Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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キリンチャレンジカップ2008 日本代表vsボスニア・ヘルツェゴビナ代表
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全員半袖のボスニア・ヘルツェゴビナと味方がセットプレーの間体が冷えないようにアップと同じ動作でずっと体を動かしていた楢崎がとても印象に残った試合でした。楢崎が風邪を引かずにクラブに帰って来てくれることを願います。
コンセプト先行な感が強い新生岡田ジャパンは、そもそも意図するサッカーを実現するためにはこのメンバー、配置、構成でいいのかという「人」の部分からして明らかな準備不足で、完成度が低いそのサッカーは観ていてツライものがありました。スタジアムの雰囲気も緩みっぱなしで、これがナショナルチームの試合だと思うとちょっとガッカリです。
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by tknr0326g8 | 2008-01-30 21:51 | Other Games
フェルフォーセンの二年間、そしてピクシーへ
 もし俺が「優」・「良」・「可」・「不可」でフェルフォーセンの二年間に評価を下すとするならば、残念ながらそれは「不可」ということになるだろう。フェルフォーセンの就任に合わせてクラブが描いていた「三ヵ年計画」(一年目でチームの基盤を作り、二年目で上位争い、三年目で優勝争い)という具体的な数値目標に対して、フェルフォーセンは二年目の昨シーズンも残留がやっとという成績しか残せなかったのだから、この評価は妥当だと思う。もちろんチームの主力たる外国人選手に怪我人が続出したことなど同情すべき点はあるし、同じような目標に対して順調にステップをクリアしていった長谷川健太と比べれば即戦力の戦力補強に恵まれなかったことなど、チームの成績はフェルフォーセンひとりの責任ではないが、それは彼の評価を覆す材料とは成り得ない。そしてそんな成績とともに俺が彼に合格点を与えられない理由は、彼が選手達の特徴を引き出せていなかったからであり、(それが彼の意図したスタイルであったかは別として)ピッチ上で展開されていたアッタキングマインドに欠けるサッカーが(ズデンコの時ほどではないにせよ)俺にとってとても退屈で魅力に欠けるものだったからだ。

 ただ「不可」と言ったところで、俺はフェルフォーセンがサッカーに対して持っているビジョンや理論といったものが間違ったものであったとは思っていないし、ましてその人格などの面で彼を否定するつもりなどは毛頭ない。特に前者に関しては、それが世界的な潮流から見ても決して的外れなものではなかったことは、半年間限定のつなぎとはいえ母国オランダのトップクラブであるPSVから請われて監督に就任したことが既に立証している。
 ではそんなフェルフォーセンがなぜ名古屋で順調にチームを作り上げることが出来なかったのか。俺はフェルフォーセンが日本の(名古屋の)フットボーラーに対して彼の持っているものを伝える術を持ち合わせていなかったのではないかと思っている。そして物事を伝える前提として「相手を理解する」という部分において、フェルフォーセンは二年間という期間を経てもなお日本のサッカーと自らのチームやその選手達についての把握が十分ではなく、自らの抱くフットボールに対するイメージをピッチ上で上手く具現化出来ない選手達に戸惑ったまま二年間が過ぎ去ってしまったのではないだろうか。
 果たしてフェルフォーセンは(彼より半年ほど日本への滞在期間が短いベンゲルのように)日本のサッカーや日本のプレーヤーの特徴についてスラスラと語ることが出来るだろうか。ひょっとしたら俺がそういった類のインタビューなどを見かけたことがないだけで十分な知見があるのかもしれないが、ひとつ確実に言えることは、彼が日本代表監督に推されることがあったとしても、彼の口からは決して「日本のサッカーを日本化する」という言葉は出てこないだろうということだ。そしてそれは毎日接していた自らのチームの選手達に対しても当てはまる。彼は選手達の特徴をどう把握し、どのポジションで誰と組ませて起用すれば各々のプレーヤーの能力を引き出せると考えていたのだろうか。少なくとも二年間でその答えは見えなかった。

