。
 そしてサイドの話で言えば、去年のチームと比べてそのレベルに達していないと感じたのが両サイドバックだ。守備では前半から駒沢大にサイドの裏を狙われていたし、攻撃に関しても右に根津、左に市川(清水)がいた昨シーズンと比べるとかなりの物足りなさを感じた。例えば去年のチームでは、根津がオーバーラップによる攻撃参加だけでなくその強力なキックによって逆サイドまで正確なサイドチェンジを度々決めるなどビルドアップの面でも基点となっていたし、左サイドでも市川や清水の迫力ある攻め上がりは苦しい時にチームを救いまた大きな武器ともなっていた。その意味では(華やかな攻守の年代別代表プレーヤーの影に隠れながらも)サイドバックは名古屋ユースのサッカーのひとつの肝だったと言っても過言ではなかった。しかし現状ではだが今年は全く趣が違う。サイドバックのオーバーラップがチャンスに結び付くことはないし、DFラインでボールを回してSBにボールを入れてもそこで詰まってしまうシーンも少なくなかった。まあ相手が大学生であることによる1対1の強さや寄せの早さが高校レベルとは違うこと、それに酒井などはコンバートされて日も浅いことなどを考えれば、評価を下すには早いしこれからの個人そしてチームとしての成長に期待することにしたい。

 名古屋はやや押され気味ながらも久保のポストプレーを軸に何度か自分達のリズムで攻撃を仕掛けて反撃を試みたが、なかなか駒沢大DFを越えることが出来ないまま時間が経過していく。そんな中、左サイドでのスルーパスに久保がDFラインを抜け出して放ったシュートをGKが弾いて、そこに中田が詰めてシュートがポストを叩くといった惜しいシーンも作ったが、前半は結局0-0で終了。
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 後半選手交代はなし。噂には聞いてたけど今年は本当に選手交代しないな。ベンチには1、2年生を中心にかなりの数の選手がいるんだが。

 後半も立ち上がりから自分達のサッカーを実践しようとしていた名古屋だったが、連戦の疲れからか体力差からか、徐々に駒沢大に押し込まれ始める苦しい展開になっていく。攻撃はカウンターでしか攻められなくなり、次第に長いボールも増えてきた。朴監督からも「織部の裏へ」といった指示が飛ぶ。そしてさっそくロングボールに左サイドで新川が裏へ抜け出して、それに呼応するかのように久保がニアへと走り込む、ボールをコントロールした新川は久保に合わせるかと思いきや、ファーサイドのやや後方に流すとここに走り込んで来た花井が強烈なシュート!これを駒沢大GKがファインセーブで弾き出すといった決定的なチャンスも作り出した。その後セットプレーの流れから福島がミドルシュートを狙い、これもGKがなんとか弾き出したりしたりとチャンスを作った名古屋だったが結局得点を奪うことは出来なかった。
 
 そうこうしている間に名古屋のディフェンスは前からの圧力を強めてきた駒沢大に対して次第に耐えられなくなってきた。特に駒沢大が前線に長身のFW(18番)を置いてそこにボールを集めてくると、三宅が全くこれに競り勝つことが出来ずDFラインが決壊してしまった。三宅は右サイド(酒井)のカバーリングなどではいいプレーを見せてはいたが、1対1では時折脆さを露呈しておりやや不安定なパフォーマンスだった。そして何度かポストやバーに救われた後、三宅が18番に競り負けて抜け出されるとそのままシュートを決められてついに先制点を奪われてしまう。そして時間を追うごとに加速度的に一方的なペースとなってきた試合は、右サイドで酒井が詰まって奪われたボールがキッカケで与えたCKから駒沢大に押し込まれ追加点を与えてしまった。

 試合はそのまま駒沢大がペースを握ったまま0-2で終了したが、あと名古屋で気になったのはGK長谷川も怪我の状態だ。後半になるとゴールキックはほとんど近くの味方に短いパスで渡しており、途中から駒沢大に狙われ始めてやめたのだが、あの状態であれば誰か別のプレーヤーがゴールキックを蹴るとか、長谷川を交代させるとか出来なかったのだろうか。もちろん怪我が原因と断定されたわけではないが、ベンチにはサブのGKも控えておりトーレーニングマッチで無理して最後まで使う必要が果たしてあったのだろうか。

 名古屋からしてみれば去年よりも出来たと言う自信と課題が見えた試合だった。この後クラブユースの予選を挟むが、今日の試合を糧として再開後のプリンスリーグを勝ち抜いて関東(高円宮杯)に帰ってきて欲しいと思う。
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 と、これで終わりかと思いきや、選手交代を一切しなかった割には多くスタンバイしていたサブメンバーがピッチに散っていく。1、2年生を中心としたサブチームのために45分の3本目が用意されていたのだった。

