Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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U-21日本代表vsU-21 中国代表
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システム的なミスマッチなどもあり、ほとんど左SBのような位置(守備)からプレーをスタートすることを強いられていた本田。後半さすがに足が止まり気味になってましたが、よく頑張って長い距離走ってました。直接狙えるFKのチャンスがなかったのが返す返すも残念でした。
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by tknr0326g8 | 2006-10-26 00:00 | Other Games
第28節 対甲府 1-2 (得点:藤田) @小瀬スポーツ公園陸上競技場
 前回瑞穂で5-1という大勝を収め一度は順位も甲府を上回ったものの、安定しない戦いを続けているうちにいつの間にやら再び甲府に追い抜かれていた名古屋。ここで勝てば再び順位は入れ替わるし、ひとつでも上の順位を目指すためにも負けられない試合だ。
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 さすがにカップ戦を含め今シーズン三度も対戦していれば甲府がどういった戦い方をしてくるかは(特別なスカウティングをせずとも)監督以下選手たちもしっかり把握しているはずで、バルセロナシステムを採用する甲府に対し名古屋はガチンコでこれとぶつかる布陣を敷いてきた。最終ラインは予想通り本田を左SBに下げた4バック。中盤はいつもはアンカーの藤田をトップ下に据え金正友と山口Kがダブルボランチを組んだ三角形△、前線は玉田の先発復帰が見送られ、ヨンセンを頂点として杉本、中村が両ウイングに入る3トップ。

         ヨンセン
  中村           杉本

         藤田

     金正友   山口K
本田
      古賀   スピラール  大森

         楢﨑

 キックオフとともに前半攻勢に出たのは甲府。いや攻勢というよりはチームとしての完成度の差をまざまざと見せ付けられるような試合展開。プレーヤーひとりひとりを取り上げればその質では名古屋が明らかに甲府を上回っているだけに、その悲しい現実は余計に際立つ。逆に言えば名古屋がいかにこれまで個人の能力に頼った戦い方をしていたかということ。それぞれの局面において1対1で勝たなくてはいけないのはサッカーの基本だが、上田ジムが遺したお題目でもある「組織的でスペクタクルなサッカー」は一体どこへ行ってしまったのか。

 システムが完全にマッチアップになっているのだから、個々の能力で勝る名古屋が前から順番にプレッシャーをかけて行けば、本来なら中盤から後ろでしっかりとボールを刈り取ることができるはずだった。しかし名古屋の守備はそもそも3トップが相手の4バックにプレッシャーに行くところからしてタイミングや狙いが選手間で意思統一されている様子が全くなく、簡単にボールを前に運ばれてしまっている。そしてその穴埋めに藤田が動き回るものだから藤田がマークすべきマエストロが自由にボールに触ることが出来ていた。本来であればこのマエストロあたりが狙い目なんだけどな。そして名古屋はしっかり人に付いているはずの中盤から後ろでも甲府の素早いパス回しに置いていかれる事が多く、面白いようにパスをつながれては、バイタルエリアあたりにポッカリとスペースを空けてシュートまで持って来られる展開が続く。

 甲府が何か特別なことをしているかと言えば決してそんなことはないんだが、しっかりと味方にパスコースを作ってあげて、パスを出しても足を止めることなく、動いてスペースを作ったりそのスペースを使ったりという当たり前のことが出来ている。名古屋はサッカーでもピッチ上でも置いてけぼりを喰らっている感じだ。
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 名古屋が攻撃に移ろうとすると今度はこれとは真逆の光景がピッチ上で繰り広げられる。それは甲府が前から掛けてくるプレッシャーに対して思うようにボールが前に進まない名古屋という状態で。俺は正直なところ試合前にはヨンセンの高さ+杉本のスピードという力技でゴリ押しすれば前回の瑞穂のようになんとかなることもあるんじゃないかと甘く考えていたが、ヨンセンが徹底マークに遭っていることに加え、苦し紛れのロングボールでは杉本を上手く走らせることもままならない。
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 名古屋にとっては一体何をしたいのか分からない時間帯が続き、甲府が何本か危険なシュートを放ちセットプレーから多くのチャンスを得ていたのに対し、名古屋は結局シュートらしいシュートすら打てないまま前半は終了。
 だがさすがに甲府もこのペースが試合終了まで続くとは思えないし、名古屋のベンチにはそんな時に切り札と成り得る玉田もいる。それによくよく考えてみれば前回の対戦もスコアこそ5-1と大勝だったが、内容的にはむしろ前半から甲府にいいようにパスを回されていたぐらいだったからまだあきらめることはない。

 前半で気になったプレーを挙げるとすれば、前半終了直前にカウンターから中央で中村が持ち出して2対2ぐらいの状況を作り左サイドの杉本にスルーパスを出したシーン。通っていれば絵に描いたようなカウンターだったのだが(そして文字通りのワンチャンスをモノにするという展開が甲府に与えるダメージは計り知れなかったのだが)判定は無情にもオフサイドだった。
 最近プレーに落ち着きが出てきたと言われる杉本だがこれはやってはいけない「ミス」。なぜラインとボール(パスの出し手)を両方見れる位置にいる選手がオフサイドに引っ掛かるのか。昔ピクシーはチームメートがこれをやるとその度に激怒していたし、自分がそういったポジションで副審にオフサイドを取られると「そんなわけない」と猛烈な抗議を行っていた。彼にとってそれは「恥ずべきミス」に分類されるものだったのだろう。このチームにはそんなピクシーの遺伝子すら残っていないのかと少し悲しくなったりならなかったり。
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 後半メンバー交代はなし。
 確かに前半チームは何も出来ていなかったが、逆に言えばまだ何もしていない。幸い前半は0-0だしここからキックオフだと割り切るぐらいの気持ちで何かを見せて欲しい。
 と、さっそく後半立ち上がりからサイドを使った攻撃で積極的に攻撃に出る名古屋。開始早々には杉本が右サイドを破ってその折り返しに詰めたヨンセンがあわやゴールかというシーンを作り出す。甲府のディフェンス陣は副審が一度はオフサイドフラッグを上げたことに対してしつこく抗議していたが、確かにボールが出た時ヨンセンはオフサイドポジションにいたが、後ろから走り込んで来た杉本は明らかにオンサイドだった。
 その後も名古屋は中盤でサイドチェンジを織り交ぜながらクロスでチャンスを作り出す。この1週間のトレーニングの成果かそれともハーフタイムの指示なのか、サイドを使ってクロスからフィニッシュというイメージは共有できているようだ。
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 しかしそんな名古屋にアクシデントが発生する。相手と競り合った古賀がハーフウェーライン手前ぐらいで倒れ込む。倒れた後も左足首の辺を押さえながらもんどり打っている感じだったから大事に至らなければいいのだが、結局古賀はそのままピッチに戻ることはなく代わりにCBに秋田が投入された。そしてこれが勝負のひとつの分岐点となった。
 甲府が挙げた先制点は担架で運び出された古賀がピッチ脇で応急の治療をし秋田が投入を待つまでの間に奪われたもので、古賀(か最悪でも秋田)がいれば何事もなく頭で跳ね返していたであろうクロスボールを宇留野に頭で決められたものだった。
 そして秋田が投入された時、俺は正直バレーとのマッチアップを考えると秋田はキツイんじゃないかと思っていたが、その嫌な予感は的中し、一旦同点に追い付いた後5分と経たぬうちに何でもないスペースへのフィードをバレーと競争で追っかけた秋田がアッサリと振り切られ左サイドからもの凄いミドルシュートをサイドネットに突き刺されてしまった。バレーが遠くからでもシュートを狙ってくることは分かっているし、この場面では後ろから追っ掛けて来る甲府の選手もいなかった。それなのになんで秋田がバレーの右足を切らなかったのかが俺には分からない。
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 名古屋は先制された後、本田の裏へのパスに左サイドで抜け出した中村がタッチライン際まで持ち込むと滑ってくる相手を切り返し一発で外し後ろから走り込んで来た藤田に戻し同点ゴールをお膳立て。さらにその後も藤田に代えて玉田を投入し、中村をトップ下に移して逆転を狙いに行く姿勢を見せていた。そしてそんな名古屋の「得点を奪いに行く」というペース(意図)は、上で書いたようにバレーのゴールですぐさま再びリードを許してからも変わらなかった。
 しかしサイドから何度かチャンスは作れどもゴールは遠い名古屋の攻撃。やはりヨンセンが徹底したマークで封じられると名古屋の得点力は半減(以下)してしまうのだろうか。こういう時に仕事をして欲しいのが玉田なのだが、積極的なドリブルから二本ぐらいシュートを放ったものの見せ場はそれぐらい。まだコンディション的にはMAXではないのか怖さが足りない。
 そしてそうこうしているうちに名古屋の足も止まりだす。75分疲れの見える山口Kに代えて吉村投入。後ろを三枚にしてスピラールをボランチの位置に上げ攻撃を司らせる奇策も飛び出した。スピラール自身これぐらいの時間になると業を煮やしたのかのようにボールを持てば持ち上がっていたのでそれほど違和感はなかったし、むしろ有効な部分もあったのだが、ただここまで外国人に頼らなければ何も出来ない名古屋の選手たちもどうなのかという感じ。そしてそれでも甲府のゴールをこじ開けることは出来なかった。

