Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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第16節 対千葉 3-2 (得点:ヨンセン×2、金正友) @フクアリ
 本来であればこの土日は去年に引き続きJヴィレッジまでクラ選を観に行く予定だったのだが、週末に(よりによってチームが関東遠征中のこのタイミングで)名古屋へ行かなければいけない用事が出来てしまい泣く泣くキャンセル。ただ、転んでタダで起きるのもなんなので、名古屋で用事を済ませ次第15:21の新幹線に乗って、元々行く予定のなかった千葉戦を観にフクアリへ直行しました。ユースの試合が観れなかったのは凄く残念だが、ヨンセンのデビュー戦(しかも先発濃厚との噂)が観られるなら少しは救われた気にもなるというもの。
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 東京に着くと酷く暑かった名古屋から一転秋のように涼しい。これはデビュー戦のヨンセンにも好材料だろう。

 スタジアムに入ると既に選手それぞれによるボールを使ったアップが始まっており、注目のヨンセンは大森、杉本とともに大森のフィードをヨンセンが落としてそれを杉本が拾ってシュートという形を繰り返し練習していた。そう言えば去年ルイゾンが加入した時にチームで一番早くルイゾン(のプレー)に馴染んでいたのがルイゾンに「スギーニョ」と呼ばれていた杉本だったなぁと暮れ行く空を見上げながら思わず感傷的になる。

     ヨンセン   杉本

    金正友   山口K
本田              中村
        藤田

  古賀  スピラール  大森

        楢﨑
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 試合開始とともにボールを支配しペースを握ったのは意外にも名古屋だった。前節からスタメン復帰した――ちなみに名古屋に行っていた俺は今朝のJsportsでの大宮戦の録画放送を未だ観ていない――藤田が中盤の底というかチームにとってのヘソのような中心部分で多くボールに触れながら、チームとしてもよく前にボールが出ている。悪くない出足だ。ただ気になった点があるとすれば千葉が立ち上がりから何度か連続して大森のサイドを狙ってロングボールを蹴ってきていたこと。大森の対面にはハースがポジションを取っており、このミスマッチが後々響かなければいいのだが・・・。それに千葉は大森が逆サイドからのダイアゴナルなロングフィードに対してよくカブる欠点があるということも知っているのだろうか。

 しかし千葉は本当に犬のようによく走る。そしてこのボロボロのピッチに慣れているということもあるのだろうかとにかく玉際に強い。ボールを挟んで名古屋の選手と千葉の選手がぶつかり合えばボールがこぼれるのは必ずと言っていいほど千葉の選手の方だ。千葉の選手は中盤にから後ろには小さい選手が多いが、なんだか「全員がダービッツ」みたいなそんな雰囲気すら醸し出している。そんなチームがガチンコのマンマークをしてくるのだから、名古屋は中盤の選手達が時間の経過とともに徐々に前を向けなくなってきた。名古屋が前にボールを出せるのはヨンセンへのロングボールぐらいで、たまに杉本を(右のスペースを中心に)走らせようとする場面もあるのだが、杉本に対しては水本が完璧な対応でこれを封じている。そして試合はいつの間にやらボールを支配しているのは千葉でそれを受けているのが名古屋という形勢逆転が起こっていた。

 迎え撃つ名古屋の守備はと言えば千葉の流動的な人の動きに付いて行くのが精一杯で、中盤では人が集まってボールに寄っては行くのだがチームとしてボールを奪うというアクションにはなっていないのが実情。ボールを回収するのはいつも最終ラインの役目だ。そんな名古屋のディフェンスを見透かしたように、囲まれそうになってもワンタッチプレーでつなぎシュートチャンスを演出する千葉。名古屋は千葉のワンタッチプレーの「ブレ」(そしてそれはピッチの悪さによって幅を大きくさせていた)によって最終ラインでなんとか事なきを得ているような状況だった。

 千葉がワンタッチプレーのぎこちなさの中からも何本かのシュートに辿り着いたのに対し、名古屋は前半早い時間帯でセットプレーからこぼれて来たボールをヨンセンがオーバーへッドでシュートして以来シュートを打てていない。そんな時間が続く。「これは前半はなんとか凌ぎ切って、千葉の動きが落ちる後半ラスト15分ぐらいで勝負を掛けるしかないな。」と勝手に俺が考えていると、前半残り10分を切ったあたりから突然千葉の選手達の足と勢いが止まりだした。千葉の選手が引いて守りだしたことで、名古屋は二列目がボールを受けられるようになり両サイドも前を向いてボールを運べるようになってきた。
 そして迎えたロスタイム、名古屋に先制点が生まれる。左サイドへとポジションを移していた杉本にパスが渡るとペナルティエリアの角のあたりでそれまで1対1で全く勝てなかった水本をフェイント一発でタテに振り切りまさかの「左」足でクロス、これをヨンセンがボックス中央で豪快にヘッディングで突き刺した。静まり返る千葉ゴール裏。そしてここで前半終了。
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 後半、メンバー交代はなし。
 後半に入るとヨンセンへのロングボールがチームとして格段に増えてきた。いや増えてきたというよりもそれ一辺倒。これは前半終了間際の得点でヨンセンへの信頼感が高まったと言うより、「困ったらヨンセンにロングボール」というチームとしてより確実な戦い方を選択しているということなのだろう。まあ1-0とリードしていることだし、今必要なのはひとつでも多い勝ち点であり理想のサッカーだとか言っている場合じゃなくなりつつあるので、観ている側としても我慢するしかないのか。

