Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J1 2008 第27節 vs浦和 @スカパー
 ほんの数年前まで中村直志は浦和キラーと呼ばれていた。2003年の2ndステージで優勝目前だった浦和を相手に勝ち越しとなるヘディングゴールを叩き込んだのも、翌年豊田スタジアムで都築が一歩も動けなかった大空翼顔負けのドライブシュートを含む2ゴールを決めたのも、その年のナビスコカップ準決勝で4失点を喰らい完敗を喫したチームにあってドリブルからのシュートを決めて一矢を報いたのも中村直志だった。かつて中田英寿がユヴェントス戦になると決まってゴールを記録したように、浦和戦はいつも中村がゴールを決めてくれそうな雰囲気が漂っていたものだ。

 大混戦のJリーグ、残り8試合となった段階で迎えた首位攻防戦で口火を切ったのもそんな中村の雨天を切り裂くようなミドルシュートだった。シュートは都築に阻まれたものの、それは立ち上がりの名古屋イレブンに活気を与えるには十分で、試合序盤は名古屋のペースになった。
 浦和は今シーズン三度の対戦の対戦でいずれも大敗を喫している反省からか、名古屋のサイドアタックを封じるために両アウトサイドが3バックの脇まで下がってポジションを取りボランチと挟み込むような対応をすることが多かった。これによって名古屋のサイドアタッカーに自由を与えず、また3バックがサイドに引っ張り出されずに済むことでアーリークロスに対してもペナルティエリアの中で万全の対応が出来る。しかしこれではゴール前を固めることは出来てもなかなかセカンドボールを拾えないしパスをつないで攻撃に転じることが出来ないのも事実で、名古屋にとってはゴールへと近づくことは出来なくても危なげない試合展開だった。
 試合展開が変わってきたのは20分過ぎ。浦和の攻撃を担う3人のプレーヤーが名古屋ディフェンスの泣き所であるDFラインとボランチの間のスペースでボールを受けるようになり、そこにボールが収まることで後ろからどんどんと押し上げが可能になってきた。こうなるとただでさえ玉田の守備に全く期待が出来ない名古屋の中盤でのディフェンスはいつも以上に「後追い」度合いが増してくる。中盤でボールを動かされて受けに回ると弱いのが今シーズンの名古屋の特徴だ。中盤とDFラインでマークの受け渡しが不明瞭になる悪癖が顔を覗かせ始めた名古屋に対し、一人一人が力を持っている浦和のアタッカーがこの隙を逃すはずはなく、高原にフリーで抜け出されて決定的なシーンを作られたかと思えば、下がってボールを受けた高原に前を向かれてペナルティエリア近辺まで独走を許し、そこを起点としてエジミウソンのゴールを決められてしまった。

 少し嫌な雰囲気を持ったまま迎えた後半、しかし開始早々にその雰囲気を断ち切ったのは小川と巻のホットラインだった。チームに勢いを付けるにはもってこいの若手プレーヤーによる電光石火のゴールが決まって盛り上がる名古屋に対して、浦和はやはり過密日程が響いてか後半かなり早い時間帯から足が止まり始めた。こうした展開になると生き始めるのが玉田だ。広く開いた中盤のスペースでボールを受けるやスリッピーなピッチを泳ぐように(どことなくアメンボっぽいドリブルで)進んでいく玉田は文字通り水を得た魚。正直なところ前半のようなガチンコ状態での玉田の左SH起用は成功だったとは言えないと俺は思っていて、それはどことなくシーズン前にマギヌンがドリブルのし過ぎだとピクシーから注意を受けたことを連想させる。もちろんこのチームで玉田が左SHでプレーするのは初めての経験であり仕方のない部分はあるものの、玉田は意外と不器用なタイプなのかもしれないと思いながら俺は試合を観ていた。しかし中盤でスペースが空いてくればサイドハーフではなくトップ下としての玉田が輝きを放ち始める。ピクシーはこの後ヨンセンを外して杉本を投入し、巻、玉田、杉本の3トップっぽい形にしていたが、玉田を敢えて前線に出さずにトップ下に置いた4-2-3-1のような形にしていれば玉田の良さはもっと生きていたかもしれない。

