Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
<   2009年 02月 ( 7 )   > この月の画像一覧
プレシーズンマッチ 名古屋×岐阜 @豊田スタジアム
 昨日に引き続きカテゴリーをまたいでハシゴ観戦。今日は偶然にも二試合とも赤と緑の対戦になった。というわけでまずは10:00からトヨスポで行われたユースと作陽高校のトレーニングマッチ。

 名古屋のスタメンはこんな↓感じ。

    10   11

9   27   12   6

7   19   4    2

       16

 昨日のエントリーの中で「鉄板」と書いた2トップに新たな試み。ジャパンユースの開幕と時を同じくしてずっとトップチームのキャンプに加わっていた矢田がチームに再合流しFWで起用されているのはちょっとしたサプライズだった。比べるものではないが、もし朴前監督が今年も続けていたら絶対に有り得なかったであろうこの起用法には小川新監督のカラーの一端が表れているのかもしれない。そして10番を背負うこの小柄なレフティーが前線で起用されている光景を俺なんかがなんとなく感覚として理解出来るような気がするのは、久米GMが「存在しない」と言い切る「これが名古屋のサッカーというスタイル」がそこで長い期間プレーしてきた小川のような生え抜きやある程度の観戦歴があるファンの中には実は残像のように脈々と受け継がれているからだと俺は思っているのだが、その話はまた改めて。

 最近のユースの試合のメンバー構成を見ていると4月にドイツに行く18人はかなり絞られてきたような感じもするが、上級生を中心としたU-18のメンバーによる試合は内容についてもある程度計算が立つようになってきた。これは例えば先週御殿場で行われた星稜高校とのダブルヘッダーにおいても顕著で、(ポジションなどでテスト的な要素があったとは言え)大敗を喫したU-17のチームを尻目にU-18の方は終始ゲームを支配出来ていたし、今日の作陽とのトレーニングマッチでも安定したゲーム運びが出来ていた。
 とは言え、先週の星稜との試合ほど優位にゲームを進められていたわけでもない。最終ラインで落ち着いてボールを回しながらタテにもよくボールが出るが、ソリッドな守備組織を築く作陽はこのボールを狙っていた。奥村へのクサビのボールに対してはそもそもパスコースが消されているし、それ以外のコースを見つけてタテにボールを入れても厳しい寄せでなかなか基点を作らせない。そして作陽は奪ったボールを大きく開いているサイドハーフ(作陽の十八番とも言える4-2-3-1の「3」のアウトサイド)にダイアゴナルなサイドチェンジを入れて逆サイドの裏を狙わせる戦術を徹底していた。そして左サイドから大きく展開されたボールを受けた作陽の右サイドの選手が岩田に1対1を仕掛けると、振り切られそうになった岩田がペナルティエリアに入ったところで堪らずファール。相手にPKを与えてしまった。このPKは古川が抜群の反応でストップしたものの、同じような展開から何度となく1対1を挑まれていた岩田はもっと落ち着いて対応すれば大丈夫なのに・・・と思えるシーンもあったし、カバーリングやボールサイドへのスライドなども含めた4バックのラインコントロールはまだまだこれから整備されていくであろう部分が多そうだ。一方で左サイドでは今シーズンからSBにコンバートされた中野が元来持ち合わせているスピードに加えて身体が随分と強くなった印象(と言っても俺が以前に中野を見たのは一年生の時だが)で1対1に抜群の強さを見せている。このコンバートは意外と当たりかもしれない。
 その後名古屋は中盤でのパス交換からDFラインの裏へと飛び出した三浦俊にパスが出て、一気に加速して抜け出した三浦俊がGKも外してシュートを流し込み先制に成功すると、相手が前に出てきたせいもあってようやくタテパスが収まるようになり、そこを基点としてチーム全体に連動感のようなものが生まれ始めた。小川監督から2トップに対してタテの関係になってみてはどうかというアドバイスもあり、2トップ自身も話し合ってポジショニングを含めた関係性を見直した影響もあったのかもしれない。そしてボールとは逆サイドでフリーになっていた矢田がDFラインの裏に抜けながらダイアゴナルなパスを受けると飛び出してきたGKを落ち着いて交わして追加点。名古屋のリードは前半のうちに2点に広がった。

 後半頭からは今日は第二試合に登場するものだとばかり思っていた高原が登場し矢田と2トップを組んだ。矢田と高原というのも意外な取り合わせだが、それにしてもこのチームには小柄でテクニカルなレフティが多い。矢田、高原、小幡、中野、加藤翼(新二年)、都竹・・・それぞれが違う高校チームに所属していれば、全員が全員「○○高校のメッシ」と呼ばれて10番を背負っていてもおかしくはない選手達。

    21   10

9    6   12   3

7    5    4   2

       1

 名古屋は奥村がいなくなったことで再びクサビのボールが収まらなくなった。トップチームのキャンプで揉まれひと回り逞しくなったような印象も受ける矢田だが、やはり前を向いてボールを持たせた方が力(持ち味)を発揮できる選手で、チームのコンセプトは一旦置いておいてそんな矢田の特徴を生かすのであれば、去年もやっていた左SHかCHで起用するのが良いような気がする。その点高原は矢田とほとんどサイズは変わらない(むしろ線は少し細い)ものの、ずっとCFをやってきただけあって大柄な相手を背負ってもボールを受けられるしそうした状況でもしっかり特徴を発揮できる。なかなかリズムが出なかった後半のチームにあっても三度ぐらい決定機を作っていたあたりはさすがとも言える。ただ学年は関係なくチームのエースと見なして敢えて言うならばそのうちひとつはゴールに結びつけて欲しいところ。試合はその後も負けている作陽がどんどん前掛かりになってきたことで高原だけでなく矢田も作陽DFラインの裏を取ってチャンスを作るシーンが時間とともに増えていったが、両チームともに得点には至らずそのまま終了のホイッスルを迎えた。

 あとこの試合を見ていて気付いたのは、コーナーキックのディフェンスがトップチームさながらのゾーンディフェンスになっていたこと。他チームに対して高さで利があるトップチームならともかく、どちらかと言えば小柄な選手が多いユースで同じ手法を採用するのはどうかとも思うが、導入後慣らし期間が短いということもあってか、「ボールを見ろ」とか(センターサークルに残る小幡(後半は高原)に対して)「確認しろ」といった指示がベンチから頻繁に飛んでいた。今年はこの守備戦術が定着していくのかも含めて見守っていきたい。

 というわけで、二週間前にも見ている帝京との試合はキャンセルしてそのまま豊田スタジアムへ。
 Jで最も遅いチーム始動から指宿でのキャンプを経て地元へと帰還を果たした名古屋にとっては、二年半もの間チームの最前線で身体を張り続けたヨンセンに代わり三顧の礼をもって迎え入れられたダヴィ、そしてチームが待望していた右SBの田中隼麿といった新戦力がどれぐらいチームに馴染んでいるかが最大のポイントだろうか。ピクシーは「やることは変わらない」と言うが、出口(フィニッシュ)が変わればプロセスが変わるのは必然でもあり、また一見些細なことに思えるディテールの違いが実は大きな影響を与えたりもするから見逃せない。

