Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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クラ選(U-15)東海大会 名古屋U-15×清水ジュニアユース @トヨタスポーツセンター
 運命の悪戯か、2チームしか決勝トーナメントに進出できないグループリーグで名古屋、磐田、清水の下部組織が同居することになってしまったクラ選(U-15)の東海大会。全国に行くためにはこのグループリーグを突破しさらに決勝トーナメントで初戦を勝ち上がらなければならないわけだが、この試合は両チームともに変にそれを意識し過ぎることもなく、相手の良いところを消し合うというよりは自分達の良いところを出し合うようなユース年代のサッカーの醍醐味が詰まった展開になった。

 名古屋のスタメンは昨日のアルゴス戦と同じ。

     25   9

11   7    8   21

 5   4    6   2

       16

 この年代は高校年代ほどJの下部組織と街クラブとの間に力の差がないとは言え、それでもこのグループにおいてはやはりJ下部組織3チームの力は突出しており、力の落ちる街クラブとの試合ではU-14から「飛び級」で参加している選手達を使って経験を積ませ、Jの下部組織同士の試合では3年生中心のメンバー構成に代えてくるのだろうと俺は勝手に思い込んでいたが、どうやら「飛び級」組はしっかりと戦力としてカウントされているようだ。

 試合は序盤から名古屋がボールをキープして攻撃を組み立てようとする展開。そして昨日のアルゴスと比べると清水のプレッシャーがそれほど激しくないため、名古屋は昨日とは打って変わってクサビのボールが前線によく収まっている。しかし清水はカウンターから前線にボールが出た時の人数の掛け方をはじめとした迫力は昨日のアルゴスよりも数段上で、先制点を奪ったのもまさしくそんな清水のカウンターだった。名古屋の6のヘディングクリアが小さくなったところを、そのすぐ隣にまで迫って来ていた清水の選手が拾ってペナルティエリア内まで持ち込みシュート。これはGKが横っ飛びのファインセーブによって防いだが、こぼれたところを詰めて来た選手にプッシュされてしまった。

 先制点を奪われた後もボールを支配していたのは名古屋だったが、名古屋のSBが上がった裏のスペースなどを突いてカウンターから速い攻撃を仕掛ける清水に対して名古屋はDFが背走しながらの対応を強いられるようなシーンが何度かあった。しかし名古屋はなんとかこれに耐えると、ゴラッソと呼ぶに相応しいスーパーゴールによって同点に追い付く。名古屋のパスをカットした清水の選手がカウンターを発動しようとボールを持ち出した刹那、その選手の前に上手く身体を入れた7がボールをからめ取り、そのまま前を向いた7から8にボールが渡る。ボールを受けた8はドリブルで持ち込みながら相手が寄せてこないと見るや右足を一閃すると、GKが一歩も動けないような強烈なミドルシュートがゴール左上に突き刺さったのだった。昨日の試合でもミドルレンジのパスを次々と成功させていた8(の右足)はこんな武器も持っていたらしい。

 そして同点ゴール後は完全に名古屋が試合の主導権を握り、一時はセットプレーの連続でしばらく清水を自陣ゴール前に釘付けにするような時間帯もあった。そう言えば左サイドからのコーナーキックでキッカーを務めていた7がGWのプレミアカップでコーナーキックから直接ゴールにねじ込んだのも清水戦だった。あの試合でも7は中盤で清水の攻撃を潰しまくっていて、清水とはよっぽど相性が良いのかもしれないが、同点ゴールにつながったディフェンスといい、決して派手ではないが危ないところに顔を出して攻撃の芽を摘む7はこのチームにおけるマケレレのような存在と言える。

 試合の主導権を握りながらも相手GKの好セーブやポストに行く手を阻まれて2点目を奪えないまま前半を折り返した名古屋だったが、昨日同様後半開始と同時にまた猛攻を仕掛ける。そして25がドリブルで清水DFを割って入りペナルティエリアに侵入したところで相手DFに後ろから抱えられるように倒されると、レフェリーはペナルティエリアのすぐ外からのFKを指示。一瞬PKかとも思われたシーンだったが、それに気落ちすることもなく11が得意の左足で振り抜いたシュートが豪快にネットを揺らして名古屋はアッサリと逆転に成功した。

 清水の選手達は試合を進める中で徐々に名古屋との力の差を感じ始めていた部分もあったのだろうか。この逆転ゴールによって自信を深め気持ちよくプレーしている名古屋とは対象的に清水は完全に負のスパイラルにはまってしまったような印象だった。前半は敢えて避けているような感じもした高いボールでの前線へのフィードも苦し紛れのクリアのような形で増え始め、4を筆頭に高さでは圧倒的な優位性がある名古屋DFに当たり前のように弾き返され波状攻撃を喰らうシーンが続く。そして名古屋は勢い付くチームを象徴するかのように25や21といった「飛び級」組が得点に絡む活躍を見せ次々と点差を広げて行ったのだった。
 プラチナ世代(U-14)のエースである25は、U-14年代では昨日のアルゴスほどチームとして組織的なディフェンスをして来るチームと当たったことがないのか、昨日の試合ではなかなかボールをキープすることが出来ず、またオフサイドラインに取り残されることも多かった。またU-14であれば自然と自分にボールが集まってくるが、このチームでは9という不動のエースもいるので、ボールを受ける回数はよくて半々ぐらいでしかない。そうした状況下で自らのプレーになかなかリズムを作れず苦労しているように見えるシーンもあった。しかしこの試合では比較的フリーでボールに触れていたことで、プレーのリズムを作り出すことは難しくなかったようだ。
 同じようなことは昨日の試合ではほとんど何も仕事をさせてもらえないまま前半途中で交代してしまった21にも言え、25も21もまだまだ二人ともボールを持ち過ぎて潰されてしまうシーンが時々目に付く(U-14ではそれで突破出来てしまうのだろう)が、ゴールシーンこそこぼれ球をプッシュしたものだったが鮮やかな個人技から惜しいシュートを放っていた25といい、スルーパスに抜け出してゴールライン手前からの折り返しでオウンゴールを誘った21といい、この試合ではひとつ上の年代でも特徴を発揮しながら立派にプレーしていた。

