Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
<   2007年 09月 ( 23 )   > この月の画像一覧
第27節 vs柏 2-0 @スカパー
 ピッチとスタンドが隣接したコンパクトなスタジアムといい、雨模様の天候といい、GWの日立台を思い起こさせるようなシチュエーションで行われた試合は、寄せの速い集中したディフェンスとボールを奪ってからの速攻という日立台で柏にやられたサッカーをお返しするような形(スコアもそのまま裏返しの2-0)で名古屋が柏に対するリベンジを果たしました。

 個々のメンバーを見れば、日本でただ一人W杯の勝利を経験しているGK、現役の韓国代表中心選手、つい一年前にW杯でブラジルを相手に鮮やかなゴールを奪ったストライカー、五輪代表の主軸としてアジア予選突破の鍵を握るレフティーと、決してタレントがいないわけではないものの、チーム力という意味では残念ながらJ1でも底辺に近いレベルにある名古屋にとって、「格上」のチームに対抗するための手段は、相手チームとガチンコのマッチアップを組み、個々のプレーヤーの頑張りと意地に期待するほかないというのが現実だ。事実それを実行した川崎戦(AWAY)は(互角とは言わないまでも)限りなく勝ち点3に近付き、逆に自分達の形(なるものがあるのかどうか知らないが)に選手をハメ込んで試合に臨んだG大阪戦では大敗を喫している。そしてこの柏戦では前者を用いて相手に立ち向かいキッチリと結果を残した。

 名古屋のメンバーは、CFタイプではない玉田をワントップにその下に攻撃的な中盤のプレーヤーを四枚並べる変則的な4-1-4-1みたいなフォーメーション。

          玉田

本田  金正友    中村   小川

          吉村

渡邉   阿部     大森  山口K

          楢﨑

 このシステムが柏に対して殊のほか機能する。邪魔な杉本がいなくなったことでスペースを得た玉田は1トップながら前線を水を得た魚のように動き回る。そうした形になればキープ力もあってボールを受けられる玉田の存在感はさらに際立つことになる。そんな玉田に呼応しその下の四人が交代で前線へと顔を出す攻撃はこれまでにはない攻撃に対する積極性を感じさせるものだった。

 名古屋のこれまでのサッカーはとてもお金を取って観客に見せる類のものではなかったと俺は思っている。サッカーの好みは人それぞれだし、好きなチームが見られればよかったり、お目当てのプレーヤーの動きだけを追っていれば十分という人もいるだろうが、少なくとも俺はそうではなかったし、名古屋のやっているサッカーに対する不満は俺の中で積み重なってきていた。そしてそれは戦術だとかシステムだとかいう以前の問題で、選手たちに攻撃する気がないというところに起因するものだった。選手たちはゴールを目指さず観客に何を見せるというのだろう。
 有名な「3点取られても4点取るサッカー」というものがあるとするならば、名古屋のサッカーは「相手よりも一点多く取るサッカー」というべきものだった。「相手に点を与えなければ負けない」というズデンコ時代のようなディフェンシブな発想でこそないものの、試合は0-0であればどこかで一点が取れればいいやというような余裕の空気がピッチ上にはいつも漂っていた。挙句はあのDFラインでの意味のないパス回しだ。無理やり攻めてボールを失うことをよしとする気は毛頭ないしそういったプレーが必要な時間帯もあるだろうが、後ろでボールを回してチームが得られるものは時間の浪費でしかない。お金を払って試合を観に行ってあんなものを見せられてはたまったものではない。たまに大森なんかが「DFラインでボールを動かして相手選手を走らせることが出来た」みたいなコメントを吐くことがあるが、あんなゆっくりとしたパスでしかも飛ばしもしないのに動いて疲れる相手などいるはずもない。
 こうしたサッカーがフェルフォーセンの教えなのかどうか、俺は普段のトレーニングから密着しているわけではないので分かりようもないが、なんとなく選手たちがフェルフォーセンの言っていることを咀嚼できていないだけではないかと感じてしまうのは気のせいだろうか。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-30 12:57 | Game Review
高円宮杯・準々決勝 vs広島皆実 @西が丘
 おとといのRound16(福岡戦)ではグループリーグで苦しんだ鬱憤を晴らすかのような快勝を見せた名古屋。舞台を西が丘に移して迎え撃つ相手は広島皆実高校だ。不勉強な(というよりかはほとんど名古屋しか見えていない)俺には広島皆実と言われても「秦賢二の母校」ぐらいしかイメージがなく、ああそう言えば確か二年ぐらい前の高円宮杯で市船や鹿実とグループリーグで同居した時に一緒にいたなぁ・・・と思ってちゃんと調べたらその時いたチームは広島観音高校だったりとその程度のレベル。広島ユースに引っ張られるようにレベルを上げている中国地区の高校サッカーシーンで確固たる地位を獲得しつつあるこのチームが一体どんなサッカーを見せるのか。