        ヨンセン
 玉田           杉本
    金正友   中村

     吉村  スピラール
 本田           大森
        秋田

        楢﨑

 そしてそのまま1-2で試合終了のホイッスル。
 後半はいくらか持ち直して、個人能力の高さを見せ付けるようにいくつかチャンスも作ったが、それでも甲府に余裕で守り切られ完敗を喫してしまったというのが現実。チームとしての完成度もそうだし気持ちの部分で名古屋は甲府に遠く及ばなかったように俺は思う。気持ちといっても分かりにくいが、例えば玉際の競り合いだとか攻守の切り替えの速さといった部分で名古屋は常に甲府の後手を踏んでいた。

 そんなこともあるので俺は試合終了間際に退場した金正友を責められない。名古屋で最も気持ちを見せて闘っていたのが金正友であり、後半途中からは見た目的にもかなりツラそうだったがそれでも気持ちを奮い立たせて彼は走っていた。最後にイエローカードを貰ったシーンにしても、半ばパワープレーのように前線にボールを入れている中で、こぼれたセカンドボールを確保しようとする甲府の選手の前方には中村の姿があったが中村はそれを奪いに来なかった。走る気力や体力がなかったのか、それともフィフティのボールに突っ込んで交わされたらカウンターから大ピンチになると判断してあえて出なかったのかは分からない。ともかく結果として中村は出なかった。だがゲームの流れを考えると、そこで相手にボールが渡れば苦しい甲府に「息継ぎ」する間を与えることになるのは明白だった。ここはなんとしてもセカンドボールを確保し連続攻撃につなげなければならない。金正友もおそらくそう判断したのだろう。結果的に後ろから追っ掛けてのタックルは二枚目のイエローという大きな代償を支払うことになってしまったが・・・。
 残り時間がほとんどなかったこの試合はともかく、出場停止となる次節での金正友の不在は痛いが、これでフェルフォーセンも迷うことなく玉田を先発に戻せるかな。
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 そう言えばこの試合で気になったのはヨンセンがいつになく荒れているように見えたことだ。甲府の徹底マークと主審の判定にイライラしていた部分はあるのだろうが、珍しく味方に険しい表情で何か不満を訴えかけるようなシーンも。今年もチャンピオンズリーグに出場出来たかもしれない実績も実力もある北欧のストライカーが、1ランクも2ランクも落ちる極東のリーグにやって来て、必死で走って体張って頑張ってもチームは残留争いじゃモチベーション維持するのも難しいだろう。そもそも日本に来たのは違う文化を体験してみたかった「アドベンチャー」だし、それなら三ヶ月~半年で十分な気もする。ホームシックとまでは言わないが、冬のマーケットが開いた時にヨーロッパからオファーが来たらアッサリ帰っちゃいそうな気がするのは俺だけか?もちろん俺はこんなスーパーにして優良な外国人には来シーズンも残って欲しいのだが。
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by tknr0326g8 | 2006-10-22 02:50 | Game Review
第28節対甲府試合終了
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BSの録画中継で十分な試合でした。
古賀が負傷してピッチから出ている間にクロスから先制されるなどアンラッキーな面もありましたが、チームとしての完成度そして気持ちの面で甲府との間には大きな差があり、選手達には間違っても「勝てる試合だった」とは言って欲しくないですね。
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by tknr0326g8 | 2006-10-21 15:14 | Game Review
第28節対甲府前半終了
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甲府に好き放題やらせておいて、後半甲府の足が止まったところで切り札・玉田を投入して仕留める・・・王者の風格が漂うゲームプランですね。
後半甲府より先に足が止まったら許さん!
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by tknr0326g8 | 2006-10-21 14:02 | Game Review
第27節 対清水 1-1 (得点:ヨンセン) @スカパー
 それは5年前の出来事。天皇杯でアマチュアの佐川急便にボロ負けという伝説の試合をやらかした選手たちは、その後監督不在のまま1週間練習を続けさせられたこと、翌年の始動を1週間早められたことに対して、「負けたのは間違いなく僕ら選手が悪い。だけど、いい形で来季のスタートを切りたいし、日程を決めるにしろ目的をしっかりしてほしい。この1週間、意味もないまま、練習が続いたわけだから。」(楢﨑)との不満が噴出し選手間での緊急ミーティングを開催。キャプテンの楢﨑、選手会長(当時)の岡山、ベテランの山口素が選手を代表してフロントと掛け合ったのだった。(当時の中スポ)
 不甲斐ない試合を見せた後にも関わらず、「オフの返上(短縮)」や「練習方法」に関して「コンディショニング」を理由に選手たちの不満が爆発――今回のお家騒動は(中スポがやや煽り過ぎの感はあるが)5年間でチーム(と中スポ)が全く成長してないことを図らずも露呈してしまった。
 先月新潟戦に快勝した次の試合でコンディションの良くない横浜に負けた時俺は「メンタルが問題」だと指摘したが、今回オフ返上と走り込みを課したというフェルフォーセンも同意見だったらしい。当然俺はフェルフォーセンを支持する。まあ例えフェルフォーセンがチームのこの問題に気付いてそこにメスを入れようとしたとしても、その手術が成功するとは到底思えないのがこのチームの病巣の深さなのだが。多分この選手たちではオシムを連れて来て(千葉でそうしたように)休日を与えずに鍛えたとしても文句を言い始める(それを試合に負けた言い訳にする)だろう。

       ヨンセン    杉本

              山口K
本田  金正友
                    中村
           藤田

    古賀  スピラール  大森

          楢﨑

 前節出場停止だった山口Kが戻ってきた名古屋は3-5-2のようなフォーメーション。名古屋は本来であれば4-4-2の清水に対しては新潟戦でそうしたように3-4-3で対応したいところだろうが、フェルフォーセンの中では中盤の5人はヨンセン、スピラールと並ぶ絶対的な存在のように思われるし、彼らを全員起用するにはこの形しかない。試合翌日の中スポで元名古屋の藤川が中村の右アウトサイド起用に疑問を投げ掛けていたが、この5人を全員使い切るなら選択肢は4-3-3のウイング起用か3-5-2のアウトサイドしか残っておらず、まがりなりにも「ポリバレント」を標榜するオシムッジャパンの一期生に対して、(GKやDFや1トップをやれというならともかく)中盤でポジションを少し変わるぐらいで「機能しない」は失礼だろう。

