Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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クラ選(U-18) 準決勝 名古屋U18×柏U18 @ニッパツ三ツ沢球技場
 プリンスリーグ終盤戦では東海地区の覇権を争うライバル達と互角の戦いを演じ優勝まで得失点差あと1というところまで迫った名古屋U18だったが、怪我や退団などによるメンバーの入れ替えもあり、プリンス最終節となった海星との試合を観た時にはチームとしての完成度が今ひとつという印象を受けた。それから中一週間で開幕したこのクラ戦のグループリーグで彼等がどういった試合をしていたのかは残念ながら今年は4年ぶりのJヴィレッジ欠席となってしまったので定かではないが、一度は柏相手に致命的とも言える敗戦を喫しながらも甲府ユースに大勝して得失点差で決勝トーナメント進出を決めたあたりには、海星との試合でも十分に感じ取ることができたメンタル面での成長(充実)が伺われる。そしてチームは決勝トーナメント一回戦で大宮ユースを下し、クラブ史上初のベスト4そして三ツ沢進出を決めたのだった。

 平日の16時キックオフとなったこの試合は、個人的に後半が始まってからのスタジアム入りとなったものの、移動中に携帯で速報を追っ掛けていた限りメンバーの変更や退場などもなく、また幸か不幸かスコアも動いていなかったことにちょっとだけ胸を撫で下ろしながら観戦スタート。

      川村    藤田

小幡   水野    近藤   加藤翼

都竹   川本    奥山   金編

        古川

 柏の選手達の名前にどこか見覚えがあるなと思ったら、2007年の高円宮杯(U-15)で名古屋と浦和の試合の前にFC東京(深川)と試合をしているのを観戦していた。右ウイングの鳥山が往年の神丸みたいだったのは未だに記憶として焼き付いているし、チームとしても非常にエンターテイメント性が高いサッカーをしていたのを覚えている。
 ただその試合の時と違うのはこの暑さ。バス停からスタジアムまで少し走っただけでも汗でシャツがベットリと肌にまとわりつくような暑さの中で行われた試合は、俺がスタジアムに到着した時には既にピッチ上の両チームにかなりの疲労の色が伺え、またそれがひとつの要因と思われる停滞感がピッチには漂いつつあった。
 名古屋の選手達に目を移しても酷暑下でのフォアチェックの賜物か、前線のプレーヤー達に既にいつものようなキレが感じられず、(こちらも決してクオリティが高いとは言えなかった)柏の攻撃を中盤でカットしてそこから出てくるスルーパスにFW陣が反応出来ないようなシーンが続いている。そしてそんな前線の選手達の疲労を見て取ったのか、名古屋ベンチは川村に代えて大西、藤田に代えて北川とフレッシュなFWを相次いで投入して勝負を掛けた。

 名古屋がこの試合に勝つとすれば、ベンチの狙い通りこの交代後の時間帯で試合を決めてしまわなければならなかっただろう。なぜならこの時間帯までの名古屋ディフェンス陣が非常に集中して高いラインを保ち柏の攻撃をことごとくゴールキックへと誘導していた(最後の裏への縦パスを誰にも触れさせずにそのままゴールラインを割らせていた)一方で、前線では代わって入ったアタッカー達が柏のDFラインの裏に抜け出して決定的なチャンスを作りかけたシーンが続いていたからだ。ここでチャンスを作りかけたと書いたのは、良い形で裏に抜け出しても残念ながらそこで思うようにボールコントロール出来なかったりシュートのタイミングが遅れたりでシュートを打ち切れなかったためで、こうなるとチームの得点源である「9番」と「11番」が怪我によって大会直前に登録メンバーから外れざるを得なかった影響も感じずにはいられない。個人的にはこんなスクランブルな状態でありかつ岸をベンチに置いておくぐらい(DFとして使う気がないの)なら、いっそFWとして投入したらどうかとも思うのだが、そういったアイデアは名古屋ベンチには皆目ないらしい。そして名古屋は何度か獲得したコーナーキックのチャンスでも、名古屋同様にゾーンで守ってくる柏に対してGKの目の前にポジションを取った川本がGKより先にジャンプして頭に当てるといったシーンが何度かあったが、残念ながらそのヘディングがゴールマウスに向かって飛ぶこともなかった。