 名古屋は新加入のダヴィと田中そして代表から帰って来た玉田も先発に名を連ねるが、逆に昨シーズン終盤に足首を負傷し手術を行った楢﨑と、SBというハードなポジションで昨シーズンのリーグ戦全試合先発出場を果たし12月25日の天皇杯を戦った後ろくな休みも取らないまま年明けには代表召集という無茶なスケジュールに晒されていた阿部がついに壊れて欠場た。これまで“岡田ウィルス”とは無縁だった名古屋にもついにその影響が及び始めた。名古屋がこのシーズンオフに補強したダヴィや田中は、ピクシーが思い描くサッカーを実現するために既存のある程度計算できる戦力がいるところに敢えて行われた補強だが、俺は昨シーズンから阿部のバックアップこそが名古屋にとっては最も重要な補強ポイントだと考えていた。左SBにはU-20日本代表に名を連ねる佐藤などもいるが、阿部がこのチームでこなしている役割の重要度はかつてレアルマドリーやフランス代表でジダンが担っていた役割(の重要度)にすら匹敵する。実際長短のパスを蹴り分けて前線にボールを供給し、前にスペースがあれば自らドリブルでボールを前に運んでいく阿部はポジション登録こそDFだが時としてクラシカルなゲームメーカーのようだった。その意味では阿部の代わりに左SBに抜擢されたルーキーの平木にかかる期待も大きい。

 試合は前半から膠着模様。そしてそこには昨年の天皇杯で岐阜に苦戦した時と同様阿部の不在を感じずにはいられなかった。いかに大学サッカー界屈指のコンダクターと言えどもルーキーの平木に阿部の代役はさすがに荷が重い。守備については本職の阿部ですら一年目は全く使いものにならなかったぐらいなので仕方ないとして、問題はボールを持った時だ。ピッチ状態も決して良くはなかったので少しナーバスになっていた部分もあるのだろうが、何度かミスが続くとどんどん消極的になり近くにいるマギヌンに預けるだけのようなプレーへとシュリンクしてしまった。ルーキー時代の阿部も守備はからっきしだったが、それでもデビュー戦では持ち味の一つである目の醒めるようなサイドチェンジを何度か決めて、その存在を観客対して十分アピールしていた。新人のミスひとつひとつに溜め息をついて無言のプレッシャーを与えるスタジアムの雰囲気も考えものだが、プレシーズンマッチとは言えピッチ上に何も残せなかった平木にはもう少しチャレンジして欲しかった。正直このままでは使えないが、本来の中盤に戻ってのプレーで捲土重来となることを期待したい。
 とは言え凡戦の原因をルーキー一人に押しつける気はさらさらなく、そこはむしろ(「継続」と言えば聞こえはいいが)去年から全く進歩のない中盤(のセンター)での構成力のなさが際立っていた。それがチームの戦術だからと言われれば返す言葉もないが、トップへのクサビのボールを遮断され、両サイドハーフがマークを外せていない状況で局面を打開するにはやはり彼等の力が必要だ。橋本や平木といった大卒の即戦力ルーキーを中盤に補強した今年、この試合でも終盤に内側に絞って良いプレーを見せていた小川をセンターにコンバートするという俺が温め続けている案を実行に移すにはもってこいの状況だが・・・。

 そんな中良い意味で目立っていたのは山口K。中盤でボールを持った時はもう少しゲームをコントロールするような気概を見せて欲しかったし平木へのサポートも足りなかったが、持ち味とする前のスペースへと出て行くプレーは随所に見せていて、こうした動きは相手の守備ブロックを崩せず膠着した試合の中では中村のように一発のスルーパスを狙うよりもずっと実効性が高いとも言える。そしてダヴィのシュートがポストに跳ね返ったところをプッシュした先制点は決して運が良かったからではなく、生まれるべくして生まれたゴールだった。2002年のナビスコカップ(浦和戦)でいきなり2ゴールの華々しいデビューを飾った山口Kについて、俺がブログ開設当初から力説しているワンタッチゴーラーとしての才能(資質)について賛同者は一向に現れる気配はないが、神より与えられし得点感覚を持っている山口Kはヨンセンがいなくなった今シーズンのキーマンの一人と俺は思っている。これまではヨンセンひとりに負う部分が大きかったボックス内でクロスボールに合わせるフィニッシュを、ヨンセンからダヴィへの移行によってその精度が落ちる分、名古屋はボックス内に人数を増やすことで補っていかなければならない。そうした時に独特の嗅覚(ポジションセンス)を誇る山口Kが台頭してくるのは必然でもある。
 例えば開幕戦で当たる大分。ナビスコカップ準決勝の2ndレグやリーグ戦最終節でどうしても崩せない「カメナチオ」に対して、ピクシーはヨンセンに加えて巻を前線に投入するパワープレーをもって力づくでこじ開けに行っていた。もちろんこれは相手のファールの多さ(すなわちセットプレーのチャンスの多さ)を計算に入れての采配だが、競り勝てないまでもしっかりと体を寄せて来る大分のDFに対してドンピシャのヘッドがそのままゴールに突き刺さる可能性は極めて低かった。当時も書いたが俺はあの場面でこそ巻ではなく山口Kを投入すべきだったと思っている。あの場面では空中戦で競り勝てる選手を増やすよりも、あらかじめ良いポジションに入ってヨンセンや増川が競ったボールに反応しワンタッチでゴールに押し込む選手こそが必要だった。今シーズンはそんな山口Kの才能が開花するかもしれない。

 メンバーが入れ替わることに伴う意外な盲点であり懸案材料でもあったセットプレーの守備では、昨年と同じ布陣のままでニアサイドがヨンセンからダヴィに代わり一番外が竹内から田中にそのまま置き換えられていた。ヨンセン、バヤリッツァ、増川、竹内と並んだラインがダヴィ、バヤリッツァ、増川、田中に代われば高さと強さでは間違いなくマイナス。この試合ではとりあえず無難にこなしていたが、シーズンが始まれば対戦相手も穴や癖を研究して揺さぶりを掛けて来るだろう。そんな時にピクシーがどういった対処を施してくるのかに注目したい。
b0036243_535388.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-22 23:59 | Game Review
プレミアカップ 愛知県予選 @トヨタスポーツセンター・サッカー場
 今回の名古屋遠征の目的は言うまでもなく明日トヨタスタジアムで行われる名古屋と岐阜のプレシーズンマッチだが、そのついでに見ておきたかったのがプレミアカップ・愛知県予選を兼ねた愛知県ユース(U-13)サッカー選手権大会。この大会に出場している名古屋U-13(新年度のU-14)は、昨夏のクラブユースを制した黄金世代(U-15)に勝るとも劣らない原石達を擁すると噂のチームで、言うなれば名古屋版“プラチナ世代”。この先彼等が順調に育ってくれることを期待しつつ現段階でチェックしておいても決して損はないだろう。