 しかし徐々に押し込んできた千葉に対し、名古屋はまたしてもセットプレーの二次攻撃から失点を許してしまう。前にも書いたように古賀が復帰したことで、ゾーンでの守備と言えどもセットプレーから一発で簡単に失点することはなくなっていく傾向にあると思うが、二次攻撃に対する対処に関してはチームとして未だ整理されていない。この失点シーンではセットプレーから弾き出されたこぼれ球を拾った本田がとりあえず大きく蹴り出しておけば問題はなかったのだが、つなごうとして「持った」ことで詰められて引っ掛けられクロスを中で巻に合わされてしまった。全く迷うことなくクロスを放った水野の動作は、彼自身のキックに対する自信と同時に、名古屋がリーグ戦再開後毎試合のようにこういう形で失点しているというイメージが刻みつけられての条件反射のようにも感じられた。全く名古屋は一体何試合同じ失敗を繰り返せば気が済むのか。そしてその動揺も収まらぬうちに最終ラインでクサビのボールに対して古賀と相手FWが競り合ったこぼれ球に対して素早い反応で飛び込んできた佐藤にミドルシュートを決められあっという間に名古屋は逆転を許してしまった。
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 後半開始から既にロングボールしか手がない名古屋にとってこのビハインドは正直キツイ。
 さてどうしたものかと思っていると、時間が進むにつれて再び千葉の足が止まりだし中盤でも出足が鈍ってきた。名古屋が中盤でルーズボールを拾う機会が徐々に増えていく。と、ここで名古屋側のスタンド脇から「キャー」という黄色い声援。見ると玉田がベンチに向かって走って来ている。決定打が欲しい時間帯でフェルフォーセンはついに切り札・玉田をピッチに送り込む決心をしたようだ。屈辱のスタメン落ち、そして何の因縁があるのか俺には分からないが千葉サポの猛烈なブーイング・・・玉田の感覚は研ぎ澄まされていた。そしていきなり大仕事をやってのける。
 ピッチに入るやいなやバイタルエリアに入り込んでボールを受け、ボックス内へ飛び込もうとする金正友に浮き球のパスを送ると水本がこれをファールで止めてさっそくFKを誘発。本田、玉田、中村で細工を施したこのFKこそ決まらなかったが、その流れで得たCKから今度は玉田がこぼれ球をさらい左サイドから疾風のごときドリブルでペナルティエリア内へと侵入していく。そしてゴール正面に入ってきた金正友に落ち着いてラストパス。これを金正友が流し込んで名古屋は同点に追いつくことに成功した。こうした大仕事を飄々とやってのけるあたりいかにも玉田らしい。
 またゴールを決めた金正友もリーグ戦再開後4試合で3得点とその前線への飛び出しがチームの確実な武器となってきている。中断前はほとんど見られなかったプレーだからこの部分だけでもチームとしての「成長」は見られる。そう言えば当日券売り場で並んでいた時に新しく韓国代表監督になったピムがその列(俺の前)を横切ってスタジアムへ入って行ったのだが、金正友にとっても良いアピールになったのではないだろうか。その後試合終了間際に、相手選手が次々と味方選手を交わして中央突破を図ってくるというシチュエーションで、今や定番になった感のある足裏タックルを繰り出し豪快にケズって今シーズン二度目となるイエローカード累積による出場停止を喰らったのはお約束でもあり、今後のチームに向けては痛い材料ではあるのだが。

 本来の攻撃のリズムを取り戻した名古屋は、サイドを使った攻撃と二列目の飛び出しで千葉陣内へと攻め込むシーンが多くなってきた。そして同点ゴールの興奮も冷めやらぬうちに中村のCKからファーサイドの古賀の折り返しをゴール前に詰めたヨンセンが押し込んで逆転に成功。目の前で見た中村のキックは正直なところ何の変哲もないプロ選手なら誰でも蹴れるようなキックだったが、古賀、スピラールにヨンセンが加わった名古屋のセットプレーは相手チームにとってこれからもかなりの脅威を与えていくことになるだろう。さらにこれに秋田が加わったら・・・。

 リードした名古屋は自陣に引いてスペースを埋めて守る堅実な戦い方にシフトチェンジ。懸案の玉田もしっかり守備をしてチーム全員でなんとかこのリードを守りきった。千葉には去年ホーム(開幕戦)もアウェーも終了間際に猛攻を受けて立て続けに失点喰らっていた嫌な思い出があるが、この試合ではほぼ危な気なく乗り切ることが出来た。
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 この4連戦で勝ち点6は最低限の数字でしかないが、新加入ヨンセンの2ゴール(しかも逆転)でチームに勢いは付くし、ここに来て今シーズン初めての連勝ということもあり選手の自信レベルは確実に上がっていることだろう。この自信を糧にしておよそニ週間の中断でヨンセンのフィットと金正友の穴埋めをどう行うかの確認を行って欲しい。あとはセットプレーの(二次攻撃に対する)守備だ。
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by tknr0326g8 | 2006-07-31 03:00 | Game Review
大宮戦にむけてとこれまでの課題をピンポイントで
 自信を持って臨んだはずのリーグ戦再開でものの見事に2連敗を喫し、リーグ戦はまだ半分以上残っているとは言えにわかに「降格」の二文字が現実味を帯びてきた名古屋。過密日程のあおりで今日はもう大宮戦だが、ここまで二試合を観てきて気付いた点や修正点など。