 3-5-2の名古屋が4-4-2の清水に対していつものように前からプレッシャーを掛けようとすればシステム的にアンマッチが生じてしまうのは仕方のない部分。それを補おうと名古屋は例えば清水のDFライン(4バック)に対して2トップに加えてトップ下の山口Kが出て行ったり、右SBの市川に対して本田が出て行けばその裏のスペース(アレッシャンドレ)を金正友がカバーしたりしてしているのだが、こうなると藤田がひとりで真ん中を回さなければならない。しかも清水の左SHの高木とFWマルキーニョがそれぞれ左と右のサイドのスペースをしつこく狙ってくるので、その対応に3バックの大森や古賀が引っ張り出されるとスピラールはそのカバーに回らざるを得ずバイタルエリアはますます手薄だ。名古屋はいつしか前からのプレッシャーではなく自陣へと引いてスペースを埋めて守るようなやり方にシフトチェンジしていった。
 だが全体が引いてスペースを埋める守り方が機能していたかと言えば決してそうとは言えず、そうすることで逆に精神的な余裕でも生まれてしまったのか、選手個々の足は止まり気味(ボールウォッチャー気味)になり、ゴールに鍵を掛けるどころか清水のパターン化された速いボールの動きに度々ボックスへの侵入を許す。

 攻撃面では杉本の好調ぶりが目立つ。大宮戦でハットトリック、FC東京戦でもチーム唯一の得点と結果を残していることもあって彼には自信という名のオーラが漂っており、それはいつも俺が課題として指摘していた勝負の「間合い」についても明らかに好影響をもたらしている。これぐらいの間合いでいつも勝負できれば杉本を止められる選手はそうそういない。
 だがチーム全体を見渡せば、やや押されていることもあってか、ほとんどの時間帯においてロングボールでヨンセンの頭を狙うかDFラインの裏を狙って杉本を走らせるという単調な攻撃に終始している印象が強かった。それをなんとかチャンスにつなげようとトップ下(二列目)山口Kや左サイドの本田、さらにはボランンチの藤田が何度かボックス内への飛び出しを見せるが、これで清水の守備ブロックを崩せというのは至難の業だ。
 そしてそんなチームにあって気になったのが中村のプレー。時間とともに清水の左SHの高木に引っ張られてポジションが低くなっていった要素は差し引くとしても、DFとFWの「間」でフラフラしながら足元でボールを受けて前にボールを供給するだけという司令塔めいたプレーイメージは、アバウトで正確性を欠くフィードをとともに名古屋の攻撃からダイナミズムを失わせていた。例えば反対サイドの本田と比べてペナルティエリアに入ってプレーした回数などを比べればそれはおそらく一目瞭然で、バランスを執っていたと言えば聞こえはいいが、リスクを冒さず、足元でボールをもらおうとするプレースタイルは、およそ本オシムジャパン一期生らしくない。

 そんな試合が動いたのは後半が始まって早々の5分。カウンターから本田が持ち出して左サイドに流れた杉本へ。そして杉本の上げたクロスにファーサイドでヨンセンが頭で合わせてキーパーの頭越しにゴール。ゴール自体はヨンセンの高い個人能力をが存分に生かされたものだったが、またしても良い間合いで相手ディフェンスを外してクロスを上げた杉本、しっかりニアサイドに走り込んでいた山口Kの存在も決して見逃すことは出来ない。

 追いかける展開となった「格上」の清水が入り押し上げてきたことで、名古屋もアバウトなロングボールを使った攻めが生き始め試合はその後攻め合いへ。
 そしてゲームは激しく動く。杉本のシュートがポストを直撃した余韻も収まらぬうちに、清水がカウンターからセンターサークル付近で中村、金正友を相次いでなぎ倒し攻め込んでくるとマルキーニョスが放ったシュートを楢﨑が前にファンブルこれを拾ったチョ・ジェジンに落ち着いて押し込まれ同点に追い付かれてしまった。

 その後藤田の運動量が目に見えて落ちてくると中盤がスカスカになり、CBがサイドにつり出されてクロスボールという形で何度も危ない場面を作られたかと思えば、65分に中村がこの試合で初めてボールをもらってタテに抜け、そのマイナスの折り返しに本田がポスト直撃のシュートを放ったかりと、数では清水に分があるものの両チームともにチャンスを作りながら試合が進んでいく。
 玉田を投入して勝負に出たり、山口Kと運動量の落ちた藤田のポジションを入れ替えて守備を落ち着かせようとしたりと手を打ってくるフェルフォーセン。最後の方は90年代のアヤックスの3-4-3のようで懐かしさを感じた。特にヒットだったのがトップ下(リトマネンの位置)に入った藤田で、途中出場の津田がファーストタッチで流したボールに藤田が抜け出してシュートを沈めたシーン(オフサイド)なんかは藤田の良さが最大限に発揮されたシーンでもあったと思う。そこに本田がいなかったというのが痛いがぜひまた観てみたい形だ。

 試合は結局1-1のままで終了。現状の清水とのチーム力の差を考えれば仕方がないことだが、とても難しい試合だった。こういう試合をものに出来るようになると自信も付いていくんだけどな。

 怪我から復帰し途中出場を果たした玉田はそれなりにキレも感じさせるまずまずのプレー。ただスタメン復帰に関しては、玉田が投入された時間帯が両チームともに攻めに入っていた時間帯であることを差し引いて考えなければならない。あの時間帯玉田には守備がほとんど要求されていなかったが、試合開始からとなるとそうはいかないだろう。あとはフェルフォーセンが中盤の5人との兼ね合いでどう考えるか。スパーサブとして起用するという手はあるが、それでは玉田は納得しないだろう。最近好調の杉本は外せないだけに、前を3人にして中盤からひとりを削るしかない。この日パスミスが目立った藤田を削って山口Kと金正友でボランチを組むのか、それとも単に山口Kを外すのか、3バックを採用するなら右アウトサイドを出来る選手は中村しかいないので中村は不動だが、4-3-3なら中村を外すことも有り得る。そして3トップの甲府に対しては4バックの可能性も高い。フェルフォーセンの次節以降の采配に注目が集まる。
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by tknr0326g8 | 2006-10-20 16:12 | Game Review
レギュラー選手を中心に高円宮杯を総括
 今年はプリンスリーグはもとより夏のクラ選にも行けなかったので、名古屋ユースの公式戦を観るのは(春先に行われた駒澤大学とのトレーニングマッチは見たけれど)この高円宮杯が初めてだったのだが、チームが決勝まで進んでくれたおかげで多くの試合を観ることが出来た。チームにはこれから年末にかけてまだJユースカップが残されているが、俺はおそらく観に行けないので、レギュラーを中心に個々の選手に焦点を当てる形で現時点での総括を書いてみたい。

 ちなみに昇格が噂されているのは、夏以降トップチームの練習に参加していた長谷川、吉田、福島、新川の4名だが、朴監督曰く「レギュラー全員が上に行く資格がある」とのこと。高円宮杯準優勝という快挙は昇格にも影響を与えるだろうか。

 まずはGKの長谷川。U-18日本代表に選ばれていることからも分かるように、この世代では決勝で戦った滝川第二の清水、FC東京の権田と並ぶトップクラスのGK。至近距離での反応に優れ相手のシュートをことごとくビッグセーブで弾き出す派手なプレーに目を奪われがちだが、ハイボールへの強さや判断の良い飛び出し、コーチングのレベルも高い。トップチームの練習にも参加しており昇格は濃厚だが、かつて名古屋のゴールマウスを守った師匠(現ユースGKコーチ)の伊藤裕二の跡をぜひ継いでもらいたい選手だ。