 そしてやはりこの試合を語る上で欠かせないのが中村直志。浦和という対戦相手、そして大観衆を前にした中村の感覚は研ぎ澄まされていた。滅多に見せないペナルティエリア内への侵入(フリーランニング)を絶妙のタイミングで試みたかと思えば、攻め上がったバヤリッツァが空けたスペースを自然と埋めていた場面に代表されるように気の利いたポジショニングでカウンターを防ぐ場面もあった。浦和の選手達の動きが特に後半鈍っていたこともあるが、攻守において中村の判断はいつもの二割増しで速く、そして中村自体の動きもいつものように後半落ちることはなかった。中村が常にこれぐらいのパフォーマンスを維持できればチームの安定感も増すことは間違いないのだが。
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by tknr0326g8 | 2008-09-30 01:30 | Game Review
J1 2008 第26節 vs千葉 @フクアリ
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 まさか東京でユースとトップチームの試合をハシゴ出来る日が来ようとは思いもよならなかったが、ユースの余勢をかって向かったフクアリで待っていたのは「落胆」以外に表現しようがない試合だった。残留争いを繰り広げる菜の花色のチームに対して交通事故のような小川のゴールを除いてほとんど何もさせてもらえなかった名古屋には、どうやらかつての名波発言を根に持って磐田の降格を望んでいる人間がいるようだ。

 マギヌンの不在がことのほか大きく感じられる試合においてつい最近まで名古屋でマギヌンのバックアップ的な役割を務めていた深井に決勝ゴールを叩き込まれたり、ハーフタイムにたっぷりと時間を取って主審に促されながら出て来た割には後半開始早々にたて続けに失点を喫して逆転を喰らったりといったシーンにも象徴される通り、名古屋にとってはチグハグさが目立つ試合だった。前の試合から中二日ということで名古屋がこの試合に向けて十分な準備が出来なかったであろうことは十分に予想されるが、マギヌンの負傷離脱という一大事に際してチームが一丸となってその穴を埋めようという危機意識はあったのか、チーム状態の悪い新潟に快勝しただけで問題点がうやむやになっていなかったか、流れとは関係なく決まった小川のゴールで今日も行けると安易に考えていなかったか。決して油断してわけではないだろうが、チーム全体がなんとなく試合にそして後半に入ってしまったような気がしてならない。
 例えばマギヌンのポジションにそのまま入った杉本。前節マギヌンが負傷退場した後の形をそのまま持って来たと考えればこの起用は真っ当だが、この試合について言えば杉本は前半で交代させられてもおかしくないくらい前半全く仕事が出来ていなかった。必ずしも杉本はマギヌンと同じ仕事をする必要はないが、それでも杉本が特徴を発揮できていたかと言えば答えは「NO」だ。しかしそんな状態にも関わらずベンチには杉本と交代出来そうな選手が控えておらず、同時に普段の杉本が果たすような役割を担える選手もいなかった。これは明らかに準備不足と言われても仕方ない。
 また千葉のミシェウを中心にいつものごとくかなり自由にバイタルエリアを使われていた中盤の守備。二失点目にしてもボランチの位置から上がってきた下村が何のプレッシャーもないままペナルティエリア内の谷沢にスルーパスを通している。プレーの質を動きの量でカバーするような今のWボランチのプレースタイルは、日程が詰まってくれば必ず精度が落ちるし、中盤でのパス回しに優れたチームや圧倒的な技量を持った選手に対してそれは簡単に無力化してしまう。今日の試合では改めてそれが浮き彫りになってしまった。次は再び短期間のインターバルで行われる浦和戦。「バイタルエリアの王様」であるロブソン・ポンテを相手にWボランチを中心として名古屋の中盤はどこまで対処できるのか。相手の方が過密日程(中三日)とは言えそろそろ真剣に対応策を考えた方がよさそうだ。
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by tknr0326g8 | 2008-09-24 00:12 | Game Review
高円宮杯 準々決勝 名古屋U-18×横浜FMユース @西が丘
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 第一試合に比べると両チームともにゴール前でのシーンが少なくどちらかと言えば慎重さが目についた試合は、終始名古屋がボールをキープしていた前半とは打って変わって、横浜の反撃にさらされ始めた後半になって、右サイドを駆け上がった金編からのクロスを胸トラップで受けたアルベスがそのまま抜け出して右足を振り抜き先制。そのまま1-0で三年連続となる国立への切符を手にした。

 試合を通して印象に残ったのはバックスタンドまで聞こえてきた朴監督の指示。この試合では攻守の切り替えに関する指示が多かっが、一点をリードした終盤になってもコーナーキックで最終ラインの西部や岸光に上がるように促すなど、最後までもう一点を奪いに行く姿勢を貫いていた。また朴監督がなかなか行わない選手交代も、観ている側としてはいつもハラハラするが、この状況を乗り越えた選手達は試合を通じて精神的にひと回り成長し強くなるに違いない。朴監督もおそらく目先の勝負よりもそのあたりを選手一人一人に期待しているのだろう。