 最初は3バック。シーズン当初は4バックだったがサイドの人材難と選手の適正(やりやすさ)を考慮しフェルフォーセンは中断前から3バックを採用している。またキャンプでもずっと3バックでトレーニングを行ってきた。だがこれが思いのほか不安定さを露呈している。両サイドを大森、増川という日本人DFが任い真ん中に文字通りの「新」外国人スピラールが陣取る3バックはどことなくかつて栄華を誇った(同じく右から)大森、パナディッチ、古賀の3バックを彷彿とさせるが、戦術(守り方)の違いからかあの頃のような堅さを構築できていない。
 当時は抜群の読みと判断力を持つパナディッチがマークを持たずにカバーリングに専念していたことで、大森、古賀といった人に強いストッパーが目の前の相手を抑えることに集中できた。しかし今のチームでは3人のDFがフラットに並んでマークを受け渡しながら、それぞれ対人とカバーリングをこなしている。あと特徴を挙げるとすれば、チームが1ボランチを採用していることで人が足りないバイタルエリアでは攻守ともにスピラールが出て行くシーンが目立つことだろうか。
 こういったフェルフォーセンの戦術の浸透(選手達の理解)度の問題もあるのだろうが、俺にはどうも個々の選手の問題も大きいような気がしている。右サイドの大森はキャンプから帰国後練習中に負ったという怪我が影響しているのか、かつてのような対人の強さを見せられていないし、さらに言えば相変わらず勘は良いフィードもブレまくりで精度を欠いている。増川は3バックでのゾーンディフェンスに慣れていないのか、妙なラインコントロールでオフサイドトラップを狙って裏を取られてみたり、寄せがユルく相手に楽々とポストプレーやシュートを許したり・・・全くもって漠然としたディフェンスはスピラールが出足の良さと強さ、高さによって相手FWをガシガシ潰しているのとは対照的だ。
 この解決策のひとつは古賀の復帰を待つこと。「選手達が3バックに慣れている」というフェルフォーセンのコメントを代表する古賀であればキャンプ不参加にともなう戦術理解面での不安はあるが「個人」として増川よりはまともな守備が出来るだろう。そして古賀を使うことによるメリットはセットプレーにもある。まあセットプレーで一回クリアした後マークがハッキリしない状況でもう一度放り込まれて失点を喰らうというお決まりのパターンについてはチームとしての修正が必要だが、増川がイメージされているほどヘディングが強いわけでもない現状を考えると古賀の高さは個人として大きなプラスだ。ゾーンと言えば聞こえはいいが、実際にはスピラールの高さだけで跳ね返しているだけのセットプレーは、現状相手チームにとってはスピラールを外せばOKというイージーな状況。ここにもうひとつ外さなければいけないポイントが出来れば確実にその選択肢も狭まるはずだ。
 増川の位置に古賀を入れることで唯一不安があるとすればビルドアップだろうか。増川のビルドアップが効果的なわけでは決してないが、増川はボールを持つと必ず前を向いている。しかし良いキックは持っているものの「隣の選手に渡すだけ」のシーンが多い古賀では、必然的に本田のプレーするポジションが低くなってきてしまう。今のチームで本田のボールを持つ位置が低くなるということはチャンスが減るということと同義だ。

 と思ったら、古賀先発復帰ですか。

 守備は最終ラインだけでなくチーム全体でするものなので、古賀ひとりだけで問題点全てが改善されるわけではないと思うが、古賀の先発復帰が良い方向に転がることを期待したい。

 攻撃面では大宮戦に限って言えばポイントになりそうなのが二列目の飛び出しだ。現状名古屋が良い試合をするかしないは両サイドが高い位置でプレーできるか否かが鍵になっているが、これまでの広島やガンバと違い4-4-2の布陣で守備ブロックを作ってくる大宮相手ではサイドの高い位置にスペースを見付けることは難しいかもしれない。むしろ大宮相手にはサイドからの崩しを狙うよりも広島戦で金正友と山口Kが見せたような二列目の選手の飛び出しの方がが得点につながる可能性が高いだろう。藤田の出場で中盤の構成がどうなるか分からないが(そして中スポのスタメン予想ではアンカーが金正友になっていたが)俺の感覚としては山口Kをアンカーにして金正友と藤田を二列目に置いた方がしっくりくると思う。そして方々で酷い言われようなのでとてつもなく酷い状態を予想していた中村が意外とキレが戻っていそうなのでそろそろ爆発して欲しいところだ。

 中盤、前線、監督などまだまだ書きたいことは色々あるが、とりあえずもうすぐキックオフなので、これだけアップ。残りは一応のスタメン変更だけはした大宮戦でも結果を残せていなかったら書きます、多分気が向いたら・・・。
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by tknr0326g8 | 2006-07-26 18:30 | Pre-view
第13節 対広島 2-3 (得点:玉田、金) @Jsports 録画
 W杯による中断でおよそ2ヶ月ぶりとなるJリーグ。この広島戦は再開後の初戦ということでオランダキャンプの成果を確認したいところではあるが、放送スケジュールの都合により観る順序が逆になってしまった翌14節のG大阪戦で(仮にオランダキャンプの成果というものがあったと仮定して)その成果が跡形もなく吹き飛ばされてしまったのを目撃してしまったので、なんだか失われた過去の遺産を掘り起こすかのような作業だ。

 フェルフォーセンの「選手達は3バックの方が守りやすそうだ」という判断により、キャンプ中もずっと3バックの布陣で練習してきたという名古屋の布陣はこんな感じ↓

     玉田    豊田

    金正友    山口K

 本田     吉村     中村

    増川 スピラール 大森

         川島

 GKに日本代表として先のドイツW杯メンバーにも入っていた楢﨑ではなくキャンプでずっとチームと共にトレーニングしてきた川島を起用しているあたり、フェルフォーセンのキャンプへの手応えがうかがえる。