 決勝戦こそ3失点を喫したが今大会の名古屋の売りは堅固なディフェンスだった。そしてそんな名古屋の最終ラインで要となっていたのが森本と三宅のセンターバックコンビだ。この二人がいるから吉田をアンカーに回せたという部分もある。森本はクレバーで名古屋ユースの中でも最もセンスを感じさせるプレーヤーの一人。彼がいるかいないかによってDFラインの安定感はまるで違う。ただトップ昇格を考えるとCBとして176cmという身長がネックとなってくるのは確かだ。俺としては最近衰えが見え始めた大森の後継者にうってつけの人材だと思うのだが、クラブとして森本をトップに昇格させる気があるならこの森本のような選手こそボランチやサイドバックなどを経験させて今流行の「ポリバレント」を向上させるべきではなかったか。実際去年の高円宮杯では左SBとして出場した試合でも攻守ともにしっかりと与えられた役割をこなしていたし十分そうした能力はあると思うんだが。
 森本とコンビを組んでいた二年生の三宅は、去年までの俺の印象だと身体は大きいけど身体能力に任せて相手を封じ込めるというよりはカバーリングの上手さなどの方が目立つ選手だった。むしろその大きな身体を上手く駆動出来ておらず持て余していたと言った方が良かったかもしれないし、その分今後フィジカルを鍛えれば伸びシロはまだ十分にあるとも考えていた。そして今年全国の舞台に帰ってきた三宅はすっかり逞しさを増していた。去年からフィジカル面での上積みがあったのだと思われるが、特にアジリティが大きく向上していた気がする。どことなく心許なかった去年までのイメージはもうない。ディフェンスラインに人が足りなくても三宅がいるから大丈夫と思えるほどの選手に三宅は成長した。ただまだまだ足元のボールは危うい場面が多いし、フィードにもキレがない。あれだけの身体を持っているとついつい全ての面で規格外のことを要求してしまいたくなるが、まだ技術的にも身体的にも成長の余地は残されていると思うし「完全体」に近づいて欲しいと思う。

 両サイドバックはともに180cmを越える大型プレーヤーの酒井と後藤。酒井はもともとFWの選手だったが、システム的な問題と久保の成長もあり今年からサイドバックへとコンバートされた。まだ慣れていないのか今大会でも判断に迷ってピンチを招くなど「何をするべきが」が整理出来ていない場面が多々見受けられたが、試合を重ねるごとにそのポジションで自分の良さを発揮できるようになり、決勝トーナメントも佳境に入る頃にはそれはもう見違えんばかりの成長ぶりだった。ただ今大会チームが得点力不足に泣かされ攻撃にイマイチ迫力が出なかったことを考えても(また酒井の特徴を考えても)Jユースカップぐらいは右ウイングで使って欲しいと考えるのは俺だけではあるまい。
 後藤は今大会の名古屋ユースで最も安定したパフォーマンスを発揮していた一人。市川、清水という左サイドのプレーヤーが揃って卒業し、今年の左サイドはどうなるんだろうかと考えていた俺にとっては最大の発見と言っても過言ではない。守備はもとよりフィードや攻撃参加(オーバーラップ)も良いだけに今後が楽しみなプレーヤーだ。

 アンカーの吉田はチームにとって欠かすことが出来ないパーツでありまた全てにおいてチームの軸だった。吉田をアンカーで起用しなければチームの快進撃はなかっただろうし、吉田自身もアンカーで起用されることで多くを学んだはずで、また「ボランチも出来る」ことは今後の吉田のサッカー人生において大きな意味を持つことになるだろう。だが俺は吉田はやはりCBの選手だと考える。吉田のスケールの大きさはCBでこそ生きる。トップチーム昇格はほぼ間違いないだけに、将来名古屋の最終ラインを支える選手になって欲しい。

 インサイドハーフ(いわゆるデコ・シャビ)は福島と西山。福島は前線から最終ラインまで漏れなくカバーする運動量とスピード、それに加えてテクニックと玉際の強さを併せ持つ中盤のマルチロール。開幕戦の水橋高校戦を観た時は「名古屋ユースが福島のチームになった」とすら思ったほどその存在はチームにとって大きなものになっていた。大会が進むにつれて時にやや持ち過ぎな感じもするドリブル突破がバイタルエリアで捕まることが多くなったが、それでもチームには欠かせない存在。攻撃のセンスは先輩の山口Kを上回るものがあるし、トップチームに上がっても面白い存在になると思うんだが。
 西山は俺はずっと3年生だと思っていた。(笑) 前線のタレントを生かし、また自らもチャンスへと絡むツボを得た動きには戦術理解の高さが伺える。今年の経験は間違いなく来年生かされるはずで、来年のチームにおけるキーマンは表面上は三宅や花井や中田健といったあたりになるのだろうが、実は影でその役割を担うのは西山のような気が俺はしている。

 このチームの売りと言われた両ウイングは今大会明暗を分けた。右の花井が5ゴールとMVP級の活躍をしたのに対し、新川はその不調ぶりが目立った大会だった。一躍全国区になった「プリンス」花井聖(2年生)は、去年の大会ではアンカーの位置でボールを裁いていたことからも分かるように本来は中でプレーするタイプだが、今年は中田健太郎の欠場もあってウイング(FW)での起用となった。初戦の水橋高校との試合で直接FKから貴重な先制ゴールを決めたものの、その動きの悪さに俺はこの起用法に関してかなり懐疑的だったのだが、試合を追うごとにそのパフォーマンスは向上して行った。そしてなにより決定的な仕事(ゴール)が出来るプレーヤーとしてその存在感は際立っていた。技術の高さをベースとした正確なボールコントロールと多彩なキック。そしてTVで観返して始めて気付いたのは、ボールをもらう前に一瞬の動きで相手のマークを外していること。何気なくやっているトラップも単に足元に止めるのではなくひとつのアクションで次の動作に移りやすい位置にしっかりボールを置いている。「ユースニュース」で神戸総監督も言っているように運動量なども含めまだまだ克服すべき課題も多いが、お山の大将で終わらないためにも花井にはさらに上を目指してもう一皮も二皮剥けてもらわなければならない。
 トップ昇格が濃厚とされている新川にとっては今大会は厳しい大会となった。不調の原因は技術的なことや精神的なことというよりも、身体的なコンディションが整っていない問題が大きかったように感じられる。決勝戦などは少し戻ってきた来たような感じもしたが、それでも去年まで見せていた本来の動きからは程遠いパフォーマンスだった。自ら仕掛けたフェイントでバランスを崩したり、ボールの上に乗ってしまったりとアタマとカラダが一致していないかのようなぎこちなさはおよそ新川らしくない。変なフィジカルトレーニングでも取り入れて失敗したのだろうか?ともかく本来はスーパーな能力(と感覚)を持った選手だけにトップフォームを取り戻してさらなる先へと進んで行って欲しい。

 去年の高円宮杯からレギュラーに定着し1トップを張り続けてきた久保。今年はその強さと上手さに磨きがかかり、高校レベルでは少し抜けた存在へと成長を遂げていた。元々U-15やU-16時代は森本(貴幸)と同等かそれ以上の評価を受けていた逸材。遅ればせながらのブレークだった。ただポストとして組み立てに参加したり前線でロングボールを競り合ったりという面では申し分ないプレーを見せていたが(それがチーム方針なら仕方ないのだが)今大会無得点に終わったことは本人にとってもやや消化不良だったのではないだろうか。前線での潰れ役も前からのディフェンスもいとわない(サボらない)好プレーヤーだけに、俺個人としてはヨンセンの後釜として是非トップチームでも見てみたいと思うのだが、もしそれが叶わないなら、巻弟とバーターで駒澤大学に進学というのはどうだろうか。巻弟を手に入れられる名古屋、久保を手に入れられる駒澤、そして伝統的に力強いFWを育てることには定評がある関東大学リーグの名門チームで技を磨ける久保と、三者にとってメリットがある話だと思うが。まあ人の将来を俺が勝手に妄想であれこれ言うのもどうかと思うが、久保の能力だったら関東の大学サッカーシーンでも十分にやっていけるという確信と、駒澤だったら久保も4年後に化けているかもしれないという希望的観測、そして毎年春の関東遠征で駒澤大学と対戦していることを考えると決してコネがないわけではないだろうというわけで提案してみました。