 中だるみとまではいかないまでもやや集中の切れた時間帯でセットプレーの流れから豪快に叩き込まれた失点は余計で反省材料ではあるが、清水を寄せ付けない強さを見せたこの快勝は自信を持って良い内容だったと言えるのではないだろか。昨日のように相手にしっかり守備組織を作られるとトップにくさびのボールが入らなかったり、両サイドが機能しなかったりということもあるかもしれないが、この試合の先制点で見せた8のミドルシュートなど攻撃のバリエーションを増やしていったり、サイドバック(特に3月に新潟で行われたU-16チャレンジリーグに「飛び級」参加していた5)がもっと攻撃に絡んでくればその解決の糸口は自然と見つかるに違いない。
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by tknr0326g8 | 2009-06-30 02:15 | Youth
プリンスリーグ東海2009 第7節 名古屋U-18×磐田東 @トヨタスポーツセンター
 GWに藤枝明誠との試合を観て以来となる名古屋U-18。その後、勝負どころの清水商業・清水ユースとの連戦で、清商にはかろうじて勝利したものの清水ユースには2-0からの大逆転を喰らい、優勝争いそして高円宮杯出場権を懸けた争いから半歩後退してしまった。G大阪ユースが関西プリンスで二部に落ちる時代、何が起きても不思議ではないが、昨年の東海王者にして高円宮杯で三年連続ベスト4(うち準優勝二回)の名古屋もまた高円宮杯出場の危機に瀕している。望みをつなげるためには残り三試合とにかく勝ち続けるしかない。

 名古屋のスタメンは、

     5    11

10   27   12   6

8    19    4    2

        1

 三浦天が公式戦でゴールマウスを守るところを見るのは実はこれが初めてかもしれない。去年の春先に早稲田大学とトレーニングマッチを観に行った時のB戦でチームの中で最も声が出ていて、ひょっとしたら翌年のキャプテンは彼かもしれないと思った記憶があるが、比較的黙々とプレーする選手が多い今年の名古屋の中ではやはり彼の声は突出している。
 そしてこの試合で個人的に最も注目したのは矢田と三浦俊の両サイドハーフだった。名古屋(トップチーム)の歴史はサイドハーフの歴史でもある。平野と岡山、平野と望月、本田と中村、そしてマギヌンと小川。ユースもトップチームと同じようなサッカーに取り組むらしく、またピクシーと同じくベンゲルのもとで(左SBのレギュラーとして)プレーした小川誠一に監督が変わった今シーズンを考えれば、このチームの最大の売り(鍵)は黄金世代でもなければ岸や金編といった昨年経験を積んだ新二年生でもなく、ともに最終学年を迎える矢田と三浦俊の両サイドハーフになるだろうというのがシーズン開幕前に俺が思い描いていた青写真だった。このチームで10番を背負い、トップチームのキャンプやトレーニングにもしばしば参加している矢田をどのポジションで使うのかについてはこれまでFWやボランチといったセンターラインが試されていたが、ようやくこのコンビによる両サイドを見ることが出来る。

 試合前、磐田東の控室となっているプレハブ小屋の横を通りかかったら監督と思われる人の声が聞こえてきた。(試合の終わった今だから書くが)「名古屋というチームの特徴を挙げるとすれば動かない・運動量が少ない」「だからお前達が相手よりもたくさん動いて・・・」とか云々カンヌン。磐田東も一部残留が懸かっている。最下位のチームとは言え、走り合いを挑まれたら決して楽な展開にはならないだろう。
 しかしいざ試合が始まってみると磐田東がどういったサッカーをしたいのか今ひとつ俺には理解することが出来なかった。まずは守備から入ってボールを奪ったら素早く前線に送るわけだが、前線に強力なタレントがいるならともかくこれだけではなかなか難しい。名古屋のDFラインは比較的ギャップを作ってしまう傾向があるのでそこに二列目から走り込んだり、高さがない(確実にヘディングで弾き返せる選手がいない)名古屋のDFラインに対してロングボールの競り合いでは勝つことが出来ていたが(またそのセカンドボールも磐田東が拾っていたが)それでも決定機を作り出すまでには至っていなかった。

 対する名古屋は立ち上がりから後ろでゆっくりとボールを動かしながらシンプルに長身の2トップにロングボールを入れるダイレクトプレーが目立った。とは言ってもフィードは彼等の頭を狙うのではなく足元に入れたり裏を狙わせたりといったことの方が多い。特に大西は(背番号(5)といい身体のサイズといい)いかにもDFからの転向といった雰囲気(もともとFWだったという話もあるが)を醸し出しているが、ボールの落下地点を読むのが苦手なのかヘディングは決して上手くはなく、足元で受けて裏に抜け出すようなプレーを得意としている完全なセカンドトップタイプ。相手DFからしてみたらあのサイズでボールを持って前を向かれたら(しかも結構速いので)それはそれで怖いだろうが、最初はかなりのギャップを感じたに違いない。
 そしてそんな大西のビジュアルとのギャップ効果もあってか、磐田東DFの意識が比較的中央に集中したことでサイドで伸び伸びとプレーしていたのが名古屋の両サイドハーフだった。自慢のスピードを生かしてゴール前で何度かチャンスに絡んだ三浦俊もさることながら、この試合のMIPは何といっても矢田。さすがに時々プロに交じってトレーニングを積んでいるだけあって一人だけちょっとプレーのレベルが違う。インパクトだけで言えば(プレースタイルこそ違うが)二年前の夏にクラ選で中田健太郎を観た時に近いものがあった(ちなみに中田健太郎はその直後U-18に選出されている)。そして矢田は左サイドからドリブルで仕掛けてゴール前に決定的なセンタリングを送り込んだかと思えば、同じく定評のあるセットプレーのキッカーとしては今すぐトップチームに連れて行きたいぐらいの精度と鋭さを伴ったキックで先制点も演出していたのだった。