 そんな試合の流れが変わり始めたのは後半30分過ぎ。名古屋は右サイドの加藤翼に代えて加藤凱を投入。ここでも前線にフレッシュな選手をという交代だ。しかしベンチの小川監督が加藤凱に対してどういった指示で送り出したのかは分からないが、名古屋にとって攻撃の核となるべきサイドに全くタイプの違う選手を投入したことで、名古屋は攻め手をみすみすひとつ失ってしまうことになる。独特のステップを魅せる加藤凱もその特徴に合った使い方でチームに組み込んでいれば、チームの攻撃の威力を落とすことなく試合を進めることが出来たはずだが、残念ながらこの交代はチームにとってもそして加藤凱本人にとってもその良さを引き出しているとは言い難かった。
 そしてこれとほぼ時を同じくしてとうとう最終ラインの集中力が途切れ始める。いや集中が切れ始めるというよりは判断のスピードや身体の反応が少しづつ遅れ始めたといった方が正しいかもしれない。それまでほとんどノーチャンスだった柏の攻撃が名古屋DFラインの裏へと出てビッグチャンスを作るシーンが頻繁に見られるようになり、名古屋からしてみたらDFのラインコントロールによってピンチを未然に防いでいたフェーズから、ボックス内で身体を張ってなんとか柏の攻撃を防ぐという次のフェーズに突入したような感じだ。

 その傾向は0-0のまま突入した延長戦でも変わらず、むしろそれは時間とともに加速していく。事実、延長に入ってから名古屋が人数を掛けて柏陣内へと攻め込めたのは大西とのハイボールの競り合いで頭を打った?柏の6番の選手が倒れ込んでいた間くらいで、それ以外は柏の波状攻撃にひたすら耐えていたような20分間だった。
 名古屋の足が止まったこともあるが、名古屋と同じく90分の間にアタッカー(特に強力な両ウイング・右の鳥山、左の禹)を交代させたにも関わらず、柏はそこから逆にチャンスを拡大していた。3トップの頂点にいる山嵜に名古屋の二人のCBが引き付けられ、サイドラインいっぱいまで開く両ウイングに名古屋のSBが引き付けられる間隙を縫って、そのギャップに選手が飛び込んで名古屋DFの裏を取れるようになってきたのだからこれはベンチワークの勝利なのかもしれない。

 GK古川のビッグセーブ連発や無人のゴールに放たれたシュートをゴールライン直前で追い付いて掻き出した奥山のスーパークリア、そして崩されても気持だけは切らさずシュートコースに入り続けたDF陣プレーによってなんとか柏の猛攻に堪えていた名古屋だったが、そのゴールが遂に割られたのは延長後半も残すところ僅かとなった時間帯だった。残り時間が少ないとは言え、本来であればすぐにでもボールを拾って同点ゴールを狙いに行くべき場面で、少なからずピッチに倒れこんでしまう選手がいたり明確な落胆が見て取れたのは、柏の5番・相馬大士による豪快なボレーシュートがそんな気力を削ぐのに十分だったからという理由からだけではなく、彼等自身既に攻勢を仕掛けるだけの体力が残されていないことを悟っていたからだろう。
 
 そして試合はここでタイムアップ。名古屋の躍進はベスト4でストップした。ただこれまで津田知宏も青山隼も吉田麻也も中田健太郎も磯村亮太も矢田旭も跳ね返されてきた壁をブチ破ったクラブ史上初の三ツ沢進出は誇ってもいい偉業だし、この大会で掴んだ教訓と自信を9/4に開幕する高円宮杯で生かして欲しいと思う。この試合にしても最終的には力の差(特にフィニッシュの部分)を見せ付けられたが、90分の中だったら名古屋は互角以上に戦えていた。

 あとは出来れば高円宮杯のグループリーグを札幌以外の会場でお願いしたい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-31 11:16 | Youth
J1 2010 第13節 大宮×名古屋 @NACK5スタジアム
 W杯による中断期間を経て二ヶ月ぶりに再開したJリーグ。名古屋にとって不安要素があるとすれば、W杯組のコンディション以上に、チーム自体がこうした長期中断後のゲームに弱いということで、試合勘の鈍ったまま臨んだ試合で醜態を曝け出したことはこれまで一度や二度ではない。さらに間の悪いことに、今週のミッドウィークにはACL出場組の未消化試合が他チームに先駆けて開催されており、今日の対戦相手となる大宮は等々力で川崎の相手をしている。初夏の中二日とは言え、長い中断後の二試合目でいきなり大宮に疲労が出ているとは思えないし、仮にあったとしてもむしろ真剣勝負を一試合こなしたことによる試合勘のリカバリーがそれを補って余りあるようにも感じる。名古屋にとってことの試合はいつにもまして難しいものになるであろうことは想像に難くなかった。

