Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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J2 第24節 東京V×岐阜 @西が丘サッカー場
 スタジアムでFC岐阜の試合を観るのは第8節の千葉戦以来。ホームゲームもメドウで試合が開催されている間になんとか一試合観に行きたいが果たして実現するだろうか。

 試合は序盤から岐阜がヴェルディの攻勢に晒される。ヴェルディは岐阜の右SB新井とCB吉本の間に出来るギャップからDFラインの裏へとよく抜け出していた。岐阜は守備になる右SHの西川が内側に絞って門を閉めるので必然的にヴェルディの左SB(高橋)はどんどんオーバーラップを敢行してくる。そんな高橋に新井が引っ張られると吉本との間を空けてしまうし、行かないとフリーでボールを持たれてしまうというわけで、この夏に大宮から移籍してきたばかりでそもそも右SBというポジション自体本職でない新井に迷いが生じるのも無理もない話だ。
 しかし岐阜が次第にヴェルディの攻撃(特にスピード)に慣れてくると両チームともになかなかフィニッシュに持ち込めない展開になってきた。DFラインの前でワンクッション入れてそこからスルーパスで裏を狙う岐阜と、同じく中央からワンツーを使って崩そうとするヴェルディに対して、両チームとも最終ラインがギリギリのところで耐えてなかなかDFラインを割らせない。
 そんな展開に対して、あんまり手数掛けずに思い切ってシュート打ってみればいいのにな…と思いながら観ていると、ヴェルディは(高校生ながらCKのキッカーまで任されていた)高木善明に代わって入った阿部が地を這うようなミドルシュートを放つとこれがものの見事にゴールネットへと突き刺さり先制。更にはその後セットプレーの混戦からまたしても阿部が二点目を蹴り込みものの5分ぐらいで勝負を決めてしまった。

 岐阜ではかつてプリンスリーグ東海で山本康裕ととともに名古屋ユースを蹂躙した押谷が完全に一皮むけた印象。磐田から期限付き移籍して来たばかりの昨シーズンは、技術とセンスはあっても天才肌の選手特有のむらっけが先に立ち正直「試合では使えない」印象を受けた押谷だったが、今シーズンはメンタル的にも充実している様子で試合に集中してすんなり入っていけているし、そんな中で繰り出される独特のリズムを刻むプレーにはブレークの予感が漂う。
 しかしそんな押谷擁する岐阜もこの日ばかりは相手が悪かった。確かに岐阜の攻撃自体にミスは多く、それは「自滅」だと言われても致し方ない出来ではあったが、この試合に限ってはそれを差し引いてもバウルの壁を乗り越えるのは難しかっただろう。相変わらず荒っぽい面もあるが、高さ・強さそして速さはこのレベル(J2)を超越している。今の岐阜で最も得点を期待出来るとすれば嶋田のスピードを生かした突破がキッカケになる攻めだろうが、さっきまで佐藤を高さと強さで完封していたはずのバウルが、フルスピードで飛び出してくる嶋田に対して今度はカバリーリングに入ってスピードでそれをストップしてしまうのだから恐れ入る。ヴェルディにおけるその存在感は名古屋における闘莉王級と言えるかもしれない。川勝監督の信頼も厚いわけだ。
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by tknr0326g8 | 2010-08-30 01:50 | Other Games
J1 2010 第19節 川崎×名古屋 @等々力陸上競技場
 W杯による中断を挟んだリーグ戦再開後、順調に勝ち点を積み重ね前節遂に首位に立った名古屋。苦しみながらも横浜や東京といった難敵を退けたことで、各メディアにはその名古屋らしからぬ勝負強さに対する賛辞が並んでいたが、フレッシュな状態で臨んだ中断明けと比べるとそのパフォーマンスは明らかに低下している。前節では(現時点の)チーム力に差がある浦和に前半は押されっ放しになるなど、相手に関わらず「苦しみながら勝つ」ことが名古屋の芸風になりつつことが不安だ。そして盆も明け、8月も下旬に入ろうかというこの時期に迎える川崎、G大阪との連戦は、(現在の)横浜や東京と違ってごまかしが効く相手ではないだけに名古屋にとっては正念場と言えるだろう。