 あんまり馴染みがないので背番号で先発を書くとこんな↓感じ。

      9      17

14    29      4    23

2     18     31    7

          1

 しかしこの間まで中学生だった選手を多く含むこのチームは、相手の駒沢大も選手総入れ替えで臨んできたことで、一年前の試合を思いこさせるような一方的な展開になってしった。
 試合開始直後こそアルベス(9)が駒沢大ゴール前に攻め入るようなシーンを作ったが、その後はチャンスどころかなかなかボールをつなげることすらできなかった。そして開始3分と経たないうちにペナルティエリア内でDFが相手を倒しPK献上。これはGK(1)が見事なセーブで弾き出したがペースが変わることはなかった。DFがペナルティエリアでアッサリ入れ替わられ1点目を奪われるとセットプレーから2点目を献上。その後はオフサイドの判定に助けられたりしていたが、競り合いからフィジカルの違いを見せ付けられて身体を預けられたままやすやすとゴールに流し込まれて3失点。

 名古屋はいつの間にかメンバーチェンジ。

          9

28        14       23

      29      4

2     18     31    7

          1

 これは下手にやっても自信なくしかねないなと思っていると、無事?45分で試合は終了した。最後の数分間は相手がペースを落としたのか名古屋の選手達が慣れたのかやっと攻められるようになったが何もさせてもらえないままでの完敗だった。そんな展開の中では当然目立つ選手もいなかったが、29番の選手が相手の強いプレッシャーの中でも比較的落ち着いてプレー出来ていて、中盤の底から左右に大きく展開するボールなどにも目を引くものがあった。

 まあ一年前と同じように、このメンバーがまた力をつけて大学生とも互角に渡り合えるようになっていることを期待して一年後を楽しみに待ちたい。
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by tknr0326g8 | 2006-05-14 22:16 | Youth
サテライトリーグ 対横浜 0-2 (得点:なし) @戸塚グラウンド
 GWの締め括りに小雨の振る中東戸塚へ。
 名古屋のスタメンは入団3年目ぐらいまででぼちぼち公式戦出場のチャンスを与えられ始めている若手が中心。そのスパーリングパートナーとして、ありがたいことに横浜には3人のフル代表経験者(奥、中西、下川)がいるので、こういう試合で結果を出して若いプレーヤーには自信をつけてもらいたいところだ。

       豊田
           平林

     高橋     中島   
渡邊               片山
         青山

   有村  スピラール  竹内

         高嵜

 前半はあいにくの空模様と久々の「中田クオリティ」が否応なしに観ている側(横浜サポ除く)の不快指数を高めるような展開。チームとしての形を成していない名古屋は個々のプレーヤーの動きがバラバラでポジションチェンジなどの流動性が全くない。個々のプレーヤーがそれぞれの局面で頑張ろうとしてるのは分かるんだけど、これでは中西、栗原というサテライトにしては豪華な横浜DFを前に止まってしまうのも道理だ。前半だけで引っ込んだGK下川が雨の中ほとんど仕事もなく風邪を引いていなければいいが・・・。
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 動きの量が多い平林が前線でボールに絡んだ時だけは何かが起きるような気がした名古屋だが、平林はひとりで状況を全て打開できるような超絶テクやフィジカルを持っているわけでもない。となれば中盤でどれだけそのサポートが出来るかという話だが、4人の攻撃的な中盤プレーヤー達が全くと言っていいほど上手く攻撃に絡めて行けてない。さらにトップチームのように前線にロングボールを放り込もうにも、前線で豊田になかなかボールが収まらず古賀と比べると見劣りしてしまうような状態ではもはや打つ手なしだ。
 人手不足でよりによって右アウトサイドに起用されていた左利きの片山は、同じサイドの前線に平林がいたことでボールに触れる回数も多く何度かチャレンジしようという姿勢は見せていたが、どうプレーをしていいのか分からず戸惑っているような感じで、左サイドの渡邊に至ってはほとんどまともにボールに触れることがないまま前半を終えてしまった。フェルフォーセンの掲げたサイドアタックは一体どこへ行ってしまったのだろう。
 名古屋とは対照的に横浜は余裕でボールを動かしながらも、スペースさえあれば最終ライン(3バック)からもグイグイボールを持ち上がってくる。こうなると前線からプレッシャーを掛けず引いて守るだけの名古屋はますます苦しい。
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 そんな試合展開の中、最悪のアクシデントが発生。前半途中で青山が50/50のボールを競ろうとスリッピーなピッチでスライディングを敢行し同じくスライディングして流れてきた相手選手と交錯、担架でピッチの外に運び出されてしまった。担架とともにピッチに入ったスタッフから最初「○」の合図が出されたが意外と治療に時間が掛かっていると、右サイドで片山がブチ抜かれ最後は中央から失点。まあ失点自体は不運と言うよりは試合の流れから見れば当然の成り行きのような失点だった。
 青山は一度はピッチに戻ったものの、足を引きずっておりすぐさま井上と交代。高橋がアンカーに入る。青山がガチンコで当たる横浜のトップ下・奥に対してどれぐらい出来るかもう少し見たかった。