 おまけとして、今年は3年生が強力メンバーでかつ8人がレギュラーということを考えると来年が心配になるところだが、途中出場などでプレーした津田、桐山、奥村、安藤、西部、アルベスといった選手達はそんな不安を払拭するだけの可能性を感じさせるプレーを見せてくれた。特にグループリーグの初芝橋本戦で先発出場し好プレーを見せた桐山はちょっとした「発見」だった。その後も不調だった新川に代えて(途中からでも)起用した方がいいんじゃないかと何度か思ったぐらいで、これで来シーズン「桐山を見られる」という楽しみがひとつ増えた事は間違いない。ただ、久保よりも柔らかいポストを見せるアルベスが、チームが今の方針を継続するのであれば、久保同様にストライカーではなくポストプレーヤーになってしまいそうなのが怖い気はするが・・・。
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by tknr0326g8 | 2006-10-14 05:30 | Youth
第26節 対FC東京 1-2 (得点:杉本) @スカパー
 ネタとしては少し古い話だが、来シーズンから5年間のJリーグCS独占放映権を獲得したスカパーがJ1も全試合LIVE放送するらしい。スタジアムでの生観戦にはどうあがいても勝てないが、録画放送ではスリルが半減することは確かだし、東京にいる名古屋ファンという俺のような人間にとってこれはかなりありがたい話ではある。
 しかし同時に心配されるのが放送技術の問題だ。スカパーがいくらで放映権を買ったのかは知らないが、資金の不足は間違いなく放送技術の低下を招く。この間J2で神戸・三浦淳のスーパーフリーキックをゴール裏から撮っている映像がなかった時のように、カメラの台数が一台減るだけでも視聴者にとってかなり興が削がれのは免れない。仮に資金は確保できたとしても人材面ではどうだろうか。分かりやすく表に出る例を挙げると、アナウンサーはどうするのか?解説者は?これまでは録画放送だから何人かのアナウンサー(解説)を回すことができた。しかし全試合LIVEだとそうはいかない。土日に分散して開催するにしても相当数を確保しなければならない。それでもなお(別に今がいいとは言わないが)これまでと同じクオリティを保てるだろうか。少年サッカーのコーチをしながら現役復帰を目指している選手にコメンテーターを依頼する某スポーツ新聞のようなケースがひよっとしたら今後増えてくるかもしれない。選手(関係者)にとっては働き口が増えるのは歓迎だろうが。

 なぜそんな話をいきなり書いたかといえば、この名古屋対FC東京戦のスカパーの中継(LIVE)で、後半引きの映像になるとメインスタンドの屋根の影になる部分が暗くて何が起こっているか全く分からなかったからだ。そこに人影らしきものがいるのは分かるのだが、ボールに触っているのが名古屋の選手なのか東京の選手なのかすら分からない。これでは試合を楽しんだり分析したりどころではない。最初はカメラマンも調整しようと試みていたようだが、明るさを増すと今度は日向部分の選手がとんで見えなくなってしまう。そしてそのうちカメラマンも遂に明るさの調整を諦めてしまった。カメラマンがゲームの展開(ボールの動き)を読みながら微妙に調整して行くとかいうのは望むべくもないし、せめてスイッチングで何とかならないかとも思ったのだが、スカパーではあれが限界だろうか。ただこんな状態(かもしくはこれ以下)が来シーズンもずっと続くと思うと少し気が滅入る。

 というわけで試合。前置きが長くなってしまったので出来るだけ簡潔に。
 累積警告で山口Kを欠く名古屋はそのポジションに絶賛売出し中のセントラルミッドフィールダー・須藤右介を起用。フェルフォーセンのお気に入りでもある須藤は二年目となる今シーズン出場機会を増やしておりアジア大会に向けたU-21日本代表メンバーにも予備登録されているとかいないとか。先発出場のチャンスは久しぶりなだけになんとかアピールして欲しいところだ。
 フォーメーション的には久しぶりに本田を変則的な左SBに配置する4-3-3を採用。前線ではアウトサイドではパフォーマンスが半減してしまう中村を3トップの一角(ウイング)として起用するという練習では何度か試していたらしい形で試合へと臨む。

        ヨンセン
  杉本          中村

    金正友    須藤

        藤田
本田
    古賀   スピラール  大森

        楢﨑

 バックスタンド中央上にあるポールに掲げられたフラッグが激しくはためき、さらにはその後ろの木々が大きく左右に揺れるというTV画面越しでも一目で分かる強風のコンディションの中、前半名古屋は風下に立ちキックオフ。

 試合序盤ペースを握ったのは名古屋だった。ヨンセンの頭や杉本の裏への抜け出しを狙った長いボールがブーメランのように風で大きく戻される状況ではさすがにいつものようにつなぐことは出来ないが、名古屋はそれを補って余りある集中力と出足の良さでセカンドボールをことごとく確保すると東京には何もさせないまま波状攻撃を繰り返した。逆に東京は6連敗中というチーム状態の悪さそのままに選手たちがピッチ上に棒立ち。仮にこの序盤の時間帯で名古屋が先制点を奪っていれば、それは東京にとっては致命傷となり試合はワンサイドになってだろう。

 名古屋は杉本と中村の両ウイングがヨンセンの周りを自在に動回り、二列目の金正友が前線に飛び出して行ってはキレのある動きで東京ディフェンスを脅かす。やはり金正友はスーパーだ。結果論だがこうなると残念なのは津田を先発で起用しなかったこと。須藤は確かに伸び盛りの良いプレーヤーだが、身体を生かした競り合いの強さやパスの散らしに特徴があるタイプで、それならむしろゴールに向かってくるタイプの中村をインサイドで使った方が相手チーム対しては脅威だっただろうし、中村のいるウイングのポジションなら津田も十分に中村に匹敵するレベルでのプレーが出来るはずだ。

 攻め込む名古屋だが点が奪えない。名古屋の前に立ちはだかったのは、ジャーン、茂庭、そしての鉄壁3バック。名古屋はボールを支配しているにも関わらずゴール前ではどうしてもその3枚の壁を破れない。同じく中位直接対決ろなった前節、逆転で東京に大勝した新潟と今節の名古屋の違いはそこにある。負傷上がりとは言えやはり茂庭とジャーンの存在は大きい。

 そうしている間に名古屋は一回のピンチから先制点を奪われてしまう。本田の空けた左サイドを狙うように数的優位を作られ、その対応が遅れたところをクロスを上げられて、マイナス気味のボールに中で梶山がミドルシュート。楢﨑が弾いたところをゴール前で待ち構えていた平山にプッシュされてしまった。平山はちょっとオフサイドくさかったが、左サイドのカバーリングに入ろうとしていた古賀が残っていたような気もする。まあそれでもその前の大森のクロスからペナルティエリアの中で中村がダイレクトボレーを蹴り込んだシュートがオフサイドなら、これもオフサイドで良かったんじゃないか。なんでホームチームの「怪しきプレー」は罰せられて、アウェイチームの「怪しきプレー」はスルーなのか。逆だろ、普通。「微妙なジャッジはホーム有利で」――レベルの低い話だが、いっそのことこの方針を徹底すれば、Jに蔓延る誤審問題は(解決しないまでも)観ている側にとってもう少しスッキリするんじゃないだろうか。