 この真夏にミッドウィークを含めた連戦を行うのは常軌を逸しているとしか思えないが、この時期は夏休みシーズンでクラブにとっては掻き入れ時であり、W杯開催に伴って日程が詰まっていることを考えれば、プレーする選手達には耐えてもらうしかない。個人的にはそんな状況下ではターンオーバーも視野に入れながら試合をこなした方がいいのではないかと思うし、その点ではJ屈指とも言える豪華なベンチメンバーを抱える名古屋が他のチームと差をつけられる絶好のチャンスでもあると思うのだが、チームが勝っていることもあってかピクシーはメンバーをいじりたがらず、また前日の試合ではターンオーバーを断行した清水が新潟に大敗を喫するなど必ずしもフレッシュなメンバーがいいということではないのも確かだ。

 そんな中名古屋にとっては土曜日の浦和戦から中三日、川崎にとっては日曜日の広島戦から中二日という状況下で迎えたこの試合は、首位名古屋を迎えるとあって平日にも関わらず等々力での今シーズン最多入場者数を記録したものの、両チームともにつまらないミスが多く試合自体のクオリティで言えば満員の観客のニーズに応えられるものではなかった。そしてミスが多くなれば、ボールをキープして自ら仕掛ける名古屋よりも、相手のミスを待ってリアクションからダイレクトな速攻を仕掛ける川崎の方が有利になることも自明の理だった。

 横浜戦以降、名古屋はこれまでのスタイルとは打って変わり自陣でブロックを作って守るようなやり方に切り替える(使い分ける)ことが出来るようになったと言われていた。省エネで夏場を乗り切るには必要な戦い方でもある。しかし俺の中ではひとつの疑問が拭い切れなかったのもまた確かだった。それはひょっとしたら名古屋が意図的に自陣でブロックを作って守っているのではなくて、守備面では決して献身的とは言えない中盤より前の選手達が足を止めることで自然とそういった守り方になっているのではないかということ。
 事実前節の浦和戦では2ゴールを挙げ勝利の立役者になった玉田が守備面では前半から全くやる気を感じさせず、(金崎と左右を入れ替わって)移るサイド移るサイドでそちら側の(浦和の)SBのオーバーラップを誘発し挙句の果てには軽い対応から宇賀神のミドルシュートを目の前でブチ込まれてようやく目が醒めていた有様だったし、この試合でも先制点のシーンでは“そのポジションにはいた”ブルザノビッチがボールホルダーの田坂に寄せたはいいが粘り強さの全くない淡白な対応で振り切られV・ジュニオールへのスルーパスを通されている。
 もしチームとして意図してブロックを作って守っているのだとしても、こんな紅白戦かミニゲームのような気持ちでサッカーをしていては川崎に勝てるわけがない。相手の川崎もこの試合では自陣でブロックを作ってカウンターを繰り出す、正直「ホームゲームでそれやるか?」と言いたくなるほど徹底した省エネサッカーを披露していたが、少なくともブロックを作ったディフェンスは球際でよく闘っていた。この試合における名古屋と川崎の差はなにも決定力だけではない。