 名古屋はケネディを中央に、右に金崎、左にマギヌンという3トップ。インサイドハーフには中村とブルザノビッチといういずれもシュート力に秀でた選手がいてアンカーにダニルソンが入った。DFラインは右から田中隼麿、闘莉王、増川、阿部、そしてGKが楢﨑という布陣だ。三日前に帰省先のブラジルから帰国したばかりの闘莉王を先発起用してきたことは大きな驚きだったが、まあピクシーならやりかねない選手起用だ。一方でこれまで寵愛してきた玉田や小川をベンチに置いてチーム全体のバランスを優先しているあたりは、ナビスコカップを含む中断前の数試合やキャンプを通して一定の整理が出来たということだろうか。欲を言えば、ベンチに一人ぐらい生え抜きの若手を入れておいて欲しいところだが、特に今シーズンのピクシーにそれを望むのは酷かもしれない。

 試合でキックオフからペースを掴んだのは名古屋だった。高速のサイドチェンジがビシビシとピッチを左右に飛び交い、それに合わせて選手達も連動した動きを見せている。そこでは冒頭で書いたような試合勘の不安は完全に消え去り、むしろそれどころかキャンプを通して集中的に作り上げて来た良いプレーイメージをそのままこのピッチに持ち込んでいるような印象だった。
 よくよく考えてみればピクシーが監督になってからの名古屋は開幕に滅法強い。そしてそれはキャンプでチームとしてのしっかりとした方向付けが出来ていた証でもあった。今シーズンの名古屋は元旦まで天皇杯の決勝を戦ったおかげで、その後新シーズンに向けて急ピッチでの仕上げを強いられた上に、ワールドカップイヤーということもあってキャンプには金崎などの「候補」も含む代表組(しかも金崎や闘莉王は今シーズンの新戦力)が合流できないまま本番(開幕)を迎えなければならなかった。そういう意味では、今回も代表組がいなかったとは言え、実質的にはこれが新チームとしてキャンプを経て迎える「開幕戦」であるのかもしれない。

 そんな名古屋の様子を伺っていた大宮に対して名古屋が思うように試合を進められなくなり始めたのが15分過ぎ。名古屋の場合、流れが悪い方に傾きつつある中でしばしば行われるアクションとして左右のポジションチェンジがある。そして金崎とマギヌンが左右のポジションの入れ替わったのもほぼこのタイミングだった。しかしその後も名古屋は完全にはペースを奪い返すことが出来ず、むしろ時間の経過とともに選手達の足取りが重くなってきて、前線でケネディが孤立していたり、攻撃は前の3人に任せっきり守備では戻り(切り替え)が遅いという前後分断傾向が顕著になって来ていた。そして前半も終了しようかというタイミングで名古屋にとって最悪のアクシデントが起きる。
 前半の比較的早い時間でイエローカードをもらっていた段階で「ひょっとしたら危険かもしれない」とは思っていたが、前半42分にブルザノビッチが2枚目のイエローカードをもらい退場。一枚目は苦手な(決して上手くない)守備に奔走した上での空回りした前のめりなファール、二枚目は何も考えずにやってしまった感じのいかにも軽率なファールとブルザノビッチらしい退場劇だったが、残されたチームは残りの45分余りを10人で戦うハンディを負ってしまった。
 この試合の主審は運動量が少なくボール(現場)から遠い場所でのジャッジが目立っていた。そして選手(やベンチ)のリアクションを見ながらカードを含む判定を行っている節が伺えただけに、ブルザノビッチとしては気を付けなければいけなかったのだが、このプレーはあまりにもインテリジェンスに欠け軽率だと言わざるを得ない。

 後半になると試合は前半とは打って変わり、大宮がボールをポゼッションしながらピッチを広く使ってボールを動かし、名古屋がしっかりとブロックを作ったディフェンスからカウンターを狙う形になった。ここで名古屋にとって良かったことは、ブルザノビッチが退場になった後から中村が一列下がってダニルソンとWボランチを組むようなフォーメーションに変更していたことで、これによって試合の立ち上がりに鈴木や藤本といった大宮のサイドハーフの選手に面白いように使われていたダニルソンの両脇のスペースを多少は埋められるようになった。名古屋が危ないシーンを迎えるとすれば、共にボールへの喰い付きがいいダニルソンと中村が二人揃って出て行った末に振り切られた時ぐらいだろうか。あとは強いて挙げるとすれば、名古屋DFのセンターは強いのでサイドからいくらクロスボールを上げられても大抵は安心して見ていられるが、これだけ左右に振られると試合終盤まで体力が持つのかどうかという不安だけだ。

