Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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ACL 準決勝 2ndレグ 名古屋×アルイテハド @BS朝日
 今シーズンの開幕前に名古屋がACLでベスト4まで勝ち上がるなど正直予想だにしていなかった。もちろん日本では研究され尽くしたスタイルも初の手合わせとなる海外チームに対しては有効に機能する可能性は大いにあり、その意味では昨シーズンのJリーグで見せたのと同じような快進撃が今年はアジアに舞台を移して展開されても何ら不思議ではなかったわけだが、これまでの名古屋というチーム(とそこでプレーする選手達)の悪しき伝統を考えれば、長距離の移動や過密日程を克服しその上でなお結果を残すというタフなタスクに対して名古屋の選手達が耐え得るのかどうか懐疑的にならざるを得なかったからだ。そう考えると、「ここまで来たら優勝を!」と望んでしまうのは仕方ないことだが、初出場にして日本勢唯一のベスト4に進出したことは誇るべき戦績であったと言えるだろう。

 ただこの試合に関して言えば、その内容はとても褒められるようなものではなかった。パスを走らせるためというよりはアルイテハドの選手達の足を止めるためにまるでゲリラ豪雨にでも遭ったかのように水浸しにされたピッチといい、終始名古屋寄りの笛を吹いていた主審といい、名古屋がこの試合で得ていたアドバンテージは決して少なくはなかったが、それでもなお勝てないのだから、名古屋とアルイテハドの間に横たわる力の差は決して小さくはないということなのだろう。ベンゲル風に言うなら、名古屋とアルイテハドの間には100年経っても埋められない溝が存在していたといったところか。

 最低でも4点を奪わなければ決勝に進めない名古屋は攻撃的な選手を並べた布陣でこの試合に臨んできた。かなり思い切った策ではあるが先手必勝でこれぐらいのことをしない限りこの逆境を乗り越える術はないとの判断だろう。そして試合に中ではケネディと巻というストロングヘッダーを並べた前線に対してダイレクトにロングボールを放り込むのではなく、細かくパスをつないでサイドへと展開しクロスボールから2トップの高さを生かしてゴールを陥れる戦術を徹底していた。前半の名古屋は時としてじれったく感じるほどタテにボールを入れず横にボールを動かすことが多かったが、最終ラインを中心に守備ではマークが緩いアルイテハドの特徴を考えればこれは至極もっともな作戦だった。
 しかし名古屋はそれぞれに真っ当な選手起用と戦術の噛み合わせがどうにも良くなかった。SBに小川を回すのはこのところ攻撃的布陣にシフトする際の定番になりつつあり、実際に相手の左サイドにスペースが出来ていた日曜日の磐田戦でもそこが狙いどころと見るや代理監督のボスコは途中交代で右SBに小川を投入し得点に結びつけている。しかしこの試合のようにサイドからのクロスボールをケネディと巻の頭に合わせる戦術であるならSBの小川は明らかにミスキャストだ。よりによって名古屋のアタッカーの中ではクロスが下手な部類に入る小川をSBに起用する道理はない。そして小川自身まじめな性格が災いしてか、SBという「後ろ」がいないポジションに加えて三都主とブルザノビッチのWボランチというとてもカバーが期待できそうもない状況では思い切ったオーバーラップや1対1の場面でもドリブルの仕掛けが出来ていない印象だった。おまけにその前にいるのがフル代表でいうところの中村俊輔のようなことをしている玉田では右サイドは機能不全もいいところ。こうなったらサイドアタック(クロスボール)は左サイドに期待するしかなかった。
 そんなわけでこの試合での名古屋が小川を右SBで起用したにもかかわらず右サイドで数的優位を作れず攻撃に連動性や厚みを持たせられなかったのはある意味必然だったわけだが、もしこうした戦い方を選択するのであればベンチにうってつけの人材が体力を持て余していたのだからもったいない話だ。そのうってつけの人材とは中村直志だ。中村のクロスボールはこのチームのアタッカーの中でも屈指の質を誇っているし、このところリーグ戦を(出場停止で)休んでいるために体力の消耗も少ない。おまけに周りと上手く絡みながら攻撃するタイプでもないので、玉田などと絡めなくてもその特徴が失われることはない。こういう場面で中村を起用せずしてどこで使うというのか。