 名古屋のスタメンは福岡戦で右の太股を痛めて途中交代したアルベスに代わって鈴木崇が出場している以外は不動のメンバー。アルベスはベンチにも入っていなかったが、福岡戦を見た感じでは打撲のようだったし、チームがこの試合を勝ち抜けばおそらく次の国立までには帰ってこられるだろう。

        鈴木崇
     磯村    太田

中田   西山   安藤  三島

    西部  津田  三宅

        鈴木規

 試合前のアップでは思い思いにシュート練習やパス練習を繰り返す選手たちとは離れて朴監督が鈴木崇に付っきりでボールの受け方をマンツーマン指導。鈴木崇への期待の高さとこの試合への意気込みを伺わせる。逆に言えば前線でボールを収められるアルベスの存在がこのチームにとっていかに重要かを物語るようなシーンだった。

 試合はキックオフから名古屋が福岡戦の勢いそのままに飛ばしに飛ばす。アグレッシブに広島皆実陣内へと攻め込むのはもちろんのこと、鈴木崇や太田が物凄い勢いで前線から相手ボールを追い掛け回す。長身で膝から下が長い鈴木崇のスプリントはストライドが長く加速も滑らか。日本人離れしたその走りはまるでヨーロッパのプレーヤーを見ているようで惚れ惚れする。
 しかし広島皆実も堅守を売りにしているチーム。いくら名古屋が勢いに任せて攻めてきたからといってそうやすやすとは付け入る隙を与えてはくれない。そしてだんだんと試合が落ち着いてくると広島皆実も反撃を試み始めた。
 広島皆実は、(戻りが早く相手が判断に迷っているとすぐに二人三人で囲んでしまうディフェンスだけでなく)攻撃時にもいわゆる「人とボールが良く動く」サッカーを地で行くよく鍛えられたチームだった。人が動いて出来たスペースに次の人間が走り込みそこにボールを送る。この有機的な連鎖を繰り返しサイドから名古屋ディフェンスを崩しに掛かる。
 両ウイングバックの裏、すなわち3バックのサイドのスペースを突かれた名古屋は、そこでポイントを作られストッパーの対応が後手になったところで度々ピンチを招いていた。ストッパーが引っ張り出されるとそのスペースには二列目から選手が飛び込んでくる。この攻撃に対しては特に西山が最終ラインまで戻って素晴らしいカバーを何度も見せていたが、さすがに形勢不利と見たのか、キックオフから20分ほどしか経過していないというのにベンチがさっそく動いてきた。3-4-3から4-4-2へのシステム変更だ。おとといの福岡戦とは逆のパターンでもあり、グループリーグの大阪桐蔭戦で見せていた形。

     鈴木崇   磯村

安藤   西部   西山  太田

中田   三宅   津田  三島

        鈴木規

 このシステム変更によって最終ラインのスペースを埋めた名古屋は広島皆実をゴールから遠ざけることに成功したが、逆にこの思い切った策は名古屋の攻撃をも停滞させる結果を招いてしまった。全員がサボらず非常に組織だったディフェンスを見せる広島皆実に対して、名古屋はなかなかボールを前につないで行くことが出来ない。そして名古屋は最終ラインからの苦し紛れのロングボールが目立ち始める。というよりそれぐらいしか本当に攻め手が見出せなかった。チーム全体がそんな調子だから仕方ないのかもしれないが、期待の鈴木崇も前線で全くボールを収められない。

 システム変更後は広島皆実が名古屋のペナルティエリアに入るようなシーンはほとんどなかったし、前半終了間際になって広島皆実の足が少し止まり始めると名古屋もようやく敵陣深くまで進むことが出来るようになったが、それでも前半中盤を制圧し試合を優位に進めていたのは紛れもなく広島皆実だった。