 プロのコーチとして見た場合に、もうひとつ俺がフェルフォーセンに対して抱いていた不満は勝敗を決するようなツボを見極める眼に欠けていたことだ。まるで試合に向けて組み上げたプログラムの答え合わせでもするかのようだった彼は選手交代の枠を使い切らないことも多かったし、交代策自体も決して上手いとは言えなかった。選手交代によって試合展開を変え良い流れを持ってきたような記憶はほとんどないし、むしろ相手のセットプレーの直前に選手を交代して失点したり、試合に没頭するあまりか選手達のSOSに気付かずに負傷退場の交代が遅れ、むざむざ一人少ない状況で戦わせるハンディをチームに背負わせることも度々あった。
 選手交代だけではない。例えば現代サッカーにおいて勝敗を決する鍵となることも多いセットプレー。バルサ時代のクライフはセットプレーのトレーニングをしなかったというが、フェルフォーセンもセットプレーにはそれほど価値を見出していなかったのだろうか。シーズン終盤に(おそらくキックが正確という理由で)プレースキッカーに指名されていた吉村を見るにつけ俺はその思いを強くしていった。俺はコーナーキックをこんなにGKに直接キャッチされるキッカーを見たことがない。しかもその手のプレーが弱点のはずの川口(磐田)や天皇杯ではアマチュアのGKにポケットキャッチされている有様なのだから話にならないと俺は思うのだが、あれもフェルフォーセンの指導なのだろうか。だとしたら狙いどころを間違っているとしか俺は思えない。

 フェルフォーセンが伝えたかったフットボールは二シーズンに渡って名古屋が見せたものとは全くの別物かもしれない。だが彼が二年かけて作り上げたチームは、シーズン中に何度も気持ちを感じさせないような大敗を喫し、トレーニングマッチとは言えアマチュアや大学生にいともたやすく敗北を繰り返し、ピッチ上では得点を奪いに行く意識が希薄で攻撃に連動感がなく、最終ラインでの無意味な横パスが横行するチームだった。そしてそんなチームは全てを象徴するかのようにアマチュアチームに敗れて二年間の歴史に終止符を打った。フロントはフェルフォーセンが引退を宣言しなければあと一年任せるつもりだったと言っていたが、俺は彼に任せたところでこのチームには彼のサッカーをより深く理解することによってもたらされる上積みよりも、そうした主にメンタル面に起因した負の要素が増幅されていったような気がしてならない。

 そんなフェルフォーセンの後は日本人監督にチームを任せた方が良いだろうと俺は考えていた。フェルフォーセンほどの世界レベルでの理論や人脈や経験がなくても、日本人のことを理解し、彼等の良さを引き出せるような日本人の指揮官、それが理想(というか現状の名古屋にとっては優先される事項)だと思っていた。しかしクラブが出した結論は切り札・ストイコビッチの投入だった。クラブの成績(戦績)だけでなく、豊田スタジアムで開催する浦和戦がなければほとんどジリ貧の観客動員など様々な要素を考えての結論なのだろう。
 正直ピクシーの監督就任は時期尚早だと俺は思った。クラブの財産と言ってよいピクシーで失敗した時のリスクを考えると、もう少し選手そしてクラブが成熟し磐石の態勢を作ってから三顧の礼をもって迎え入れるのがいいと思ったからだ。既に選手ではないピクシーはクラブとして困り切った状態で救世主として頼るような存在ではもはやない。どうしても監督として泣きつくなら(来てくれるかどうかは別として)クラブ唯一の成功例でもあるベンゲルだろう。
 ただ決まってしまったものは仕方ない。あとは「失敗は絶対に許されない」という覚悟をみんなが持ってクラブ、サポーター一丸となってピクシーをサポートするのみ。ここまでの動きを見ていると幸いクラブはそうした自覚を持っているようだ。あとは常に自覚よりも甘えが目立つ選手達がピクシーの監督経験を言い訳にしないで日々のトレーニングからゲームに取り組めるか否かにかかっている。何ひとつ成し遂げたわけでもないはずなのに不平・不満だけは一人前の名古屋の選手達のプロとしての自覚、名古屋の選手であることの誇りが問われる一年になるだろう。
 というわけでこのブログでもとりあえずピクシーは全面的に応援します。それはプレーヤー時代からピクシーを見てきた立場としては当然であり、ある程度長い眼でということも含めてその評価が甘くなるのは仕方がないところ。ただ俺はピクシーの監督経験がどうだとかライセンスがどうだとか言われることに関しては(確かにピクシー自身も監督としては実際にやりながら学ぶことも多々あるだろうが)意外と不安よりは期待の方が大きい。プレーヤーとして世界トップレベルでプレーし、数々の名将の薫陶も受けてきたピクシーのサッカー観を俺は信頼しているし、フェルフォーセンが躓いたのではないかと書いた日本人選手とのコミュニケーション(選手達へのアプローチ)についても、彼のカリスマや日本人への理解、そしてクラブへの愛情がそれを助けてくれると確信している。そして彼のファイティングスピリット。今年のチームに最も欠けていた要素をピクシーは持っている。