       豊田
           平林

     井上     中島   
渡邊               片山
         高橋

   有村  スピラール  竹内

         高嵜

 そしてリズムを掴めぬまま前半は終了。
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 後半開始時点で名古屋はメンバー交代はなかったが、竹内とスピラールがポジションを入れ替わり竹内がリベロ、スピラールがマイク(ハーフナー)のマークに付く。横浜はメンバー交代は定かではなかったが、代表経験者の3人の中ではGKの下川がユース代表の秋元にチェンジ。雨の中客席で一般客に混じって観戦していた加藤好男さんにとっても観に来た甲斐があったというところだろうか。

 ピッチに入る前名古屋はベンチ前でかなり念入りなミーティングをしていたが、その成果だろうか、前半とは打って変わって積極的なプレーを見せる名古屋は横浜をグイグイ押し込んでいく。中でも目を引いたのは渡邉で、前半は全くボールに触れる機会がなかったが、この後半では何度も左サイドを攻め上がり中央にクロスを送り込んでいる。苦しくなった横浜はマイクにロングボールを蹴ってくるが、スピラールがこれを完封。この間まで高校生だったユース代表とは言え、トップチームでも結果を出し始めているマイクに一度たりとも競り負けなかったあたりは貫禄としか言いようがない。

 いいペースで試合を支配しているように見えた名古屋だが、しかしなかなか同点ゴールを奪うことが出来ないまま時間だけが過ぎていく。それもそのはずで、攻め込んでいるもののよく見るとシュートまで辿り着いていない。これでは得点出来ないのも無理はない。

 そしてそんなことをしている間にサテライト特有の、流れとは関係のない時間だけを見たメンバーチェンジ。スピラール、竹内がアウトし深津と鴨川がイン。どうするのかなと思って見ていると、どうやら最終ラインを渡邉、有村、深津の3バックに変更し片山を本職の左アウトサイドへ。交代直後にGKの高嵜が「誰(が入るの)?」と大声で確認していた誰もいなくい右サイドには、遅れて平林がやってきた。さらにその5分後には豊田に代え津田を投入。

      鴨川   津田
           
     井上     中島   
               
片山      高橋      平林

   渡邊   有村   深津  

         高嵜

 このメンバーチャンジによって名古屋はせっかく掴んでいた流れを再び失ってしまった。後半左サイドでボールに触れる機会が増え基点となりつつあった渡邉が、目の前に片山が来たことでスペースを失い後ろからロングフィードを入れるだけのプレーに終始させられていたり、鴨川もほとんどボールに触れる機会がない。珍しくつながったパスから津田が放ったシュートなど、秋元の好セーブに阻まれたシーンは何度かあったが、試合のペースは徐々に横浜へと傾きつつあった。そしてなにより酷かったのが最終ライン。有村、深津を中心とした最終ラインはラインコントロールが全く出来ておらず、裏にボールを出されただけで簡単に相手を行かせてしまうシーンを連発。そしてそれを全く修正できないままアッサリとマイクにフリーで抜け出され追加点を奪われてしまった。

 その後中島と平林がポジションを変えて攻める姿勢を見せる名古屋だが、このメンバーでは最後までチグハグさを解消できないまま試合終了を迎えた。
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 サテライトに勝敗はあまり関係ないとは言え(そして第1節では角田の退場という要素があったとは言え)、二試合を終えて得点0・失点6。攻められない・守れない。昨シーズン終盤の(中田体制での)悪夢を知る身としては、この人にサテライト(セカンドチーム)任せておいて本当に大丈夫なのかと不安になるし、選手個々についても(ピッチコンディションが悪かったとは言え)このままでは来シーズンは厳しいだろうなと感じさせる選手がいたのも確かだ。
 この試合で収穫があるとすれば、スピラールに使える目処が(俺の中で)立ったこと(前半はリベロとしてクレバーなカバーリングを見せ後半はストッパーとして強さを見せた)ぐらいだろうか。あとは平林をトップチームで使わないならJ2にレンタルで出して試合経験を積ませることは出来ないのだろうか。平林は自分の特徴に符合しプロとして生きていくためのプレースタイルを既に確立しており、あとは真剣勝負の中でそれを磨いていくことを必要としているような気が俺はしている。
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by tknr0326g8 | 2006-05-07 23:59 | Game Review
第12節 対磐田 2-2 (得点:山口、本田) @スカパー
 一時期ずっと勝てなかったのが嘘のようにすっかり得意先となった感のある磐田。本来であれば、そんな相性の良い磐田戦にはいつものようにシーズン序盤に臨んで勢いをつけたいところだが、よりによって中断前、しかもチーム状態が良くない中で臨まなければならない。しかもFWには前節に続き古賀というスクランブル。名古屋にとってはひとつの正念場と言えるが、なんとか勝ち点3を得て中断に入って欲しい。