 幸先よく先制し危ない場面もほとんどない名古屋だったが、追加点のチャンスを相手GKの好セーブなどもあって潰しているうちに思いもよらぬ悲劇に見舞われてしまう。磐田東DFラインの裏に出たボールを追い掛けた大西が、飛び出して来てヘディングでクリアしようとしたGKの顔の前で足を高く上げてハイキックを取られ2枚目のイエローカードで退場を宣告されてしまったのだ。まだ前半だというのに名古屋は僅か1点のリードのまま一人少ないハンディを背負い込むことになってしまった。

 ただ前半のうちに退場者が出たことは(体力的には苦しいかもしれないが)ハーフタイムにスタッフからのアドバイスも聞きながら態勢を建て直し気持ちを切り替えられるという意味では不幸中の幸いだったかもしれない。もしこれが後半だったら、選手達はおそらく生じるであろう動揺・混乱から自分達の力で切り抜けられただろうか。そして実際に名古屋が後半に見せたサッカーは数的不利の状況をほとんど感じさせないほど素晴らしいものだった。
 前半と同じように後ろから1トップの奥村を狙って長いボールを入れてもそこを基点に攻めることは難しいことを悟った選手達はしっかりとショートパスをつなぐ組み立てへとシフトチェンジを図る。そしてそこでは前半に散々ロングボールを見せられていた磐田東のDFラインが名古屋がボールを持つとロングボールを警戒してどうしても深くなってしまうため、名古屋は比較的余裕を持ってパスを回すことが出来ていた。
 また名古屋は単にパスを回しているだけではなく、時折見せる大きなサイドチェンジからサイドに基点を作り後ろからもリスクを冒してどんどん選手が飛び出すスタイルでゴールを狙う意識を持ち続けた。特に左サイドの矢田にボールが渡った時には必ずと言っていいほどその後ろを左SBの安藤が果敢なオーバーラップを見せていたのが印象的で、前半につなぎ(組み立て)の部分では何度かミスもあった安藤だが、こうしたところでの積極性と走力が買われているのだろう。

 結局最後まで追加点を奪えなかった名古屋だったが、後半も攻撃ではおそらく磐田東以上に良い形を作っていたはずだし、ディフェンスでも集中した速い寄せからコンパクトな守備陣で最終ラインが相手の前でボールに触れるようになっていたので危な気なく試合を進めることが出来ていた。それをなんとかこじ開けようと磐田東が次々とフレッシュな選手を投入して手を打って来るのに対して、名古屋は小川監督がなかなか選手交代を行わなかったので見ている側とすればヤキモキしたが、こうした光景は朴前監督の頃から慣れっこだし、良い形で試合を進められていたこともあり戦術的にも代えるに代えられなかったのかもしれない。得点を奪いに行くのであれば、最後の方は磐田東もベンチの指示でDFラインを上げていたので、この試合でゴール運から見放されていた奥村に代えて高原などを入れても面白かったとは思うが、セットプレーの守備を考えるとやはり奥村は外せない。実際終盤に来て奥村に代えて加藤翼が入った後は、自陣で相手にセットプレーを与えないように・・・ということだけを心配しながら俺も見ていたぐらいだ。

 この試合の後半を見ていればチームが普段どんなトレーニングをしているのかがなんとなく見えて来るような気もするが、こうしたサッカーをしていれば続く静岡学園戦、ジュビロ磐田戦に連勝することも決して不可能ではない。文字通り高円宮杯出場権を掛けた戦いとなるが、選手達には持てる力の全てを出し切って戦って欲しい。そうすれば結果は後から付いて来るだろう。
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by tknr0326g8 | 2009-06-28 07:53 | Youth
クラ選(U-15)東海大会 名古屋U-15×FCアルゴス @トヨタスポーツセンター
 昨年の夏に黄金世代が初優勝を飾ったクラ選(U-15)。黄金世代は次のカテゴリーへと進み、コーチングスタッフも一変してしまったが、クラブとしてはこれを一過性のものとせず歴史として積み上げて行かなければならない。今週の中スポ「ユースニュース」にもあったように、この東海大会では同じグループに名古屋、磐田、清水のジュニアユースが同居するという異常事態となったが、全国に進むためにはいずれは倒さなければならない相手だし、ここを勝ち抜けられないようでは全国でも勝てないだろう。彼等には強い気持ちを持ってこれを乗り越え全国の舞台で良い経験を積んで欲しい。

 名古屋のスタメンは、

     25   9

11   7    8   21

 5   4    6   2

       16

 俺にとってこのチームは完全な「お初」だが、個々のプレーヤーで見れば、9、5、6の三人は3月に新潟で行われたJリーグ・U-16チャレンジリーグに参加していたし、キャプテンマークを巻く7と全体的に大柄な最終ラインの中にあってもさらに頭ひとつ抜ける長身の4の二人はGWのJFAプレミアカップ(U-14)に早生まれの「オーバーエイジ」として出場していた。さらにはそのU-14のチームから「飛び級」でこのチームに参加している選手もいたりと、馴染みのある選手も少なくはない。