 ピクシーのやろうとしているサッカーは「4バックを採用しそうだ」ということ以外まだ伝わってこないが、彼の現役時代からの言動から察するにDFラインを下げて守るということはしないだろう。そして玉田や深井といった左利きのアタッカーを右サイドに配置する。なんとなくそんなイメージがある。なんだかここ数年の育成モードからいきなり目標は優勝だなんだとトーンの変化が著しいが、俺はいきなり結果が出るとは考えていないし、今シーズンは「スーパーハードワーク」と「攻撃的」をキーワードに、とりあえず結果よりも内容で見る側を魅了するようなサッカーをしてくれることを期待したい。
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by tknr0326g8 | 2008-01-27 01:10 | Topics & Issues
選手紹介#16 新 “名古屋のプリンス” 花井聖
 気が付けば二年前の青山隼入団時から更新していない選手紹介。
 実は昨シーズンの開幕前に「最もブレークが予想される選手」として金正友篇を書き始めていたのだが、書き切らないうちにシーズンが始まり、その金正友が開幕からいきなり2試合連続ゴールとスタートダッシュを切ってしまったことで、なんだか後出しジャンケンみたいで嫌だな・・・というわけで中断、その金正友が退団したことで完全にお蔵入りしてしまった。
 代わりに誰かと考えると、やはりはこの選手しかいない。今シーズンユースから唯一の昇格が決まり昨日入団発表行った、新 “名古屋のプリンス” 花井聖だ。一昨年まで同じくユース出身の平林(現刈谷)を「名古屋のプリンス」と呼んでいたことを考えると、なんだか節操がない気がしないでもないが、ローマで言うところのジャンニーニが平林で、トッティが花井に当たるとでも弁明しておこう。

 中学生の時からその名前をしばしば見聞きする存在だった花井を俺が初めて目にしたのは、花井が高校一年になってから。青山や根津といった三年生をベースとして、足りないポジションを吉田、新川といった二年生のタレントで補う形で構成していた当時のユースチームにあって、花井は一年生から公式戦にちょくちょく出場していた。当時のポジションは前の方だったりボランチだったり、中盤のバックアップ的な意味合いが強いユーティリティだった。
 俺はどちらかと言えば攻撃的なプレーヤーをイメージしていたのだが、実際のプレーを見る中で強く印象に残ったのはむしろボランチの方だった。いわゆるアンカーの位置に入ってボールをさばく彼は先のCWCで来日していたACミランでいうところのピルロのような役割。そのポジションでの彼のプレーは単なるバックアップの意味合いを超えて、彼がそのポジションでプレーすることによってチームのサッカーが変わってしまうぐらいのインパクトがあった。例えばその年の高円宮杯グループリーグ初戦となった浦和東戦。リアクションスタイルでありながら前線から激しくプレッシャーを掛けて来る浦和東を前に、名古屋はチームが意図するつなぎが出来ず苦しんでいた。しかし青山のコンディション不良もあって前半途中から花井がアンカーの位置に投入されると、その卓越したテクニックで浦和東のプレッシャーをスイスイとかい潜り味方へとパスの供給を見せ始めた。そしてそれをキッカケとして名古屋の攻撃にはようやくリズムが生まれていった。