 というわけで、名古屋の試合は第一試合が13:15、第二試合が15:45のキックオフだったので、まずは12時から第一グラウンドでセカンドチームのトレーニングマッチ(vs愛知学院大)を前半だけ観戦。東京にいると普段はなかなか観ることが出来ない選手(特にユース出身の選手)をたっぷり観られるのは有り難いが、ここはあくまでもセカンドチームであり、またこの試合でフル出場でもしようものなら明日の試合では出番がないと思った方が良いと考えると複雑な心境でもある。そしてそんな俺の有り難くない期待通りユース出身の面々がメンバーに名を連ねる中、現役のユースから矢田と岸(さらにベンチには三浦俊、近藤)の名前があることが目を引く。確かにユースの新チームで10番を背負う矢田は指宿キャンプにも参加していたのでこのメンバーに入っていても不思議ではないし、三浦俊や二年生の岸、近藤といった選手も能力的にその資格は十分ある。昨今のチームの言動から考えると今後はこうしたトップチームとユースの交流は増えて行くのかもしれない。

 試合は観戦日和の天候同様穏やかな展開で進んだ。後ろからゆっくりとワイドにボールを動かしながら前線では個々の能力による局面の打開(チャンスメイク)を志向するチームの戦い方からは、この試合がチームとしての戦術やコンビネーションの確認というよりは、出場機会に恵まれない選手達が実戦を通して調整をする場であることを強く感じさせる。そんな中でも存在感を際立たせていたのは、卓越した技巧と正確な長短のパスを駆使してゲームメイクを行っていた花井聖で、そのプレーぶりはこのレベルでは少し抜けていることを印象付けた。個人的にはそんな花井とCHでコンビを組んだ矢田にも注目していたのだが、中盤では花井の存在感が強烈過ぎてむしろ矢田は所在なさげプレーしているように感じられるぐらい。あとはもう一人触れるとすれば慣れない右SBというポジションを任されていた田口。当然のことながら周りとのコンビネーションや判断のタイミングなども悪く悪戦苦闘しながら新たなポジションにチャレンジしていた印象。この経験がいつか彼のためになる日が来ることを願いたい。

 本当はこんなところでプレーしていてはいけない津田の2ゴールと花井の鮮やかな直接FKで3-0とリードしたまま前半が終わると第二グラウンドへと移動しジャパンユースサッカースーパーリーグ(vs神戸ユース)の先発メンバーを確認。スタメンは下に書いた通りだが、セカンドチームに何人か選手が狩り出されているのを除けば上級生を中心にメンバーが少しづつ固まって来ているのではないだろうか。奥村と高原による2トップは誰の目から見てももはや鉄板で、いかにコンビとしてのポテンシャルを引き出し向上させていくかというフェーズに入っていると俺は思っている。

    21   11

14   9   28   3

7   19    5   2

       16

 キックオフから5分ほど見てU-13の試合会場であるサッカー場へと移動する最中にふと考えたことは、神戸ユースはまだ安達亮が監督をやっているのだろうかということ。もしまだ安達亮が監督をやっていたとすれば、今シーズンから名古屋の監督に就任した小川誠一とは市船の同窓生対決になっていたはずだ。学年こそ一つ違うが、布啓一郎率いる市船に最初の黄金時代をもたらした主力メンバーが安達や小川や野口(元平塚、名古屋)だった。日本の育成現場のトップにいる布啓一郎の愛弟子である小川誠一率いる名古屋からは今後年代別の代表選手も増えてくるかもしれない。

 と、そんな他愛もないことを考えているうちにサッカー場に到着。意外と運営がしっかりしていて定刻通りにキックオフ。名古屋のスタメンはこんな↓感じ。

     18   8

11   15   14   7

20    2   3    5

        1

 レギュレーションが変わっていなければプレミアカップの全国大会に出られるのは各地区大会(名古屋の場合は東海大会)の優勝チームだけ(順番に回って来る「普及枠」が与えられた地域のみ二位チームまで)※。名古屋としては地区大会への出場権を賭けたこの愛知県大会で足踏みをしている場合ではない。しかも今回は県内各地域予選(西三河予選など)を勝ち上がってきたチームによるリーグ戦とは言えまだ決勝トーナメンにも至っていない。(※追記・・・前年優勝地区にはさらに+1されるそうなので昨年の全国大会で静岡学園が優勝している東海地区は一位チーム+1確定)
 名古屋は二年前に黄金世代が東海大会を制しプレミアカップ全国大会へと出場している。昨年は静岡学園中学にあと一歩及ばず二位。惜しむらくは、地区大会に優勝した二年前は「普及枠」が東海地区に割り当てられていて、昨年は別の地区に割り当てられていたこと。もし東海地区に「普及枠」が与えられたのが昨年だったら、名古屋は二年連続で全国大会へと歩を進めていただけに巡り合わせが悪いとしか言いようがない。

 試合は立ち上がりこそ少しバタバタした雰囲気のあった名古屋だったが先制点を奪った後は落ち着いて自分達のペースで試合を進められていた。先制点はドリブル突破が持ち味の7が右サイドから内側へと切れ込んで来て人が集中したところでファーサイドでフリーになっていた11へパスを出し、11がおそらく利き足の左で落ち着いてゴールに沈めたもの。破壊力のある7のドリブルもさることながら、完璧なファーストコントロールから流れるような一連の動作でシュートまで持って行った11の技術も光った。7も11も再三に渡ってサイドをドリブルで切り裂いていて、トップから育成まで「サイドアタック」をひとつのコンセプトにしようという流れから見てもこの両翼はなかなか面白い組み合わせだ。
 そしてこのチームの特徴はチームの骨格となるセンターラインに技術だけではなくフィジカル的にも優れたメンバーが揃っているところ。この辺りは黄金世代とも違いどちらかと言えば年末の高円宮杯(U-15)で観たヴェルディと近い。ボランチの14、FWの8はいずれもサイズがあり中盤と前線でそれぞれフィールドを支配している。そして二点目はまさしくそんな14の粘り強い突進と8の突破力が連鎖した中央突破だった。このあたりまで来るとチームにも少し余裕が出て来ていて、三点目などは左サイドへと展開されたボールを11がドリブルでタテに運んでマイナスに折り返し、これを受けた8が前方の18にスルーパスを送ってお膳立てという形で、チームとしても相手PA付近でよくパスが回ったビューティフルゴールだった。

 後半になると名古屋自身のメンバー交代や、相手チームがボールの出どころであるCHコンビ(14と15)を自由にさせないように手を打ってきた来たことで試合はやや膠着したが、そんな状況でもこのチームに欠かせないエースの8がタテパスに抜け出して一度はGKにぶつけながらも再度プッシュして4点目をもぎ取った。相手から徹底マークに遭ってたことでも分かるように名古屋のCHコンビは前後左右にパスを散らして攻撃を組み立てリズムを与えるチームにとって重要なピース。長身の14は去年のクラ選でベスト4に進んだ横浜FマリノスJrユース追浜の熊谷アンドリューとイメージが被るスケールの大きなボランチ。狙いどころが良く、まだミスもあるが難しい(相手にとって嫌な)プレーにもチャレンジする姿勢がいい。「15」という背番号は水野以降キャプテンを務めるコンダクターが付けることになったのだろうか。水野譲りのテンポ良くボールを捌くプレーを効き足の左で行う15は第二試合では左SBも務めそこからゲームを組み立てていた。そこから上述の両SHによるドリブル突破を交えながら8と18の強力2トップによるフィニッシュまで至る流れは実に強力。またDFラインでは、相手の攻撃を確実に弾き返し時にはボールを持って攻め上がる両ストッパーや、どことなく三鬼を連想させる5番の右SBもさることながら、左足で独特の間合いによるボールの持ち方をしながらしなやかな身のこなしで攻撃参加を見せる左SBの20のプレーが印象に残った。