 そんな新生名古屋の船出は、前半から名古屋が圧倒的にゲームを支配する上々なスタートとなった。中断前と比べれば選手達にも自信が感じられ気持ち的にも乗っているように見える名古屋は時に最終ラインまでもが相手陣内に入るかというぐらいの勢いで広島を自陣へと押し込み、クリアボール(こぼれ球)もことごとく拾っての分厚い攻撃を仕掛けている。攻撃の基点はサイドに置かれており、組み立ては必ずと言っていいほどDFラインでボールを動かしながら両アウトサイドの本田、中村にボールが入ったところからスタートしているし、前線では金正友、山口Kの二列目コンビが広島の3バックの両脇のスペースへ積極的な飛び出しを見せている。そして5分が経過した頃、そんな流れからボックス内へと飛び出した金正友が後ろから引っ掛けられて倒されPKを得る。これを玉田がキッチリ決めて先制。試合に対して良い入り方をして良い流れの時間帯で得点を奪うことが出来た。勝利(そしてあわよくば大勝)の香りが漂う。

 しかし出来すぎなシナリオに油断したわけではないだろうが、先制点から5分と経たぬうちに名古屋は広島に狙い通りの同点ゴールを決められてしまう。この日の広島は名古屋が予想以上に試合に対する良い入り方をしたことを差し引いてもかなり慎重で受身に回った試合の入り方をしていた。ウェズレイと佐藤寿人という強烈な2トップを除く残りの選手達は3人のバックの前に5人の中盤の選手を並べて守備ブロックを形成する感じの手堅い布陣を敷き、かなり手前の位置まで名古屋に自由にボールを持たせている。そして奪ったボールは手数を掛けずにシンプルに前線に預けてくる。これが新監督ペトロビッチのサッカーなのか、それとも「J1残留」という極めて現実的な目標に向けた最善の策なのか、はたまたヨーロッパのHOME&AWAYの概念をそのまま用いているのか。そんな広島の術中に名古屋はまんまと嵌ってしまった。名古屋が前に人数を掛けた攻撃的な布陣を敷いている以上これは仕方ない部分でもあるが、それでもアンカーの吉村のフィルターとしての機能の欠如だとか、3バックの一角である増川の対応のマズさといった個人的な資質についても目が行ってしまう。やり方の問題ではなくて、このメンバーでこの戦い方を選択することへの疑問が残った。

 その後試合は再び名古屋がボールは支配しつつも、またしても広島の思う壺のような形で追加点を奪われ逆転されるのだが、時間が進むにつれて名古屋は優位に進めている攻撃面においてもいくつかの課題が露呈してきた。まずは攻撃を遅らせるような横パスやバックパスが多いこと。(翌)ガンバ戦を見ても分かるがこのチームは組み立ててで詰まったら無理せずDFラインもしくはキーパーまで戻して逆サイドで作り直すということを徹底している。ボールを大切にするという意味でこれはあながち間違いではないが、同じような現象が良い位置でボールを奪っていざ速攻を仕掛けようかという時にもしばしば起こる。横パスからさらにバックパスが入りボールが下げられてしまうようなシーンが何度か見られた。そうなれば当然相手もその間にみんあ自陣へ帰り守備を固めてしまう。前に人数が揃っていないだとか、前線(や周り)の動き出しがないとかの理由もあるだろうが、ポゼッションからの崩しで何点も奪えるほどこのチームは成熟もしていないし、それだけのメンバーが中盤から前線に揃っているとも言い難い。速く攻められる場面では手数を掛けずに前で勝負することも必要だろう。
 そんな中にあっては前線の玉田になかなかボールが入らない(収まらない)ことも気になった。広島がペナルティエリアの外側のラインあたりにかなりの人数を掛けて守っていたということもありスペースがなかったとも言えるのだが、それにしても玉田がこの試合良い形でボールに触れたのは何度あっただろう。もう一方のFW豊田にしても、豊田を起用したことでもう少し増えるのかなと思っていた豊田のポストを使った組み立てがクサビのボールを入れようと意識して狙っていたのはチームで大森だけだったしその落としを拾うような選手もいなかった。豊田は単にサイドからのクロスに対する高さ要員だったのか。まあ豊田自体は、大森からのクサビに対してもそうだしサイドのスペースに流れてボールを受けることだとか、DFラインの裏へ抜ける動きだとか良く意味でマークが集中するであろう玉田をオトリに使って(後半足が攣るまで)頑張っていたと思う。

 逆転されリードを許したことで、名古屋はより徹底した広島の引いて守ってカウンターという手堅い戦い方と向き合わされることになった。こうなると重要になってくるのが吉村の位置のプレーヤーの(攻撃面での)力量だと俺は思う。フェルフォーセンの信頼も厚く中断前から継続して試合に出場し、キャンプでもワンボランチのレギュラーに固定されてきたことで吉村は攻撃面での確実な進歩を見せていた。事実、試合開始直後に放ってバー直撃のミドルシュートを放っていたり、先制点(PK)のキッカケとなった金正友の飛び出しにその一瞬のタイミングを見逃さずパスを送ったのは他ならぬ吉村だった。その他の場面でも吉村のスルーパスに豊田が抜け出してキーパー直撃のシュートを放ったシーンなどもあった。しかし俺はこの吉村のパフォーマンスにまだ満足をしていない。敢えて厳しいことを言えば、相手がこれだけ引いている状況ではフリーでボールを持つことが多くなる吉村に位置のプレーヤーがこれぐらいのプレーが出来るのは当たり前だ。そしてDFラインやサイドにボールがある時のサポートの(ボールを呼び込む)動きや前にクサビのボールが入った時のポジショニングには俺の中で違和感が残る。実際前半に増川と大森がそれぞれ一度づつ危険な横パスをミスして広島の速攻を喰らったが、サポートに入れる位置にいた吉村がボールをもらいに行っていればあれは起きないシーンだった。まあただこれに関して言えば、後半負傷した吉村の代わりに出てきて、そのポジションではより(俺の)イメージに近い動きが出来ていた藤田がベンチウォーマーに甘んじている(そして吉村が欠場したガンバ戦でも使われることがなかった)ことを考えると、フェルフォーセンが望んでいる動きは俺が考えているものとは違うのかもしれないが。
 と、ここで話を試合に戻すと、前半終了間際、リードを奪った広島に引かれている状況でどう打開を図っていくのかという部分において(俺が重要だと思う)吉村がなかなか決定的な仕事は出来ない名古屋は、最終ラインからシビレを切らしたかのようにスピラールが怒涛のドリブルでオーバーラップを見せる。立ち尽くす吉村の横を通り抜けグングン進んでいくスピラール、広島の選手が慌てて寄せてくる素振りを見せたところで組織の乱れを見逃さずDFラインの裏へと抜け出した金正友にスルーパスを送った。これを金正友が冷静に鎮めて2-2。スピラールの個人技には拠っているが固められた守備組織を崩す手本のようなプレー。名古屋はなんとか同点で前半を終えることに成功した。