 翌年春、新チームになっての関東遠征で駒澤大との試合を観た時の花井は、ポジションを一列上げ中央で攻撃的な中盤のポジションを担っていた。バルセロナでいうところのデコやシャビのようなポジション。その後はプリンスリーグ・磐田戦で3トップの一角を担っていた中田健太郎が負傷離脱した影響もあってかポジションをさらに一列上げ、高円宮杯を迎える頃にはすっかり中田健太郎の欠けた右ウイングに定着していた。
 高円宮杯で最初に花井の右ウイングを見た時は愕然とした。グループリーグ初戦となった水橋高校戦、直接FKからゴールこそ決めたものの、そのプレーは明らかに精彩を欠いており動きの量も際立って少なかったからだ。それがコンディション的な問題だったのかメンタル的な問題だったのかは分からない。だが俺には右ウイングというポジションが彼の良さを奪っているように思えた。花井はボールに触れてこそ真価を発揮するプレーヤー。そんな彼をサイドに配置するのは彼の良さを消すことになっているのではないかと。
 だが花井は第二戦以降、驚異的な順応性でそのポジションへと馴染み、そして自らの特徴を発揮し結果を積み重ねていく。花井はこの大会で(名古屋にとっての)オープニングゴールから始まり、準決勝・初芝橋本戦での決勝ゴールに至るまで5つのゴールを決めているが、このどれもが重要なゴールだった。花井は試合を決められる選手であることを自らのプレーによって証明したのだった。

 三年生になった花井はトップチームへと二種登録されプロに交じってトレーニングを積むようになる。ユースの主要なタイトルをかけた試合には出場予定だったとも聞くが、トップチームでのトレーニング中に負った負傷の影響もあって、結局今年は彼が全国の舞台に姿を現すことはなかった。花井の二種登録が良かったのか悪かったのか、現時点では結論を出すことが出来ない。ただトップチーム同様に一ユースファンの立場から言わせてもらうならば、全国の舞台で彼を見てみたかった。三年間でほとんど見られなかった中田健太郎とコンビを、アルベスや磯村、安藤といった才能溢れる二年生達との絡みを、俺は見てみたかった。そして三年生にはキャプテンの西山や三宅といったチームを引っ張っていくリーダーシップを携えた選手がいたが、花井がプレー面で文字通り中心選手としてチームを牽引することによって得られたであろうものは主にメンタル面でも大きかったはずで、それはトップチームの練習に合流して得られたものと比べても決して小さくはなかったような気がするからだ。

 プレーヤーとしての花井を敢えて誰かに例えるとするならば、トッティと梶山を足して2で割ったみたいな感じだろうか。花井の特徴はまずはその卓越したテクニック。二年生の時の高円宮杯だったか、試合前のアップ時にピッチ脇でボールにスピンを掛けながらリフティングをしていた花井を見てスタンドにいた中学生が思わず感嘆の声を挙げていたことを思い出す。ボールコントロールは一級品だ。背筋を伸ばした姿勢でピッチ全体を俯瞰できるのも彼の特徴。そして意外と身体能力も高い。ムチのようにしなる右足から放たれるシュートは強烈だし、少なくとも高校レベルにおいては競り合いで転げ回るようなシーンはなかった。
 以前花井の昇格を取り上げた中スポにあった「これといった欠点がない」というのは言い過ぎだとは思うが、俺は一日も早い花井のトップチーム出場を期待している。というよりそうしなければ一年早くトップチームに合流した意味がない。試合経験を捨ててまで取り組んだこの一年に意味合いを与えるとすれば、それはプロとして試合に出られる準備を一年早く始めたということしかない。それに(90分を走り切るスタミナはともかく)花井に必要なメンタリティはセカンドチームでトレーニングマッチをこなしている中で身に付くものではないと思うからだ。
 プロとしての花井はおそらく攻撃的なポジションで起用されていくことになるだろうが、本田の去就が微妙な現在、中盤でボールを収め、攻撃に変化を付け、そして試合を決められる選手は今の名古屋には見当たらない。ピクシーとの巡り合わせも花井にとってはラッキーだ。「スーパーハードワーク」にどこまで対応できるかは微妙だが、こういうプレーヤーにはこういうプレーヤーの接し方がある。花井がデビューし名古屋にとって不可欠な戦力となるのはそう遠い話ではないかもしれない。
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by tknr0326g8 | 2008-01-14 17:17 | Player's Profile
インカレ決勝 法政vs早稲田
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出来ることなら中京大にあとひとつ頑張ってもらって、森本や後藤と一年ぶりの再会を果たしたかったが、その願いは叶わず中京大は準決勝で敗れてしまった。そして決勝に勝ち上がったのはその中京大を4-1と圧倒した法政とあまたの強豪ひしめく関東大学リーグでも随一のタレント集団・早稲田。
早稲田はJ内定者が○○人とかいうレベルの単なるタレント集団ではない。少なくとも兵藤、渡邉千真、松本怜といったこの試合でスタメンに名を連ねたアタッカー達は高校卒業時点でも間違いなくプロから誘いがあったであろう逸材達であり、大学で劇的に力を伸ばしたわけではない、言わば「寄り道」組。まともに試合に出られるか分からないプロにいきなり飛び込むよりもコンスタントに試合経験を重ねられる大学の方が良い面は確かにあるが、彼等のような選手にとって(二年ぐらいならともかく)四年間は長すぎる気がしないでもない。