 試合は開始早々に右サイドからのクロスボールをファーサイドでフリーになった11が落ち着いて合わせてアッサリと名古屋が先制する。東海大会の初戦ではあるが使い慣れたホームグラウンドということもあってチームに緊張などはないようだ。これはこのまま名古屋の一方的なペースになってしまうのかなと思ったが、その後は予想に反して名古屋が苦戦する展開になった。

 名古屋はU-13もU-14もそしてこのU-15も基本的にやろうとしているサッカーは同じだ。4-4-2の布陣でポゼッションを志向し、最終ラインで左右に大きくそしてゆっくりとボールを動かしながらトップにクサビのボールを当てるタイミングを探る。そしてトップにクサビのボールが入るとそこに二列目が絡んでスピードアップする。
 しかし名古屋は寄せの速いアルゴスのディフェンスを前になかなかトップにクサビのボールが収まらない。そしてミスからボールを失いカウンターを浴びるという展開が続く。アルゴスは特に守備面で組織的によく整備された好チームで、その高いディフェンスラインは名古屋のアタッカーを何度もオフサイドトラップに嵌めたりもしていた。気候条件を考えるとアルゴスのハイペースが最後まで続くとは思えず後半になれば個々の能力に勝る名古屋の時間帯が来ることは間違いないだろうと思いながら見ていたが、出来れば相手が元気なうちにそれをどうこじ開けるのか見てみたいというのが俺の率直な気持ち(願望)だった。

 そして試合は思いもよらぬ形で新たな局面を迎える。名古屋のDFが自陣深くからアルゴスDFの裏に向けてクリア気味に大きく蹴ったボールに9が抜け出すと、スタートの遅れたアルゴスGKがシュートを放とうとした9と交錯。レフェリーは9の放ったループ気味のシュートがゴール脇に外れるのを確認してからアルゴスGKにレッドカードを提示した。
 相手の体力が落ちるであろう後半を待たずして数的優位というアドバンテージを得た名古屋。しかしその後もなかなか攻撃が上手く行かないと見るやベンチは早々に2→3、21→12というメンバー交代を断行した。そしてその効果もあってか、相手陣内深くで得たスローインからボールを受けた9がドリブルでライン際まで持ち込み左足で放ったシュートを交代で入ったアルゴスのGKがファンブルして名古屋は追加点を奪い前半を折り返した。

 ハーフタイム中にコーチからの喝が入ったのか、後半を迎えるに当たってかなり気合の入っていた名古屋はまたしても開始早々に追加点を奪うことに成功する。左サイドへ大きく展開したボールから11が一旦キープしそこからドリブルで持ち込んで放った強烈なシュートがポストを叩くと、そのはね返りをゴール正面で待ち構えていた9が豪快に左足で蹴り込んだ。
 これで少し余裕の出来た名古屋は明日の清水戦も見据えてか、8→20、7→13といった交代を次々と行い、6と20のWボランチという新たな組み合わせを試したりもしている。スタメンでWボランチを組んでいた7と8はそれぞれボールを落ちつけられる7と大きな展開が得意な8といった特徴を持った選手達だが、20は彼等にはない攻撃にアクセントを付けられる選手で、一学年上の選手達に混じるとまだ当たり負けしてしまう場面もあるが、使い方次第では面白いオプションになるだろう。

 その後試合は左からのクロスボールを胸でトラップしてボールを落とさないまま反転し右足で豪快に蹴り込んだ9のハットトリックとなるゴラッソも決まり4-0で名古屋が勝利を飾った。9はいわゆるゴリゴリ系のストライカーだが、特に後半は時々25とタテの関係となりバイタルエリアを上手く使っていた印象もあった。あとは25や終盤に25と代わって入った24といった「飛び級」組も惜しい場面を作っていたのでゴールを決めて自信をつけさせてあげたがったが、それは次戦以降に持ち越しということで。
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by tknr0326g8 | 2009-06-27 17:01 | Youth
ACL ラウンド16 名古屋×水原三星 @瑞穂陸上競技場
 変則的なレギュレーションにより、(決勝を除き)H&A方式で行われるトーナメントの中に組み込まれた一発勝負のラウンド16。この試合に勝たなければ、ACLに出場したと言ってもそれは東アジア~東南アジアの範囲での話(言うなればEACL)でしかなく、中東チームとの対戦もないままに大会を去らなければならない。このACLをそんな味気ない記憶にしないためにも名古屋に求められるのは一にも二にも「結果」だ。

 とそんなことは分かっているつもりでも、この試合立ち上がりからの名古屋のパフォーマンスの低調さには思わず目を覆いたくなってしまったというのが試合を観た正直な感想だった。玉田がスタメンに復帰し、マギヌンを除けばベストメンバーのはずの名古屋だったが、土曜日の千葉戦の悪いイメージをそのまま引きずってしまっている。いやむしろその戦いのイメージが頭に焼き付いているかのごとく、前線に4人が並ぶ4-2-4のような布陣で中盤を経由せずDFラインから前線への長いパスに頼った不確実な攻撃を繰り返していた。いつものほほんとしたコメントを発しマイペースを絵に描いたような中村がキックオフから何度も前線のスペースに飛び出すようなアグレッシブさを見せるなど、チームとしてホームゲームで負けられないという思いやそのために何がなんでも先制点を奪いたいという気持ちは伝わって来たが、それでもチームとしての機能性は乏しく、いざ得点となればそれは偶発性のものに頼らざるを得なかったというのが実状だ。