 一方攻撃に目を向ければ、サッカーというよりは徒競走でも観ているかのようだった川崎の攻撃がそれでもゴールという形に結実していたのに対し、名古屋はここ二試合ぐらい続いている低調な状態に改善が見られない。その最大の理由は、リーグ前半戦でゴールを荒稼ぎしたケネディに相手のマークが集中することに対するカウンター手段が全く用意されていないどころか横浜戦で肉離れを起こした中村に代わってブルザノビッチが起用されるようになったことで事態がむしろ悪化していること。相手のCBとボランチのトライアングルがケネディを生け捕っている間、その脇を走り抜けて前線に飛び出す人間(=これまでの中村)が今の名古屋には皆無。ケネディを包囲するトライアングルを壊してケネディを助けるというだけではなく、幽閉されたケネディを囮にして自らが主役になろうという選手が今の名古屋ではセットプレー(及びそのセカンドボール)時の闘莉王しかいないのだから攻撃が停滞するのも無理はない。ブルザノビッチに至ってはそんな前線に飛び出す動きどころか、中盤でマギヌンとポジションが重なっている場面が散見されるようではそれ以前の話だ。

 是が非でも欲しかった先制点を川崎に奪われ0-1とリードを許してハーフタイムに入った名古屋だったが、中村が怪我からの早期復帰を果たし前節よりベンチ入りしているのは朗報。持ち味である「野性味」を二列目のセンターというポジションで良い方向に発揮している中村は、そのポジションではマギヌンとともに押しも押されぬファーストチョイスだ。そしてハーフタイム中のアップで際どいコースにズバズバとシュートを沈めていた中村を見るにつけ、その期待感は俺の中ではさらに大きく膨らんでいた。
 しかし後半最初の交代カードとしてその中村が出て来たはいいものの、骨折を押しての出場だったダニルソンに代わってアンカーに入ってしまい、挙句の果てには交代のカードを使い切った後で増川が退場になったことでCBに“異動”してしまっては、もはやそこに攻撃的な上積みを期待することが難しくなってしまった。これがベンチの指示なのかピッチ上の選手たちによる判断なのか分からないが、そもそも経験があるかないか分からない中村にCBをやらせるぐらいなら、なぜ阿部をCBに回して三都主を左SBに入れるような手段が講じられなかったのだろうか。

 この試合での名古屋は良いプレーをしていた選手を探す方が難しい状態。中三日とはいえ相手よりも一日長くしかもそれは完全休養に充てられたのだから言い訳の仕様がない。そもそも機能していない選手は論外として、ボールを弾ませたら危険だといつまで経っても学習しない増川や、闘莉王が攻め上がっている時にいつものクオリティで中盤でボールを失い三失点目の起点となった小川、ポゼッション中も味方と相手のフィフティな位置にパスを出し続けていた玉田などもそのクオリティはとても優勝を狙っているチームのそれとは思えなかった。
 まあシーズンを通して常に最高のコンディションで試合に臨めるわけではないし、この試合に限っていえば途中までは川崎も似たりよったりだったのだから、そうしたミスを得点につなげられた川崎とつなげられなかった名古屋の差というだけかもしれないが、ただ前半戦でもホームで負けている川崎に対して(しかもチョンテセも川島永嗣もレナチーニョもいない川崎に対して)0-4の大敗を喫して返り討ちに遭ったことに対して、その屈辱を晴らす機会は来年までなくなってしまった。あとはこの敗戦も糧にしながらリーグ戦で川崎よりひとつでも上の順位に行くことによってこの悔しさを少しでも晴らすしかない。
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by tknr0326g8 | 2010-08-18 22:58 | Game Review
クラ選(U-15) 名古屋U15×新潟ジュニアユース @Jヴィレッジ
 一昨年は優勝、昨年は3位と近年この大会で好成績を残している名古屋U15。今年のチームはそれらのチームと比べても選手達の能力ではひけを取らないどころかむしろそれを上回るレベルにあり、選手やスタッフも上位進出ひいては二年ぶりとなる優勝が現実的な目標として視野に入っていることだろう。

 グループリーグの初戦で熊本のバレイアSCに9-1と大勝した名古屋が二戦目の相手として迎えるのはアルビレックス新潟ジュニアユース。新潟は昨日の初戦でヴェルディに0-6と(スコア上では)完敗を喫しており、名古屋としてもスッキリと勝って決勝トーナメント進出を決めてしまいたいところだ。