 試合は特に前半は名古屋がボールをキープしてゲームをコントロールする展開。全体が自陣へと引いて守備ブロックを作っている横浜に対して名古屋は最終ラインを中心にボールを回しながら前線へとボールを入れるタイミング伺いながら試合を進めていた。第一試合で浦和が見せたサッカーと比べるとダイナミックさに欠けている面はあったものの、受けに回ると弱いがボールをキープして攻めに回れば強みを発揮する岸寛と小幡の軽量級コンビをWボランチを据えた新システムを採用する名古屋からしてみれば、これは狙い通りの展開と言えるかもしれない。受けに回ると弱いのなら受けに回る時間を減らせばいい。相手ボールの状態で身体を張って守るのではなく、自分たちでボールをキープして守ればいい。
 ただ自陣で網を張って守る横浜を前にして、名古屋はなかなか横浜のゴール前まで辿り着くことが出来なかったのも事実だった。こうなるとやはり気になるのは右SHに入っている磯村の使い方で、この試合でも囲まれながらも何度か個人技で右サイドを突破する場面を作った磯村だったが、このチームで最も能力が高く攻撃の核となり得る磯村をポジション含めてどう有効活用するかは重要な問題。夏のクラ選から安定して力を発揮している奥村情とここにきてゴールを量産し始めたアルベスの2トップに牽引される名古屋の攻撃が、相手チームを圧倒できるほどに迫力を増せるかどうかは磯村にかかっていると言っても過言ではない。

 試合を通じて気になった選手は小幡。一年生ながらこの大会でレギュラーとして起用されているこのひと際小柄なテクニシャンは、正確なパスと重心の低いドリブルでボールを前へと運ぶ力に優れているが、これまでの試合ではどちらかと言えば受けに回るシーンの方が多く、そうした攻撃面での特徴よりも守備面でフィジカル的に後れを取っている印象の方が強かった。しかしこの試合では球際の競り合いにも強さを見せ、磐田戦に続き大会を通じての確実な成長を感じさせた。小幡自身にとってこの大会は勝ち上がるごとにかけがえのない経験となっているだろうが、チームにとっても来年、再来年を見据える上で彼の成長は大きなアドバンテージとなるに違いない。
 あとは出場時間が短すぎてあまり参考にならないがすっかり逞しくなった感じのした三浦俊。左サイドの矢田を除けば三年生と一年生によって構成されるチームにあってやや影が薄い感のある二年生だが、やはり攻撃面で特徴のある三浦俊が矢田に代わって投入された後に見せた力強いディフェンスは今後に向けても明るい材料と言える。前線で(アタッキングサードで)やや停滞気味だった攻撃を見ても、彼のようなスピードのあるサイドアタッカーがこの先の準決勝や決勝で大きな仕事をやってのける可能性も十分にあるだろう。
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by tknr0326g8 | 2008-09-23 16:19 | Youth
高円宮杯 Round16 名古屋U-18×磐田ユース @藤枝運動公園サッカー場
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 関東在住者の特権とも言うべき高円宮杯をまさか藤枝で観る日が来ようとは、俺はこれまで想像すらしていなかった。しかも今回の対戦相手は磐田ユース。一瞬プリンスリーグ東海かと思い違いしそうになるが、逆に言えばプリンスリーグ東海で優勝を争い最終節で引き分けている磐田との対戦は、夏のクラ選や高円宮杯のグループリーグを通じてチームがどれくらい成長したのかを計るよい機会でもある。

 試合はともに手の内を知っていることもあってか序盤は落ち着いた立ち上がり。というより磐田がまるで眠っているかのように静かだった。そしてそんな磐田に対して、駒場でピッチコンディョンに悩まされていたのが嘘のように生き生きとしたプレーを見せる名古屋はコーナーキックからアルベスが立て続けにゴールを奪ってあっという間に二点のリードを奪うことに成功。その後前半終了間際に磐田の松井に鮮やかな直接FKを決められて一点差に追いつかれた時には少し嫌な雰囲気もあったが、後半立ち上がりの磐田の猛攻を凌ぐと、左サイドからドリブルで攻め上がってきた本多がペナルティエリアへと侵入して自らシュートを蹴り込み試合を決めた。守備では時々不安定なところを垣間見せることもある本多だが、彼本来の特徴とも言える攻撃的な能力を解き放ったとも言える魂のこもったオーバーラップ、そしてシュートだった。

 この試合名古屋で目立っていたの矢田。その存在感は二得点を決めたアルベス以上だったと言っても決して過言ではない。キックオフから再三に渡って左サイドで勝負を仕掛け鋭い突破を見せていたかと思えば、守備に回ると(特に終盤には)それと同じぐらい1対1で振り切られてサイドを破られたりと、この試合の名古屋の左サイドはとても賑やかだった。俺は矢田の潜在能力はトップチームの阿部に勝るとも劣らないものがあると思っているが、そう言えば阿部のプロ一年目の頃もサイドを破られまくっていたなぁという感傷がふと頭をよぎった。そしてトップチームでは替えがきかないパーツと言われる阿部の後継者していつの日か矢田が瑞穂のピッチに立つ日が来るかもしれない。