 そしてサイドからの仕掛けを志向するのであればボランチにブルザノビッチというのも微妙な選択だ。確かに4点のビハインドを追いかける上でブルザノビッチの持つ攻撃力(特に前へという推進力)は捨て難いが、視野の狭いブルザノビッチよりもボールを散らせるタイプの方が結果的に名古屋の攻撃力は高まったのではないだろうか。どうしてもブルザノビッチを使うならやはり巻を外すしかない。ケネディと巻でマークを分散させるという考え方もあるが、ケネディに引き付けその裏を狙うという考え方もある。準々決勝(川崎戦)でのマギヌンや準決勝・1stレグでの中村がその好例だ。この試合ではコンビネーションこそ未完成ながら左サイドを中心として精力的にサイドのサポートにも顔を出していたブルザノビッチだったが、もっとゴールに近い位置でプレーさせたかったところだ。

 失点シーンでは攻撃から守備への切り替えの遅さに唖然とさせられた。二人三人とボックスになだれ込んでくるアルイテハドに対して名古屋の選手達は完全に置いて行かれてしまっている。連戦が続いていることや攻撃的な選手を並べていることなどは言い訳にならない。こんな状態では相手がアルイテハドでなくホンダロックであったとしても失点を防ぎ切ることは難しいだろう。磐田戦の前にボスコ・コーチが選手達に語ったというGK長谷川に対するサポートはどこへ行ってしまったのだろうか。

 ほとんどが東アジアで消化されたグループリーグから灼熱のジェッダを経てホームの瑞穂で終焉を迎えた今シーズンの名古屋の挑戦で感じたのは、初挑戦でいきなりやすやすと優勝出来るほど甘くはないという現実と、次に名古屋がこの舞台(優勝が見える位置)に戻って来る時に一体この中で何人の選手が残っているのだろうかということ。外国籍選手とキャリアのピークを迎えたり峠を越えた選手が多い名古屋では小川と阿部が残っているかどうか。吉田はおそらく海外に行ってしまっているだろう。そんな意味でもピクシーが最後に切った交代のカードが吉村と中村だったことは残念だった。チームのキャッチフレーズにもある通り最後まで諦めない姿勢を見せることも大事だが、このまたとない機会に若い選手に経験を積ませることもまた未来を考えれば大切なことだったはずだ。そんな意味でも名古屋はいつの日か再び訪れるであろうリベンジの機会に備えてクラブ全体でこの経験を伝えていかなければならない。
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by tknr0326g8 | 2009-10-28 23:53 | Game Review
J1 2009 第29節 横浜×名古屋 @日産スタジアム
 突然ピッチにボフッという乾いた音が響き、そちらに目を向けるとゴールに向かって飛んできたボールがワンバウンドしてゴールの天井に突き刺さるように飛び込んだ。沸き上がるメインスタンドに向かって満足そうに両手を挙げて応えるピクシーを見て、俺はどうやらその“シュート”を決めたのがピクシーだったということを悟ったが、この“プレー”に対して松田のご注進を受けた主審はピクシーに退場を命じてしまう。バックチャージを受けたはずのマギヌンが松田の安い挑発に乗って相手と一緒にイエローカードをもらったシーンといい、百戦錬磨を誇る横浜主力選手の審判対応が上手いと言えばそれまでだが、この試合を捌いた主審(廣瀬格)に対する俺の不信感が決定的になった瞬間だった。伏線は名古屋が後半に横浜ゴール前で迎えたFKのシーンにある。キッカーの三都主が再三に渡って壁の近さをアピールしているにも関わらず廣瀬主審は遠くから「続けろ」の一点張り。結局三都主が蹴った壁越しのFKはゴール前で落ち切らずにバーの上を通過した。このシーンをAWAY側バックスタンドから観ていると良く分かったのだが、一度は自分の足で測ったところまで横浜の壁を下げさせようと試みた廣瀬主審だったが、壁を作った横浜の選手達がそれを無視していると、あろうことか廣瀬主審は壁をそのまま放置してその場を離れてしまった。弱気にも程があるし壁の距離は明らかに近い。まがりなりにも日本のトップリーグの試合を捌くレフェリーがあんな草サッカーでもなかなかお目に描かれないような状態でプレーを続行させて恥ずかしくないのだろうか。ピクシーへの退場宣告でレフェリーとしての威厳を示したつもりかもしれないが、この有り様ではそれどころではない。