 先制した東京は全員が自陣へと下がってガッチリ守ってからカウンターという戦い方を徹底してきた。そして精神的に楽になったのか選手達の動きも心なしか良くなったような気がする。そしてそんな東京の「セクシーフットボール」を前にして、名古屋は最初こそ後ろからボールを回しながら切り崩しを図っていたが、徐々に足が止まって中盤が間延びしだすと後ろから前へ放り込むだけのなんの工夫もない攻撃になっていってしまった。そして足が止まって間延びした中盤ではつなごうとしてもパスミスが増え始め、東京がそのボールを奪ってカウンターというシーンが多くなってきた。

 そんな展開のまま前半は0-1で終了。

 ハーフタイムを挟んで持ち直した名古屋は後半開始とともにテンポ良く細かいパスをつなぎながら東京陣内へと攻め込む。その主役となったのは中村のいる右サイドで、いつになく動きが良い中村が積極的にヨンセンに絡んで数多くボールに触っている。中村の迷いのない動きを見ているとおそらく中村の中ではヨンセンに対する信頼は格別なんだろうなと感じる。

 そしてそんな良いテンポの中、ヨンセンがペナルティエリアの外から放ったシュート気味のキックに杉本がDFラインをギリギリのタイミングで飛び出してトラップそしてシュート。杉本の飛び出しにはいつも(オフサイドじゃないかと)ヒヤヒヤするが、虚を突かれて完全に足が止まっていた東京ディフェンスはただ(オフサイドをアピールして)手を挙げてこれを見送るしかなかった。

 名古屋としては良い時間帯に同点に追い付くことが出来たし、さあこの勢いと追い風に乗って一気に逆転・・・と思いきや、追い風(強風)という有利な状況や決して動きが良いわけではない東京に対して「いつでも勝てる(点を取れる)」という変な余裕でも生まれたのか、名古屋の攻撃は途端にペースが落ちてしかも雑なものになってきてしまった。こんな時こそ「慎重かつ大胆」にとはよく言ったものだが、チームは慎重さと大胆さを履き違えているようだ。慎重さ=動きを止めること、大胆さ=雑なことで決してはない。こういう勝負どころで畳み掛けられないのが名古屋の弱さであり拙さでもある。まあ確かに東京が後半風下に回ったことで最終ラインを中心として前半より集中した守備をしていたことはあるんだが。
 そんなゲームにはありがちなパターンで、まずは守備ありきでそこからカウンターという東京のペースに完全にハマってしまった名古屋は、雑な攻めからボールを奪われてカウンターを喰らう展開を繰り返す。そして自陣ペナルティエリア内でクリアボールが相手の足元に転がるという不運もあって後半34分に致命的な失点を許してしまう。これで勝負あり。

 過去の例を挙げればキリがない、新人選手にJ初ゴールを許すお人好しぶりは今シーズンも健在で、しかもその相手が世の中ナメ切った発言を連発して天然ぶりを発揮する平山ともなれば観ている側のフラストレーションはMAXだが、一体いつになったらこういう試合に勝ち切れるチームになれるのだろうか。口で「勝てる試合だった」というのは容易い。しかしそういう試合に確実に勝てるようになるための道のりは果てしなく遠い。
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by tknr0326g8 | 2006-10-13 01:27 | Game Review
高円宮杯 決勝 対滝川第二 0-3 (得点:なし) @埼玉スタジアム2002
 10/7の準決勝(国立競技場)に行けなかったので(試合)内容は分からないのだが、メディアの情報によると「国立」という大舞台に対する緊張からか本来のパフォーマンスが発揮できなかったらしい名古屋。それでもなんとか(なんか順番が逆の気もするが)この埼玉スタジアムで行われる決勝へと駒を進め、いよいよ最大の目標であるタイトルへと手が届くところまでやってきた。そして出場停止もなくいつものベストメンバーで臨むことが出来る名古屋にとっては、去年のこの大会(決勝トーナメント一回戦)で敗れている滝川第二にリベンジを果たす絶好の機会を得たことになる。

          久保(10)
 新川(19)            花井(7)

     福島(20)    西山(8)

          吉田(13)

後藤(12) 森本(5) 三宅(6) 酒井(11)

          長谷川(1)

 心配される立ち上がり。しかし過度の緊張状態に陥ったとされる準決勝の経験が生きたのか、名古屋は素晴らしい試合の入り方をする。いつものような「まずは様子を見て」「受けて立つ」といった感じがない。前からのディフェンスが機能し高い位置でボールを奪ってはそこが基点となってサイド攻撃を繰り出す名古屋。試合開始から大舞台に臆することなく伸び伸びとプレーする選手達の動きは軽快で、両ウイングにインサイドのハーフとサイドバックが加わるサイド攻撃はかなり厚みがある。
 今年の高円宮杯は名古屋の試合をグループリーグから準決勝を除いて全て見ているが、これだけいい立ち上がりを見せたのはおそらくグループリーグ初戦となった水橋高校戦以来。そしてさらに言うなら、その水橋戦では両ウイングがあまり機能していなかったこともあってセンターハーフの福島がインサイドからチームの攻撃を牽引していたような感じだったのだが、この試合では新川、花井という突出した能力を持つ両ウイングが基点となって、そこに後藤、酒井というサイドバック、さらには福島、西山という二列目のインサイドが時折クロスオーバーなども織り交ぜて攻撃が作られていたという意味で、スタイル的にはより名古屋本来の形に近いものなのだったのではないだろうか。
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 動きが硬かった滝川第二も時間の経過とともに反撃開始。前線の動き出しに合わせて後ろからロングフィードがどんどん飛んでくる。前線の動きはかなり激しいし、ロングキックも正確、おまけに名古屋が空けがちな両サイドバックのスペースを狙う抜け目なさも持ち合わせている。DFラインを押し上げてコンパクトにしている名古屋にとってはなかなか厄介な相手だ。そして徐々にリズムを取り戻してきた滝川第二はFWが名古屋のDFラインにかなり激しくプレッシャーを掛け始める。おそらくこうした「走り」をベースとしたチームカラーなのだろう。
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 相手のプレッシャーを受けながらもDFラインでボールを回しながらつないで攻めようとする名古屋とカウンターから走力を生かして押し返す滝川第二。
 対照的な両チームによる試合が動いたのは19分だった。自陣ペナルティエリアの外あたりで三宅が相手に体を入れられてクリアにもたついていると、そこから下げられたボールを滝川第二の9番が思い切り良く放ったミドルシュートがものすごい弾道で名古屋ゴールに突き刺さった。長谷川が伸ばした手の遥か先を抜けて行ったシュートはバックスタンドから見ていたら最初枠を大きく外れたのかと思ったほど。GKとしてもどうしようもない事故のようなゴール。ここは切り替えるしかない。
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 小心者の俺の心配をよそにピッチ上の高校生たちは落ち着いたもの。自分たちのペースですぐさま反撃を開始し次々とビッグチャンスを作り出す。22分後藤のロングフォードを久保が落とし、これを花井が胸でトラップしてからそのままミドルシュート。滝川第二GK(長谷川とともに今年の仙台カップメンバーに選ばれていたU-18日本代表の清水)がなんとか弾き出して得たコーナーキックは、新川が蹴ったボールをファーサイドで森本が折り返し中で吉田、酒井が相次いで頭で押し込もうとしたが惜しくも枠外へ。さらには26分ゴール正面で得たフリーキックのチャンスで花井が直接狙ったシュートは惜しくもバーを直撃した。