        古賀
 玉田
           山口
     金           中村

         吉村
本田
     増川   秋田   大森

        楢﨑

 試合前の俺は、ひと昔前に流行ったいわゆる4-2-3-1をベースとしているらしい最近の磐田に対し、システム的に相性が悪いとされる3バックを採用することが濃厚な名古屋がどう対応するのかがひとつのポイントなると考えていた。具体的に言えば、融通とアドリブが利かない名古屋のことだから、下手したら1トップに対して3枚のDF(3バック)を後ろに残し、中村・本田の両アウトサイドが引き気味になる5バックみたいなのも有り得るんじゃいかという不安があった。実際前節の横浜戦では後ろを3枚にしたことで両アウトサイドがかなり低いポジション取りを余儀なくされていたし、そうなると前線の人数が足りなくなり攻撃が単調になるだけでなく、一方的に押し込まれひたすら我慢するだけの展開に陥ってしまいかねない。
 だがそんな俺の不安をよそに、いざ試合が始まると名古屋は試合の流れの中で(ひょっとしたら事前のミーティングの中でそういった申し合わせがあったのかもしれないが)自然とポジションを修正していった。開始後しばらくは中村と本田の二人が高い位置から攻撃に絡んでいたが、磐田の右WH太田に対応するような形で本田が次第にポジションを下げて行き、最終的には左から本田、増川、秋田、大森の4バックのような形で落ち着いた。ポジションのバランス自体は悪くない。

 そして試合は前節に引き続き古賀をFWに起用している名古屋が、そこへのロングボールという明確なプランに基いて試合を進めることでペースを握っていく。こうした名古屋の戦い方を磐田としても予想していなかったわけではないだろうが磐田はこれに対応し切れない。なかば対策不能の強さを誇る古賀の高さももちろんだが、その周囲でセカンドボールを拾おうと献身的に走り周り時には前線へと飛び出していく山口Kや二列目から圧倒的な存在感で攻撃に絡んでくる金正友に対して、本来であればそこで攻撃の芽を確実に摘み取ってくれるはずの福西を(累積警告で)欠く磐田は4枚のDFラインがどんどん中央へと絞ってくる。そうなると今度は序盤から左サイドに開き気味にポジションを取っていた玉田が空いてきて比較的フリーでボールをもらう機会が多くなってきた。前半の名古屋はそんな感じで古賀へのロングボールを軸としつつも、サイドチェンジから左サイドで玉田が基点となり、金正友、本田と絡んだ攻撃が数多く見られた。ゴールへは結び付かなかったが、ひょっとしたら開幕以降玉田が最も多くボールに触った前半ではないだろうか。
 そんな前半の試合展開を見ながら俺はつくづくこの試合に福西がいなくて本当に良かったと思っていた。上に書いたようにチームとしての機能面でももちろんそうだが、金正友がこれだけ好き放題(と言っていいぐらい)に目立つパフォーマンスをしていたら、福西に目の敵にされていたであろうことは容易に想像がつくし、W杯を控えたこの時期に怪我でもさせられたらたまったものではない。そうでなくても、金正友のあの(熱くそして若い)性格を考えれば、福西の挑発に乗っていた可能性も決して低くはない。ここのところ疲れからか今ひとつ冴えないパフォーマンスの続いていた金正友だったが、W杯(のメンバー発表)を前にコンディションを上げてきたのだろうか、それとも同じく韓国代表候補の磐田DF金珍圭との揃い踏みで代表のスタッフが視察にでも来ていたのだろうか。それぐらいの(古賀や山口K、玉田が霞むほどの)派手な復活ショーだった。

 そしてそんな自分達のペースの試合展開の中名古屋は苦もなくアッサリと先制点を奪う。相手ゴールに向って真っ直ぐ飛んで行った楢﨑のパントキックを最前線で待ち構えていた山口Kが追いかけると、こともあろうに日本代表でもある磐田DF・田中が処理ミス。弾ませてGKとの間に落ちたところを山口Kが足先でつついて無人のゴールへと流し込んだ。リーグ戦で1試合平均1点も取っていない名古屋にとっては得点がこんなに簡単なものだったのかと思わずにはいられないようなゴール。