 時々ボールを引っ掛けて繰り出すカウンターによって一人少ないながらも攻撃を繰り出していた名古屋が11人の大宮に対して先制ゴールを奪ったのは後半31分。セットプレーからの二次攻撃でボールをキープした闘莉王が右サイドをエグッてGKとDFラインの間に入れた低くて速いクロスボールにケネディが飛び込むという名古屋としては仙台戦のリプレーを見るかのようなコンビネーション。今シーズンの名古屋にはセットプレーとともにこれがある。

 その後、名古屋は試合終了間際に中央での跳ね返し&シュートブロック要員の補強として千代反田を投入して試合をクローズしにかかる。千代反田の代わりに中村を下げてしまったことで、せっかく跳ね返しても大宮の二次攻撃に対するDFラインの前でのフィルターがなくなってしまって思わぬピンチを招いていた名古屋だったが、なんとかこれを凌ぎ切って苦しい試合で勝ち点3を死守することに成功した。千代反田を入れるという発想は悪くないにしても、あそこで代えるなら心を鬼にして(後半途中出場)玉田だろうと言いたいところだが、スタープレーヤーへの配慮も含めたピクシーの判断なのだろう。兎にも角にも勝ち点3を獲得出来てよかったし、これをこの後の清水との上位対決や苦手としている東京との対戦に向けた景気付けとして欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-18 02:33 | Game Review
クラ選(U-15)東海大会 準決勝 名古屋U15×磐田ジュニアユース @東海学園大学グラウンド
 前日の準々決勝で岐阜VAMOSに5-1と完勝し全国大会への切符も手にした名古屋U15。しかし高いポテンシャルを秘めるこのチームにとっては、それは単なる通過点であって、東海そして全国を制することこそが真の目標であることは間違いない。その意味では全国大会への出場が決まったからといって彼等のモチベーションが落ちていることはないだろうが、強いて不安要素を挙げるとすれば、前日の試合のラストプレーで失点を喫したことが心理的にどのような影響を与えているかということだろうか。

 名古屋のスタメンは前日と同じ顔触れ。

         北川

伊藤        森       宮市

      石川    曽雌

加藤    松田    中島   若園

         板倉

 名古屋からしてみれば、この試合にケリをつけて決勝で清水に東海U15リーグのリベンジを果たしたいところだが、そんな思いとは裏腹に試合は立ち上がりから前線にロングボールを蹴り込んでくる磐田がペースを掴む。名古屋は磐田のダイレクトな攻撃にリズムを乱したのか不用意なファールが目立ち、磐田にセットプレーのチャンスを連発させてしまっていた。その後時間の経過とともに名古屋も徐々に落ち着きを取り戻し、こちらは磐田とは対照的にしっかりとボールを動かしてパスをつなぎながらゲームを組み立てようとしていたが、それでも攻撃をしっかりシュートやクロスで終われていたという部分では磐田の方に分があったかもしれない。

 しかしそんな流れの中、先制点は名古屋の方に転がり込む。左サイドで得たCKをキッカーの森がファーサイド目掛けて蹴り込むと、これに飛び込んできた北川がドンピシャのヘディングで合わせて先制。そしてこのゴールで勢い付いた名古屋は、右サイドでタッチラインいっぱいまで開いてポジションを取っていた北川にボールが渡ると、北川がドリブルでグングン持ち上がり、中央に切れ込んだところで横に流す。これを宮市、森が続けてスルーしたような格好になり、左サイドから走り込んで来てこれを受けた伊藤が相手DFの中央を割って入ってそのままゴールへと流し込む。名古屋にとっては先制点から畳み掛けるように奪った追加点までの流れはまさに理想的だった。

 二点のリードでプレーに余裕が出て来た名古屋の選手達は個々のプレーヤーのハイレベルな才能が輝きを放ち始める。北川が加速&減速自在の緩急の効いたドリブルで磐田DFを翻弄すれば、森がこちらは方向転換自在のドリブルで磐田DFを振り回す。もちろん前線のアタッカーだけでなく、大柄な身体が醸し出すイメージとは裏腹にキックの種類が多彩な石川がロナウジーニョばりのノールックスルーパスを繰り出せば、もともとアタッカーの曽雌が独特の跳ねるようなドリブルで敵陣を突破するなど、ピッチ上はちょっとしたテクニックの見本市のようだった。