 後半名古屋はメンバー変更なし。ベンチに切り札がいるわけでもなく正直どうしようもないと言えばどうしようもないのだが、ピッチ上の選手達同様観ているこちら側にも我慢が求められる試合。そして後半も中盤過ぎに広島皆実の足が止まるまでは前半と同じように広島皆実の主導でで試合が進められていった。
 それにしても三宅はいつからこんなにヘディングが強くなったのだろう。高1の時から身長はほとんど変わっていないはずだが、当時はそれでも競り負けることが多々あった。しかし今や三宅がヘディングの競り合いで負けるシーンはほとんどなく、タテへのフィードにしてもサイドからのクロスにしても高いボールはほとんど三宅がこれに対応し弾き出している。相手CKの場面でもこちらがどこか安心して見ていられるのは三宅がいるからに他ならない。そろそろU-18からお呼びが掛かってもいい頃なんじゃないか。
 広島皆実も人とボールが連動しながらサイドから攻めるスタイルに固執せずにもっとシンプルに(強引に)中央からクサビを使ったりしてDFラインの裏を狙う攻撃があっても良かったかもしれない。よっぽどサイドからエグってそのカバーにストッパー(三宅)が引っ張り出されたとかなら別として、普通にサイドからクロスを上げるだけでは三宅の壁を越すことは出来ないし、むしろ時として呆気に取られるほど簡単にラインを破られる名古屋DFを見ていれば、そちらの方がよっぽど活路は見出せただろう。俺が相手チームの監督なら間違いなくそうする。

 後半も中盤を過ぎるとさすがに広島皆実も足が止まりだし中盤が空き始めた。そして名古屋もようやく中盤でボールを拾えるようになり、そこから右サイドの太田が中心となってカウンターからの速攻を仕掛けられるようになった。右サイドタッチライン際を相手と競り合いながら何度もドリブルで駆け抜けた太田のスタミナとハードワークには本当に頭が下がる。前半からあれだけチェースしていたと言うのにこの時間帯でこれだけの走りをまだ出来るとは・・・。
 このタイミングを見計らっていたかのようにベンチは鈴木崇に代え岸を投入。岸もまた豊富な運動量とドリブルによってカウンターの一翼を担っていた。名古屋もようやくシュートで終わる攻撃が出始めた。相変わらず苦しい試合は続くが、ここまで来たら少ないチャンスをモノにするのが名古屋であっても何の不思議もない。

 そして0-0のまま突入した延長前半、名古屋のカウンターがついに実を結ぶ。磯村がドリブル突破からペナルティエリアに侵入したところで相手DFに後ろから突き飛ばされるように倒れPK獲得。これを中田健太郎が思い切り良く決めてついに先制に成功した。磯村はものすごく相手DFと間合いの近いドリブルをするのが特徴の選手で、相手が足を出してきたところで逆を取るようなドリブルが上手い。ただ間合いが近い分だけ2,3人に囲まれるとそこを突破するのは困難でもある。実際この試合の前半でもそういった状況で潰されるシーンは何度かあったのだが、この時間帯、延長戦ということもあり広島皆実にも前半のようなサッと相手を囲んでしまう体力は残されていなかった。1対1の勝負なら勝つ可能性が高いのは断然磯村だ。

 1点をリードした名古屋はようやく疲れの見える太田や磯村を交代させ中野や羽根田を投入してゲームを締めにかかった。途中交代で入った中野や特に羽根田はよく頑張っていたとは思うが、ここまで選手を一人しか交代させなかったことを見ても分かるように、名古屋はスタメンクラスとサブの間で力(監督の信頼)に差がある。これもチームの課題と言えば課題だろうか。この試合も岸が入った時点で、「(怪我とか)よっぽどなことがない限りもう後は交代ないだろうな」と思っていたら、試合の趨勢が完全な逃げ切りへと変わるまでやはり交代のアクションは起きなかった。まあこればっかりは少数精鋭のクラブチームではなかなか難しい問題かもしれないが。

 結局試合は名古屋がそのまま1-0で逃げ切り準決勝進出を果たした。本当に厳しいゲームだったし自分達のやりたいサッカーが出来ていたとは言い難いが、最後まで集中を切らさずに良く頑張った選手達を讃えたいと思う。ここまで来たら、次の国立競技場、その次の埼玉スタジアム(いつも思うがなぜに埼スタ?)と選手たちには限られた人間にしか経験できない大舞台を思う存分楽しんで伸び伸びとプレーして欲しい。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-25 01:22 | Youth
高円宮杯 vs 広島皆実 試合終了
b0036243_13333539.jpg