 後半になっても名古屋がボールを支配して攻める展開は変わらない。そして前半終了間際のスピラールのプレーに触発されたのか吉村の動きがかなりよくなってきたが、それにも増して調子づいていたのがスピラールだった。時間とともにウェズレイの動きが落ちていたことも見計らい、マイボールになるとスピラールは吉村と並ぶようなポジショニングで組み立てに加わるようになった。

こんな感じ↓
<攻撃時(マイボール)>

    スピラール  吉村

  増川        大森


<守備時>

       吉村

増川   スピラール    大森


 しかしそんな名古屋の攻撃的な姿勢も後半10分過ぎには佐藤寿人の一発によってアッサリ打ち砕かれてしまう。まあこれは佐藤寿人を褒めるべきゴールでもあるのだが、セットプレーのセカンドボールに対する処理と言う名古屋の弱点がモロに出た失点だった。先に書いた翌14節のガンバ大阪戦のレヴューの中でこの失点については触れているが、まさか二試合連続でこのパターンから失点喰らっているとは・・・。あきれてモノも言えないとはこのことか。誰にでもミスはあるが同じ失敗の繰り返しについて、プロである彼等には問題意識やそれを解決していこうとする意思がないのだろうか。少なくともかなり以前からTV解説の反町が指摘していた課題を看過している監督以下のコーチングスタッフにも問題はあるが、選手たちは監督の指示がなければ何も動けないのだろうか。2002年のW杯日本代表じゃないが監督の言うやり方でダメなら選手が自分達で考えて解決すればいい。

 その後、フェルフォーセンはやや遅きに付した感じで前述のように負傷の吉村に代わって藤田を、PK以外仕事をしていない玉田に代わって杉本を入れたが、ゲームプラン通りの展開にすっかり守り切りモードの広島を崩すことが出来ない。(広島がより一層守備の意識を強くしてきたこともあり)藤田を投入したことでポンプで血が巡るように中盤でスムーズにボールが動き出した名古屋だが、ゴールに近付くほどに得点の気配は消えて行った。藤田をもう少し前で使うことが出来れば・・・。そして前半からかなり飛ばしていた豊田が足を攣って片山に交代すると名古屋は完全に攻め手を失った。片山を左サイドに、左サイド本田を前に上げる苦肉の策を取ったがこれは逆に本田を消す結果となってしまった。
 こうなればスピラールか増川を前に行かせてのパワープレーも考えられたが、ペトロビッチも心得たもので運動量の落ちたウェズレイは下げるが決してFWの枚数は減らさない。しかも代わりに入ったのがヘディングの強い上野優作だ。結局名古屋は最後までスピラールか増川を上げてパワープレーに徹することが出来なかった。

 そして終始ボールを支配した名古屋は広島のゲームプランに乗っかったまま、ホームでの再開初戦(しかも相手は残留争いをする直接のライバル)に痛すぎる敗戦を喫した。確かに痛いがこの敗戦によって反省する部分は反省しながらも選手達がオランダ合宿で培ってきた自信を失わないことを願うばかりの試合だった。
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by tknr0326g8 | 2006-07-24 01:31 | Game Review
第14節 対G大阪 1-5 (得点:玉田) @TBSchannel LIVE
 一週間に2試合×ニ週間連続という過密日程のおかげで、中断明け最初の試合となった水曜日の広島戦をTVで確認しないうちにもうG大阪戦。広島戦は得点(失点)シーンのダイジェストすらまだ見てないので俺が持っている情報は先発(&ベンチ入り)メンバーのみなのだが、フェルホーセンはこのG大阪戦に向けさっそく二つのポジションでスタメンを変更してきた。一つ目は広島戦で全治二週間の怪我を負ってしまった吉村が務めていたアンカーのポジション。最近すっかりベンチスタートのイメージが定着してしまった藤田の起用が噂されたり、ひょっとしたらユース出身のルーキー・青山の起用があるのではとも思われたが、最終的にフェルフォーセンが選んだのは二年目の須藤、フェルフォーセンお気に入りのプレーヤーだ。そしてもうひとつのスタメン変更は玉田のパートナーとなるFW。前節先発した豊田に代わり起用されたのは名古屋のスピードキングこと杉本だった。まあガンバも最終ラインにはシジクレイがいて単純なロングボールでは通用しそうもないし、解説の相馬直樹が言ってたようにガンバの最終ラインが高い位置まで押し上げてくるのであれば、スピードのある杉本を使ってその裏を狙うっていう作戦もありかな・・・・・・ってシジクレイ欠場かよ!シジクレイがいないのであれば、豊田をそのまま使って宮本とぶつけてみたかった気もする。