 グループリーグから見ていて、もうひとつ俺にとって気になるのはやはり4バックの完成度。しかし立ち上がりから磐田の攻撃が名古屋DFラインの裏を狙ったものが多かったためか、名古屋は両サイドバックがスルーパスで裏に抜け出されないようにと、いつしかかなり内側に絞ったポジションを取るようになり、3-5-2の布陣を敷く磐田の両アウトサイドが上がってきた時には磯村と矢田が対応することで、押し込まれている時間帯は実質6バックのようなフォーメーションになってしまっていた。3バックで両アウトサイドが下がって5バック気味になることは去年のチームでも稀に見られた光景だが、4バックでこれをやってしまうと中盤でセカンドボールを拾ったりボールホルダーに寄せたりするのが実質岸寛と小幡の二人だけになってしまい、時間とともに名古屋が中盤で後手を踏むことが多くなってしまったのも当然の成り行きだった。GK岩田敦による再三の好セーブなどもあってなんとか磐田の反攻を凌いだ名古屋だったが、4バックについてはまだ改良の余地があると言えそうだ。
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by tknr0326g8 | 2008-09-21 18:07 | Youth
J1 2008 第25節 vs新潟 @スカパー
 前回の対戦(7/5・第15節)では名古屋の弱点であるDFラインと中盤とのギャップを徹底的に突く作戦がハマって1-2と名古屋を沈めた新潟。この試合でも全体を通じてのパフォーマンスは低調だったが、攻守に渡ってスカウティングの成果と思われるようなシーンはいくつか見受けられた。

 まずは守備。キックオフと同時に前線から積極的なディフェンスを仕掛けてきた新潟だが特に目立ったのは名古屋の左SB阿部に対しての厳しくチェック。試合前からピクシーが要注意選手として挙げていた10番(マルシオ・リシャルデス)と対面していたことに加え、相手から標的にされていたとあっては、前半の阿部があまり攻撃に絡まなかったのも無理のない話だった。そして阿部を経由しない名古屋の攻撃がなかなか形にならないのも今や周知の事実となりつつある。吉村と中村のWボランチのゲームメークに対する関与度が低い名古屋では起点となるパス出しをしているのはほとんど阿部であり、阿部がゲームを作っていると言っても過言ではない。但し名古屋もただ手をこまねいていたわけではなく、この試合では玉田が中盤に下がって攻撃にリズムとアクセントを付ける仕事を積極的にこなしていた。

 次に挙げられるのはセットプレーだ。コーナーキックの時の名古屋のディフェンスはご存知の通りゾーンディフェンスで、人の配置はゴールマウスの中に立つフィールドプレーヤーが二人(阿部と小川)、そして肝となるゴールエリアには四人の長身選手、さらにその前方のスペースをカバーする中村と吉村という三層構成になっている。ベンゲル流とフェルフォーセン流をミックスしたような守り方だが、シーズン開幕当初と比べるとマイナーチェンジが加えられていて、開幕当初はゴールエリアを守る4人が等間隔にラインを作るように並んでいたが、シーズン途中からはヨンセンがニアサイドから入って来るボールを塞ぐように立ち、

向かって右サイドからのCKの場合、

             バヤリッツァ    増川   竹内

    ヨンセン

               │ゴール│
                 ̄ ̄ ̄
のようなカギ型になっている。ゾーンで守るチームがニアサイドに一人を立てるのは非常にオーソドックスな手法だが、今の名古屋ではこの並びにおけるヨンセンとバヤリッツァのギャップこそが最大の死角となっている。清水戦でも後方からこのスペースに走り込んできた西澤に二度ほどフリーで合わせられてヒヤリとした記憶があるが、新潟もこのスペースを狙ったキックが目立っていた。

 ただ新潟に関して言えば名古屋のことを意識しすぎて逆にバランスを崩していた面もあった。DFラインがヨンセンのケアに集中力し過ぎるあまり後ろから入り込んでくる相手に対して不安定なところを見せており、特に玉田などはかなり自由にプレー出来ていた。上でも書いたようにこの試合では玉田のポジションがいつにも増して中盤寄りで上手くつかまえ切れなかった面はあるにせよ、前線ではヨンセンを抑えれば名古屋は止まるという思いが結果的にはアダになった格好だ。