 名古屋のスタメンは下のような感じ。先日の関東遠征でも見られた並びだが、昨年のプレミアカップで準優勝した時には(早生まれ組として参加した)ニッキとCBと組んでいた松田が左SBに出て、左右のSBだった中島と後藤がCBを組む。ビルドアップの時に後藤にまだ若干のぎこちなさが見て取れるのはこのためだろう。加藤は元々パワフルなドリブル突破を見せるサイドハーフだったが、このチームは前線にタレントが多いこととその走力を見込んでかプレミアカップの後からSBにコンバートされた。Wボランチは俺がおそらく初めて見る組み合わせ。プログラムによると180cmの石川と168cmの金というコンビは見た目こそ好対照だがプレースタイル的には比較的似たタイプの組み合わせなので(ともに能力はとても高い選手ではあるものの)高田監督が敢えて併用を避けているのかなと思っていたが、この大会でチャレンジを行ってきた。

       北川

伊藤     森     曽雌

     金    石川

松田   中島   後藤  加藤

       板倉

 早々にグループリーグ突破を決めてしまいたい名古屋は(昨日新潟に大勝した)ヴェルディへのライバル意識もあるのだろうかキックオフから気合い十分。まずは先制点ということでしっかりとボールを動かしながらアタッカーを中心にアグレッシブな攻勢を仕掛ける。中でも目立っていたのはサイドチェンジから左サイドの伊藤が見せるドリブル突破とボランチに入っている金の積極的な前線への飛び出し。
 しかし後がない(逆に言えばこの試合に勝てば決勝トーナメントに行ける確率が高くなる)新潟の研ぎ澄まされた集中力と組織的で粘り強いディフェンス、Jヴィレッジ特有の長めの天然芝、ボディコンタクトに対してちょっとナーバスだった主審のジャッジといったものが少しづつ影響し、名古屋はその攻撃をシュートそしてゴールという形で結実させることが出来ない。
 新潟のディフェンスに関して言えば、例えば金が前線に飛び出して行っても新潟はしっかりとマーク(カバーリング)が付いて来て自由なプレーを許さなかったり、トップの北川をはじめ前線にクサビのボールが入っても受けた選手が少しでも長くボールを持っていると複数のDFが身体を寄せて自由を奪ってしまうなど個々の能力の不利を払拭するには十分な対応を見せていた。
 そしてまずは守りから入った新潟だったが、試合が落ち着いてくると少しづつ攻撃に転じ始める。形は主にサイズ(180cm)とスピードのある1トップの高橋に放り込む形でのカウンターで、もちろんこうした攻めに対しては、ともに170cm台後半の上背があり1対1に抜群の強さを持つ中島とスピードのある後藤のコンビで十分に対処出来るものなのだが、名古屋が強引に攻めようとしてバランスを崩したところで空けたスペースにボールを流し込むような狡猾さも新潟は持ち合わせていた。

 そんな展開の中先制点を奪ったのは名古屋。左サイドから新潟陣内深くまで侵入した伊藤とそこに寄ってきた北川がドリブルで新潟DFを“ちゃぶ”ってCKを獲得すると、そのCK自体は新潟DFに防がれたものの、リスタートで新潟がGK→DF→DFと短くつないでビルドアップしようとしたところを狙っていた森がインターセプトし、そのまま持ち込んでGKの脇の下を抜いた。
 このゴールは名古屋にとって待望のゴールであり、これで名古屋は一気にペースを掴んで乗って行けるはずだった。しかし名古屋のリードは長くは続かない。今度は新潟のCKから一度は名古屋DFがクリアしたボールを拾った新潟の選手が何ともなくゴール前へと放り込む。これに対して抜け出そうとした新潟の選手を対応に行った後藤が後ろから押して倒すような形になりPKを献上。正直それほど焦るような場面でもなかったが、ボールが入った瞬間にGKが出るのかDFがクリアするのかで迷いがあったようにも映った。実はこうしたシーンはこの場面だけでなく、特に後半になるとマークの受け渡しという部分で上手く機能していない場面が何度か見られていたので、声を掛け合うことも含めてチームとしての課題としてあるのかもしれない。
 逆にそのあたりの「組織」としての守り方がしっかり出来ていたのが新潟の方。個々のプレーヤーが責任を持って自分の仕事を果たすだけでなく、それらが有機的にリンクして組織として一手先を読んだ対応を見せる新潟は、誰かが抜かれても次の選手がしっかりカバーに入って名古屋との間にある個々の能力の差をピッチ上には顕在化させない。そしてそれらを背景として、名古屋はセカンドボールへの反応と回収という面ではで完全に後手に回っていた印象だった。