 対して序盤の試合を優位に進めながらもまさかの二失点を喰らってしまった磐田だったが、それでもペースを崩さない。自陣でしっかりと人数を掛けてブロックを作って守り、前線にロングボールを蹴ってこれを拾うスタイル。そしてセットプレーを獲得すれば、例えそれがハーフウェーラインの付近であっても、後ろから大柄な選手が名古屋ゴール前へと集まって来てそこ目掛けて直接ボールを入れてくる。徹底的なダイレクトそしてパワープレイ。それは俺のようなオールドファンがサックスブルーのユニフォームに対して抱くイメージとは似ても似つかないスタイルだった。

 俺はそんな磐田を見ながら強烈な既視感を覚えた。そして思い出す。そう言えば去年のボルケーノで先制しながら三失点を喰らって逆転負けを喫したのもこの磐田だった。磐田は一年前からずっとこのスタイルを貫いてきたのだろうか。それとも相手が名古屋だから仕方なしにこのスタイルで戦っているのだろうか。
 そしてこの試合の名古屋はまるでその一年前の試合のリプレーのように、前半のうちにカウンターから右サイドを破られて一点を返されると、後半に入ってからハーフウェーライン付近からのFKを合わせられて同点。そして動揺を抑える間もなく相手にPKを献上して逆転を許してしまった。

 この試合で戦った両チームのうち「サッカー」をしていたのは間違いなく名古屋の方。どちらのチームの方が力が上かと問われても俺は間違いなく名古屋と答えるだろう。だが名古屋は強力なアタッカー陣が最後まで磐田のブロックを打ち破れず、結果的にはその力(の差)をピッチ上に反映することが出来なかった。
 名古屋と磐田で何が違っていたのかと言えば、磐田が技術や戦術とはまた別次元で試合に勝つための狡猾さや駆け引きを持っていた点だろうか。この年代でそれに走ることが良いか悪いかは別として、例えば名古屋の選手が躊躇っていた危険な場面でのプロフェッショナルファールを磐田の選手達は当たり前のようにやっていたし、磐田の選手達は目の前の試合に勝つためなら「サッカー」を捨てて勝負に徹することが出来る。また名古屋の選手達が黙々と目の前のプレーに集中する一方で、磐田の選手達は明らかなオンサイドでもDFラインが大きく手を挙げて副審にオフサイドをアピールしたりもする。
 対する名古屋はと言えば、例えば前半リードを奪った後に(全体的にやや判定がデリケートだった)レフェリーに「早くスタートして」とカードをチラつかせながら催促されたGKの板倉が、その後明らかにゴールキックのプロセスが速くなり、後半のチームの流れが悪い(ひと息つきたい)時間帯にも慌てて蹴ってそのまま相手にボールを渡してしまったりしていたシーンに代表されるまでもなく、どこか素直で駆け引きなどは二の次なイメージだ。
 ひと言で表現するなら養殖によって育った純粋培養のエリートが、生き抜く術に長けた天然ものに屈した試合といった感じだろうか。市場価値が高いのは圧倒的に前者だが、ここ一番で勝負強いのはひょっとしたら後者かもしれない。

 敢えて書かないが名古屋は俺が相手チームの監督だったら徹底的に「ここ」を狙うという分かりやすいウィークポイントがあり、この試合でも「そこ」は何度も狙われていた。今後チームが戦術や人選を含めてどう変えていくのかは分からないが、これだけ個々の能力が高い選手達ならもう少しチームとして上手く噛み合う組み合わせがあるような気がしないでもない。この試合の結果は残念だったが、現在の課題を修正して来るべく8月の全国大会では是非その力を結果に結び付けてその強さを証明して欲しいところだ。本当は「この敗戦が全国に臨む上では良い薬となると期待したい」ぐらいの強がりを書きたいところだが、それよりも気になるのは、名古屋が東海U15リーグ(前期)の優勝決定戦となった清水戦でも2-0から2-3と逆転負けを食らったばかりということで、これが彼等にとって変なトラウマにならなければいいなと思うし、チームには相手どうこうよりも2-0から勝ち切るだけの勝負強さを身に付けて欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-16 02:07 | Youth
プリンスリーグ東海2010 第9節 名古屋U18×海星高校 @トヨスポ
 クラ選東海大会の準々決勝@サッカー場の終了後、第2グラウンドに移動してU14のトレーニングマッチ(×カターレ富山)とプリンスリーグ東海2010の最終節を観戦。プリンスについては同じ16時キックオフで飛騨古川合宿から帰って来たトップチームのトレーニングマッチ(×浜松大@トヨスポ第1グラウンド)と重なっていたが、トップチームは来週の大宮戦でじっくりと合宿の成果を堪能させてもらうことにしよう。なおカターレとトレーニングマッチを行っていたU14は、クラ選の東海大会(U15)に選手登録されているメンバーがトップチームの現在のモデルのユニフォーム、登録されていないメンバーがひとつ前のモデルのユニフォームと新旧ユニフォームがピッチ上に混在していたのが斬新な光景だった。