 試合は名古屋が負けるべくして負けた試合だった。水曜日にAWAY(サウジアラビア)でのACLを控える名古屋は小川と代表戦から帰って来たばかりのケネディを温存。巻とブルザノビッチで2トップを組ませるというかなり思い切った策を打ち出して来た。捨てゲームとまでは言わないが勝ち点を拾えればラッキーぐらいな感覚なのだろう。しかし横浜は日本代表・中沢を中心としたDFラインに加えWボランチに松田と河合を起用したストッパー祭りで守備ブロックを作っており、これを突き破るには巻とブルザノビッチの2トップではどうにも分が悪い。ロングボールの競り合いにおける巻の健闘は正直予想以上だったが、それ以上のこと(ただでさえ高くて強い選手が揃っている横浜のマーク(意識)を二人、三人と引き付けること)は事実上不可能。中沢であれ栗原であれよっぽどなことがない限り1対1でも高さで完全にやられることはないので、余った選手は2トップの片割れであるブルザノビッチのマークに集中出来る。ブルザノビッチは基本的にあまり動かないのでこうなるとモロに横浜のマークにつかまってしまい仕事が出来ない。中盤に下がろうにもそこには松田や河合がいるという状態だ。
 そんな展開を俺はこの試合右SHで先発起用されていた杉本をトップで使って走力で勝負させた方が横浜DFとしては嫌だろうなと思いながら観ていた。かつてフェルフォーセンがガチガチの4-4-2の布陣を敷いてここ日産スタジアムで横浜に完勝した時のアレだ。巻が予想以上に(当時のヨンセン並には)中沢と競れていたことを考えればこの戦術は決してない話ではない。逆に言えば、このままでは名古屋はせっかく後ろでボールを奪って攻め込んでもフィニッシュに辿り着けないままボールを奪い返され、再び後ろは守備に奔走することになるという悪循環が止まらない。これでは後ろの選手達の疲弊は時間の問題だった。
 そして吉田の鮮やかなゴールで先制するも、バヤリッツァの負傷と増川のインフルエンザでこの試合CBに入った竹内が定期的にやらかすマーカーを見失って相手に前に入られるというミス(去年で言えば東京V戦(河野)や天皇杯・G大阪戦(中澤))で失点し1-1の同点のまま後半を迎えた名古屋は、後半頭からブルザノビッチに代えて小川を投入し、巻と杉本の2トップが図らずも実現する。これは戦術的な意図と言うよりも単にブルザノビッチの負傷によるものだと思われるが、名古屋がこの試合で勝ち点3を取ろうと思ったらこのフォーメーションで戦っている時間帯しかチャンスがなかった。
 しかし最後のところでアイデアが足りず名古屋は横浜ディフェンスを崩し切れない。そしておそらくACLを想定したローテーションでマギヌンが下がってケネディが投入されると名古屋は実質ノーチャンスだった。確かにケネディの高さと決定力は脅威だが、これで横浜は再びDFラインの前だけに注意を払えばよく、これまた高さが自慢のWボランチと挟み込むように守ればいい。そしてそんなケネディに対して最も質の高いボールを供給出来るマギヌンがいなくなってしまってはその脅威は半減だ。そうでなくてもそこから訪れるであろうオープンな時間帯で最終ラインと前線のリンクマンとして機能するマギヌンがいなくなってしまうのは名古屋にとって大きな痛手だった。
 さらにお約束で杉本が足を攣って同じポジションの津田に交代すると俺の注目は名古屋の守備陣が試合終了まで持ちこたえられるかどうかの一点に絞られた。横浜の高く堅固なディフェンスを崩すほどのアイデアが急に湧き出て来るとは思えないことを考えれば、攻撃的な選手のみで交代枠を使い切った今となっては、前半から飛ばしていたツケが後ろの選手達に回るのもまた目に見えていた。実際攻撃がアタッキングサードにおいて致命的とも言えるアイデア不足に陥っている中、守備陣はGK広野のビッグセーブ連発でなんとか横浜の猛攻を凌いでいるような状態だった。そしてロスタイムの悲劇は三たび訪れる。こんなゴールをかつて磐田戦で成岡に決められた記憶があるが、もはやこれは戦術的な問題ではない。