 1-1で折り返した後半も同じような展開が続いていたが、試合の流れ自体は少しづつ新潟に傾いていた。前半の内容で前日の大敗によって失った自信を回復したのか、攻撃もそれまでのタテ1本から少しづつリスクを冒して人数を掛けられるようになってきている。それに対して名古屋は疲れからかボールウォッチャーになる傾向が強まっていて、何でもないスルーパスをお見合いしてスペースに走り込まれてしまったり、スローインがゴール前を横断して「あわや」というようなシーンもあった。
 そんな雰囲気を一変させたのは北川で、中央から少し左サイドに寄った位置でクサビのボールを受けそのまま前を向くと、対面のマーカーが北川の後ろをクロスオーバーしていく選手に気を取られて一瞬北川との間を空けたのを見逃さず右足一閃。強烈なシュートが逆サイドネットに突き刺さる。トップチームの練習に参加したりユースの試合に出場しているからというわけではないだろうが、それは明らかに中学生のレベルを超えた一発だった。
 しかしエースの一撃をもってしても名古屋はまだ試合は終わらせられない。新潟が今度は右からクロスボールをゴール前に送り込むとこのボールがゴール前を通過していき、最後はしっかりとファーサイドに詰めていた選手がプッシュ。再度試合は振り出しに戻ってしまった。
 こうなると勢い的には新潟だ。(中盤を含む)ディフェンスの足が止まって目だけでボールの動きを追うことが多くなった名古屋に対して、新潟はボールホルダーへの寄せ・カバーリングの集中力が途切れない。そしてボールを奪ってカウンターに転じれば、名古屋がバランスを崩して空けてくれたスペースにどんどんと後から人が飛び込んでくる。

 名古屋にとっては最悪引き分けによる勝ち点計算がチラついてもおかしくない中、試合を決めたのはキャプテンマークを巻きピッチ上で人一倍闘う気持ちを見せていた背番号10の森。カウンターから森独特の動きによって新潟守備ブロックの隙間に入り込んでボールを受けると、前方にいた北川が前線に走り込みながらDFを引き連れて行くと見るやゴールからやや離れた位置だったにも関わらず躊躇なく右足ミドルシュートを放つ。このシュートが世に言う「ブレ球」、キャプテン翼でいう「ドライブシュート」のような軌道を描き(決して前に出過ぎていたとかでない)新潟GKの頭越しにゴールネットへと突き刺さったのだった。これによって名古屋は三度目の勝ち越しに成功したわけだが、まさしく気迫の乗り移ったかのような一撃だった。

 結局試合はこのリードを守り切った名古屋が3-2で勝利。決勝トーナメント進出を決めた。チームとして非常に良くオーガナイズされた新潟に対して最後は北川と森というこの年代のJリーグ選抜にも選ばれている二人がスーパーな個人技で振り切った試合は、両者を比較することによって名古屋に足りなかったものそして優れていた点が明確になる試合展開だった。また後半の中で得点を記録した二人以外に目立っていた選手を挙げるとすれば、曽雌や途中出場の宮市といったサイドアタッカー。中央ではどうしても人数を掛けて対応されてしまうため苦しい展開は否めないが、1対1の局面を作れるサイドでは名古屋の個人能力の高さが輝きを放っていた。