 先制されて目を覚ましたのか、その後磐田もやっとペースをつかみ出した。それまでは両WHにサイドの裏のスペースを狙わせて長いボールで走らせたり、ロングボールでFWにDFラインの裏を狙わせたりといった意外性のない攻撃に終始していた磐田だったが、徐々に1トップの前田が左右のサイドのスペースに流れたり下がってきてポストになったりと広い範囲でボールを受けるようになると、そこでキープして基点となりはじめた。1トップの前田が動けば当然スペースが出来る。そして空いたスペースに二列目の3人のアタッカーやボランチの菊地が走り込みローテーションのようにスムーズなポジションチェンジから攻撃を繰り出してくる。こうなると中途半端なゾーンディフェンスが未完成の名古屋はこれについていけない。そして前田の下がって来てのポストからパスを回され、これをファールで止めてペナルティエリアの外で与えたFKをファブリシオに直接決められ同点に追い付かれてしまう。
 せっかく得たアドバンテージを簡単に失ってしまった名古屋だったが、それでも名古屋にとってラッキーだったのは、トップ下に位置するはずの成岡があまり有効に攻撃に絡んでこなかったことだ。FC東京戦(のルーカス)を見ても分かるように、ここは名古屋にとってウイークポイントのひとつで、そこで自由に動かれてボールを受けられたり、そこから前に飛び込まれたら嫌だなと思っていたのだが、成岡は試合開始からしばらくは前田と並ぶように前線に張り付いていたり、磐田自体も早めに前田にボールを入れることはあっても成岡を使って組み立てていこうという意図は希薄だった分助かった。

 その後名古屋は妙な色気でも出し始めたのかそれとも増川を筆頭に単にキックの精度が悪いだけなのか、中途半端に中盤をつなごうとして磐田にやすやすとボールを奪われたり、ずっと日向のバックスタンド側でプレーしていたせいか(笑)中村の運動量が落ちてくると次第にリズムを失い攻撃は左サイドからの単発に終始してしまった。

 そして1-1のまま前半終了。

 後半開始にあたってメンバー交代はなし。前半途中から磐田に主導権を握られかけていただけに、動きの悪い中村などの交代を視野に入れても良かったと思うが、もう少し様子を見ようといったところだろうか。

 後半開始からアグレッシブな姿勢を見せるのは名古屋にとっては定番で、この試合でもいつものように積極的に前に出て行った名古屋はさっそくビッグチャンスを作り出した。本田からのフィードにタイミングよくDFラインの裏へ抜け出した玉田がGKの川口と1対1の場面、しかし飛び出してきた川口の脇を狙ってゴールの隅に流し込もうとしたシュートは無情にも枠を外れて行った。エースとして決めなければならないシーンだった。ハッキリ言って玉田はディフェンス面では全くと言っていいほどチームには貢献していないし、それでもその存在が許容されているのは前線で決定的な仕事をすることを優先課題として求められているからだ。それを考えれば、このようなシーンで決定機を逃すことは、玉田自身のこのチームにおける存在意義にも関わってくる。

 玉田が決定機を外したことでチーム全体が落ち込んだがわけではないだろうが、時間とともに足の止まりだした名古屋は一方的に押し込まれる苦しい時間帯へと突入していく。逆に中一週間で体力的に余裕のある磐田は最前線で前田が悠々とキープし、ここぞとばかりに前線に人数を掛け名古屋をペナルティエリア付近に釘付けにした波状攻撃を繰り出す。名古屋もこれを何とか凌ぎやっとの思いで自陣から脱出してボールを前へと出してゆくが、疲れの色が濃い中盤~前線では選手達の足取りも重くミスを連発し攻撃が形にならない。
 中でも酷いパフォーマンスだったのは中村で、守備では危ない場面で自陣のかなり深いところまで戻り村井や服部のオーバーラップに付いて行くようなシーンも見られたが、攻撃ではフリーの場面でも単純なトラップミスやパスミスを繰り返し流れを断ち切ってしまっている。動きの量ひとつ取っても、中村は山口Kや金正友の半分ぐらいしかなく、足取りが重く切り換えの遅い中村に代わって山口Kや古賀がそのスペースに戻って守備をしているシーンが何度も見受けられた。俺は50分台の時間で既に中村を諦めていたが、フェルフォーセンがそんな中村に代え杉本を投入したのはそれから15分以上過ぎてからだった。まあその後の杉本のプレーを見たところでこの交代が攻撃面で効果をなしたとは言い難いが、この試合に限って言えば「注射」を打つのが遅すぎた。

 そして交代を躊躇っている間に磐田にペースを握られた名古屋は逆転ゴールを喰らってしまた。最前線で山口Kが相手DFに対してプレッシャーを掛けに行ったが、サイドに追い込んだはずが玉田がまったく連動しておらず(サボッってた?)左サイドへとボールを回されてしまう。茶野にボールが渡ったところで慌てて本田がチェックに来たが、その裏に出来たスペースにボールを流されるとそこで太田にキープされ、オーバーラップしてきた茶野が再びボールをもらってタテに抜けてクロス。これをニアサイドで前田がゴールに流し込んだ。この失点シーンでは最初の玉田もそうだが、本田がスタミナ切れだったのか、一度は対応していた茶野のオーバラップに付いて行けずアッサリ行かせてしまった。目の前にいる相手にずっと対応していれば防げた失点だっただけに痛かった。