 名古屋は試合開始から飛ばしてきた反動からか、その後やや中盤が空くようなシーンも見受けられたが、ボールを支配する名古屋と走力を生かしたカウンターで押し返す滝川第二という基本的な構図は変わらないまま前半終了。
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 後半も立ち上がりから前半と変わらないペースで攻め続ける名古屋。そして3分には久保の突破から花井→逆サイドペナルティエリア内で待つ新川と渡ってシュートに行ったシーンや、5分に後藤の突破で得たフリーキックで花井の蹴ったボールに吉田が合わせるなど際どいシーンを作り出す。さらにこのフリーキックを得たシーンで後藤が負傷して津田に交代した後も、左に回った酒井が怒涛の持ち上がりでペナルティエリアへと侵入したりと滝川第二ゴールへ迫る名古屋。この試合酒井は前半から鋭いオーバーラップを連発して右サイドから好機を演出していたが、たまに中途半端なプレーをするような場面もあり、逆に左だと(左に回ったからといって新川のように左足でボールを扱うわけでもないので)出来ることが限られる分プレーの判断がシンプルかつ迅速で迷いがないような気がしたのは気のせいだろうか。
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 試合の流れが変わったのは後半15分ぐらいに滝川第二が20番の選手を投入してきた後。左サイドのFWに入ったこの選手のスピードが名古屋にとっては脅威となった。津田が高さならともかく速さでも太刀打ちできないのでは諦めるほかない。加えてこの時間再び名古屋の足が止まり始め中盤が空きだしていたことにより、名古屋のディフェンスのバランスは極めて不安定な状態に陥っていた。

 その後、微妙な判定で取られたPKを滝川第二の選手が外してくれたこともあり、流れは名古屋に来るかとも思ったのだが、足が動いていないのに気持ちばかりが焦る名古屋の攻撃はどんどん単調なものになっていく。前3人と後ろとの距離が開き始めた名古屋にあっては、中盤をつないで作るというよりも、ほとんど滝川第二DFラインに張り付いている前3人に早くボールを入れようというようなタテパスばかりが目立つようになり、これが滝川第二の狙いすましたディフェンスにことごとく防がれるような状態だった。
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 後半35分にカウンターで左サイドを突かれて、その折り返しから再びミドルで追加点を奪われると名古屋は完全なパワープレーモードへ。酒井を「本職」のFWへと上げ、久保、酒井、吉田によるトリプルタワーを最前線に形成する。しかし普段こうしたスタイルにやりなれていないせいもあってか、単純な個々の強さだけなら圧倒的な高さを誇る三人を並べてもタテに入れるロングボールはことごとく滝川第二に跳ね返され続けた。
 もう少し工夫が欲しかったところだが、そうした変化をもたらせそうなプレーヤーはこの時間ピッチ上から存在感を消してしまっていた。選手交代やシステム変更の影響もあり花井は(別の面で持ち味を出せるはずの)センターに入ったものの、自分の頭の上を行き交うボールにどうすることも出来ずピッチから消えた。そして最終ラインからタテへのロングボールを多用する展開では途中出場の奥村もアウトサイドで生きることはなかった。新川に至ってはほとんど左サイドバックのようなポジショニングだ。これではなかなか厳しい。
 そして試合終了間際の後半42分にはゴール正面やや離れた位置でのセットプレーから三たびスーパーなミドルシュートを直接叩き込まれて0-3。
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 名古屋は後半立ち上がりまでは立派なサッカーを展開していたと思うが、中1日というハードなスケジュールもあってか後半途中からはガクッとペースが落ち、自分たちのサッカーを出来なくなってしまった。そしてまさか去年と同じ相手に選手たちが涙に暮れることになろうとは・・・。「歴史」を作るためにタイトルは是が非でも欲しかったところが、惜しくも得点王を逃した「プリンス」花井聖やすっかり頼もしくなった三宅にはまだ来年もあることだし、今年はプリンスリーグで負った負傷の影響からか結局ベンチ入りの機会すらなかった中田健太郎等とともにぜひこの悔しさを胸に来年のこの舞台へ帰って来て欲しい。
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 また時間があれば高円宮杯総括と今後の展望でも書いてみたいと思います。

(公式のレポートはこちら)
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by tknr0326g8 | 2006-10-10 01:20 | Youth
高円宮杯決勝
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前半から良い試合の入り方をした名古屋でしたが、滝ニのミドル3発に沈みました。後半立ち上がりぐらいまでは十分逆転するチャンスはあったんですが、焦りからか段々攻めが単調になり、加えて後藤の負傷交代や中盤の足が止まりだすという事象が重なって守備のバランスも崩してしまいました。選手交代もありましたが、こうなると少し厳しいですね。
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by tknr0326g8 | 2006-10-09 15:40 | Youth
第25節 対大宮 4-1 (得点:杉本×3、ヨンセン) @駒場サッカースタジアム
 オーソドックな4-4-2を基調としたソリッドな戦い方をしてくる大宮は名古屋にとっては比較的組みしやすい(対策を立てやすい)チームだ。名古屋は個々のプレーヤーの能力で大宮を上回っており、前々節の新潟戦と同じように3-4-3で相手とマッチアップさせるように戦えば大きな綻びが起こるとは思えない。

 しかし当日の中スポによれば、チームはこの大宮戦に向けて特別な準備(対策)を行っておらず、大宮に合わせた戦い方をするつもりもないという。大宮とは今シーズン既に二回対戦している(ナビスコ&リーグ)し、大宮はずっとシステムを固定して戦っているから、「相手が何をしてくるかはもう分かっている」というのがフェルフォーセンの本音だと思うが、前節横浜に合わせた戦い方をして結果的に後手に回った反省もあるのだろうか。ジェフ時代のオシムが記者会見で「相手に合わせてシステムを変えたのはなぜですか?」と問われて、「ジェフは自分たちのサッカーというもので戦えるほど強いチームではない」と語っていたことがあったが、今の名古屋は(チームとしての強さはともかく)個々の選手のレベルではリーグでも上位にランクされるのは確かで、中位~下位相手の試合では「自分たちのスタイル」に拘って試合をするというオプションがあっても不思議ではないのだが。
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 フェルフォーセンの言葉通り名古屋の先発は大宮云々よりも現状でのベストメンバーを11人チョイスして配置したような構成だった。どこかの国の元代表チームの「黄金の中盤」ではないが、フェルフォーセンの中でレベルの高い外国人とともに本田、藤田、中村、山口Kといった中盤のタレントに対する信頼が厚いのが分かる。

    杉本     ヨンセン

    金正友   山口K

本田     藤田     中村

  古賀  スピラール  大森

        楢﨑

 「自分たちのサッカーを」というフェルフォーセンが示したとされる方向性は、試合開始とともにアグレッシブな姿勢となってピッチ上に現れた。前節の横浜戦とは打って変わり試合開始から前へと出て行く選手たち。この方法論に一定の成果はあったというわけだ。
 だが大宮はそんな名古屋をさらに上回る試合の入り方をしていた。前からプレッシャーを掛けに来る大宮に名古屋の勢いはかき消され、試合序盤のペースはむしろ大宮に傾くことになった。

 大宮のプレッシャーに中盤からボールをつないでゲームを作れない名古屋は時間とともにヨンセンへのロングボールが増えていく。だが累積警告でトニーニョを欠く大宮のDFラインに対して序盤からヨンセンが圧倒的な高さ(強さ)を発揮しているにも関わらず、(2トップの杉本はともかく)中盤がそこに上手く絡めて行けない名古屋の攻撃はなかなかシュートまで辿り着けない。誰かがスペースを空ければ誰かがそこを使うのは当たり前のことで、この場合ヨンセンが下がって来て基点となるなら、ヨンセンが空けた裏のスペースを中盤のプレーヤーが狙うのも当然の流れだ。しかしこういう当たり前の動きが連動して出来ていない名古屋。俺はてっきりそうした戦術(動き)を徹底させるために3トップではなく2トップの下に2枚の攻撃的なMFを並べる形を取っていると思っていたんだが。