皆実の精力的なサッカーの前に延長戦も押されっ放しの名古屋でしたが、延長前半にカウンターから磯村のドリブル突破をエリア内で皆実の選手が倒してPK獲得。これを中田が魂込めて蹴り込んで先制。後は全員が集中してこの一点を守り切り勝ち抜けを決めました。
苦しいゲームで最後に勝利を呼び込んだのは気持ちの強さと個の力のでした。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-24 13:33 | Youth
高円宮杯 vs 広島皆実 後半終了
b0036243_12531487.jpg

0-0のまま延長戦突入しました。名古屋はカウンターしか活路がありませんが、さすがに皆実も足が止まってきました。チャンスはどちらのチームにもあります。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-24 12:53 | Youth
高円宮杯 vs 広島皆実 前半終了
b0036243_1159183.jpg

福岡戦の良い流れそのままに非常にアグレッシブな試合の入り方をした名古屋。しかし一気に皆実のDFを崩すことは出来ず、試合は徐々に皆実のペースに。
押され始めた名古屋は20分過ぎに早くもシステムを4-4-2に変更し守備は一応の体裁を整えたものの、逆にこれでボールが回らなくなり攻撃は苦し紛れのロングボール一辺倒になってしまった。個人の打開に期待するしかない状況です。
名古屋は後半建て直すことが出来るでしょうか。立ち上がりかなり飛ばしていただけにスタミナ面も心配です。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-24 11:59 | Youth
高円宮杯 vs 広島皆実 試合開始
b0036243_110397.jpg

名古屋のスタメンはGKに鈴木規、DFは右から三宅、津田、西部。中盤は右から三島、安藤、西山、中田。FWは鈴木崇をトップに太田と磯村がサポートに付く形。
アップでは怪我のアルベスに代わって先発出場の鈴木崇が朴監督直々のマンツーマン指導でボールの受け方を練習してました。この鈴木崇が今日の試合最大のポイントかもしれません。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-24 11:00 | Youth
高円宮杯・Round16 vs福岡ユース @秋津
 苦しみながらもグループAを首位で通過した名古屋。決勝トーナメント一回戦の相手はグループEの3位福岡ユースだ。U-18日本代表でもあるNo.10鈴木惇はトップチームに帯同しているらしくこの試合も不在。3年前2年前と比べて彼がどれぐらい成長しているかを見たかった気もするが、名古屋にとっては彼の不在はラッキーだったかもしれない。それ以外の注目選手は、今回初めて「ベストメンバー」を召集したというU-18日本代表のトレーニングキャンプに呼ばれているFWの大山恭平(背番号9)だろうか。グループリーグでは横浜FM戦でハットトリック、広島戦でもPKながらゴールを決めている。一体どんな選手なのだろう。

 名古屋のスタメンはなぜかGKが正ゴールキーパーの鈴木規ではなく二年生の岩田敦が入っている以外はいつものメンバーで、システムはこんな感じ↓の4-3-3。

        アルベス
     磯村     太田

     西山     安藤
         西部

中田   三宅   津田   三島

         岩田敦

 今大会の鈴木規はとても安定したプレーを見せており、その果敢な飛び出しと近距離のシュートに対する反応の鋭さ、さらには的確なコーチングでグループリーグの間何度もチームの危機を救っていただけに名古屋にとっては不安材料のひとつだろう。特に俺が心配していたのが「飛び出し」の部分で、時としていともアッサリとラインを破られ抜け出しを許すことがある名古屋DFにとって鈴木規はなくてはならない存在だった。

 キックオフの笛とともに両チームの戦い方はとても対照的なものとしてピッチ上に現れた。4-4-2の布陣を敷いている福岡は大山を前線に残して後ろの4枚×2+1がしっかりとラインを整えスペースを消し名古屋を待ち構える。そしてボールを奪ったら大山のポストプレーを軸に速攻を繰り出すというとても分かりやすい形。ボールを動かしながら自分たちから仕掛けることでゲームの主導権を握ろうとする名古屋とは好対照なスタイルだ。これはまさに「リアクション」対「アクション」の対決。