 一方の名古屋は前半は単に阿部を抑えられた影響かそれとも首位に立つプレッシャーからか、全体的に慎重でやや迫力を欠く攻撃に終始していた感があるが、後半になると両SBも上がりも頻繁に見られるようになった。ボックスの中でヨンセンが徹底マークを受けている分、SBが深い位置まで侵入してからのクロスボールで決定機を演出というシーンこそなかったものの、この試合ではSBのオーバーラップにより攻撃に深みを作っておいてバイタルエリアからのミドルシュートという展開が目立ったのが特徴と言えるだろう。あとはそのミドルシュートがせめて枠に飛んでくれれば文句はないのだが。

 そんな中試合を決めたのはまたしても小川だった。前節のG大阪戦での決勝ゴールに続き、この試合でも一得点一アシストと結果を残した小川は攻撃の最終局面において確実に相手に脅威を与える存在になってきた。そこでのプレーはもはや代表に入ったとしても何ら不思議ではないレベルにある。ただそこに至る過程でのプレーではまだまだ細かいミスも多く課題や改善点がある(この試合では少なかったが・・・)のも事実で、前回の代表候補合宿で「候補」の二文字が取れなかったこともまた納得の結果だったと俺は思っているが、今後チームとともに成長して押しも押されぬ代表プレーヤーになって欲しいと願っている。
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by tknr0326g8 | 2008-09-21 01:46 | Game Review
高円宮杯 名古屋U-18×浦和ユース @駒場スタジアム
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 一昨日の横浜FMユース戦を観ていない俺にとって、この試合は名古屋の新しいフォーメーション(4-4-2)が一週間前の青森山田戦からどれぐらい成熟度を増しているかが一番の注目ポイントだった。しかし結論から言えば、チームはまだこのフォーメーションでの戦い方を消化仕切れていない印象。フィルターの掛かっていない中盤でスペースが空いたところを山田直樹に鮮やかなミドルシュートを叩き込まれて先制されたシーンはまさしくその象徴だったし、攻撃も時々パスがつながって良い形が出来るものの、それらも試合全体の流れの中では単発でしかなかった。

 ただこの試合に関しては、戦術以前の問題として名古屋は玉際の激しさで浦和に大きく劣っていた。そしてそれが試合展開やスコアにもそのまま反映された格好だ。そして浦和の選手達は単に激しいだけでなく手の使い方なんかも上手い。必然的に局面でのボールキープやセカンドボールで優位に立った浦和は、試合終盤になると前線でDFを背負った選手がトリッキーなプレーを見せて地元スタンドの観客を沸かせたり、ペナルティエリアの中で二人のDFに囲まれながら原口が強引に突破してスーパーゴールを決めたりとほとんどやりたい放題だった。
 まあそうでなくてもサイドバックをやり始めてまだ日が浅い一年生の金編と、同じく一年生のCB岸光のコンビには原口とのマッチアップはまだちょっと荷が重かったかもしれない。朴監督がこの大会から4バックを採用している理由のひとつは、この二人の一年生をDFとして使える目処が立ったことに起因していると思われ、優れたフィジカルを持つ金編と一年生とは思えない冷静な対応を見せる岸光なら原口に対しても十分に対応できると俺も思っていたが、原口のレベルはそれ以上だった。それでももっと激しく当たるなど対応策はあったとは思うが、金編にはこれで自信を失わず糧にしていって欲しいところ。名古屋ユース期待のルーキーである金編が将来的にどのポジションに落ち着くのかは分からないが、クラ戦そして高円宮杯で宇佐美、原口といったこの年代のトッププレーヤーとマッチアップした経験は今後の彼の成長に向けては大きな財産になるはずだ。

 初戦の横浜FMユース戦を見た時にも感じたことだが浦和は非常にバランスがいいチームだ。フォーメーションはバルサ型の4-3-3だが、ありがちな「形から入った」のではなく選手の特徴がフォーメーションととても良くマッチしている印象。全体も間延びすることなくコンパクトにまとまっている。高橋峻希が仙台カップに召集されているものの前線には隙がなく中盤の底に入る長身の5番の選手も効いている。グループでの守備戦術も徹底されているのでまともに中盤から入っていってもあっという間に囲まれて潰されてしまう。名古屋はこの試合でアルベスのポストを軸とした攻撃がほとんど出来なかった。
 一方で、これは去年の高円宮杯から何試合か観ている中で感じたことでもあるのだが、浦和のDFラインはどことなく対応がもっさりとした印象を受けることも多く、名古屋としてはもっとシンプルに前線にボールを運んでDFラインにプレッシャーを掛けられれば勝機はあったかもしれない。事実アルベスとのワンツーから3人ぐらいのDFを置き去りにして奥村情が決めたゴールは敗戦の中に光明を灯すような鮮やかなゴールだったし、その意味では名古屋がアルベスに2シャドーを付けた定番の3トップをやめてしまったことやフィジカル的に完成している鈴木を使い切れていないことはマイナス材料だったかもしれない。