 4-0での無難な勝利を見届けて再び第二グラウンドへと舞い戻ると、ピッチでは名古屋U-18と神戸ユースによる試合がまだ続いていた。メンバーには矢田や三浦といったセカンドチームのトレーニングマッチに参加した面々が加わっている。俺同様にこのトヨスポ内でハシゴしている選手がいるのか・・・と思いつつ、空いていた椅子に座ると横からとてつもないオーラのようなものが漂って来た。なぜ金髪の女性がこの試合を見学しているのかという疑問はこのグラウンドに入った時からあったのだが、そのやや大柄な金髪女性の影に隠れるようにして向こう側に座っていたのはミスターとことストイコビッチその人だった。残念ながらこの試合にマルコは出場していなかったが、ピクシーの眼にユースの試合はどう映ったのだろうか。
 そして俺の到着からほどなくして神戸が得点を挙げ、逆に名古屋も前掛かりになっていた神戸DFラインの裏を突くようにロングフィードが次々と決まるような展開の中、抜け出した高原のシュートがこぼれたところを詰めて来た藤田がプッシュして試合を決めた。この時間帯からの再合流で2ゴールも見られた俺はラッキー以外の何ものでもない。

 まだU-13の第二試合まで時間はあったので、続いて行われたユースのトレーニングマッチも前半だけ観戦。名古屋のスタメンはこんな感じ↓。

     32   31

23   24   27   20

18   25   29   15

        36

 オール新一年生のスタメンは先週の星稜戦を思い出すようなメンバー構成で、またしても前線にボールが収まらないことが予想されるが、中盤に水野が入ったことでどういった変化が生まれるのかが俺的には注目だった。しかし残念ながらそれでも事態が好転することはなかった。水野の完璧なお膳立てからマルコに決定機が訪れた以外はこれといったチャンス(シュートシーン)が訪れなかった名古屋とは対照的に、相手チームの名経大高蔵はカウンターから何度か名古屋ゴール前まで迫りあわやというシーンを演出していた。一人一人のポテンシャルが高いことはよく分かっているが、それがグループとして形になっていないもどかしさのようなものがこのチームにはある。

 というわけで、前半終了間際まで見て一年生を中心としたU-17の状況を心配しながら再度サッカー場へ向かうと、こちらは既に選手達が整列しキックオフに備えていた。恐るべき愛知サッカー連盟の規律。スタメンはこんな感じ↓。一時間半前に終了したばかりの第一試合との兼ね合いからか選手が少し入れ替わっている。

     8    9

13   6   14   11

20   2    3   10

       16

 試合はキックオフから相手チームが前線から猛烈なプレッシャーを掛けてボールを追い回す。相手チームは第一試合を午前中に終えており体力的にも回復は十分で、奇襲攻撃にも似た先制パンチといったところだろうか。しかし名古屋は慌てることなくパスを回してこれを凌ぐと、このチームのエースである8が爆発する。この試合で2トップを組んだ9からの浮き球パスに走り込んでループ気味に決めた先制点に始まり、11と二人でペナルティエリア内で個人技を見せつけてDFの密集をくぐり抜け最後はニアサイドを抜いて追加点、さらには左サイドからのクロスに左足でダイレクトボレー、14からのタテパスをGKを背負いながらキープしてターンして右足シュートと、様々な得点パターンによる4ゴールでゲームを一方的なものにしてしまった。相手チームは少しでも長く0-0の時間帯をキープするゲームプランを組んでいたと思われ、この点差で気持ちが切れてしまったようだった。

 後半になると4ゴールを決めた8をはじめ何人かの選手が入れ替わり、こんな感じ↓のメンバーに。

    17    6

13   9   18    7

15   5    3   10

       16

 第一試合でともにアタッカー(FW)として出場していた9と18がCHでコンビを組み、CHでボールを捌いていた15が左SBへ。この年代で様々なポジションでプレー出来ることは層の厚いクラブならではの強み。昨年末の高円宮杯で一年生の中から唯一ベンチ入りを果たしていた(それだけ菅沢前監督からの期待も高かった)選手と思われる18などはいかにも「アタッカー」な感じで、14や15と比べればCHとしては球離れが悪いようなシーンも見られたが、これはこれで良い経験になるに違いない。そして15も左SBの位置からトップチームの阿部翔平さながらに前線に良いボールを配給してゲームを組み立て前半の20とはまた違った味を出していた。そして後半もコーナーキックから奪った2点を皮切りに、サイドからのクロスあり、中央突破あり、ミドル(がポストにに跳ね返ったところをプッシュ)ありと、多様な得点パターンで、9と6がそれぞれ二得点、17が一得点の計5得点でゲームを締めくくった。

 彼等の力を測るには正直今回は相手チームとの間に差があり過ぎたが、それでも彼等は「プラチナ世代」の名に違わぬ才能を随所に発揮していた。育成は結果が全てではないが、彼等原石たちにはぜひ来週の県大会(準決勝・決勝)を勝ち抜いてもらい、4月の東海大会そして全国のレベルを経験することでその才能を磨いて行って欲しいと思う。
b0036243_1627189.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-21 23:59 | Youth
ジャパンユースサッカースーパーリーグ 名古屋U18×星稜 @裾野グラウンド
 先週のエントリーでマルコ(というかその扱い)について懐疑的な記述をした報いだろうか、第一試合のキックオフに遅刻した俺はマルコの記念すべきユース初ゴールを見逃すという大失態を冒してしまった。そもそもの間違いは、先週裾野に土地勘が出来たということで試しに駅からグランドまで歩いてみようと思ったことなのだが、「歩ける距離じゃない」という結論と引き換えに失った代償は余りにも大きかった。