 というわけでスタメン↓

     玉田     杉本

          山口K
     金正友       中村
本田      須藤

    増川 スピラール 大森

         川島

 試合が始まってすぐに俺が違和感を感じたのは最終ライン、フラットな3バックだった。右から大森、スピラール、増川という構成だけ見れば、なんとなくかつてのズデンコ~ネルシーニョ初期における大森、パナディッチ、古賀という安定していた3バックを連想させるが、この3バックは試合開始早々に中途半端なラインコントロール(というか増川の意味不明なポジショニング)によってアッサリ裏を取られて綻びを露呈していた。もちろんかつてとはチーム全体の守り方も、相手チームの状況(システム)も違うので一概には比較できないが、この最終ラインは最初のワンプレーの時点で既に先行きを不安にさせるものがあった。

 試合開始から5分ぐらいが経過し試合が落ち着いてくると、これがフェルフォーセンが目指しオランダでトレーニングしてきた方向性なのか、ボールをポゼッションしながらサイドを基点に崩していくというスタイルを名古屋が披露しボールを支配し始める。最終ラインを中心にゆっくりとボールを回しながらアウトサイドにボールを入れたところでスイッチオン。サイドが詰まったら無理をせず後ろまでボールを戻して反対のサイドで作り直し。この試合では特に本田のいる左サイドに積極的にボールを入れていそこから作っていこうという意識が目立っていた。
 だが名古屋の攻撃はガンバの守備への切り換えの早さと堅固な守備ブロックを前に両アウトサイドから先へなかなかボールを進めることが出来ない。また稀に前線にボールが入っても玉田がボールをキープし切れない場面が続く。名古屋は徐々に本田がボールをもらう位置が低くなり、20分を過ぎる頃には完全にガンバに押し込まれるような展開になっていた。名古屋がやりたいサッカーの方向性を示しまがりなりにもボールを所有できたのは時間にしてわずか15分足らずということだ。
 そしてガンバにゲームの流れとボールの所有権を明け渡した名古屋は自陣でなんとか耐え凌ぎながら、押し上げてくるガンバDFラインの裏を狙って2トップのスピードを活かして速攻を仕掛ける戦い方にシフトチェンジしていくことになる。

 しかしそんなカウンターが形になる前に名古屋のディフェンスは決壊した。
 そもそも「どこのチームよりも長い」とフロントが胸を張っていたオランダの地での合宿で身に付けてきたはずのゾーンディフェンスが全く機能してない。何かを勘違いしているとしか思えない名古屋の選手達によるゾーンディフェンスは、まるで「等間隔に案山子が立てられているだけ」のようだった。セットプレーでは自分の持ち場に文字通り「棒立ち」。遠藤という優れたキッカーの存在は差し引いても、シジクレイがいない状況では最も気をつけなければいけない山口に二度までもフリーな状態でゴールを許してしまっては言い訳のしようがないだろう。そして流れの中でも中山ひとりに対して最終ラインで3バックが寄り添ってお行儀良く並んでいる様が散見された。おそらく3バックは最前線に張る中山のマークを受け渡しながら、ボランチが一人しかいないことで必然的に空いてくるバイタルエリアでボールを持たれたらスピラールがチェックに行くという決まりごとだったのだろうが、なんだか中山にラインを合わせて左右に案山子が二本立っている間で唯一生身の人間であるスピラールが前(チェック)へ後ろ(シュートブロック)へと獅子奮迅動き回るかのような、そんな錯覚すら覚える光景だった。

 35分過ぎ、名古屋はセットプレーの二次攻撃から山口にどフリーでヘディングゴールを許し1失点目。セットプレーの二次攻撃でマークがズレるなんて話は、確か浦和戦ぐらいの時にTVで解説してた反町(U-21日本代表監督)が指摘してた話なんだが一向に治る気配がない。チーム内に誰もそれを指摘する人間がいないのか、それとも選手達にそれを修正していくだけの能力がないのか。
 そして先制点を奪われたことで集中が切れたのか、最終ラインで3バックに対して相手が3人でプレッシャーに来ているにもかかわらず、増川が有り得ない中への横パス。それを拾われてアッサリ2失点目を献上した。TVではスイッチングが悪くハッキリと確認することが出来なかったが、おそらく会場で観ていたら口をアングリさせていたに違いない。(特に増川と同じライン上のメインスタンドとバックスタンド)

 そして0-2のまま前半終了。20分以降はガンバペースで、特に30分以降はカウンターすらままならなかった。

 後半開始にあたり下手したら複数の選手交代があるかと思われたが、思いのほか選手交代はなし。修正ポイントは明確と言うことか。それともここで代えたら選手達が自信を失うと考えているのだろうか。そんな監督の思いがあるのだとしたら、後半開始直後の選手達はアグレッシブにプレーしその期待に応えた。チームの「前へ」という気持ちは、金正友の積極的な飛び出しひとつ取っても十分伝わってきた。シンプルなパス交換から両サイドを高い位置でプレーさせられるようになった名古屋の攻撃は、後ろでボールを回させられていた前半とは異なり攻撃がシュートで完結していた。やりたいことがその「方向性」だけでなく具体的なゴールのイメージとして見えてきた瞬間。そしてこの良い流れは10分過ぎの玉田の直接FKによるゴールを呼び込んだ。

 その後も良い形での攻撃を繰り出していた名古屋が同点に追いつくチャンスは十分にあったが、5分もすると名古屋は自然と押し返されていった。二川、フェルナンジーニョ、家長など個人技に優れるプレーヤーを揃えるガンバを怖がっているのか、この試合での名古屋のは守備においてかなり慎重で、結果としてそれが自陣にガンバの選手達を招き入れることへとつながってしまった。名古屋を自陣に押し込んだガンバはボランチの遠藤や橋本までがハーフウェーラインよりも内側へと入り込みそこを基点にいいようにボールを動かしてくる。そしてそこに対して仕方なく金正友や須藤が前に出てチェックに行くと後ろに空けたバイタルエリアのスペースに二川やフェルナンジーニョが入り込む。ガンバ側からしたら実にオートマチックだが、ゾーンディフェンスを履き違えているとしか思えない名古屋の選手達がオートマチックにこれに対応するのは至難の業だった。唯一約束事として成立していたっぽいものは、上でも書いたようにバイタルエリアにフリーで入ってきた選手に対してリベロのスピラールがチェックに行くことなのだが、後半15分過ぎにバイタルエリアでそんなスピラールの当たりを華麗に交わした二川がフェルナンジーニョにラストパスを送ると、致命的な追加点を奪われてしまった。