 キックオフ直後から名古屋は前節の反省を踏まえてか後ろでボールを回しながらチャンスがあれば積極的にミドルシュートを打っていた。本番の試合を重ねる中でチームも成長しているということだろうか。しかしとても組織立った守備を見せる福岡に対して名古屋はなかなかスペースを見出せず、ペナルティエリアの中にボールを運ぶことが出来ない。そしてラストパスやサイドチェンジを狙った大きなパスをカットされては福岡の逆襲を喰らう展開が続く。福岡はそれが狙いとは言え、名古屋の陣形がバランスを崩している間に繰り出す速攻に迷いがなく、攻め切るという点ではむしろ福岡の方に分があったかもしれない。

 そんな中先制点を奪ったのも福岡だった。名古屋陣内深くでスローインのチャンスを得るとロングスローを連発。名古屋がようやく大きなクリアをしたかと思ったらそのセカンドボールをDFラインの裏へ放り込まれ、これに上手く抜け出した福岡の選手が少し遅れて飛び出した岩田敦の前でワンタッチで流し込んだ。名古屋としてはホッと一息ついて油断したのかもしれないが、アッサリとDFラインの裏を取られる悪癖とそれに対するGKの連携という不安視していた要素が図らずも出てしまった失点シーンだった。

 得点後もペースを上げて来ない福岡に対し、名古屋は時間の経過とともに徐々に福岡陣内でプレーする時間が増え始めた。パスばかりではなく局面での1対1で個々の能力に勝る名古屋の選手たちが積極的に勝負を仕掛けると福岡の組織は少しづつ綻びを見せ始めファールの数が増えて行く。ペナルティエリア近辺ではなかなか笛を吹いてくれない主審のジャッジもあり福岡ゴールを脅かすまでには至らなかったが、この調子で行けば後半相手の足が止まってくればさらにゴールへと近づくことが出来るだろう。注意すべきなのは相手のカウンターとスタミナ切れで相手よりも先に足が止まってしまうこと。

 後半になると名古屋は4バックから3バックへフォーメーションを変更。アンカーの西部が後ろへ下がり中田と三島の両サイドが一列前へと繰り上がる。

        アルベス
     磯村     太田

中田   西山   安藤   三島

   西部   三宅   津田

         岩田敦

 このシステム変更がバッチリとハマる。まず攻撃面では両ワイドの中田と三島が一列前へ上がったことでそこを起点としてピッチを広く使った攻撃が出来るようになった。前半は攻撃に移る時にはアンカーの西部の所にボールが収まるケースが多かったが、逆にそこで狙われてボールを奪われるシーンが少なからずあった。しかし後半からは中田と三島が攻撃の起点となることで攻撃の初動段階において危ないポジションでボールを失うリスクを消すことが出来たわけだ。守備面でも、福岡は守→攻の切り替えにおいて大柄なストライカーである9番の大山が1トップ気味でターゲットとなることが多いが、三宅がこれを見る形でロングボールをことごとく弾き返して相手の攻撃の芽を摘んでいた。三宅と大山の対決は三宅の完勝といったところだろう。プレッシャーが少なかったとはいえ左右に蹴り分けていた足元のボールにしても去年までよりは精度もスピードも上がったように思えたし、三年生になりチームの主軸として三宅もまたひと回りしたかな。

 後半の名古屋は立ち上がりからとにかくアグレッシブだった。勢いが焦りへと変わる前になんとか同点ゴールを・・・と思っていると、そのチャンスは意外にもアッサリと訪れた。最前線で左サイドの開いた位置にポジションを取っていた磯村を狙って福岡DFラインの裏へロングフィードが通る。オフサイドはない。これを受けた磯村はゴールへ向かうように内側へと切り込みながらドリブル。ペナルティエリアに左側から入ったところで相手ともつれ合って倒れたが試合の流れからして当然PKのホイッスルはない。すぐさま立ち上がった磯村は飛び出してくるGKを外して右足で蹴り込んだ。

 3バックへと変更した名古屋は津田がフリーでボールを持つ機会が増えていた。そしてそんな状況下では津田は元FWだけあって相手のチェックがなければどこまででも持ち上がる。3バックのセンターを務める時には一試合で一回か二回お目に掛かれれば良い津田の怒涛のオーバーラップがこの試合では後半だけで何度見られただろう。そしてそんな津田の攻撃参加から二点目は生まれた。津田がグングンと突き進み右サイド深くへと進入すると相手GKが中途半端な飛び出しを見せる。津田のクロスは一度は阻まれたが、それを拾った三島が冷静にマイナスのクロスを入れると、中央でこれを受けた磯村が主不在のゴールへと流し込んだ。