 そんな名古屋において目立っていたのはやはりアジアMVP候補の吉田麻也。技ありの先制点もさることながら、DFでも持ち味であるハイボールの競り合いだけでなく、1対1でもスピードのある坂田に仕事をさせなかった。前回瑞穂で対戦した時にはこの坂田にぶっちぎられたわけだが、同じ相手に二度やられるわけにはいかないという意地だろうか。ここのことろはつなぎも安定しているだけでなく時々決定的なパスを出すこともあるし、その眼はさらなる高いステージを目指しているような気がしてならない。一年目の時はセットプレーでも中沢に子供扱いされていたが、今やそれとも互角以上に渡り合っている。ユースの時に発していたような絶対的な存在感をこのレベルでも遂に発し始めた感じだ。この試合を視察した日本代表・岡田監督の目に吉田はどう映っただろうか。
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by tknr0326g8 | 2009-10-19 02:18 | Game Review
関東大学リーグ 第17節 中央×早稲田/明治×駒澤 @青木町公園総合運動場
 名古屋と横浜の試合が19:00キックオフなので昼間に市原で全社一回戦に出場する中田健太郎(松本山雅)と角拓哉(FC岐阜SECONDS)を観るかそれとも西川口で関東大学リーグを観るかで迷った挙句、西川口を選択。決め手は来シーズンからの名古屋入団が内定した中央大学の新井を観てみたかったのと、明治×駒澤の試合では久保×酒井という名古屋ユース時代のライバル対決が観られること。俺が中央大の新井を観たのはおそらく今年1月のインカレ決勝だけで、その時にはどちらかと言えばFC岐阜に4人の選手を送り込む筑波に目が行っており、ロングボールの競り合いで筑波の西川をことごとく撃墜していたのが今思えば新井だった。久保と酒井の対決が関東大学リーグに舞台を移して実現するのも感慨深い。ともに外部からのスカウトによって名古屋U-18に入団した二人は、三年時に吉田、新川、福島、長谷川等とともにクラブ史上初となる高円宮杯準優勝を成し遂げる。入団当初のポジションは二人ともFWで、前評判は年代別代表にも選ばれていた久保の方が高かったが、二年夏のクラ選では先発で起用されていたのは酒井だった。しかし二年時の高円宮杯の途中から久保がレギュラーを奪取しそのまま定着。三年になると酒井はSBへとコンバートされ、大学入学後の現在も関東大学リーグの強豪・駒澤大で右SBとして堂々レギュラーを張るに至っている。

 競技場に到着してショックだったのは第一試合で早稲田と当たる中央大のスタメンに新井の名前がなかったこと。今日西川口まで来た目的の半分がこれで潰えたわけだが、ここはひとつ気を取り直して試合観戦。昨冬のインカレ王者中央大には同じく昨冬に選手権を沸かせた前橋育英高出身の六平、早稲田にはプロ入りも噂される松本怜といった個人的にも好きなタレントがいる。よくよく考えてみれば、俺が前回この競技場に来たのは4年前の高円宮杯で、当時まだ高校二年生だった久保や酒井も出場していたが、その第二試合で高校生離れした超速ドリブルから切れ込んでの左足弾丸シュートを決めていたのが当時青森山田高校三年だった松本怜だった。
 第一試合は30~40m級のミドルパス(サイドチェンジ)を寸分の狂いもなく次々と受け手の足元にピタッと収めるナンバー10・村田を中心とした中央大の組織的なサッカーの前に早稲田が全くサッカーをさせてもらえなかった。そして中央大は前線では安、最終ラインでは(新井がいなくても)中京大中京出身の大岩が完全に制空権を掌握し早稲田に突け入る隙を与えない。
 というよりも早稲田は大丈夫だろうか。タレントはいるはずなのに全く有効活用されている雰囲気はないし、大学自体のブランド力で良い選手はいくらでも集まって来るだろうが、これがプロのクラブだとしたら敢えてこのクラブに入りたいという選手は少ないだろう。やっているサッカーの内容、そして自分がそこで成長出来るのかどうかを考えると大きな疑問符が付くのは間違いない。