 この試合での個人的な注目選手は玉田と小川。玉田は途中出場した土曜日の千葉戦で身体のキレの良さを感じさるプレーを見せていたが、逆にそれまでダヴィの突破力と巻の高さを生かす戦い方を徹底していたチームの中で、玉田の登場は、ダヴィを走らせるのか、巻に当てるのか、それとも玉田に預けるのかといった部分でチームにちょっとした混乱をもたらしていた。そしてその混乱の余韻はこの試合でもまだ残っていたようだ。この試合では巻が外れて頭からダヴィと玉田の2トップという形になったものの、キャンプ期間を一緒に過ごしていない玉田はまだこのチームの中で居場所を見付けられていない。そして日本代表における岡崎というライバルの出現により得点を強く意識するようになったのだろうか、前線に張り付いたままの玉田はいつものように一旦中盤まで引いて来てゲームを作るような動きも少なかった。
 小川も10番としての重圧が「自分が何とかしなければ」という気負いという意味でマイナスに作用したとしか思えない磐田戦での退場に続き、この試合でも立ち上がりは危険な位置で不用意なファールを犯したりするなど少し空回りが続いている印象だった。このクラブには珍しい勝ち気な性格は間違いなく買いだが、ピクシーの標榜する「美しいサッカー」の対極を行く「美しくないファール」は名古屋の10番を背負う男として避けなければならない。そしてこの試合では立ち上がり早々にカウンターから裏に抜けようとしていたダヴィにシンプルに出していれば1点ものというシーンで、あえて切り返してボールを持ちファーサイドにパスを送ったシーンも気になった。ボールがそのままゴールラインを割った技術的なミスよりも、なぜ最も可能性が高くチームのストロングポイントであるダヴィをシンプルに使わなかったのか。立ち上がり早々だっただけに、これが単なる試合勘の問題なのか、それともダヴィ頼みと言われる攻撃に対する改善策を自ら模索しているのか分からないが、あまり考え過ぎてこの若きエースがまた負のスパイラルに陥ることは避けなければならない。

 名古屋がイマイチ噛み合っていない間に少しづつゲームの主導権を握った水原はいつしかほとんどハーフコートと言っても差支えないほどのワンサイドゲームに持ち込んでいた。雨あられと浴びせられるシュートが試合を通じて雑だったのが名古屋にとっては救いったが、もう少し精度の高いフィニッシュを持ったチームだったらやられていたに違いない。
 そしてそんなホームゲームでとんだ大失態を演じてしまいそうな勢いの名古屋にとって小川の先制ゴールは悪い流れを一掃する分岐点となった。これで精神的に余裕の生まれた名古屋は水原の動きが少し落ちたこともあって、すき間すき間に顔を出してボールを受ける選手が出始め、特にその代表格とも言える玉田が中盤でも積極的にボールに絡み始めたことで良い潤滑油となりようやくパスが回り始めた。ただこれとて到底100%には遠く及ばない状態であり、実際名古屋が追加点を奪った直後に1点を返されたシーンではぎこちなさの残るパス回しからアバウトにタテに入れたボールをアッサリとカットされるという稚拙な組み立てからカウンターを浴びシュートまで持って来られていた。
 何度も言うようだが、そんな名古屋には願わくば中盤のセンターでもう少しゲームを組み立てられる人材が欲しいところだ。このポジションに求めるものはまずハードワークというのであれば、攻撃でもそして守備でも機能しているとは言い難い二人でラインを揃えるような戦術(ポジショニング)の再考が必要だ。組み立てにおいては玉田から信用されず、二人でボールを獲りに行って交わされ裏にバイタルエリアを広々と解放してしまうような戦術をいつまでも引っ張ることは得策ではないし、決してマンチェスターUではない名古屋がこうした戦い方を続けていても上位チームとの差は埋まるはずもなく、またこのままではいつまで経っても前線の戦力補強に走り続ける羽目になりかねない。

 とは言え、これまでの名古屋であればアッサリと負けていたであろう試合で勝利を掴み取ったことは評価できるし、戦術とはまた違った部分での(特に精神面での)チームの成長が確かに感じられたことも事実だ。そしてチームは最低限のノルマを果たした。その部分において俺は(頑張っている選手はもちろんのこと)ピクシーの手腕も評価しているし、ダヴィひとりでダメならケネディも獲って2トップに並べちゃおうという極めて名古屋的な発想がこれまでとは趣の異なるものであることを信じている。少しづつ満たされていく駒(戦力)を手にピクシーがこれをどうコントロールしていくのかに注目したい。
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by tknr0326g8 | 2009-06-26 01:22 | Game Review
ボルケーノ(U14&U13) @トヨタスポーツセンター・サッカー場
 昨日の実に後味の悪い試合を受け、セカンドチームの大学生を相手にしたトレーニングマッチで少しでもスカッとしようかと思ったが、同じトヨスポ内であればせっかくだから公式戦の方にというわけで、出向いたのはJリーグのU13~14年代を対象とした地域ごとのリーグ戦・ボルケーノ。今日はトヨスポのサッカー場の方でU-14、U-13ともにジュビロ磐田との対戦が組まれている。