 ちっともコレクティブでない名古屋の攻撃は何も中盤とヨンセンとの連動性に限った話ではない。以前から基本的に中盤とFWのラインがクロスするようなことが少ない名古屋の攻撃では、中盤の選手が大きく動きながらボールを受けるシーンが少ない。特に両サイドでは足元でボールを受けてもそこからの仕掛け(主にカットインしてのドリブルや一発のパス)で局面を変えられる左サイドの本田はともかく、前のスペースに出てナンボの右サイド・中村までもが足元でボールを要求してそこからのラストパスを意識したプレーに終始している。お前はデビッド・ベッカムかと。ビルドアップの段階で一度下がってボールを受けるのは良いのだが、その後にサイドに張り付いたりフラフラ中に入って来たりといった小さな横の動きはあっても、前への動きが全くないのでは中村の良さも出ないし、中村のいる右サイドからは大宮のディフェンスを崩せないのも道理。オシムはそんな中村のプレー(ボールのもらい方をはじめとした動き)を見て一体どう思っただろうか。サイドというポジションが本望ではないのかもしれないが、同じくサイドが本職ではない本田がまがりなりにもそこで自分の良さを発揮する術を身に付けたように、中村も早くそうした方法を自分の中で確立しなければならない。
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 名古屋が相手に合わせた戦い方をしない以上、守備面でシステム的なアンマッチが生じて、結果的にそれがマークだけでなく選手間の連携にも空白を生み出すであろうことは十分に想定される事態だった。しかしそれらの問題をなんとかクリア出来たのは、中盤の最後尾から戦況を見つめるアンカー・藤田俊哉の「声」の存在が大きかった。藤田の声に導かれながら局面局面でポジションとマークを修正していく名古屋は、W小林(大悟&慶行)を中心とした大宮の中盤にゲームを支配されかねない展開をなんとか凌いでいた。
 だが名古屋の最終ラインのバタつきはちょっと予想以上。特に酷かったのがGKの楢﨑で、前節(横浜戦)に続いてのオシム御前試合になった影響なのか、安定感が売りのGKのはずがどこかの国の代表の正GKかデビューしたてのルーキーかと思うぐらいの気負いっぷりと落ち着きのなさを露呈してしまった。日本最高のGKをここまで狂わせるオシムのじらし(おあずけ)作戦恐るべし。中でも乱れが出ていたのはキックの精度で、一度古賀のバックパスをキックミスしてからはDFがボールを持っても「絶対に俺には下げるなよ」と言わんばかりのオーラを漂わせているような有様。スタンドからは見えない部分でピッチが荒れていたりしたのであれば話は別だが、そうでなければオランダ人の監督の下で戦う名古屋のGKが、雨も強風もないコンディションの下であのプレースタイルなのはちょっと寂しい。
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 24分名古屋に初めてのビッグチャンス。ヨンセンと入れ替わるように前のスペースに飛び出した金正友が、こぼれ球を拾った杉本からの折り返しをゴール前フリーでシュート。惜しくもヒットしなかったが、この試合で名古屋がするべき攻撃の形がようやく形になった。

 だがその後名古屋は大宮に左サイドを突破され折り返しをファーサイドの久永にフリーで合わされて先制点を許してしまう。ディフェンスではほぼマンツーマンで久永をマークしていた中村がもっと絞って付いて行かなければならなかったが、左サイドを突破された場面では相手を囲んでボールを取れそうだったので油断したのかチーム全体の足が止まってしまった。しかも藤田が触ったボールがスペースに出たスルーパスのようになって、後ろからすごい勢いで走り込んできた大宮の(多分)サイドバックの選手に抜け出されてしまっただけにアンラッキーな部分もあった。

 気落ちしたようにも見えた選手に心配になるが、名古屋はすぐにこれを取り返して同点に追い付く。ヨンセンへのロングボール。今度は山口Kがヨンセンの空けた裏のスペースへと飛び出し、ヨンセンの競ったこぼれ球を拾うやワンタッチで右の杉本へ。これを杉本が右足で大宮ゴールに蹴り込んだ。もっと早くからこうした動きがキッチリ出来てれば、もう少し楽に試合を進められていたはず。

 大宮は速攻からキレイな形で先制点を奪ったと思ったら、ものの1分でアッサリと同点にされてしまい気落ちしたのだろうか、突然ラインが下がり始めた。それに対し名古屋は中盤で前を向いてボールを動かし始める。そして中央から左サイドへと展開し、本田のファーサイドを狙ったクロスからヨンセンが逆サイドをフワリと狙った教科書通りのヘディングシュート。あっという間の逆転劇だった。

 これで一気にヒートアップして点の取り合いになるかとも思われたが、思いのほか大宮のダメージは深く2-1のまま前半終了。
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 後半、名古屋は微修正。両サイドの本田、中村の後ろのスペースをセンターハーフの3人がカバーし両サイドがより前の位置で攻守ともにプレーし始めた。特に左サイドは金正友が本田の後ろのスペースに入ることが多くその傾向は顕著だ。

 そして試合の趨勢を決定付けるゴールが名古屋に生まれる。大森のスローインからヨンセンが頭で落としたボールに右サイドで走り込んだ中村が一気にドリブルで持ち上がりGKとDFの間に中村特有の速くて重いクロス。これをDF二人に挟まれながらゴール正面に詰めてきた杉本が飛び込みながらDFより半歩先に出て膝のあたりに当てながらゴールに流し込んだ。往年の森山を思い出させるような飛び込みっぷりとゴールシーンだった。
 
 この得点でチームとしても楽になったが、それとともに(いやそれ以上に)中村の動きが見違えるほど良くなった。中村は元々守備面では「仕事キッチリ」なタイプだが、アシスト以後は相手の左SBに対するチェックが速いこと速いこと。もちろんさっき書いたように後半は守備になるとセンターハーフがサイドのスペースをカバーしていたから中村も前に出られたというのはあるのだが、その集中力は前半を遥かに上回っていた。まああのひと仕事ぐらいで満足してもらっては困るのだが。
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 大宮のDFラインに対して、ヨンセン、杉本の2トップに中村、山口Kが加わって前からプレッシャーを掛けるアグレッシブな名古屋の守備に、大宮はミスを続発しなかなか攻撃の形を作ることが出来ない。そしてそのスキを見逃さず杉本が駄目押しとなる4点目。杉本のプロ入り初となるハットトリックだ。相手DFラインの裏に落ちたボールに後ろから走り込むとスピードでかっさらいそのまま持ち込んで粘り強く押し込んだ。それにしても土屋とのスピード勝負にはかなり見応えがあった。

 杉本は前線で絶えずディフェンスに走り回っていた。それもほぼ全速力で。あのスピードは攻撃だけでなく守備においても十分に相手に脅威を与えられる武器だ。あれだけの速度で追い込まれたら後ろからだってボールを持っている選手は怖い。戦術的な面ではまだまだレベルアップする余地は多いが、その「動きの質は量で補う」的なプレースタイルは去年のシーズン当初の中村を思い起こさせる。そんなプレースタイルではある意味必然なのだが、後半35分頃になると「杉本タイマー」が点滅しこの試合でも途中交代。ただ去年シーズン途中でガス欠した中村の二の舞にならないようなんとかシーズンを乗り切って欲しい。
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 試合はそのまま4-1で終了したが、大宮にとってはトニーニョ不在が大きかった。試合を振り返ればハットトリックの杉本のスピードがことのほか印象に残っているが、名古屋の得点4点のうち3点はヨンセンの頭を意識的に狙った攻撃で得られたものだ。そして結果的にゴールにつながらなかったが前述の前半24分の金正友のシュートや、後半に本田が抜け出してGKと1対1になったシーンもヨンセンが基点となっていた。大宮はどうにもヨンセンを押さえ切れなかった。せめて平岡靖成を起用してヨンセンの頭だけでも消してみれば面白かったかもしれないし、そうすれば試合はまた別の結果になっていたかもしれない。
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by tknr0326g8 | 2006-10-02 00:17 | Game Review