 個人的な注目選手である六平と松本怜だが、まず中央大で4-4-2の左SHに入った六平は技術やセンスでは良いものを感じさせるものの、まだ周りに対して遠慮があるのかプレーがちょっと消極的で中途半端。消えている時間も多く、これは主に精神面の問題だと思うが、六平がバンバン点を獲り始めたらその時こそが彼にとって真の覚醒の時であり、その時にはプロも放ってはおかないだろう。今年4年生になった松本怜はSHの人材を欠いている名古屋にも是非その獲得レースに手を挙げてもらいたい選手。スピードという明らかな特徴があるのもピクシー好みだと思う。しかし利き足ではない左足ではしばしば客席をシーンとさせるような戦慄のシュートをゴールに叩き込む半面、パワーが有り余っているとしか思えない右足では逆の意味で客席を凍りつかせるような宇宙開発を連発するところは以前と変わっていない。この試合では2トップの一角に入っていたが、守備の負担が軽減されて伸び伸び出来るのかと思いきや、逆にチームが攻撃を(というかゲーム自体を)上手くオーガナイズ出来ない中でFW(エースストライカー)の彼への負担が大きくなり、有り得ないような(とても有効とは思えない)位置でドリブルを始めたりなど彼の持ち味をゲームの中でチームのために生かし切れていないような感じだった。名古屋に来れば杉本に取って代わる人材としてその持ち味をもっと生かせるような気もするが、スーパーだけど怪我がちな石川直宏のスペアとしてFC東京あたりも放っておかないだろう。

 続く第二試合はいよいよ明治と駒澤の対戦。こちらはともに三年生になった久保も酒井も無事先発出場。明治は一週間前の天皇杯で湘南を下して三回戦進出しているが、特に前半はプロ相手に自分達のスタイルであるパスサッカーで圧倒していた。当然この試合もそんな明治が主導権を握って進めるのかと思いきや、予想に反して駒澤のお家芸であるキック&ラッシュとハイプレッシャーの前に自分達のサッカーがなかなかさせてもらえない。(向かい風で高いボールが戻されるという部分はあったにせよ)頼みの久保もハイボールの競り合いでは駒澤の誇る中山と伊藤という2枚の壁(CB)の前に完封されてしまっていた。
 どうにも上手く行かない明治は後半のキックオフに合わせてトップの山村に代えて前線で身体を張れる山本を投入したことで少しづつパスが回り始め、さらに後半途中から三田をトップ下に置いて久保を右サイドに回した4-2-3-1のような形にすると、右サイド深い位置から久保がタテに入れたボールを受けた三田がドリブルで左に回り込みながらGKの頭越しにループシュートを決め先制に成功する。このゴラッソで気が楽になったのかこれを境に明治は完全に自分達のスタイルを取り戻した。
 しかしその後駒澤も徹底したキック&ラッシュで対抗しロングボール一本から三島が落としたところを途中出場の那倉が蹴り込んで同点に追い付くことに成功する。明治は先発のCBが負傷で交代しさらに交代で入った選手も負傷で交代を余儀なくされるという不運もあったが、駒澤のダイレクトプレーの前には終始劣勢だったこともあり、これだけ完璧なゴールを決められるともうあきらめるしかない。
 こうなると意地と意地のぶつかり合い。パスサッカーとキック&ラッシュというイデオロギーを懸けた戦いのようでもある。そして両チームともに総力戦で死力を尽くした試合は1-1で終了。素晴らしい試合を観たすがすがしさを抱きながら俺は一路新横浜へと向かったのだった。
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by tknr0326g8 | 2009-10-18 03:21 | College Football
キリンチャレンジカップ2009 日本代表×トーゴ代表 @宮城スタジアム