 横浜FMユースが青森山田に勝ったことで、名古屋はグループ2位での決勝トーナメント進出が決まった。正直攻撃も守備も今ひとつフィットしていない今の4-4-2をどこまで引っ張るのかは非常に気になるところだ。去年のチームも3バックと4バックを併用していたが、前線の形(3トップ)を代えなかったことで攻撃には核になる形があったし、4バックの時には西部が一列前に上がってアンカーを務めることで守備に安定感をもたらしていた。そのあたりの積み上げがが今年の4バックにはまだ欠けている。
 また名古屋は駒場でのグループリーグ二試合を通じてピッチ状態にも悩まされていた。元々粘土質と言われる土壌に加えて芝の状態も良くないピッチで名古屋の選手達は終始プレーしづらそうだった。もっともピッチ状態は両チームにとって平等で、もし駒場のピッチ状態が良ければ原口のプレーもおそらくワンランク上がっていたわけだが、決勝トーナメントを機に切り替わるベニューで心機一転良いパフォーマンスを取り戻して欲しいところだ。
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by tknr0326g8 | 2008-09-15 15:38 | Youth
ナビスコカップ 準決勝・2ndレグ vs大分 @スカパー
 1stレグを終えて大分に「半歩」のリードを許した名古屋。国立の舞台へ進むにはこの試合で得点を挙げることが最低条件だった。しかしサブメンバーの名前を見て俺は我が目を疑った。GKの広野、DFの三木、吉田、MFの山口K、藤田、米山、そしてFWの巻という7人のうち、攻撃のオプション足り得るのは巻と百歩譲って藤田ぐらいで、よりによってCBに二枚のスペアを用意するという判断は、バヤリッツァか増川のどちらかがコンディションに不安を抱えていたこと以外に理由が思い付かない。そして案の定得点を奪えないまま時間だけが経過していく試合展開で、ピクシーが打った手はと言えば、巻に続いて吉田までをも前線へと投入するサプライズ人事。ボックス内に並ぶ三枚の長身センターフォワードとそこを狙ったサイドからの徹底した放り込みは、これまで名古屋が実践してきたサッカーを考えても異形そのものだった。

 この試合で失点しなければ負けない大分のフォーメーションも斬新だ。数字で表現するなら3-1-5-2とでも呼ぶべきフォーメーションは、三人のDFがしばしばGKを飛び越してゴールマウスの中までカバーに入り、1stレグに続いて名古屋の得点機会をことごとく阻んだ。モダンフットボールにおいて11番目のフィールドプレーヤーとしてリベロ的な役割を求められるのはGKの宿命だが、GKが「手を使えるストッパー」として存在しているのは大分ならではだろう。

 そんな大分のディフェンスを打ち破るために名古屋(ピクシー)が打った手は、先に書いたトリプルタワーへの放り込みだけで、交代枠も結局一つ残したままで試合終了のホイッスルを聞くことになった。最後はウェズレイも金崎も下げて守りに入った大分に対して、この攻撃はほとんどセットプレーであり、いいキッカーがいれば・・・(いいボールが入れば・・・)というピクシーの見識は至極正しい。だが完全な結果論だが、俺なら敢えて山口Kを投入していただろう。それは吉田麻也や巻の代わりにであってもいい。ヨンセン、吉田、巻のトリプルタワーは圧倒的な高さがあり大分DFに脅威を与えていた。しかし同時に大分DFはその攻撃に慣れていた。それに特化した対応策を普段から積んでいたと言っても過言ではない。であるとすれば、ゴール前で必要なのは高さに対して変化を与えられる選手で、希代のワンタッチゴーラーとしての才能がある山口Kにはそれが出来る。山口Kなら、この時間帯の小川よりも思い切りよくボックスへと飛び込んで行き、巻よりも速くこぼれ球に反応し、杉本よりも正確にシュートをゴールへと流し込むことが出来る。02年のナビスコカップ・浦和戦でいきなり2ゴールの衝撃デビューを飾ったこの男の埋もれた才能を侮ってはならない。

 名古屋にとっては、大分に1点を奪われようが奪われなかろうが、得点を挙げないことには次へ進めなかったので、ウェズレイにゴールを許したこと自体はさほど問題ではない。しかし1stレグのレビューでも書いた通り(というかこれまで何度も書いてきた通り)「ミドルシュートが芯に当たればアウト」という名古屋にとっての現状をウェズレイはものの見事に暴いて見せた。このシュートは事故でもなんでもなくあくまでも必然だが、(名古屋ファンならご存知の通り)毎年夏場になるとコンディションが上がってくるウェズレイとこのタイミングで出会頭に当たってしまったことは名古屋にとって事故であり明らかにアンラッキーだった。事実この二試合でのウェズレイは二つのゴールを含め全盛期を彷彿とさせるようなキレを随所に見せていた。