 というわけで、JR岩波駅にキックオフの45分前に到着したにも関わらず、前半も15分に差し掛かろうかという頃にようやく確認したスタメンはこんな感じ。

     28   32

14   23   24   26

18   31   25   15

       36

 なぜか長身FWの足立(新一年生)がCBに入っているが、これは育成の一環なのだろうか、それとも俺が見ていない15分の間にCBに何かアクシデントでもあったのだろうか。その後足立が前半終了までCBを続けたところを見ると前者の可能性の方が高いような気もするが真相は不明だ。もうひとつ気になったのは加藤凱の様子(歩き方)がおかしこと。こちらはキックオフ後になんらかのアクシデントがあったことは明らかで、そんな加藤凱が中盤の真ん中で相手の激しいチャージを受けてボールを奪われるとそのまま持ち込まれゴールを献上してしまった。そしてこれを契機に星稜怒涛のゴールラッシュが始まる。前半4点、後半3点の計7点の中には相手のゴールキックがそのままゴール前まで抜けて来たところを拾われて決められたものや、クリアミスが相手の足元に行ってしまったものなど、アンラッキーというよりは目を覆いたくなるようなシーンもあって、7失点で済んだのはむしろラッキーだったかもしれない。
 両チームの間で特に顕著だったのはフィジカルの差。名古屋がスタメン11人中10人が中3だった影響もあるのかもしれなが、最終ラインを中心に大きな選手が多い星稜は小柄な選手でも名古屋とは身体の厚みが全然違う。そして中盤で当たり負けしてことごとくボールを失っていた名古屋は、そこからDFラインの裏へとパスを出されると抜け出して来る選手のスピードに全く付いて行けなかった。もちろん攻撃に出たところでボールを奪われる形なので準備不足のまま相手の飛び出しに対応しなければならないDFラインは気の毒だが、カバーリングを含めたマークの受け渡しやラインコントロールも決して上手く行っているようには見えなかった。
 もうひとつ気になったのは名古屋が一週間前には多用していたDFラインからのロングボールを蹴らなくなっていたこと。星稜の最終ラインに大きな選手が揃っていたからロングボールを蹴っても無駄だという判断かもしれないし、U‐15組がスタメンの大部分を占めていたので自然と慣れ親しんだサッカーに戻ったのかとも思ったが、第二試合でもロングボールはほとんどなかったのでチームとしてこの試合に向けてなんらかの指針があったのかもしれない。結果的にはこれが星稜の網にモロに引っ掛かってしまったわけだが。

 前半のうちに4失点を喫した名古屋は後半から足立をFWに戻して建て直しを図る。加藤凱とGKの石井はメンバー交代。中盤には前半FWだった川村が下がりDFには渡辺が入った。ちなみに前半途中から都竹と加藤翼(新二年)がポジションを入れ替わっている。そして後半キックオフを前にしてこの試合で最も印象に残ったシーン。ベンチからの指示を受けてピッチに戻る選手達にキャプテン?の岩田がピッチの中まで付いて行き声を掛けていた。ピッチ上で唯一の新二年生・加藤翼には特に念入りに。そして足立を中心としたアタッカー達は星稜イレブンが入って来るまでマルコも含めてピッチ内で話し合いを持つ。

     31   32

23   14   28   26

18   17   25   15

       30

 後半立ち上がりの名古屋は悪くないリズムだった。理由は明確で前線に足立が入ったことでタテにパスが入り始めたからだ。そしてその隙を突いて加藤翼が前線へと飛び出しいきなり決定機を演出。あわやマルコの二点目というシーンを作り出した。しかしそんな期待を抱かせるスタートも名古屋の良いリズムは長くは続かない。マルコがボールの受け手として機能していないため、次第に星稜DFが足立に狙いを定めて激しく当たり始めると足立もクサビのボールをしっかりと収めることが出来なくなってしまった。これでまた前半の展開に逆戻り。
 あまり動かずに(すなわち相手にインターセプトを狙われた状態で)真ん中に立っていたり、大外に張っていたり、スペースを空けるようにサイドに流れたりするマルコのポジショニングは、周りがそれを上手く使えばそれもアリなのかもしれないが、どうにもチームの戦術とはフィットしていない感じ。そもそも真ん中で相手を背負っているマルコに対しては(そこからボールをキープして捌ける圧倒的なフィジカルや超絶テクニックでもあるなら話は別だが)中盤の選手も怖くてボールを入れられないし、大外に開いていても文字通り「蚊帳の外」になってしまう。それぐらいならDFラインの裏を狙って飛び出してくれた方が良かったかもしれない。
 先週と比べれば今週は随分と周りの選手からマルコに対する指示の声が出るようになっていたような気がする。次のステップがあるとすれば、マルコに対していかにこのチームの戦術を理解させるか、そしてマルコという選手をいかにチーム戦術にフィットさせていくかということになるだろう。

 ほとんど良いところがなかった名古屋の中でそのパフォーマンスが際立っていたのは三鬼。相手にプレッシャーを掛けられてもそれに負けずにボールを前まで運んで行く力は技術面・フィジカル面の双方において名古屋の中でも突出していた。


 そんなわけでやや重い気持ちで迎えた第二試合。事務所にあまり使いものにならないパンフレット(加藤翼の顔写真が二人とも一緒のものだったり)を買いに行っている間に予定を少し早めてキックオフされていたのでこちらも少し遅刻。

     11   21

9     12    6    20

7    29    4    3

        16

 試合の進め方、コンセプトはおそらく第一試合と同じ。後ろからパスをつなぎながらピッチを左右に広く使ってボールを動かし隙を見てトップにボールを当てるとそこで攻撃のスイッチが入る。ピッチ上からも「(サイドを)変えろ!」という声がよく聞こえて来るし、第一試合と違ってトップにボールが収まるのでそれを合図として二列目、三列目から次々と選手が飛び出してくる様は爽快だ。そして中盤の左サイドでボールを受けた小幡がドリブルで中に切れ込んでくると、それとクロスするように高原がDFラインの裏へ飛び出し、高原がオフサイドラインに掛かるか掛からないかという絶妙なタイミングで小幡がスルーパスを送る。これを受けた高原が左足で冷静に決めてさっそく名古屋は先制に成功した。その後DFのちょっとしたミスから一度は同点にされた名古屋だったが2トップに4人の中盤と両SBが絡む流動的な攻撃でチャンスを作り続ける。特に目立ったのは2トップに決定的なパスを送ったかと思えば自ら前線に飛び出してチャンスを作っていた小幡と近藤だろうか。前にも書いたが本田圭佑を小さくした感じで身体は小さいが圧倒的なキープ力を誇る小幡は言うに及ばず、何よりもこの二週間俺を驚かせ続けているのが近藤。金正友を彷彿とさせるエレガントなボールコントロールからサイドに大きく蹴り分けられる正確なロングキック、そして前線に飛び出し自らドリブルで仕掛けることも出来る万能MFは今やすっかり俺のお気に入りだ。そして試合は前半、相手DFに詰めてボールを奪った高原が倒されて得たPKを自らが落ち着いて決めて勝ち越しに成功。DFの背後から迫ってボールを奪うのはU-15時代にも見せていた高原の得意なプレーではあるが、この試合早くも5本目ぐらいのシュートを放ち二点を奪ってしまう高原はこのチームでもエースとしての仕事を果たしている。