 GWのJFAプレミアカップで準優勝を飾った後、「オーバーエイジ」組の二人がU-15に戻り、来年のクラブユースそして高円宮杯に向けた再スタートを切ったプラチナ世代。しかしこの試合ではさらに何人かの主力選手が午前中に行われていたU-15のトレーニングマッチの方に出場していたため、チームはプレミアカップ優勝時の先発メンバーから半分が入れ替わるという状態になっていた。「飛び級」でU-15に加わった選手達はおそらく来週から始まるクラ選の東海地区予選にもメンバー登録されるものと思われるが、年代の壁を越えて選手が行き来するのを見ていると名古屋ユースもようやくプロクラブの下部組織らしくなってきたようにも感じる。そして今日このボルケーノ・磐田戦を戦う選手達からしてみればこれはまた新たなチャレンジと言えるだろう。

 名古屋の先発はこんな感じ。

     17    4

11   15    6   18

 7    14    3   10

         1

 プレミアカップでは控えに回っていた選手や登録メンバーから外れてしまった選手もプラチナ世代の名に恥じない個性と能力を持っており、そんな彼等がこのチャンスを生かしてどういったプレーを見せてくれるのかが最大の注目点だ。

 試合はボールを保持して左右に大きく動かしながらトップにクサビのボールを当てるタイミングを計る名古屋(そのクサビのボールを合図として全体がスピードアップしてアタッキングエリアへと侵入する)と、それを待ち構えてカウンターを狙う磐田という様相。そして名古屋は11による往年のライアン・ギグスを彷彿とさせるようなニアサイドをブチ抜くゴールで先制したものの、その後カウンターから3失点を喰らい磐田に逆転負けしてしまった。磐田の選手達は一様にサイズがありとにかくボディコンタクトが激しい。これによって名古屋はなかなか前線でクサビのボールが収まらず、また少しでも判断に逡巡していると磐田の選手のプレッシャー(チャージ)を浴びてボールを失いカウンターを喰らうという展開を繰り返していた。磐田が普段からこうしたカウンターに重点を置いてトレーニングを積んでいるのかどうかは定かではないが、試合を通じてその形は徹底されており、またスピードのある2トップが名古屋のDFラインに出来るギャップ(特に攻撃的なSBの裏)を的確に突いて来ていたのが印象に残った。

 名古屋に関してはプレミアカップの頃と比べると(メンバーが変わったとは言え)随分と球離れが良くなり、周りの選手を使いながら攻撃を組み立てるようになっているように感じられた。点差や残り時間などの要素によって時々気負いのようなものが出てくると、また自分でなんとかしようというような悪癖も顔をのぞかせたりしていたが、ショートパスをつないで鮮やかな崩しを見せるようなシーンも何度かあり、このチームが目指しているであろう方向性というものも垣間見ることが出来た。
 あとは中盤から前線にかけてのポジションと比べると明らかに人手が足りない印象の最終ラインを、現状は取って付けたようなコンバートで凌いでいる印象だが、秀でた攻撃能力を持つ大型セントラルミッドフィールダーの14をCBで起用するぐらいなら(有望な選手に様々なポジションで経験を積ませるという方針であるならこれもありだが)トップに入っている4をCBに入れてみるという手はなのだろうか。4は前線でのヘディングの競り合いを地味にほとんど制していたし、このチームにあっては珍しく周りを見れる選手なので、CBに入れてみたら意外と化けるかもしれない。マイクとニッキじゃないがお兄さんとは違うポジションでプレーしてみるのも悪くはないと思うが・・・。

 続いてはこれまたGWの鹿島招待以来となるU-13。相手のジュビロU-13は強いという噂もある。

     11    9

13   8    10   17

2     4     5    6

       16

 昨年の全少で準優勝という快挙を成し遂げバーモントカップ(全日本フットサル)でもベスト4入りしたチームが母体となるこのU-13は、センターラインに9、10、4という軸となる選手がいるのが特徴。そんな軸となる選手達にU-13から新たに加わった才能豊かな選手達が融合しどんなチームが出来上がっていくのかを楽しむのがこのチームを見る上での作法といったところか。

 試合は前半こそ両チームともに激しい潰し合いを演じて決め手を欠き0-0で折り返したものの、後半になるとエースストライカーの9の2ゴールによってリードを奪った名古屋が磐田の反撃を1点に抑えて逃げ切った。自ら獲得したFKをシュート力を生かして直接蹴り込んだ先制点はもとより、4が相手FWとの競り合いを制してヘディングで弾き返したボールが10につながり、10の送ったラストパスを受けた9がエリア内で冷静に複数のマーカーを外して決めた追加点はこのチームを象徴しているかのようなゴールだった。
 惜しむらくはこの試合に合わせて奇跡的に天気が回復しただでさえ蒸し暑い中でさらに真夏のような太陽光に晒された選手達の運動量が上がり切らなかったこと。9や10といった選手がボールを持った時に周りの選手がもっと動いてあげれば、彼等の能力はさらに生きるに違いない。

 一方の磐田はこのカテゴリーでもアグレッシブな守備が特徴で、素早い寄せから奪ったボールを素早く前線のスペースに送り込み、大柄でいかにも運動能力の高そうな2トップの個人能力によってゴールをこじ開けるような戦い方だった。ただ後ろからでもどんどんスライディングに来たり、競り合いでレフェリーに見えない角度でユニフォームを引っ張ったり身体を掴んだりといったことを何ら悪びれることなくやって来る磐田に対して俺は正直あまり良い印象を持たなかった。もちろん大事なところで身体を張ったり、フィジカルコンタクトで当たり負けしない強さは必要だが、育成年代で敢えてそれをやる必要があるのかは大いに疑問だ。
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by tknr0326g8 | 2009-06-21 23:47 | Youth
J1 2009 第14節 名古屋×千葉 @瑞穂陸上競技場 
 W杯予選開催に伴う一ヵ月近くの中断を挟んで行われたJ1第14節。他のクラブはその間もナビスコカップを戦っているが、ACLに出場している鹿島、川崎、名古屋、G大阪はナビスコカップの予選リーグを免除されているのでおよそ一ヵ月ぶりの公式戦となる。名古屋はその期間にOFFを取ってリフレッシュし、さらに古川町でミニキャンプを張って万全の態勢でこの試合へと臨んでいるはずだった。不安があるとすれば昨シーズン同じように中断空けの試合で鹿島に大敗を喫してしまったような試合勘の部分だが、選手達のコメントを読む限り昨年の経験は成長の糧としてしっかり彼等の中で消化されているようにも思える。悲願のリーグ戦初優勝、そして来シーズンのACL出場権を獲得するためには同じ過ちを繰り返すことは許されない。