 今シーズンを最後に引退すると言われている36歳のウェズレイは、名古屋にクラブ史上初の得点王誕生という歴史をもたらしながらも、名古屋のファンからは(特に晩年)その貢献度に見合わない冷遇を受けた報われないJ最強ストライカー。俺としてはそんな彼の最後の花道をぜひともナビスコカップ優勝という栄誉で締めくくって欲しいし、その祝福と餞別に国立まで馳せ参じても良いとすら思っていたが、戦い方が守備的なこと以前に(「劇団ひまわり」にでも入った方がいい森重を中心として)「鹿島化」しつつある大分というチームに対して素直にそういう(応援する)気にはなれないのがなんとも残念だ。
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by tknr0326g8 | 2008-09-09 01:57 | Game Review
高円宮杯 名古屋U18×青森山田 @駒場スタジアム
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 45分ハーフを戦うには少々過酷な気象条件下でのキックオフとなった今年の高円宮杯開幕戦。名古屋はこの大会に四年連続での出場。しかも今年はプリンス東海を初めて制して堂々シードを獲得している。

 名古屋のスタメンはGKに岩田、DFは右から金編、岸光、西部、本多。中盤は右から磯村、岸寛、小幡、矢田。2トップにアルベスと奥村情という4-4-2を採用していた。クラ選のグループリーグ二試合を観た時には一貫して3バックを採用していて、その時と比べてメンバーも一年生の加藤翼一人しか変わっていないので、これはなんらかの戦術的な意図があってのものなのだろう。
 しかし結果から言えば、このチャレンジはまだ実を結ぶレベルにまでは至ってなかった。試合開始から2分ほどで小幡のスルーパスからアルベスが抜け出してシュートを放った(飛び出してきたGKがブロック)時にはこのシステムが可能性を秘めるファンタジーの片鱗を見た気がしたが、熟成していない守備組織はDFとDFの間を狙って走り込んでくる青森山田のアタッカーの受け渡しに最終ラインが戸惑い、何度も単純なタテパス(ロングボール)でラインを破られそうになっていた。なんとかはね返しても中盤のバランスが悪くセカンドボールを拾えない。攻撃もクラ選の頃と比べてアルベスがボールに触れる機会が増えたのは好材料だが、組み立ての途中でボールを奪われることが多く単発なものに終始していた感は否めなかった。
 給水タイムを挟んで前半25分頃にはそれまでほとんどボールに触れていなかった磯村とトップの奥村情の位置を入れ替え、後半も中頃になると奥村情を前線に戻して岸寛を右、磯村を中へと移動させていたところを見ても、朴監督もまだこのやり方については試行錯誤している段階なのかもしれない。ただその判断は試合展開を見る限りいずれも理に適った真っ当なものだった。まあ苦しみながらも粘り強く戦って接戦をモノにするのはこの大会における名古屋の定番であり、ある意味それは名古屋のペースとも言えなくはないんだが。

 0-0というスコアは、これが普通のグループであれば初戦の結果として決して悪くはない。チームのコンディションがまだピークに達していないことを考えればなおさら。しかしこのグループAはプリンス関東二位の横浜と同三位の浦和が同居する激戦区。ここでキッチリ勝ち点3を取れなかったことが後々に響かないことを願うしかない。あとは今日の試合で三度の決定機を迎えながらいずれもGKの好セーブに阻まれたアルベスの今後の試合での爆発に期待。
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by tknr0326g8 | 2008-09-07 16:59 | Youth
ナビスコカップ 準決勝・1stレグ vs大分 @スカパー
 1-1という結果は、HOME&AWAYを90分ハーフの試合と考えれば、前半を終えて0-1という状況に等しい。海外の真似をして導入したAWAYゴール方式には、日本でそれを行ったところでスコアによる勝ち抜けシミュレーションを行う「ゲーム性」以外にこれといった利点はないが、その是非についてこの際とやかく言っても仕方がない。とにかく名古屋は次のAWAYゲームで、勝つにしろ引き分けるにしろ得点を奪わないことには国立のFINALへと進むことが出来ない。