この試合で0-0のスコアに風穴を空けたのもそうしたタレント達だった。法政DFラインの裏へと出されたボールに右サイドから疾風のごときスピードで松本が抜け出し内側へと鋭いカットインを見せる。この形から左足で放つシュートを得意とする松本の前に法政DFが集結したところで、松本は逆サイドでフリーとなった兵藤にパス、これを受けた兵藤は反対側のサイドネットに美しいカーブを描いたシュートを決めたのだった。
その後早稲田がセットプレーから追加点を挙げると、ようやく法政も反撃開始。キーマンはU-23日本代表の本田でした。この試合での法政は前線の決定力不足もさることながら、中盤のセンターが上手く試合に絡んで行けていない印象でした。守備で最終ラインとの距離が開き過ぎなシーンは前半から散見されたし、攻撃でもビルドアップに彼等が絡むことは稀だった。しかしこの時間帯から本田が吹っ切れたかのような強引な突破を試みると、法政の攻撃は一気に活気付きます。ただそれも長くは続かず、時間とともに本田が妙にバランス重視の慎重なプレーに戻ってトーンダウンしてしまったのは残念でした。
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by tknr0326g8 | 2008-01-13 23:05 | College Football
ストーブリーグ2008 vol.2
■本田の海外移籍
 オランダのVVVという正直よく知らないクラブへの移籍が現実味を帯びてきた本田の海外挑戦。この是非については他人がとやかく言う問題ではないし、とても難しい判断だとは思うが、俺から一言言わせてもらえるならば「あと半年待て」という感じだろうか。