 しかしその後もあきらめない気持ちが実を結んだのか、名古屋は単発な攻撃を繰り出す中から相手陣内ゴールから離れた位置で山口Kがファールをもらって得たFKを本田が直接決め同点に追いつく。左足から放たれた美しい弾道は緩やかな弧を描いてゴール右隅に突き刺さった。

 残り15分。同点ゴールの直前に中村と杉本の交代を行っていた名古屋だったが、一気に勝負をかけるかと思いきやベンチは動かない。まさか今のペース(引き分け)で良いと思っているわけではないだろうが、またもやそうしてる間に磐田は名古屋ゴールへと迫り、交代で入った中山が楢﨑と1対1の場面を迎えるなど名古屋は何度かピンチを迎えた。これらのピンチを楢﨑が何とか死守。

 交代を散々引っ張ったフェルフォーセンがやっと重い腰を上げたのは、残り時間5分にも満たないわずかな時間帯だった。しかも増川が止血でピッチから出ている最中古賀をCBに戻し、名古屋は10人で戦っていた。少なくともあの場面は速やかに誰かを投入すべきではなかったか。結局そのまま増川がピッチに戻れるようになった頃に時間を置いて鴨川がスタンバイ。少しチグハグさが目立つ采配だった。さらに遅れること数分、ほとんどロスタイムになって山口Kに代え藤田投入。藤田は一度もボールに触れることなく終了のホイッスルを聞いた。

 結果としてみれば2-2の引き分けも、選手交代などの妙によっては勝てたかもしれない試合で、逆に言えば選手交代をしないまま受身に回っていて負けなくて良かった試合でもあった。
 まあ実際には前線に鴨川を入れろ!と声高に叫んだところで誰に代えるかはかなり微妙な問題だった。代えるとすれば一番手は玉田だが、「現役日本代表」にして外国人補強に使う予定だった「移籍金3億円」を使って完全移籍で獲得してきた「エースストライカー」、さらに上でも書いたように「守備をしない」といったバイアスを掛けてみれば玉田のパフォーマンス(攻撃面)には到底納得が行くものではないし、この試合ではプレーに試合を決めるに足るキレを欠いていたのは事実だ。しかし玉田のそのポジショニングによってチームは微妙なバランスを保っていたし、ボールを持てば他の日本人選手達の平均点より上のプレーはしていたのもまた事実だった。

 これを期に(ナビスコカップはあるが)リーグ戦は一時中断に入るが、オランダでのキャンプを通してチームをしっかり作って来て戻って来て欲しい。また空いている「9番」と「外国人枠」に関して、監督からも試合後の会見で要望が出た(言わされた?)ようだが、出来ることならクラブには信頼できるストライカーを獲得して再開後のリーグ戦に臨んで欲しいと思う。資金面での問題はもちろんあるだろうが、チーム編成を考えればフェルホーセン自身がチームの「問題」と語っている二人いるファーストクラスのGKのうちどちらかを売る決断を下してストライカーの獲得を検討すべきだと俺は思う。
 とか何とか言いつつ、中断明けに外国人のFWを補強したはいいけど、完全にチームの主軸となりつつある金正友がW杯で活躍して海外に引っ張られましたなんてことにならないとも限らないが。
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by tknr0326g8 | 2006-05-06 23:49 | Game Review
第11節 対横浜 1-1 (得点:古賀) @BS
 携帯にメンバー表が送られてきた時点でまず驚いたのがDFに大森、古賀、秋田、増川の名前が連記されていたことで、俺の中では大森を一列上げて最終ラインを秋田を中央に据えた3バックにするのだろうという推理を立てていたが、BSで中継が始まり(BSの)予想フォーメーションを見ると増川がFWに入って玉田との2トップを組むと言っている。その手があったかと感心しつつ、いやまさかいくらなんでもスタメン(試合開始)からそれはやらないだろうと俺の中で迷っている間にキックオフ。
 画面に注視するとどうやらフォーメーションはいつも通りの4バックで、増川が左サイドバックに入っているようだ。191センチのサイドバックか・・・ハマれば面白いかもしれないし、有村が怪我による欠場中で阿部や渡邊がどうにもしっくり来ないのならそれもひとつの実験としてありかもしれないが、右利きで本来はCBの増川を無理矢理SBに使うぐらいなら、大森を左に移し角田を右に起用することをなぜフェルフォーセンは思いつかないのだろうか。

        玉田

 本田           中村
     金    山口

        吉村

増川  古賀   秋田   大森

        楢﨑

 すると試合開始後3分としないうちにピッチサイドリポーターからのリポートが入る。「フェルフォーセン監督が古賀に向って「チェンジ」と指示している」とのこと。そしてズンズン前線へと上がって行く古賀。前節の東京戦をはじめ負けている試合の終盤に見せる緊急措置・古賀のFW起用がキックオフの余韻も覚めやらぬこのタイミングで早くも発動した。なんだか去年のアウェーでの横浜戦で開始後間もなくして、4バックから3バックへと変更したネルシーニョ采配を思い出す。