 後半には第一試合でも終わりだけ出てきた水野がボランチとして登場し三浦俊がサイドハーフに配置転換。さらに後半途中からは三浦俊と小幡が左右を入れ替わるなど戦術的な意味合いを兼ねたテストが行われたが名古屋がペースを失うことはなかった。そして右サイド金編のパワフルかつスピードに乗ったドリブル突破から高原と奥村が絡んで、最後はDFラインの裏に抜けた奥村がキッチリ三点目を獲得。その後も水野のスルーパスから三浦俊が抜群の加速を誇るスピードを発揮して抜け出しGKと1対1になったシーンなど数多くのチャンスを作った名古屋は、相手のPK失敗やロスタイムのセットプレーからの失点があったものの勝利に値するチームだった。ただ出来ることならこれからもっと決定力を高めて行って欲しい。

 二試合トータルを観た感じで言えば、第一試合がU-17で第二試合がU-18だったことを考えても第二試合に新三年生を中心とした上級生が揃うのは致仕方ないのだが、怪我やその他の理由で出場できなかったメンバーを除けば第二試合のメンバーが今年の主力メンバーになって行きそうな気配だ。実際俺の中で勝手に思い描いているメンバーと第二試合のメンバーは多くの部分で合致していた。あとはトップチームのキャンプに合流していた10番の矢田を筆頭に、今日参加していなかった選手達がこのチームにどう加わっていくのかに注目したい。
b0036243_273449.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-15 23:59 | Youth
W杯アジア最終予選 日本×オーストラリア @横浜国際総合競技場
 スタメン発表で最もブーイングが大きかったケーヒルを1トップに据えたクリスマスツリーシステムのオーストラリアは端から引き分け狙い。1トップのケーヒルにボールを当てて攻撃を組み立てるオーストラリアに対して、日本は前半DFラインの前にスペースを作ってしまいケーヒルをサポートする形の二人のアタッカー(ブレシアーノとホルマン)がフリーでボールを受けるシーンが目立ったが、無理して攻撃に出て来ないオーストラリアが日本のペナルティエリア内までボールを運ぶことはほとんどなかった。対する日本はここのところ定着してきた感のある流動的で機動力を生かした攻撃が機能し何度かサイドでオーストラリアDFの裏を取ってチャンスを作り出したものの、どうしてもそれをゴールへと結び付けることが出来ない。玉田を筆頭にチームには“リアルストライカー”が存在せず、唯一ゴールに対して強い意識を持っている田中達也がサイドに流れることでその怖さが半減してしまっていたのはこのやり方での功罪か。期待していたほど激しくエキサイティングな内容にはならなかったが、最近の代表の試合の中では時間の経過が早く感じられた試合だった。
b0036243_0104944.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-12 00:12 | Other Games
ジャパンユースサッカースーパーリーグ 名古屋U18×桐光 @裾野グラウンド
 昨日に続き二日連続での試合となったジャパンユースサッカースーパーリーグ。相手の桐光学園はU-17しかこの大会にエントリーしていないので、公式戦は第一試合のみで第二試合はトレーニングマッチになったようだ。

 第一試合の名古屋のスタメンは昨日U-17に出ていたメンバーとU-18に出ていたメンバーが半々な感じの構成で、チームが未だ見極め(テスト)段階にあることを感じさせる。

     32   31

14   12   24   20

18    4   29   15

        30

 試合は名古屋がボールをキープしながら近藤(12)あたりが飛ばしのパスを入れて左右にボールを散らしリズムを作ろうとするが、桐光ディフェンスの前になかなか突破口を見いだせない。昨日の帝京と同様に桐光も組織的でアグレッシブなディフェンスをするが、桐光の方が帝京よりも全体のバランスが良い印象。そしてボールホルダーを素早く二,三人で囲んでボールを奪うとサイドに展開して数的優位を作る桐光の戦い方に、名古屋はすっかり十八番を奪われた格好だ。
 名古屋は流れを引き寄せようにもとにかく前線にボールが収まらない。俺のようなミーハー期待のマルコも相手の素早い寄せに対応出来ず足元に入ったボールをほとんど失っていたような状態だった。この二日間を見た限りでは、マルコは普通にU-18のセレクションを受けたらおそらく合格しないのではないかというようなパフォーマンスに終始しており、本人のレベルに合った環境でプレーさせた方が本人にとってもそして周りのチームメートにとってもハッピーなのではないかというのが率直な感想。あまりにも簡単にボールを失うだけでなく、基本的に前線から激しくボールを追ったり球際の競り合いで粘ったりということをしないマルコに対してチームメートは何も言わないが、これはおそらく言葉の壁があるからで、そんなことをしていたらチーム内に余計なストレスが生じかねない。そうなる前に手を打つべきだと思うが・・・。
 
 桐光ペースのまま0-0で前半を折り返すと、後半開始にあたり名古屋はメンバーを二人交代。マルコ→川村、加藤翼(新二年)→都竹。ハーフタイムにベンチからの指示もあったのか、前半とは打って変わり川村が前線からアグレッシブにチェイスに行くが、桐光と比べるとボールの獲りどころがハッキリしない名古屋はなかなか流れを掴むことが出来ない。そしてサイドから崩されたところを中央でフリーの選手に豪快に決められ先制点を許してしまった。
 しかし後半に入ってさすがに相手の体力が落ちたのか、それとも川村がDFラインの裏を執拗に狙い続けたことが効いたのか、中盤にスペースが出来始めていたところを突いて、名古屋はU-15世代の選手達が得意のドリブルで活路を見出す。中盤の深い位置でボールを受けた加藤凱がドリブルでグイグイと相手陣内へと侵入し桐光の守備組織のバランスが崩れたところを最後は川村からのスルーパスを受けた足立(31)が右足で決めて同点。さらには都竹が左サイドで仕掛けたドリブルからチャンスを作ると、加藤凱のセンタリングを相手DFがヘディングでクリアしたボールが都竹の元へ。これを都竹がダイレクトボレーで叩き込んで逆転に成功した。

 この試合に勝負のあやがあったとすれば、その後ベンチが足立に代えて樋江井を投入し、前線を川村と加藤翼(新一年)の2トップに変更したこと(樋江井は右SHに入った)。ベンチの狙いとしては小柄でスピードのある2トップが、同点に追い付こうと前に出てくる相手の裏を取ってカウンターから追加点というものだったのかもしれないが、これによって名古屋の攻撃は逆に単調なものとなってしまった。そして味方同士で動きが重なるアンラッキーな場面などもあったとは言え、相手にとっては狙いどころが絞りやすくなりシンプルなカウンターからあっ気なく中央を割られ二失点。再逆転を許してしまった。スコア的には2-3の接戦だったが、この試合の内容に満足しているのは桐光の方だろう。

 続く第二試合、桐光はお馴染の水色のユニフォームではなく、背中に「TOKO FC」と書かれた青いユニフォームを着用。俺の中での注目は今年の名古屋U18の前線を担っていくことになるであろう奥村と高原の2トップだった。