 磯村は前節の決勝ゴールに続き、今日の試合でも同点そして逆転ゴールと大きな仕事をタテ続けにやってのけている。やはり何かを持った選手なのだろう。ただこの試合でもキックオフ直後こそ良い動きを見せていたが、その後は段々とトーンダウンして行き始めていただけにこの2ゴールは彼自身にとっても重要だったのではないだろうか。事実西山が足を攣って交代した時に磯村がボランチに入るのを見て俺の中には一抹の不安がよぎったが、前節あれだけ上手く行っていなかったポジションで、(相手のコンディションの問題があるとは言え)ほとんど完璧なプレーを見せていたのには驚かされた。質の高い汎用性と言うべきか気分屋と言うべきか。

 名古屋のサイド攻撃は止まらない。先制点の後内側に切れ込んで右足を振り抜くという得意の形であわやというシーンを作った(結果はDFがゴールライン上でクリア)左サイドの中田は言うに及ばず、太田、三島、津田が絡む右サイドからの高速アタックは相手チームにとってとても危険な存在だった。そしてそんな中でも俺が注目していたのが三島だ。これまで太田や津田がそれぞれのポジションで存在感を発揮する中、三島は俺の中ではどちらかと言えば影が薄い存在だった。スピードもあり身体能力も高い三島だがどうにもメンタル的に「優しい」部分が先に立ってしまう。典型的な日本人といえばそれまでだが、最後の部分で強引さに欠けるプレーはこの試合でも目立っていたように思う。もっと自分を出せばもっともっと良いプレーが出来るはずなのに。
 しかし名古屋にとっての三点目はそんな三島が突如覚醒したプレーから生まれた。右サイドやや内側でボールを受けた三島がゴールへ向かって突進。その先には「ゴール」への確かな道筋が見えていた。そしてペナルティエリアに入ったところで迷うことなくシュート。これは飛び出してきたGKに当たってしまったがこのこぼれ球を拾ったアルベスが冷静にゴールへとプッシュした。アルベスに今大会の初ゴールが生まれたことは喜ばしいが、これは半分三島のゴールと言っても差し支えないだろう。こういうプレーをいつも心掛けてくれれば三島はひと皮向けて特別な選手になれるに違いない。そして俺はこの大会の残りの試合「何か」が変った三島が磯村とともにキープレーヤーになるような気がしている。

 試合はその後も全く手を緩めなかった名古屋が、追加点こそなかったが、アルベスのヘディングシュートがこの試合二度目のゴールライン上でのDFによるクリアなど惜しいシーンもあり福岡を圧倒。福岡は結局最後までペースを上げられなかった。その原因が移動疲れなのかなんなのかは俺には分からないが、少なくとも名古屋が技術、体力、そしてメンタルと全ての面で福岡を上回っていたということだけは間違いない。

 次は西が丘での広島皆実戦。太股を痛めていたアルベスのコンディションなどは気になるが、このRond16の良い流れを持続して、(神戸あたりで醜態を晒していた「関連チーム」に惑わされることなく)国立への扉を開いて欲しい。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-24 03:33 | Youth
高円宮杯 vs 福岡 試合終了
b0036243_1301714.jpg

後半から3-4-3(最終ラインは三宅を真ん中に右に津田、左に西部)にシステムを変更しアグレッシブな入り方をした名古屋が、磯村の2ゴールとアルベスのゴールであっという間に3点を奪って試合を決めました。
福岡は移動疲れかコンディションが悪そうで特に後半は一方的な試合になりました。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-22 13:00 | Youth
高円宮杯 vs 福岡 前半終了
b0036243_1158892.jpg

典型的なホゼッション対リアクションの対決。崩すことに執心している名古屋はなかなかシュートまで辿り着きません。
そうこうしているうちにセットプレーのセカンドボールを放り込まれて簡単にDFラインの裏を取られて先制を許しました。
ただ少しづつゴールに近付いていると思うので後半に期待です。相手より先に足が止まらなければ行けるでしょう。
ちなみにスタンドは吉田、城福とユース花盛りです。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-22 11:58 | Youth
高円宮杯 vs 福岡 試合開始
b0036243_1104223.jpg

名古屋のスタメンは、GKに岩田敦、DFラインは右から三島、津田、三宅、中田。中盤はアンカーに西部、前目に安藤、西山。FWはアルベスをトップに太田と磯村がサポートに付く形。
気合い入ってます。
[PR]
by tknr0326g8 | 2007-09-22 11:00 | Youth