 夜になれば既に冬の寒さを感じさせる仙台で赤道直下からやって来たトーゴの選手達だけが(GKを除いて)全員半袖姿で登場した時にはそのモチベーションにあらぬ期待を抱いたものの、いざ試合が始まってみればフィジカルコンディションもさることながらメンタル的にも試合に集中出来ていないトーゴの選手達は自陣ゴール前ですらも一歩目の動き出しで日本の選手に全く付いて行くことが出来ず、岡崎にハットトリックを許すなどやられたい放題。それに加えて空気を読んだ?アシスタントレフェリーが立ち上がりから日本のオフサイド臭いプレーをことごとく流したことであっという間に試合は決まってしまった。新戦力を中心とした個々のプレーヤーのパフォーマンスよりももう少し試合自体に興味を持続出来れば良かったが、まあそのおかげで(おそらく予定を早めて)後半頭から本田が見れたのは個人的には不幸中の幸いだった。
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by tknr0326g8 | 2009-10-14 23:59 | Game Review
キリンチャレンジカップ2009 日本代表×スコットランド代表 @日産スタジアム
 二日前に戦った香港代表と比べると当然のことながら一人一人のフィジカルレベルが高く、組織としてもよりソリッドな守備ブロックを作るスコットランド代表を見ながら思ったのは、名古屋もこういう守り方をすれば今シーズン石川直宏にあれだけ好き放題やられることはなかっただろうということ。DFラインのフィジカルレベルでは名古屋もスコットランドに決してひけを取らない。あとは組織としてしっかりブロックを作って守れるかどうかの問題。ピクシーの掲げるモダンフットボールにハードワークは必要不可欠とは言え、言葉は悪いがハードワークで誤魔化すようなサッカーをしていては安定した試合運びはままならないし、連戦が続く日程ではそのパフォーマンスが極端に低下することも免れない。
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by tknr0326g8 | 2009-10-10 23:59 | Other Games
アジアカップ予選 日本代表×香港代表 @アウスタ日本平
 良好なピッチと気候条件の中、まるでトレーニングマッチでもしているかのように気持ち良さそうにプレーする日本だったが、試合自体は終わってみれば決めたゴールの数々よりも決め切れなかったゴールシーンの数々の方が印象に残る展開だった。香港は言ってみればクセのない正統派。かと言って強打を持っている訳でもないので、日本としては真っ向勝負で戦いやすかったに違いない。そしてそんな試合においては、決して自分が動かず怠けているという意味ではなく中村俊輔がこのチームの王様としてプレーしていたのが気になった。同じ王様なら個人的にはようやくビッグマウスに実力が追い付いてきた本田のようなタイプの王様も観てみたいと思うが、ひとつのチームに二人の王様が共存することは出来るのだろうか。
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by tknr0326g8 | 2009-10-08 23:59 | Other Games
J1 2009 第28節 名古屋×FC東京 @スカパー
 劇的な勝利を収めたACL準々決勝から中三日。ホーム瑞穂陸上競技場に迎えるのは7月の味スタ二連戦でコテンパンにやられたFC東京。その後FC東京はナビスコカップこそ決勝まで勝ち進んでいるものの、リーグ戦ではいつの間にか名古屋より下位に低迷している。カポレが中東に強奪されおまけにこの試合ではブルーノ・クアドロスが出場停止になっていることを考えれば、名古屋にとっては(体力的には厳しいかもしれないが)水曜日の川崎に続いてリベンジを果たさなければならない試合だ。

 しかし現実はそんなには甘くなかった。組織的で攻撃的なモダンフットボールを掲げる名古屋だが、確かにチーム全体で組織的に戦おうとする意思は見えるものの、その内実はまだ盤石な組織を築けているわけではなくむしろ個の能力に依存している部分が大きい。実際今シーズンも苦しい時期を即戦力の補強によってなんとか乗り切って来た。そんな名古屋にとっては個々の選手のパフォーマンスこそが生命線であり、連戦によって疲弊した選手達では勝負はやる前から見えていたのかもしれない。