     21   11

17    9    6   3

 7   25   19   2

        16

 今年の名古屋は縦に速い。ボールを持った選手はルックアップしてまず前を見る。そして相手のDFラインが高ければ裏を狙って高原や川村といったスピードのある選手を走らせ、ラインが深ければ奥村や足立といった長身選手が落ちて来てクサビのパスを受け落としたボールをワンタッチでスペースに展開する。特に後者のプレーは新チームの始動からあまり間がない中かなり反復練習されているような手慣れた感じも受ける。去年のチームと比べるとこうした(ゴールに対する)ダイレクトプレーが多いところが最大の違いだろう。前にパスコースがなく詰まったら大きくサイドチェンジ。この辺りはトップチームとも相通じるものがある。
 やっていることはオーソドックスでシンプルだが、この試合でもキックオフから徹底して桐光の浅いDFラインの裏へロングボールを蹴り込んでいたことが効いたのか、前半終了間際には桐光のDFラインと中盤の間にスペースが出来始め、そこを2トップが使うことで名古屋はチャンスを作り出せるようになっていた。そしてこのスペースでボールを受けた高原がドリブルで仕掛けボックス内で倒されてPKを獲得。これを自ら蹴り込んで先制ゴールを奪った。なかなかファールを取ってくれないレフェリーということもあって、それまで全くと言っていいほど存在感がなかった高原だったが、やはり決めるべきところは決めてくる。

 後半開始とともに選手交代。左SHの渡辺が左SBに下がり、左SHの位置には第一試合にも途中出場した樋江井が入る。そしてそんな後半に爆発したのが右SHでの起用となっていた金編だった。左サイド深い位置からのダイアゴナルなサイドチェンジのボールを受けるや、抜群の加速で目の前のDFをアッという間に抜き去りそのまま右足で豪快にネットを揺らしたシーンに続き、ショートコーナーから右サイドを持ち込んでのクロスで樋江井のゴールをアシスト。あっという間に試合を決めてしまった。類稀なフィジカルを持ち圧倒的な個の力を見せつけた金編がかつて名古屋黄金時代の左SBを担っていた小川のもとでサイドプレーヤーとして育てられたら、いつか田中隼麿の後継者として名乗りを挙げるのはこの男かもしれない。もっともこれだけのポテンシャルを秘めた選手であれば、他のポジションでも見てみたいと思うのは俺だけではあるまい。

 最終的には奥村と岩田が追加点を決め5-0と大勝したゲームにあっては攻撃陣だけでなく、安定したディフェンスを見せていた最終ラインも見逃せない。相手のアタッカーに第一試合ほどの迫力がなかったことはあるにせよ、奥山と川本で組む新一年生のCBコンビは抜群の危機察知能力を発揮したクレバーなディフェンスで危な気なく試合をクローズした。アタッカーならいざしらず、ディフェンスの面々はカテゴリーが上がってもう少し苦労するかなとも思っていたが、1対1でも負けていなかったし正直予想以上。
 そして極め付けは右SBに入っていた岩田だ。CKから流れて来たボールを押し込んだ5点目はおまけとして、この試合では金編とのコンビで右サイドを完全に制圧。前半から何度となく積極的なオーバーラップを仕掛けてチャンスを作り出していた。岩田と言えばユースというよりも一年生の頃から狩り出されていたサテライトの印象の方が強い。一昨シーズンはたまたま観に行ったG大阪とのサテライト戦に3バックの左ストッパーで先発出場していたし、昨シーズンも10月の川崎戦でユースが高円宮杯を戦っている最中にベンチ要員として狩り出され、試合前やハーフタイム中のアップでGK長谷川の相手を務めさせられていた。そして左サイドから左足でのクロスがまともに上がらず「もういいから右足で」的な感じで言われていたのがなんとなく微笑ましかったりもしたわけだが、ここまでユースで二年間公式戦は全く出番のなかった選手にこんな良い選手がいたのかというのはちょっとした驚きで、俺の中では岩田と近藤の二人がこの二日間での最大の発見だった。
b0036243_22153448.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-08 22:16 | Youth
ジャパンユースサッカースーパーリーグ 名古屋U18×帝京 @裾野グランド
 今年から関東の高校・クラブも交えて争われることになった中日本スーパーリーグ改めジャパンユースサッカースパーリーグ。春から始まる公式戦(プリンスリーグ)に向けて貴重な実戦経験の場となるこの大会に名古屋はU-17とU-18でエントリーしている。新三年生の矢田と三浦天がトップチームのキャンプに参加していたりするのでフルメンバーとはいかないが、一日で二試合あるので来年の新入生含めてフルにチェック出来るのは有り難い。今日の帝京高校戦について言えば、第一試合がU-17、第二試合がU-18という扱いになっており、名古屋もそれに合わせて第一試合が新二年生中心、第二試合が新三年生中心でチームが編成され、そこにジュニアユースから大量昇格を果たした“黄金世代”こと新一年生が加わる形だった。ただ新三年生が昨年・一昨年とほとんど実戦経験を積めていないのに対して、第一試合に出場した新二年生の小幡、岸、金編は高円宮杯(U-18)で決勝に進出した主力メンバ-であり、また新一年生も昨年夏のクラブユースで優勝した良い意味で一年生らしくないメンバーであることを考えると、第一試合と第二試合で戦力差はそれほどなく、むしろキレイに二等分されている感すらあった。

 というわけで前置きが長くなったが第一試合。
 メンバーはこんな感じ↓

     32   11

23    9   28   26

18    5    4    3

        36

 サプライズはなんといっても32番。ひと際目を引く金髪のプレーヤーをチームメートは「マルコ」と呼んでいた。マルコ・ストイコビッチ。言わずと知れたピクシーの一人息子。確かパリSGのユースチームに所属していたはずだが、今年から名古屋のユースチームに加わるのだろうか。この試合ではフル出場を果たしたものの残念ながらチームに全く馴染めておらず、後半はほとんど消えていた(俺の視界には常に入っていたが)マルコに父親の面影を見出すことは現時点では難しいが、この先彼がどういう道を歩むのかを含めて注目していきたい。

 試合は立ち上がりからトップチームさながらのサイドチェンジを入れながらピッチを広く使うサッカーで名古屋がボールを動かし優位に立つ。しかし帝京が時間をおうごとにこのスタイルに慣れてくると、名古屋の攻撃を待ち構えてカウンターに持ち込むリアクションスタイルがハマリだしいくつもの決定的なシーンを作られてしまった。実際ポストやバーを叩いた帝京のシュートは何本もあり、次第にゴール前まで辿り着けなくなった名古屋とは対照的に、ハーフタイムには帝京の監督が「6点取っててもおかしくない」と選手達に語りかけていたぐらいだから、ポゼッションしているのは名古屋でも試合は帝京のワンサイドに傾きつつあったと言っても決して過言ではないだろう。
 後半も同じようなペースで試合が進む中、名古屋の試合が行われているピッチのすぐ隣の駐車場に前橋育英と対戦する京都ユースのバスが到着。中から出てきたのは菅沢&高嵜の旧名古屋U-15コーチコンビだった。ベンチにいた新一年生の選手達は高嵜コーチに手を振っているし、ピッチの中で戦っている選手を除いてはどことなく散漫になった空気の中で、奥村駿(11)のスルーパスに(マルコの脇をすり抜けるように)二列目から飛び出した小幡(9)が切り返しから右足で放ったシュートをGKが弾いてそのままゴールイン。名古屋はワンチャンスで先制に成功した。
 試合はその後両チームとも選手交代を行ったりして勝敗というよりはテストや経験を積ませる意味合いが強まりオープンな展開に。帝京の方もコーチが「○○君」と呼んでいる選手がいたから、新一年生か練習生でもいたのかもしれない。そして名古屋もそれまでオーバーラップを控えていた(出て行けなかった)右SBの金編が圧倒的なスピードで何度も右サイドをぶっち切ってセンタリングを上げるなどようやく攻撃にダイナミズムが出るようになっていた。