 というわけでプリンスリーグ。既に高円宮杯出場を決めている名古屋U18がプリンスリーグ最終節でトヨスポに迎え撃つのは、今年プリンスリーグ1部で唯一未勝利と最下位に沈んでいる海星高校。正直名古屋がここで取りこぼすとは思えないし、この試合の内容が再来週に開幕するクラ選に向けての参考になるとも思えないが、そんな試合をどうしても見ておきたかったのは、名古屋がここ数試合これまでと違うメンバーで戦っているらしいため。どういった事情があるのかは分からないが、メンバーが入れ替わってもここ2試合で磐田、静学という目下のライバル達を相手に引き分けを演じているチームが一体どういったプレーをしているのかどうしても見てみたくなった。

 名古屋のスタメンは、こんな↓感じのフォーメーション。

    大西  奥村

小幡  川村  近藤  加藤

渡辺  川本  奥山  野崎

      石井

 古川や岸、金編、高原、水野といったこれまでの主力選手達は、途中交代やこの後行われたB戦で先発していたので負傷などではないのだろう。(B戦は相手のプレッシャーが弱かったとは言え)水野などはむしろコンディションも良さそうだったので公式戦で見たかったところだが…。

 試合は開始早々に名古屋がアッサリと先制に成功する。左SBの渡辺が相手の右SBとCBの間に出来たギャップにフィードを落とすと、そのスペースに流れた大西がこれを拾って縦に抜ける。そして中央から並走する奥村に折り返しを流し込むと奥村がこれを落ち着いてゴールへと蹴り込んだのだった。このシーンに代表されるように、SHが相手のSBを引き付けてDFラインにギャップを作り、そこにDFの間を斜めに抜けるようなFWのランニングと最終ラインからフィードを合わせるようなパターンはこの試合で幾度となく展開されていたし、SHのポジショニングをキッカケとしたいくつかのパターン化された攻撃の形を名古屋は持っているのだろう。

 しかし幸先良く先制した名古屋だったがその後が続かない。名古屋の攻撃に連動性が生まれてスピードアップするのは2トップにボールが収まった時なのだが、肝心の2トップにボールがなかなか収まらない中では、スローインから奥村がヘッドで後ろに流したボールに反応した小幡がDFラインの裏に抜け出してGKと1対1になった決定的なシーン(シュートはポスト)などもあったものの、前半のうちに1点を奪うのが精いっぱいだった。

 ただ、対戦相手(と後々大きな意味を持つことになる得失点差)を考えればスコア的にも不満が残り攻撃のクオリティ自体も決して高くはなかったとは言え、選手一人一人のモチベーションの高さは十分に伝わって来たし、そのひとつの象徴として川本を筆頭にピッチ上で非常に良く「声」が出ていたのは印象的だった。そしてそれは前半が終わって選手が控室に戻った後のピッチがなんだか静まり返っているような錯覚を覚えさせたほど。また球際でも非常によく闘っていたこのチームは、確かにビルドアップの過程でミスからボールを失ってしまうシーンが多々あったのは事実だが、奪われたその場から奪い返しに行くようなディフェンスをしていて、それはあたかも格下の相手に一切サッカーをさせるつもりがないという強い意志を示しているかのようだった。こういうのを見ると、コーチングスタッフがしょっちゅう口にしている「メンタル」という部分もやはりそれなりに成果が現れているのかもしれない。

 後半もまた開始から程なくして得点が生まれた。奥村からパスを受けた小幡がそのままゴールに向かって突進すると、アタックに来るDFを切り返し一発で外しそのまま効き足でない右足を振り抜く。GKからしてみると少しボールがブレていたのかもしれないその強烈なシュートは、まるでGKを吹き飛ばすかのように豪華にゴールネットへと突き刺さった。さらに小幡はその直後今度は近藤のスルーパスから抜け出すと、ドリブルで持ち込んで冷静にGKを外して左足でゴールへと流し込みチームとして決定的な3点目を挙げたのだった。ひと際小柄ながら技術が高い上パワフルで圧倒的なキレ味を誇るこのアタッカーは、かつてユーゴスラビアでピクシーとともにEURO(2000)を戦っていたドゥルロビッチのようだ。
 切れ味という面では小幡と対をなす加藤翼も負けてはいない。ゴールラインまでの距離が5.5mしかないゴールエリアの中で相手DFと相対した状態から縦に勝負して抜いていくようなシーンがこの試合でも何度かあり、これはほんの2,3mあれば相手DFを置き去りに出来るだけのスピードがあるということを意味している。細かなコンビネーションを用いた崩しもいいが、名古屋と言えばその象徴はやはりサイドアタッカーでありサイドハーフ。その意味では彼ら二人はまたこれまでと違ったタイプながらもしっかりと名古屋の系譜を継承している。