 この追加点を奪われた時点この試合の勝敗はほぼ決してしまったが、失点後フェルフォーセンはアンカーの須藤を削り前線に豊田を投入し3-4-3のような形にしてなおも得点を奪いに行く姿勢を見せる。これがフェルフォーセンのスタイルということなのだろう。この姿勢には結果大敗したことと堅実的な日本人の気質からすれば否定的な意見も多いだろうが、ともかくこれがフェルフォーセンの方針といったものもここへきて明確になってきた。

         豊田
  玉田           杉本

本田  金正友   山口K  中村

   増川  スピラール  大森

         川島

 しかしより攻撃的な布陣となったところで、豊田の高さが活きたわけでも前線にボールが収まったわけでもなかった。むしろ時間とともに足が止まりだしたことと前に3人を置いたことで中盤のスキマ感は増大してしまった。そしてスピラールが攻撃に絡む姿勢を見せて上がって行くと残された名古屋のディフェンス陣にガンバのカウンターに対処する術は残されていなかった。その後試合終了間際になす術なくさらに2点を失った名古屋は最終的には1-5のスコアで完敗を喫した。スコア通りの(あるいわそれ以上の)力の差を感じる敗戦。試合開始前、俺は吉村の欠場により青山にリーグ戦初出場のチャンスが巡ってくるかとも期待していたが出なくてよかった。この試合で先発なんかしていようものなら、かつて古賀が鹿島戦で負ったような後々まで引きずりかねないトラウマを背負っていたかもしれない。

 この厳しい状況から立ち直るために今後どうしていったらいいのかについては、またウダウダ書くとさらにながくなりそうなので、広島戦も観てから改めて書くことにします。
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by tknr0326g8 | 2006-07-23 04:41 | Game Review
J1がもし10チームのリーグだったら
 史上最強世代と謳われた日本代表のドイツW杯での惨敗という結果(現実)を受けて、今後日本サッカーを強くしていくためには国内リーグであるJリーグのレベルアップが不可欠であり、そのためには何をしていったらいいのだろうかという議論が昨今華々しい。例えば日本サッカー協会会長に立候補したいというフローラン・ダバディは「JリーグとKリーグを統一する」というような(多分実現できないし俺自身あまり良いとは思わないが)面白いアイデアを出しているが、最もポピュラーな方法として認知を得ているのがJリーグのチーム数を減らすこと、だ。具体的に言えば「J1を現状の18チームから10チームぐらいに減らす」。
 かつてはトルシエも上位チームによって再びリーグ戦を行いチャンピオンを決定するような方式に変更すべきだと言っていたような気がするが、簡単に言えば、ヨーロッパや南米のようにサッカーが浸透していない日本では無理にトップリーグのチーム数を増やしても質の高い選手の絶対数が間に合わずリーグ自体のレベルの低下、ひいてはそれがプレーヤーの成長の足枷になるという理屈だ。

 そもそもJリーグがなんのためにあるのか――例えば町おこしや全国津々浦々の人々におらが村のチームを応援するという娯楽を提供するためにあるのであれば話は違ってくる――にもよるが、Jリーグの目的が一義的に日本サッカーを強化するためであるならば、俺はこの「日本にプレミアリーグを作る」案に賛成だ。ヨーロッパの真似をして無理にトップリーグを18チームとかにする必要性なんてどこにもない。身の丈にあったリーグ(チーム数)でいいじゃないか。10チームより18チームの方が確かに裾野は広がるだろうし、まだ十分にサッカーという文化が根付いていない日本のような国では少数のエリートを育成することよりも将来を見据えまずはその裾野を広げることこそが大切というという考えもあるが、それがぬるま湯になってしまっているという現状があるのは名古屋を見ても明らかだ。

 もしJ1が10チーム制になったら、近年中位にすら踏みとどまれなくなっている名古屋はおそらくJ2でのプレーを余儀なくされるだろう。これは名古屋がいくら土壇場で力を発揮するタイプと言えどもそうそう簡単にひっくり返すことができない現実だ。そもそもJ1が10チームのみの厳選されたメンバーのみによるリーグになってしまったら、今名古屋に所属している選手達の中で何人がJ1に残れる(J1チームに雇ってもらい試合に出場できる)のだろうか。能力云々以前に現状に満足してしまっているような選手では難しいし、少なくともJ1は「代表」を意識した選手でなければ生き残れない世界になるだろう。これはクラブ(フロント)についてもしかり。ここのところ満足な「即戦力」補強が出来ず、自前で育てると言えば聞こえはいいが、手っ取り早く使える戦力として大卒選手でお茶を濁してきたような強化プランがそのプレミアリーグで通用するとは思えない。これは明らかに2部チームの強化方針だ。

 もしも本当にJ1がプレミアリーグ(10チーム)となりその結果名古屋がJ2に降格したとしたらなんとなく選手もクラブもJ2という環境を享受して(安住して)しまう不安はあるが、例えそういう状況にあっても絶対にJ1に残るというだけのことをしていかなければ、現状の18チームのリーグですら優勝(争い)など望むべくもない。
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by tknr0326g8 | 2006-07-16 03:54 | Topics & Issues
ワールドカップも終わり・・・
 名古屋もオランダキャンプから帰還。
 いよいよJリーグ再開ということで、名古屋の試合までは一週間あるけど今感じることでも。