 この試合で目立っていた選手を上げるとすれば、やはり奥村駿、小幡、金編、岸といった二年生。奥村駿はFWとして圧倒的な存在感。このレベルでは少し抜けている感じだ。二年前にアルベスが二年生ながらチームのエースとして定着した姿をなんとなく重ね合わせてしまう。高円宮杯やJユースカップでは身体の出来上がった上級生との体力的な差に苦労していた印象のあった小幡も同年代であれば全く問題なくプレー出来るし、むしろこの試合で小幡がいなかったら名古屋は大敗していたのではないかと思わせるぐらい、帝京の激しいプレッシャーによって押し込まれたチームをその卓越したボールキープ力によって助けていた。ボールの中継地点として安定したつなぎとゲームメークを見せたかと思えば、前線に飛び出してゴールまで決める姿は頼もしくすらあり、このチームでは小幡の良さが十分に引き出されている。金編や岸といった選手については今さら触れるまでもないだろう。金編も前半だけで退いた岸もDFラインで特に1対1の場面などでは圧巻とも言える落ち着いたプレーを見せていたが、高円宮杯(U-18)のファイナリストとしてこれぐらいは出来て当たり前。今シーズンはチームの主力としてさらなる高みを目指して欲しい。樋江井、川村、佐藤、都竹、加藤凱(途中出場)といった新一年生の中では特に都竹が目立っていた。彼個人の能力ももちろん高いが、U-15でもスーパーな才能を持った選手達の中で攻守に気の利いたプレーを見せていた(攻撃では高原をサポートし守備では水野をサポートしていた)戦術能力の高い彼の良さはこのチームにとって不可欠なものになるだろうと俺は思っている。

 第二試合のスタメンは↓な感じ。

          31
     21

14    12   6   20

 7    19   2   15

        16

 第一試合と比べると両チームともにフィジカル面での充実が感じられコンパクトな陣形の中でハイプレッシャーを掛け合うような形で試合は進む。フィジカル面について言えば年代がひとつ上がるので当然なのだが、名古屋の場合は半分を新一年生(すなわち現中三)が占めているのだから驚きに値する。名古屋はともに新一年生の2トップ31と21が身長面でコントラストを成し、両SHはともに小柄なドリブラーである左・加藤翼(14/新二年)と右・加藤翼(20/新一年)が文字通りの「両翼」になる。センターハーフには近藤(12)と今年俺が最も期待している三浦俊(6)というちょっと意外でもある攻撃的なコンビが入り、CBも身長こそ高くはないが読みの良い守備で前に出ても勝負出来るしカバーリングも上手くこなす二人がコンビを組むという全体的にかなり独特な構成だった。
 中でも目立っていたのが近藤と三浦俊のセンターハーフコンビ。スピードがあり機動力に溢れる二人は持ち味である攻撃面だけでなく、守備面でも素早いチェックから中盤でこぼれ球を拾う仕事までをハイレベルでこなしていた。ありきたりな表現を使うならば、まさしく“チームの心臓”としてチームに小気味良いリズムを与えていた彼等には往年のベンゲルのエスプリが漂っていて、ベンゲルの元でプレーしていた小川新監督が目指すサッカーの一端がここにあるのかもしれない。

 試合はともにかなりコンパクトでプレッシャーのキツイ中ということもあってか、一発のタテパスでDFラインの裏を狙い高原(21)を走らせるようシーンが目立つ単調な時間帯もあったが、U-15組がドリブルで帝京DFを切り崩す場面も多く第一試合と比べてもチャンスを作るという部分ではかなり上回っていた。そして後半開始早々にカウンターから中盤を持ち上がった近藤のスルーパスに反応した高原が飛び出してきたGKの頭越しに落ち着いて左足でループシュートを決めて先制。そのまま1-0で逃げ切った。U-15時代からチームのエースとして君臨してきた高原は前半はボールに触る機会も少なくやや大人しかったものの、後半は貴重な決勝ゴールを皮切りに強引なドリブル突破で何度も相手のファールを誘っていた。例えるのは難しいが、どことなく「スラムダンク」に出てくる流川楓を思わせるようなプレースタイルの彼ならばきっとU-18でもエースとしての仕事を果たしてくれるに違いない。
 その他で目立った選手は前半だけで代わってしまったが右SBとして先発したこれまた新一年生の三鬼(15)。さすがに高校生に混じると少し小柄に見えるが、右SBとして彼のボールを前に運ぶ力はここでもしっかり通用していた。今日の試合ではあまり試される場面がなかったが守備での1対1にも強いこの「本格派」SBは加地亮を連想させるが、もし彼を4バックの右として固定出来れば、この年代の右SBとしてはその能力を持て余してしまう感じがしないでもない金編を他のポジションで使うオプションも出来、チームとしてはさらに幅が拡がるかもしれない。この三鬼や高原に限らず、新一年生は加藤翼(20)や奥山(19)もU-15の時の良さをカテゴリーが上がってもそのまま発揮できていて期待値は高まるばかりだ。
b0036243_23125918.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-07 23:12 | Youth
キリンチャレンジカップ2009 日本代表×フィンランド代表 @国立競技場
 「高さでは勝てない」オーストラリアとの対戦を意識して敢えて前線にはモビリティーを重視した人選をしているらしい岡田監督。それを考えれば岡崎や香川が機動力を生かしてフィンランドDFラインを突破し前半のうちに3点を奪ったこの試合は悪くないテスト結果だった。しかしフインランド代表は仮想オーストラリアというにはバクスター十八番の4バックのコンビネーションが余りにも準備不足な感が否めず二列目からの飛び出しに全く対応できていなかったし、GKのお粗末な飛び出しやキャッチミスが失点につながっていたあたりは問題外とすら言える。

 岡崎や香川といった岡田監督になってから代表入りした面々に囲まれてのプレーとなった玉田は、中村や大久保といった欧州組がいない分、自分が攻撃陣を引っ張るという自覚がところどころに見て取れた。そしてそれが名古屋で時々見られるような、中盤まで引いて自分がより多くボールに触れるといった形ではなく、1トップの自分が囮となる動き出しによってスペースを空けることで岡崎や香川のクロスするような飛び出しを呼び込む形で表れていたことは印象的だった。これはいかなる状況そしていかなる試合であれ自分がゴールを決めれば嬉しさを隠し切れない天性のエゴイスト(ストライカーにとっては良い意味で)である玉田の進化の証と言ってよいだろうか。
b0036243_1572470.jpg

[PR]
by tknr0326g8 | 2009-02-05 01:05 | Other Games