 格上の名古屋が3-0と得点差を拡げたことは会場全体にどことなく緩んだ空気をもたらした。その空気に迎合したわけではないだろうが、名古屋ベンチも川村に代えて岩田(小幡がボランチへ)、奥村に代えて高原、野崎に代えて金編、加藤翼に代えて加藤凱と次々と新しい選手を投入するテストモード。もちろん代わって入った選手達は先発で出てもおかしくない選手達で接戦であったとしても同じような交代が行われていたのかもしれないが、その間に(アクシデント的な長距離の直接FKを含め)2ゴールを奪われ一時は点差を1点差にまで縮められてしまったことは、これらの選手交代とは決して無関係ではないはずだ。まあかくいう俺も岩田が登場した後は、試合の流れや全体の動きそっちのけで、この次世代を担うサイドアタッカーの一挙手一投足に釘付けとなって、その場の空気を作っていた一人なわけだが。

 予期せぬ失点を二つも喰らってこの試合初めて小川監督が選手達に声を掛けるべくベンチから出てきたが、選手達を奮い立たせるわけでも目覚めさせるわけでもないようなそのアクションは選手達にどこまで届いていただろうか。その後試合終了間際に大西に代わって入った藤田から高原へとボールが渡り二点目の小幡と同じように切り返しから右足で高原らしい抑えの利いたシュートが決まって海星にトドメを刺した名古屋だったが、これはむしろ選手達自身による意地のゴールのように思えた。

 そして試合は4-2のまま終了。首位の清水が引き分けたため、名古屋は得失点差僅か「1」の差で清水に優勝を譲ることになった。たらればは禁句だが、この試合の相手は比較的コントロールしやすいレベルだっただけに、これはなんとももったいないのひと言に尽きる。

 この後のB戦や翌日の東海学園とのトレーニングマッチを見るとベンチからはしきりに「テンポ」を意識したコーチングがなされていた。トップにクサビを当てて後ろの選手が(三人目の動きも含めて)それに絡んでワンタッチでテンポ良くつなぐスピーディーなコンビネーションサッカーで相手の守備ブロックを突破する攻撃を意図しているのだろう。確かに相手のレベルが格下であれば個の能力に依存した攻撃でも得点を奪えるかもしれないが、相手のレベルが上がってくればグループで連動した攻撃をしかもテンポアップして行わないとラストサードで突破できないだろうし、そんな攻撃で全国の強豪チームをチンチンに出来たら観ている方もやっている方も爽快だろうとは思う。ただ現時点で言えば残念ながら個々の技術も選手間のコンビネーションもその水準には達していない。
 これがチームとしてより高いレベルにチャレンジするために必要なことであると言うならば観ている側にも我慢が求められるのかもしれないが、コンビネーションがまだチグハグだったり、メンバーの半分をごっそり入れ替えてチーム全体の力を底上げしていくようなチーム作りの在り方などは(クラ選そして高円宮杯という全国大会を目前に控えたこのタイミングにも関わらず)まるで2~3月のジャパンユースや新人戦でも観ているかのような印象も漂う。
 とは言え、ここまで来てジタバタしても仕方ないので、24日に開幕戦を控えたクラ選では準決勝・決勝まで勝ち進んでの関東凱旋、そして9/4に開幕する高円宮杯では間違ってもグループリーグが札幌会場に飛ばされないことだけを個人的には願いつつ、このチームのより成熟した姿に再会出来る日を楽しみに待ちたい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-14 00:09 | Youth
クラ選東海大会 準々決勝 名古屋U15×岐阜VAMOS @トヨスポ(サッカー場)
 この試合に勝てば全国大会出場が決まる東海大会・準々決勝。仮に敗れたとしても、昨年の全国大会で名古屋やジュビ沼が上位に進出したおかげで東海の枠が昨年の4→5に増えているので、敗者復活の芽があるのだが、反対側のブロックから決勝まで勝ち上がって来るであろう清水に東海U15リーグのリベンジを果たすためにも名古屋にはトーナメントを勝ち進んでもらいたいところだ。もちろんこのチームにはそれだけの力があるし、それどころか全国でも十分に上位を狙えるだけのレベルにはあると俺は思っている。