 「あと半年」という部分からも分かるかと思うが、俺は本田が早い時期に海外へと活躍の場を求めることは基本的に賛成だ。その理由は今シーズンの本田が名古屋においてもはや伸びしろ(得るもの)を失ってしまったかのように感じたことにある。俺はかつて本田を中田(英寿)に例えて「どのような環境でも伸びて行ける選手」と書いたことがあるが、今シーズンの本田は、高校を卒業して名古屋に入ってから初めての「停滞」を感じさせた――むしろ高校時代の方が良かったのではないかと感じることさえあった――し、正直な感想として「このクラブ(名古屋)でこれ以上プレーしていても本田にとっては貴重な時間とともに失うものの方が多いのではないか」という疑念が浮かんでくることもしばしばだった。今シーズンの本田はそれぐらいに肉体的にもそして(むしろこちらの方が問題なのだが)精神的にも良いパフォーマンスを見せられていなかったし、ようやくその両面のバランスが取れ良い形を見せられたのが海外移籍という目標が見えてきた最終節の千葉戦だったというのはなんとも皮肉な結果だった。
 本田が試合に集中し切れていなかった要因はいくつかあると思う。五輪予選、A代表の合宿、そしてJリーグを行ったり来たりしていたことによる肉体的な疲労、チームの成績、やっているサッカー、周りの選手のレベル、そしてそれらを全て含めた意味で本田やクラブを取り巻く環境。本田にとって今の状況から抜け出してさらに高みを目指すためにはこの環境を変えるのが一番だという考え方は真っ当だ。
 過去二年間で中村や藤田(については藤田自身の衰えもあって)を追い抜いてしまった本田にとってもはや見習うべき(手本とするような)存在は名古屋には存在せず、名実ともに名古屋のNo.1日本人(フィールド)プレーヤーとなった本田はすでにアンタッチャブルな存在になりつつある。だが今シーズンメンタル面で試合に集中し切れていなかった印象のある本田にとってこの環境はマイナスにしかならない。例えばまるで実験でもするかのようなお気楽さで繰り返されたノーチャンスなFK。果たして本田はオランダのクラブに移ってもまだまるで練習の延長線上のような緊張感のないFKを試合の中で連発するだろうか。そんなシーンを見てもなおベンチやチームメートは本田にキッカーを任せるだろうか。観客は「次こそは」とブーイングせず暖かく見守ってくれるだろうか。マスコミは「悪魔の左足」だのなんだのと持ち上げてくれるだろうか。FKに限らずともしばしば相手の右SBのマークを離して独走を許した時、本田にモノを言える人間はピッチ内外を問わず一体何人いるだろうか。今の本田にはより試合に集中できる厳しい環境が必要だと俺も思う。

 もし名古屋が来シーズンも継続の名の下に同じことを繰り返すようであれば、俺は本田の海外移籍を全面的に支持していただろう。だがピクシーが監督に就任すること、その方向性として攻撃的なサッカーを打ち出していることで、本田にも僅かながら名古屋での伸びしろが生まれたのではないかと思っている。ピクシーから教えられること、その意図するサッカーの中で果たす役割――なんとなくピクシーなら本田を左サイドではなく右サイドで使うプランを描いていたと思う――を考えると本田のキャリアにとってそれは決してマイナスにはならない。来年はおそらく本人が当面の目標としている北京五輪もある。シーズン途中で海外のクラブへと加入することのリスクなどを考えても――おそらく本田と代理人はそのあたりもしっかり調査しているとは思うし、本田の持っている本来のメンタリティであればそれも乗り越えられるだろうが――俺は名古屋でピクシーのもとであと半年プレーすることも本田にとっては悪くない選択だとは思うのだが。

 とまあここまでは本田というプレーヤーに焦点を当てて移籍を考えてみたが、名古屋というチームからすればこれは大打撃。ようやく手にすることが出来た自前のスターを手放す営業面はもとより、本田がいなくなったら誰が中盤でボールを収めゲームをコントロールするのかという大問題が名古屋にはのしかかる。確かに本田はシステムによっては使い辛いプレーヤーではあり、単なる左サイドということで考えればマギヌンや渡辺、阿部(場合によっては片山)といったメンバーで事足りるが、ゲームを作れる中盤のプレーヤーが藤田ぐらいしかいないことを考えると、今の名古屋においては換えの効かないプレーヤーだけに来シーズンに向けたチームの不安は大きい。ピクシーにとってはいきなりの難問であり逆風だ。

 というわけで、みんながHappyになるためにも、本田には半年後に出来るだけ多くの勝ち点(出来れば移籍金も)を置いて海外に挑戦してもらうわけにはいかないだろうか。「北京経由オランダ行き」でお願いします。

■大分DF三木獲得
 三木と言えば湘南時代に瑞穂で地面スレスレのボールをヘディングでクリアしようとして思いっ切り地面と額でボールを挟み込むように「トラップ」してしまい、それを拾った福田(健二)にごっつぁんゴールをプレゼントした印象しかないが、バックアップも含めて即戦力のセンターバックは名古屋にとって間違いなく補強ポイント。ピクシーがどういったセンターバックを必要としているのか定かではないが、フェルフォーセンのように特異なタイプを求めていないのであれば、Jでの実績がある三木は十分に計算が立つ補強と言えるのではないだろうか。
 ちなみに、これで水本はともかく茂庭はなくなったと思っていいんですかね?