 そんなこともあって、個人的にはてっきり先週の鹿島戦のように杉本やブルザノビッチといった選手達を先発で起用してくるものだとばかり思っていたので、この試合の先発メンバーを観た時にはかなり肩透かしを喰らった感じだった。昼間の試合で川崎が水曜日と同じスタメンで横浜戦に臨み2-0と勝利していたが、何年も前から同じスタイルで戦い続けている彼等と名古屋では基盤となる組織の熟成度が違う。ソリッドな守備組織からの速攻をベースとする川崎と名古屋を同列に語ることは出来ない。

 そんな名古屋の状態が顕著に現れたのは、例えば石川に奪われた同点ゴールのシーン。一体石川に何点取られれば気が済むのか?という感情論は一旦置いておいて、ただでさえ体力的にキツい状況でせっかくセットプレーから効率的に先制したにも関わらず、ブロックを作って守れない名古屋は相変わらずピクシーによる「プレッシャー!プレッシャー!」の指示一辺倒で前からディフェンスに行き、速攻が武器の東京に対してみすみすスペースを用意してしまった。そしてピッチサイドから放たれるピクシーの催促に対して、しぶしぶといった感じで2トップ(失点シーンでは玉田)が相手DFに対してプレッシャーを掛けに行くのだが、前からプレッシャーに行ったところでどう追い込むのかがハッキリしない名古屋は後ろの選手達の連動も中途半端で、結局は玉田のヌルいプレッシャーをかいくぐるようにタテ1本を出されると、ボックスの前には3対3の状況が出来上がっていた。ハーフタイムに図らずも城福監督が指示していたようにまずはブロックを作って前からのプレッシャーにも後ろが連動してそのパスの出先を狙っていた東京とはこれは雲泥の差。実際東京は後半名古屋に攻め込まれる時間帯もあったが名古屋にチャンスらしいチャンスは作らせなかった。FWが前からプレッシャーを掛けるだけで勝手に相手がボールをプレゼントしてくれた第16節のG大阪戦や前節の鹿島戦のような奇跡はそうそう起こらない。

 ただFC東京の飛ばしっぷりを考えれば、後半名古屋にもチャンスが来ることはある程度予想できた事態。ここでマギヌンがいないのは痛かった。両チームともに間延びした中盤でDFラインで弾き返したボールを運べるのが小川一人ではちょっと厳しい。昨シーズン終盤にマギヌンが怪我で離脱している間の名古屋がどんな状態だったか思い出すまでもなく、ブロックを作って守備を固めている相手に対して中村と吉村のWボランチが出来ることは限られている。ブルザノビッチや杉本の投入が悪かったとは思わないが、アクシデントでもあったならともかく、ピッチに残しておくべき選手とそうでない選手の見極めについてはもっと別の選択があったのではないだろうか。

 光明があるとすればここのところようやく得点に結び付くようになってきたセットプレー。これまではこれだけの長身選手を揃えていることを考えればほとんど奇跡と言っていいほど得点の匂いがしなかったが、大宮戦、ACL川崎戦、そしてこのFC東京戦とセットプレーから得点を重ねている。また順調にスコアを伸ばしている吉田もようやくユースの頃のような「引きの強さ」が出てきた感じだ。得点は基本的に引きの強い選手のところにボールが集まって来るもの。闘莉王がFW以上に得点を量産し続けているのは技術や戦術(ポジショニング)というよりも引きの強さがあるからと言っても過言ではなく、「(ボールが)自分のところに来い」と思っていなければ得点はままならない。今の吉田にはそれがある。
 そして吉田はそんなセットプレーだけでなく、ここのところのプレーぶりは代表に選出されても全くおかしくないほどのハイレベルなパフォーマンスを保っている。それは単なる調子の良さなどとは全く別次元のもので、何が吉田を変えたのかは分からないが、一つ一つのプレーや言動からヒシヒシと感じる高い意識を見るにつけ、近い将来吉田が本田のように海外へと巣立っていくのではないかと思わずにはいられない。名古屋ファンは間違っても来シーズンからの新加入が内定した新井と吉田で今後10年は名古屋DFは安泰などと思わない方がいいし、フロントも新井に続く後任のリストアップを進めておいた方が良いかもしれない。
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by tknr0326g8 | 2009-10-04 23:59 | Game Review