 名古屋のスタメンは、おおよそ下のような感じの並び。これまでアタッカーとしてプレーする機会が多かった曽雌をやや後ろに下げて守備時には石川と並ぶような感じでブロックを作らせつつ、左SHに鋭いドリブル突破が武器の伊藤が戻ってきたのが先日の関東遠征からの変更点。そしてトップにはこのところU-18のプリンスリーグに駆り出されていたエース北川が帰還。

         北川

伊藤       森       宮市

      石川   曽雌

加藤   松田   中島   若園

         板倉

 キックオフとともに目立ったのは、硬さというのとは少し違う力みのような感覚。目の前の試合に一刻も早く方を付けて全国大会行きを決めてしまいたいという焦りなのか、それとも直前の試合で昨年決勝を争ったジュビ沼がPK戦の末名古屋FCに敗れるという番狂わせを目の当たりにしたことによる微妙な影響なのかは分からないが、一人一人のプレーヤーから「自分がなんとかしよう」というような気負いが感じられ、少しづつ判断が遅れるような場面が目立っていた。

 そんな名古屋にあってひと際その存在感が目を引いたのがアンカーの位置にいる石川だった。中盤の底でボールを落ち着け多彩なキックでピッチを広く使いながら名古屋の攻撃をスウィングさせていた彼は、一年半前に初めて見た時に「熊谷アンドリューみたい」という感想を持った記憶があるが、その頃よりも確実にスケールアップしている印象で、素材が練磨されそのポテンシャルが顕在化し始めている印象を受けた。

 そして時間の経過とともに落ち着き(いつものペース)を取り戻して行った名古屋は、給水タイムを挟んで、左サイドで加藤→北川とドリブルでの仕掛けが連鎖し、北川がゴールライン際まで持ち込んでのマイナスの折り返しから誰かが放ったシュートがこぼれたところに再び北川が詰めて待望の先制点を獲得する。去年までと比べればボールを受けても自分で行くだけではなく周りも上手く使えるようになっていた北川だが、こうしたところで決めるあたりはさすがにエース。
 その後試合は、エースの一発でさらに落ち着いたのか、先制点の直後にはスルーパスに抜け出した伊藤が飛び出してきたGKに倒されて相手GKを退場に追いやる(森が蹴ったエリアすぐ外からの直接FKはバーの上)と、攻め上がった石川の鮮やかなボールコントロールからの絶妙なスルーパスに再び抜け出した伊藤が今度は左足でGKの脇を抜き追加点を奪って前半を折り返した。

 ただ全国というレベルと照らし合わせた時に、この前半の名古屋の試合運びが盤石なものだったかと言えば決してそうとばかりも言い切れない。それは何も肩に力が入っていた立ち上がりの話ばかりではなく、この試合を通してしばしば見られた光景でもある。
 前の4人が攻撃時に高い位置を取る名古屋は、攻撃の過程でボールを失って逆襲に遭うと二人のボランチ(石川と曽雌)の脇に大きなスペースを空けてしまう。ボランチの二人は基本的には中央を空けないように締めているものの、せめて逆サイドのMFが絞ってもう少し守備に貢献出来るようにならないとブロックとしては厳しいだろう。相手がこのVAMOSのようにそこにボールを運んでから崩し切るまでの力がなければいいが、全国大会で勝ち抜くためにはこの状態は少し心許ないかもしれない。

 後半も名古屋は得点を重ねる。左サイドを北川とのワンツーで抜け出した加藤の左サイドを深くエグッてからの折り返しに右アウトサイドからゴール前まで詰めて来た宮市が合わせてさっそく三点目となる追加点を奪うと、その後も良く言えばコンパクト悪く言えばDFラインの背後にスペースがあるVAMOSに対してそのDFラインの裏を狙った攻撃が次々と敢行される。
 そして再び給水タイムを挟んで、宮市に代わって右サイドに入った児玉がさっそく左サイド伊藤のドリブル突破からの折り返しをゴールに沈めると、さらに北川に代わって入った二年生の桜井が裏に抜けたボールに反応して冷静にゴールネットを揺らして5-0。交代選手も結果を残した。

 強いて言えばその後も度々訪れた決定機で決め切れなかったり、ラストプレーで失点を喫してしまうなど、試合の〆め方に課題を残した名古屋だったが、一人少ないVAMOSに対して完勝という結果は順当なものだろう。あとは選手達がラストプレーでの失点を教訓としつつも引きずることなく、明日の準決勝、そしてその先の決勝、全国大会へと一段づつ階段を昇りつめて行って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-07-10 23:37 | Youth