 この試合まず驚いたのは杉本ではなく巻が先発しヨンセンと2トップを組んでいたこと。ヨンセンと巻の2トップは少なくとも俺の中ではタブーだ。プレシーズンマッチからこの二人が同じピッチに立ったことは何度かあったが、いずれも動きが被ることが多く1+1が2どころか1.5ぐらいの効果しか生み出せていなかったのが実際のところだった。以降俺はスクランブルな状況を除いてこの二人を同時にピッチに立たせることに対して否定的な考えを持つようになっていた。
 ピクシーにしても基本的に考え方は同じだったように思う。例えばリーグ戦第15節の新潟戦。相手に一点のリードを許した状況でピクシーは玉田に代えて巻をピッチへと送り込みヨンセンと2トップを組ませた。緊急時のオプションとしてこれはアリだ。そして狙い通り同点に追い付いた後ピクシーはヨンセンを下げるという判断を下した。その後新潟に決勝ゴールを奪われて敗戦を喫したこともあり、この(ヨンセンを下げるという)判断について否定的な意見をいくつも目にしたが、俺はこの時のピクシーの判断は至極真っ当なものだと思っていた。ヨンセンと巻の2トップはあくまでもスクランブル態勢なのだから、同点に追いつくというミッションを果たした時点でこの態勢は当然解かれるべきものだ。新潟との力の差を考えても、残りの時間に敢えてリスクを冒してスクランブル態勢を継続するよりも普通にプレーした方が勝算は高い。
 もうひとつ巻の起用を見ていて感じるのは、ピクシーの巻への信頼が高まっていること。それはヨンセンに対してほどではないにせよ、間違いなくそれに近付きつつある。実際、大学時代~入団当初はディフェンダーが試合終盤にパワープレーで前線に上がっているかのようだった巻のプレーぶりも最近は随分とFWらしいそれになってきて、ヨンセンが休養や身内の不幸による帰国など欠場しがちだったナビスコカップのグループリーグでは突破に大きく貢献していた。そんな中からピクシーは巻への信頼を高めていったのだろう。
 と、前置きが長くなったが話を戻して、この試合の頭からピクシーがヨンセンと巻の2トップを採用してきたことに俺はかなり意表突かれた。しかしここにもピクシーの確かな読みは存在していた。大分は全体が引いてスペースを消し守ってくる。そこには杉本の生きるスペースはない。そして巻。ピクシーからの信頼が高まっていることに加えて、この試合ではヨンセンと巻の動きが被ることがほとんどなかった。このコンビネーションの改善が万全の準備として最終的にピクシーの背中を押したのだと思う。相手や状況にもよるが、この2トップによるスタメンは今後も増えていくかもしれない。巻にはヨンセンと同じピッチに立って少しでもその良さを吸収してもらいたい。

 そんなわけで、この試合の名古屋は大分を真っ向から力でねじ伏せにかかった。これには俺も賛成。名古屋は戦力的に見ても大分を上回っていると思うし、何より大分を力でねじ伏せられなくて、来週のリーグ戦やもしかしたらナビスコの決勝でも対戦するかもしれないガンバに勝てるはずがない。リーグ戦とナビスコという二つのタイトルを目指すチームにおいてガンバは避けて通れない大きな壁。こんなところで足踏みしているわけにはいかなし、ここで躓くぐらいならはなから無理だったと諦めるしかない。

 とは言え、AWAYの大分戦は難しい試合になるだろう。大分は0-0なら勝ち抜けという状況であり、それは大分のアイデンティティそのものだ。人数を掛けて自陣ボックス近辺のスペースを消し、いざとなればファールで止めることになんの躊躇いも恥じらいもない大分のディフェンスを破ることは簡単ではない。名古屋は小川が1stラウンドのように細かいミスを連発してたり、竹内がオーバーラップを躊躇っていては勝利を手繰り寄せることは難しい。
 そしてヨンセンと巻のコンビとは対象的に全くコンビが出来ていなかった米山と吉村のWボランチの出来も極めて重要。ボランチの位置でボールが収まりゲームをコントロール出来る米山を俺は買っているが米山と吉村のコンビの出来は最悪だった。普段中村と二人で中盤の広いスペースを奔走している吉村は、そのランニングが最終ラインや他の中盤のプレーヤーと全く連動していない(その意味で全く組織的でない)が、中村が欠けたこの試合ではそれが一層際立った。元々1対1に強いタイプではなくボール奪取能力も極めて低いので、一人ではいくら中盤を走りまくってもボールに触ることすら出来ない鳥かご状態。米山とのポジションバランスも悪く中盤にはいつにも増して大きな穴が空いていた。大分は金崎を中心に徹底的にそこを狙って来る。ロングボールを蹴ってセカンドボールを拾うとミドルシュートを連発。一発でも芯に当たればゴールという寸法だ。これを回避するためには米山をアンカーにしてその前に小川と吉村(か山口K)を並べるような形が理想だろうが、2ndレグに向けて中村の復帰はあるだろうか。俺は中村と吉村による質(技術や戦術)を量(走り)でカバーするような中盤のディフェンスにはいまだに懐疑的だが、これはチームの問題でもありすぐには改善出来ない。であるとすれば、せめてベストな状態でそれを遂行するしかない。
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by tknr0326g8 | 2008-09-07 00:43 | Game Review