         古賀
    玉田
              山口
       金
本田       吉村     中村

   増川   秋田   大森

         楢﨑

 リーグ戦はまだ1/3を消化したに過ぎず、この横浜戦を含めあと二試合でW杯による長い中断に入る。しかもその中断期間ではチームの基礎を作り直すためのオランダキャンプも正式決定したばかりだ。このタイミングでいきなりこのスクランブルなオプションを選択することは、フェルフォーセンが(決して焦っているわけではないだろうが)現在のチーム状況をそれぐらい切羽詰まったものだと判断したということだろう。

 俺としては、試合前から意図していた作戦であるはずなのに何食わぬ顔でいつも通り試合に入っておいてこのタイミングでさりげなく変更するのはなかなか面白かったが、今のこのチーム(そして監督)に求められいること――ネルシーニョの時代は優勝が求められていたが、今フェルフォーセンに求められているのは多少時間はかかってもチームを(個の力に頼らない)組織的でスペクタクルなチーム(上田ジム元TD談)へと作り変えること――を考えるとこれはあまり賛成できる策ではなかった。そしてまあおそらくそれらは全て前提がJ2に落ちない上での話しであり、まあ中断期間中にこの古賀のポジションに大型でターゲットとなるような外国人FWを獲得する予定なのだろうということで割り切って見ることにしたが、それでもこれが成功するか失敗するかによってチーム(フェルフォーセン)の未来が揺らぎかねない博打であり、失敗するリスクを考えれば不安がつきまとったのは事実だ。

 しかしそんな俺の心配をよそに古賀が前線に入ったことでチームは意外な効用と機能性を発揮する。
 まず前線に明確なターゲットを得たことでチーム全体が精神的に楽になったように見えた。1トップ向きではない玉田(しかも大抵相手チームの徹底マークを受ける)が一人最前線で張っているのは、玉田にとってもそこにパスを出す(ことを躊躇わざるを得ない)他の選手達にとっても健全ではなかったし、サイドにボールを集めてそこを基点に攻めるスタイルが相手チームから研究され対策を立てられるようになっていた中ではチームに迷いも生じ始めてていた。まして中盤でリーダーシップを発揮し引っ張れる藤田も負傷によるベンチスタートを余儀なくされている。またこれまでの名古屋は意識面で大事にそしてキレイに行こう(パスで崩そう)とし過ぎて手数を掛けている間に相手に奪われるようなシーンも散見されていた。そんな中にあって古賀へのロングボールとそのこぼれ球を拾うというひとつのスタイルがベンチから明示されたことは精神的なゆとりを生み出し、さらに言えば横にパスを回している時もその先のイメージ(=古賀の頭)が共有化されていることで前へボールが出ていくようになりチーム全体が積極性を増してきた。
 そして古賀が前線に入ったことで生み出されたもうひとつの思わぬ副産物が中盤及び最終ラインでのディフェンスの安定と積極性だ。横浜が攻撃の核となるプレーヤーに怪我人が続出(マルケス、ドゥトラ、奥)していたり、ハードスケジュールの中で久保が本調子でなかったのはあるのだろうが、「DFの気持ちが分かる男」古賀が相手のDFラインがボールを持てば必ずプレッシャーに行って(自ら取れないまでも)可能性を限定したり、危ないと思えば中盤の空いたスペースを埋めに戻り常にチームのファーストDFであることを心掛けていたことで、名古屋は中盤やDFラインが押し上げ良い形でボールを奪え(拾え)ていた。

 ただ反面この施策によるマイナス面も存在しなかったわけではない。その最たるものが両アウトサイドのポジションニングだ。名古屋が後ろ(DFライン)を3枚にし、横浜が吉田、清水を中心にその両脇のスペースを狙ってきたことで、両アウトサイド(特に中村)が後ろに引っ張られ攻撃に顔を出す回数が普段のシステムと比べると激減してしまった。ここのところの試合ではほとんど有効に攻撃に絡めていない中村はともかく、本田が顔を出す回数が少ないこと・スタートする位置が低いことはチームにとっても大きな痛手だった。4(バック)とか3(バック)とか関係なくオランダ風味の新生名古屋スタイルを模索するのであれば中村や本田がもう少し高い位置でプレーする必要があり、それには今野クラスのアンカーがひとり必要かもしれない。
 そして攻撃は本田や金正友等のパスから前の3人――最前線の古賀、自由に動けるようになった玉田、マグロンに対するマークの関係でだとは思うが右サイドに出ることが多かった山口K――だけで相手ゴールに迫るようなシーンも少なくはなく、本職のアタッカーが玉田だけという状況ではたまに良いシーンは作れても、それだけで崩れるほど横浜の最終ラインは甘くはなく、最後のところでGKを脅かすことまではなかなか出来なかった。山口Kはともかく、古賀などは急造のターゲットマンであることを考えれば、実際にはロングボールを頭で競って落とすぐらいしか攻撃に関しては使い道がなく、足元に来ればワンタッチで後ろに落とすことが精一杯で、そこからターンして突破したり、ポストになっての壁パスなどは期待できるはずもないのは当然だった。まあこれは古賀批判ではなく、あれだけ守備してくれて、あれだけヘディングの競り合い(特に中澤とのマッチアップを避けて那須のサイドにポジションを取ってからは)に勝ってくれるFWはそうそういないことを考えれば上出来なのだが。