 しかしいざ蓋を開けて見れば試合は「落胆」の二文字でしか言い表せないような低調な内容で、そこには「美しいフットボール」は欠片すらも見出すことは困難だった。名古屋のサッカーの象徴とも言えるマギヌン(負傷)・小川(出場停止)の両サイドハーフを揃って欠く名古屋に対して試合前から不安がなかったわけではないが、それを想定してキャンプに取り組んでいたことを考えても、まさかここまで酷いとは正直想像だに出来なかった。

 名古屋のサッカーが機能しなかった理由はいくつかあるが最大の要因は選手層の偏り&薄さと明らかな人選ミスにある。全ての源泉はここに行きつく。マギヌンと小川に代わってサイドハーフで起用された杉本と津田はともに元来FWの選手だ。決して万能タイプではない彼等がサイドで基点となれない名古屋は必然的にSBの上がりが制限され、また彼等のポジショニングも前に突っ込み過ぎて4-2-4のような形になっていることが多かった。しかも(これは何度も言っていることだが)名古屋のセンターハーフの二人には攻撃を組み立てる能力がない。そうなると必然的に名古屋が迎えるチャンスはDFラインから目の醒めるようなパスが前線に通った時に限られる。巻にクサビのボールが入った時にも後ろからのサポートは遅いし、DFラインから中盤を経由してボールを前に運ぶトレーニングを積んでいたというキャンプは一体何だったのだろう。しきりに「裏を狙え」というようなゼスチャーを見せていたピクシーからすれば、巻がクサビのボールを受けに下がった裏のスペースを周りの選手に使わせたかったのかもしれないが、これが機能することもなかった。
 そして名古屋の戦いをさらに苦しくした要因は、名古屋が誇る絶対無二のゲームメーカー阿部翔平に対して一年前まで在籍していた古巣との対戦に執念を燃やすジェフの深井が激しいチャージを仕掛けて自由を与えなかったこと。これがミラーの授けた策なのか、名古屋を知り尽くす深井の自主判断(&モチベーションの高まりに応じてのプレー)なのかは分からないが、いずれにしても名古屋はボールは支配しているものの撃をオーガナイズすることが難しい状況だった。

 一方のジェフは、アレックス・ミラーが相手チームや日本のサッカーをリスペクトし過ぎているのではないかと思えることが多々あるが、この試合でも低調な名古屋相手に必要以上に慎重な試合への入り方をしていたように思えた。強引な攻撃を繰り返す名古屋の中にあって巻弟が何度かバイタルエリアから相手ボックスの中あたりでボールに絡んでいたのに対し、元日本代表のお兄ちゃんの方は前半ほとんど消えていたのがこれを象徴している。
 しかしともに決め手を欠くまま試合が後半に突入すると、先制点が入るとすれば千葉の方が可能性(確率)は高いだろうと思いながら俺は試合を見ていた。もちろん名古屋にはダヴィという飛び道具があるので予断は許さないが、千葉には工藤と谷澤という「違い」を作り出せる優れたタレントが中盤にいるからだ。こうなると俺の願いは玉田が投入されるまでの間、形はなんでもいいから千葉の攻撃を凌いで欲しいということ。中盤に下がってのゲームメーカーとしてあるいは前線で得点に絡むチャンスメーカーとして抜きん出た能力を持つ玉田が入ればゲーム展開は劇的に変わるに違いないという淡い期待が俺の中に存在していた。

 結果的には満を持して玉田が投入されてからも名古屋のサッカーは一向に良くなることがなかった。W杯最終予選に引き続き玉田自身のコンディションの良さは感じさせた――中断前ろくに試合に出ていないのだから当たり前と言えば当たり前だが――ものの、むしろ玉田が入ってからの方がチームは個々のプレーヤーがバラバラな意思を持ってプレーしているようにすら見えたほどで、これでは入るものも入らない。そして後半36分にまたしても深井にゴールを決められ、名古屋は千葉にみすみす勝ち点3を献上する羽目になってしまった。マギヌン、小川の不在に苦しんだ試合で昨シーズンの序盤名古屋ではサイドハーフの控え的な位置付けだった深井によって試合を決められてしまったのは何かの因縁だろうか。