■ディドのコーチ就任
 GK王国の次はGKコーチ王国ですか?というのは冗談で、これは一年遅いなぁというのが正直な感想。少なくとも俺はS級を取得したディドが職探しをしているというニュースを一年前に見た時点で、セフ&ドワイトと選手、フロントとの架け橋としてディド招聘を熱望していた。一年前にディドを迎え入れていれば、セフ&ドワイトの遺伝子をより確実にクラブへと残すことが出来ていたであろうことを考えると、この一年間のロスはとてつもなく大きい。あとはおまけで、ディドと一緒にマイクも連れて来てヨンセンの間近でトレーニングさせれていればもう少しまともに成長させることが出来ていたのではないかという気がしないでもない。
 とは言え、このタイミングであってもディドが名古屋に復帰することに関して俺はかなりポジティブに捉えている。その最大の要因はディドのコネクションで、まずディドと言えば、何と言ってもかつて「ヒディングを長良川に呼んだ男」である。結局ヒディングは長良川で名古屋の試合を観戦した後帰国しオランダで代表監督のオファーを受けたことで名古屋監督就任は幻に終わったが、今ほどビッグネームではなかったにせよその時点で既にPSVやバレンシアなどの監督を歴任していたヒディングを日本にまで呼んでくるディドの人脈恐るべしである。
 またディドと言えば岡ちゃんだ。札幌、横浜FMで監督とGKコーチとしてともに働き、岡田日本代表監督誕生の際には三たびタッグ結成の噂もあった。ピクシー-オシムラインは幻に終わってしまったが、代表とクラブの距離が近いことは決して悪いことではないし、その意味でも代表監督とラインを持っているディドは名古屋にとって貴重だ。
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by tknr0326g8 | 2008-01-04 02:38 | Topics & Issues
【第4回 K.T.G AWARDS】
■Best Game  第27節 柏戦
 GWの日立台での借りをキッチリと返し、おまけに自ら望んで名古屋を出て行った古賀を前半のうちに退場に追いやったホーム(瑞穂球技場)での柏戦が今シーズンの当ブログ選定のベストゲーム。
 フェルフォーセン体制についてのレビューは改めて書くつもりだが、今シーズンの名古屋に最も欠けていたものは、攻撃(ひいては勝利)への意欲だったのではないかと俺は思っている。シーズンが深まるにつれて整備されてきた印象のあった守備面に比べ、互いのプレーに対する反応が鈍く、バックパスと最終ラインでの横パスがやたらと横行していた攻撃面は全くもって退屈で消化不良なままだった。もちろん長いシーズンの中では第22節の大宮戦のように5点を奪って大勝した試合もあったが、俺はそんな試合においてすらチームが積極的に得点を狙いに行く意識だとかそれに伴った昂揚感のようなものをピッチ上から感じ取ることは出来なかった。
 そんな中にあってこの第27節の柏戦は――前の節で神戸に屈辱的な敗北を喫したリベンジに燃える思いもあったのか――チーム全体が前へ前へとボールを運ぶ中でアグレッシブかつ有機的に連鎖し、今シーズン唯一と言ってよいスペクタクルなゲームを演出したのだった。そして新システム4-1-4-1が機能したこの試合のもうひとつの意味は、タレントの頭数だけは揃う中盤で攻撃的な特徴を持ったプレーヤー達がようやく適切なポジションで起用されたことと、コンディションが良い時でもフェルフォーセンに冷遇され続けた(この試合でも途中交代の憂き目にあった)玉田の卓越したキープとポストワークによってボールと人の動きに循環がもたらされたことにあるのではないかと俺は思っている。