 そして横浜にはこれといった形は作らせずゲーム自体は名古屋が支配した形で0-0のまま前半は終了する。

 後半選手交代はなし。いつもは後半から目を覚ますことが多い名古屋だが、この試合ではそんな必要もない。そして前半同様のペースを持続して後半へと入る。
 すると後半が始まって10分もしないうちに横浜ベンチは全く仕事をしていない久保をあきらめ大島を投入して流れを変えようと試みてきた。何もしていなくても何をするか分からない久保がいなくなったことは名古屋にとっては幸いだが、大島が入り横浜がロングボールを多用してきたことで中盤が空きだし横浜同様名古屋の最終ライン近辺での攻防も多くなってきてしまった。これに対して名古屋は前の3人に加えて金正友が積極的に飛び出していって攻守に精力的なプレーを見せこれを押し返す。試合は次第にボールが両ペナルティーエリアを行き来する互角の展開になっていった。

 時間の経過とともに次第に動きの落ちてきた名古屋に対し、横浜は30分過ぎぐらいから前線に人数を掛け始める。そして名古屋が鴨川を、横浜がハーフナー・マイクをスタンバイし勝負を掛けようとしたまさにその時間帯、横浜に先制ゴールが生まれた。きっかけは前線へのロングボールだったが、それをつながれペナルティエリアの中に両ウイングバックとボランチのマグロンが入る密集の中から最後はマグロンに決められてしまった。ハーフタイムの指示の中でもあったのだろうが、横浜は悪い流れの中でも選手達が勝負どころを見極める目を持っている。

 横浜はマイクの投入を取り下げたが名古屋は構わず玉田に代え鴨川を投入。玉田を残して守備的なプレーヤーに代えて鴨川を投入する手もあったのだろうが、この試合での玉田のパフォーマンスでは致し方ない。そして、失点直後は明らかに落胆の色が見られた名古屋だったが、この鴨川の投入直後のアグレッシブなプレーが再び名古屋をチャンスへ導く。ペナルティエリアのすぐ左側、相手DFが処理を誤ったフィフティーのボールに対してひたすらゴールだけを目指して頭から突っ込むと相手が高く上げた足が顔の付近に当たりFKを獲得する。このFKをここのところの好調ぶりでプレースキックにも冴えを見せる本田が鋭い回転を加えてキーパーの出られない位置に蹴り込むと、ファオーサイドで相手DFと競り合いながら古賀が放ったヘディングシュートがなぜか中途半端に飛び出していた横浜GKの指先をかすめゴールネットを揺らした。

 その後横浜が一度はベンチに戻したマイクを投入したのに対し、名古屋も残り5分を切って突如息を吹き返した中村がサイドを深くエグったりして左右からチャンスを作ったものの、結局得点を奪えないまま試合は1-1で終了した。横浜の左サイドのプレーヤーの力量を考えれば、中村には残り5分で見せたようなプレーを試合を通じてもう少し見せて欲しかった。

 名古屋の次節の対戦相手は一時期ずっと勝てなかったのが嘘のようにここ数年は相性の良さを継続する磐田。唯一ネックとなるのは磐田が今節の対戦相手・G大阪のACL日程の影響で試合をしていないこと。(名古屋を含む)各チームが中2、3日ペースで試合を続けている中、磐田だけは一週間ぶりの試合となる。ここのところの名古屋は磐田に対して走り勝ってきただけにこれはことのほか大きなハンデになりそうな気がする。これを打ち破るためには、この試合最大の収穫である強い気持ちでゲームに臨まなければならない。
 そして――この横浜戦でのスタイルが今後の名古屋の定番担っていくとは考え難いが――今回好感触だったこの戦い方でとりあえず次節に臨むのであれば、勝ち点3を奪うためには「FW古賀」の使い方をチームとしてもっと練っていかなければならないだろう。現状では玉田とのコンビネーションは互いの距離感を含めてゼロに等しいし、上でも書いたようにロングボールに対して頭で競ることだけが古賀の(攻撃面での)仕事となっており、サイド(深い位置)からのクロスボールを古賀が頭で狙うようなシーンも皆無だった。古賀にFWらしい仕事を望むのは酷だが、この二つぐらいはチームとしてクリアしないと勝ちはなかなか見えてこない。そのあたりの課題を克服して、中断前の最後の試合でなんとか勝ち点3を掴み取って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2006-05-03 22:47 | Game Review