■ジーコの貢献
 結局最後まで俺に日本代表への興味を向けさせることがなかった原因(のひとつ)でもあるジーコは、玉田の復調という名古屋にとって大きな産物をもたらしてくれた。いわゆる「欧州組」とやらを中心として、ろくに試合に出ていないもの、試合勘の足りないもの、コンディションの整っていないものの調整の場として国際Aマッチを活用してしまうジーコのやり方・考えには賛同しかねるが、意外なところで名古屋は恩恵に授かることが出来たわけだ。
 今シーズンが開幕して中断前までの玉田は――もちろんそのプレースタイルに合わない起用のされ方(1トップ)や、相手チームに研究された等の理由もあったのだろうが――昨シーズン負った怪我から完全に立ち直ってはおらず、全盛期からすれば60%ぐらいのコンディションでプレーしていたように見えた。稀に光るプレーは見せていたが、それは俺が日立台で間近に見た玉田の姿とはかけ離れたものだったし、そんな消化不良な状態は、途中出場で試合に馴染めず空回りしているように見えたワールドカップ・クロアチア戦でも変わることはなかった。
 しかし最高の舞台・最強の相手がもたらす緊張感と高揚感が「リハビリ」速度をも加速させたのか、ブラジル戦の玉田は時間の経過とともに(ボールに触れるごとに)忘れていた感覚を取り戻して行くようだったし、それがあの素晴らしいゴールにもつながったことは間違いない。そしていわゆる「燃え尽き症候群」だけが心配だった名古屋のオランダキャンプでも、練習試合で二試合連続ゴールと内容は分からないが少なくとも結果は残し続けている。
 玉田の復活は本物か?中断前が助走であったとするならば、選ばれた者のみが立つことが出来るワールドカップのピッチで最終段階のリハビリを終えた玉田にとっては、これからが本番であると信じたいし、そうなってもらわなければ困る。

■外国人FW
 そんな玉田を活かす為の条件のひとつが新外国人FWの存在だ。
 クラブはキャンプ中にスペインリーグ・カディス所属のセルビア・モンテネグロ人・ミロサフリェビッチをテストしていたが現時点でもまだ態度は保留されており、12日付けの中スポによればクラブは既にミロサフリェビッチには見切りをつけてノルウェー代表FWヨンセンをはじめとしたノルウェーリーグのプレーヤーをチェックしているとのこと。なんでもオフシーズンの主要リーグの選手と違い「ノルウェーはリーグが真っ盛りで、コンディションの心配は少ない」のだそうだ。まあ確かに去年のルイゾンのような例もあるし、来日してから良いパフォーマンスを発揮できるコンディションに戻るまで時間がかかるようでは困るというのは分からないではない。
 しかしこのヨンセン、獲得できたとして本当に大丈夫なのだろうかという一抹の不安が俺の中には残る。確かにすぐに試合を出来るコンディションにはあるのだろうが、ノルウェーからやって来るプレーヤーが名古屋の夏にいきなり馴染めるのだろうか。ベストコンディションで来日し、暑さでヘバってコンディション低下なんてことになったら笑うに笑えない。フロントがそこまで考えた上でコンディション云々を語っているのであればいいのだが。
 と、文句ばっかり言ってても仕方ないので、じゃあ誰がいいのかに対する俺なりの提案。クラブが「短期間で結果を残せる即戦力」(同日付け中スポ)を求めているなら、俺がススメるのは断然ブラジル人。南半球からやってくることに若干の不安は残るが、かつて名古屋に在籍したブラジル人がそうだったように彼等は暑さに強い。湿気もなにもお構いなしだ。むしろ暑くなればなるほどパフォーマンスが上がってくる。名古屋にとって大切なのは再開直後のスタートダッシュで、ここでつまずくと取り返しがつかない事になるだろう。その意味でもとにかく暑さに強いプレーヤーが俺はベストだと思う。

 そう言えば、ウェズレイがよく夏を境に急激にコンディションを上げてゴールを量産してたよなぁなどと思っていたら、こんなニュースが・・・。そして何の因果か、名古屋が再開後の初戦で瑞穂に迎え撃つ相手が広島。(笑) 名古屋の新外国人は間に合わなさそうだが、残留争いのライバルとの直接対決でもあり、ここでウェズレイに爆発でもされてキャンプで少しづつ培ってきた自信が霧散してしまったら・・・そう考えるとこの試合は今シーズンの行く末を決定付ける試合になるかもしれない。

■裏技・力技
 もし外国人FWでいいのが見つからなかったら、フェルフォーセンが欲しがっていると言われる長身のFW像を考えると、名古屋がオランダでキャンプをしていた頃、時を同じくしてオランダで始動していた「あの男」を強奪してくるぐらいの気概がフロントには欲しいところだ。今月末から始動する北京オリンピック代表で間違いなく主軸を担うであろう「あの男」。
 今からちょうど12年前、同じくオランダのプロリーグでプレーしていた一人の若者が、当時28年ぶりのオリンピック出場を目指していた代表チームに合流するために日本に帰国し、名古屋で衝撃のJリーグデビューを果たした。その後の経過に関しては周知の通りで日本サッカー界としてはその時の過ちを繰り返してはいけないが、一国のサッカー協会会長が「世紀の失言」によって自国のプロリーグの監督を強引に引き抜く世の中だ、こうなったらなんでもありであえてお願い。未曾有の危機に瀕する名古屋のために力を貸してくれませんかねぇ、平山君。
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by tknr0326g8 | 2006-07-12 23:59 | Topics & Issues