 名古屋からしてみたら、これから小川やマギヌンも帰ってくるしオーストラリア代表のケネディも入団するかもしれないことを考えれば、この結果はそれほど悲観する必要はないのかもしれないが、少なくとも「誰が入っても同じサッカーが出来る」などというような根拠のない戯言を言えなくなることだけは確かだろう。これから続くACL水原戦、鹿島戦、新潟戦と厳しい連戦を前にこれが発奮材料となることを願いたい。
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by tknr0326g8 | 2009-06-21 00:27 | Game Review
J2 第21節 福岡×仙台 @レベルファイブスタジアム
 後学のために訪れたレベルファイブスタジアム(博多の森)は、かつて望月重良や西ヶ谷隆之がユニバーシアードで金メダルを獲得し、ラストシーズンのピクシーがウェズレイと絶妙なハーモニーを完成させ、練習試合でコテンパンにやられた松田浩のプレッシングサッカーに腰が引けたフェルフォーセンがキックオフから豊田陽平へのロングボール一辺倒で無理矢理勝ち点3を強奪したスタジアム。
 福岡空港から徒歩圏内というアクセスも良いので福岡には札幌とともに一日も早くJ1に帰って来てもらいたいところだが、毎年のようにゴタゴタが起こり今シーズンも思うように勝ち点を伸ばせていない現状を鑑みると、それはもう少し先のことになるかもしれない。
 しかしこの試合の福岡は、好調の仙台に対しても全く怯むことなく立ち向かい、初夏を思わせる日差しと気温の中で(細かいミスはさておき)最後まで集中を切らさず戦い続け勝ち点3を獲得した。特に目を引いたのは(選手交代があったとは言え)試合終了までサボることなく続けられた前線からのディフェンスだろうか。仙台は前線で平瀬が左右のスペースに流れてチャンスメークする形を徹底して立ち上がりからゲームを支配しかけていたが、田中誠を中心とした帰陣の早い福岡ディフェンスを前にそこから先に進むことが出来なかった。
 ただ福岡からしてみたらメンタル的にこのテンションをシーズンを通して持続していくことは事実上不可能で、これからはもっとチームとしての完成度も高めて行かなければならない。経験豊富なベテランもいて、ようやうスタメンも固まって来ているようなので決して不可能な話ではないはずだが。
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by tknr0326g8 | 2009-06-14 01:02 | Other Games
W杯アジア最終予選 日本×カタール @横浜国際総合競技場
 流動的なポジショニングがひとつの売りである日本は前の4人がローテーションのようにグルグルと回ったりしているのが印象的だが、アタッキングサードに入るあたりまであまりプレッシャーを受けずに自由にパスを回せた前半には、最終ラインでも内田が一列繰り上がり今野、闘莉王、中澤が3バックを組んでいるように見える場面が多かった。そしてかなりゾーンを低めに設定しカウンターから少ない人数でフィニッシュに持ち込む狙いのカタールが狙っていたのもまさしくこの内田の裏のスペースで、日本はそのボール支配率に相応しくない危険なシーンを何度も迎えていたのだった。

 個人的に気になっていたのは(オランダ二部リーグMVP・本田はもちろんのこと)怪我から復帰するやいきなりスタメンを飾った玉田。しかし試合を観る限り(というか試合の中でのプレー時間の経過とともに)その動きにはキレが戻って来ているようにも感じられ、それは(この最終予選に備えて?)今シーズン前半をゆっくり休んでいた玉田にとっては、残りのリーグ戦に向けて良い試運転になったのではないだろうか。
 というか久しぶりにピッチ上で気持ち良さそうにプレーしている姿を観た気がする玉田は、「こんないい選手だったのか」というのが率直な感想で、(この試合ではサッパリだったが)一躍新エースの本命に名乗りをあげた岡崎に触発されているのは間違いないが、玉田が本来備えている加速が去年の12月に同じ横浜で観たルーニーに匹敵するものであることを体感することができた。玉田の場合あと必要なのはプレーの目的(ビジョン)をもっと明確に持ってプレーすることだろう。まあこれは(少なくとも名古屋に来てからの)玉田に対して俺がずっと抱き続けている課題(ストレス)でもあるのだが。
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by tknr0326g8 | 2009-06-11 00:29 | Other Games
キリンカップサッカー2009 日本代表×ベルギー代表 @国立競技場
 予想よりもずっと早く訪れた本田圭佑の登場機会は、股関節の怪我が完治していないとも言われる中村俊輔を雨で決して良好とは言えないピッチコンディションの中プレーさせ続けるのはリスキーだと判断したからだろうか。もしそうだとしたら、細身で華奢な中村俊輔と胸板が厚くガッチリしている本田圭佑というビジュアル的にも、なんだかかつてのリネカーとビニッチみたいだ。ただ前半の中村俊輔に対して後半の本田でチームがどう変わったのかが否応なしに比較されることを考えれば、本田にとってこれはチャンスであるとともに大きなチャレンジとなるだろう。

 しかし実際にはシーズン終了直後でやる気がないとしか思えないベルギーが相手では、前半における中村俊輔の価値を測ることはことは不可能だった。球際も甘くセンターサークルの付近まではボールも奪いに来ずおまけに守から攻への切り替えが遅いベルギーに対して、日本は中村俊輔が違いを作り出さなければ得点の臭いがしないといったような切迫した雰囲気は皆無で、もし中村俊輔のポジションにいたのが18歳の山田だったとしても試合の趨勢に影響はなかったに違いない。

 後半から登場した本田はベルギーが前から来るようになりチーム全体の動きも落ちている中で、ボールに絡む機会が減ってくると時々空気のようになっていたが、ひとたびボールを受けるとさすがの存在感を発揮していた。特にボールを受けてから前を向くプレーは格別だ。日本の他の上手いプレーヤーでもベルギーの選手に当たられたり前を塞がれたりすれば後ろにボールを下げざるを得ない中、本田はそれをものともせずグイッと前を向き視野を前に確保してしまう。そして力強さと繊細さを併せ持つキックも健在な中、名古屋にいた頃と比べて自分で行くところとボールを離すところの判断が抜群に良くなっていた気がしたのは、このチームが走ることをテーマとして掲げており本田の周りにもサポートが充実していた影響だろうか。
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by tknr0326g8 | 2009-06-01 02:21 | Other Games