 次点を(自分がLIVE観戦した中から)挙げるとすれば、一人少ない状況でロスタイムに失点という悲劇的な結末にこそなったものの、チーム全体が素晴らしいファイティングスピリットを発揮して格上の相手と堂々渡りあった第23節川崎戦だろうか。
 チームにとって絶対不可欠な主力(外国人選手)に怪我が相次いだ影響か、チームとしてのフレームが一向に向上する気配がなかったシーズン中盤~終盤の名古屋にとって、チーム力で自分たちを上回る相手に対抗する術は、相手チームとのガチンコのマッチアップを組んでそれぞれの局面において対面する相手を上回ることしかなかった。
 そして個々のプレーヤーが強い気持ちが必要となるこのやり方で選手達が期待に応えた川崎戦はあわや勝ち点3という試合を演じ、逆に相手に合わせず自分たちのやり方で試合を推し進めようとした翌節のG大阪戦は(一見個々の能力の差のようにも見えるが)これでもかというぐらいチーム力の差を見せ付けられ圧倒される結果となったのでした。

■Best Goal  玉田圭司(第34節・千葉戦)
 DFラインの裏へと抜け出してボールを受け、PA内で対応に来た佐藤勇人と対面してもなんら動じることなく、むしろコーンなどの障害物を避けてゴールへと蹴り込むゲームでもするかのように左足で簡単に流し込んだこのゴールは、玉田がその優れた技術をベースとして他の選手達とは一線を隔す特別なプレーヤーであることを証明したゴールだったが、同時に玉田圭司というプレーヤーを最もよく表現しているゴールだったのではないだろうか。
 玉田といえば一瞬のスピードで相手を抜き去りテクニックとパワーを併せ持った左足でゴールを陥れるイメージが強い。その意味ではW杯のブラジル戦のゴールなども玉田の特徴が出た良いゴールだった。しかしそれらはあくまで玉田というプレーヤーの表面的なイメージでしかない。もっと玉田というプレーヤーの本質を考える時、俺は玉田がことあるごとに口にする「楽しむ」という言葉がキーワードになると考えている。「楽しむ」という言葉に対する解釈は人それぞれで、玉田のそれはしばしば周りの人間を苛立たせる原因にもなるが――そしてそれはフェルフォーセンが玉田をスタメンから遠ざけた一因かもしれないが――このゴールのような形で玉田の「楽しむ」姿勢が発揮されれば、誰もがその凄みの前に沈黙せざるを得ない。

■Best Player  該当なし
 四年間で二回目の「該当なし」。
 他所の賞についてとやかく言うのは筋違いですが、ランクル賞はいつになったら「該当者なし」を出すんだろうか。どんなに成績が悪かろうが、持ち回りでお歳暮代わりに提供されるランクルに価値を見出せる人はほとんどいないだろうし、そうなるともはやこれはランクルの叩き売り・イメージダウン以外の何物でもないと俺は思うんだが。

■YOUNG PLAYER OF THE YEAR  阿部翔平
 昨シーズン左SBとしてデビューしながら、あまりに守備が脆く、デビュー戦の前半途中にして左SHの本田と前後の入れ替えを命ぜられていた阿部。その後はまるで罰ゲームでも受けるかのように練習試合などでもストッパーをやらされていたが、ここでともにDFラインを形成していた秋田による薫陶もあってか、今シーズン再びトップチームに帰ってきた阿部は守備面(特に1対1)で見違えるような成長を遂げていた。もともと左足なら何でも出来る阿部は――時として左足しか使えないと揶揄されたこともあったが――狭いスペースでも左足で自在にボールを操ることが出来、多少のプレッシャーではボールを失うこともないから、守備面さえ強化されればこれほど安心してみていられるプレーヤーもいない。おまけに鋭く正確なキックを武器に長短のパスを駆使して後ろからのゲームの組み立ても出来るとくれば、フェルフォーセンが重宝するのも無理もない話だった。
 今シーズンすっかりレギュラーに定着したことで、怪我などせず代表などさらに上を狙っていけるかどうか来シーズンこそが阿部が真価を問われるシーズンになるだろう。だが俺は正直なところ攻撃面・守備面ともに本田との左サイドでのコンビが決して良くなかったことが阿部にとってはネックだと思っていたので、本田が抜けることが濃厚な来シーズンは実は阿部にとっても飛躍のシーズンにする最大のチャンスかもしれない。
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by tknr0326g8 | 2008-01-03 01:31 | K.T.G AWARDS