 明日のヴェルディ戦は両チームともに決勝トーナメント進出を決めているということでメンバーを含めてどういった戦い方をするかは分からないが、この日の午前中に圧倒的な強さで千里丘を一蹴した清水と同じブロックに入ることを避けようと思えば名古屋もトップ通過を狙ってくるかもしれない。ただそんな名古屋にとって不安があるとすればコンディション面。炎天下での連戦という過酷な条件は間違いなくこの試合の名古屋のパフォーマンスにも影響を及ぼしていた。名古屋にとっては厳しい戦いが続くと思うが、大会を通して成長しながらひとつでも先へ進んで行って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-08-16 18:50 | Youth
第18回 F・マリノスカップ U-12 @マリノスタウン
 残念ながら今年の全少は県大会の準決勝でPK戦の末に愛知FCに敗れてしまったために全国大会への出場を逃してしまった名古屋U-12。昨年のチームが全国チャンピオンになったことによって今年の愛知県には出場枠二枠が与えられていただけに選手や関係者にとってこれは悔しい結果だったに違いない。とは言え、一発勝負のトーナメントで数多くのチームを捌いていく県大会においては何が起こっても不思議ではなく、今大会で言えばヴェルディやマリノスといったビッグネームも県大会で涙をのんでいたし、ダノンネーションズカップで二連覇中の川崎ですら一回戦(PK)敗退という憂き目に遭っている。
 そんな各チームが、全少の熱気も冷めやらぬこのタイミングでみなとみらいにあるマリノスタウンに一堂に会して覇を競い合うのがマリノスカップだ。一昨年は世間がクリスマスムード一色の12月末に、そして名古屋が全少のチャンピオンチームとして参加した昨年は今年と同じくお盆真っ只中に開催されたこの大会は、今年で18回目を迎えることもあってもはや定番となりつつあるが、特に全少全国大会出場を逃した今年のチームにとっては特別な思い入れを持って臨む大会になるだろう。同じグループにこそならなかったが、決勝トーナメントに進めば一回戦で今年の全少王者バディーSCと対戦する可能性もあるのだからモチベーションの問題はない。

 今年の名古屋は川崎トレセン、柏イーグルス、東京ヴェルディと同グループ。そして例年通り上位二チームが決勝トーナメントへ、そして下位二チームが順位決定戦へと回ることになる。本来ならA~Dの各グループに二チームづつ配されたJ下部が決勝トーナメントに進出するのが順当な流れだが、今年はバディSCという各チームにとっての「ターゲット」が存在することもあり、例年になく面白い構図での大会なるかもしれない。

 名古屋初戦の相手は川崎トレセン。この後で戦う柏イーグルスといい大人みたいな大型プレーヤーを要所に配置している。名古屋の選手達もサイズという意味では昨年と比べたら恵まれた選手が多いが、それを遥かに上回るサイズ(特に例え身長が一緒でも厚みが違う)を誇る相手を見ていると、名古屋では野球に流れてしまう人材を川崎や柏ではサッカーに取り込めているんだろうなどという邪推が働いてしまう。

 名古屋のスタメンは、おそらく背番号がプログラム通りなので以下のような感じ。(ただプログラムでは19番までしか登録がないのに途中で20番の選手が出てきたりもした)

     田中   杉本

住田   若尾   赤堀   関根

原田   三浦   牛丸   植田

        花岡

 春にダノンネーションズカップを観た時にはおそらく見掛けなかった選手もいるし、そもそもダノンネーションズカップは9人制なので、11人がピッチに並ぶこのメンバー構成は個人的にかなり新鮮な印象。そして立ち上がり早々に決まった名古屋の先制ゴールも、ダノンネーションズカップではあまり記憶がない10番の田中が一度見たら忘れないであろうスピード溢れるドリブル突破で川崎TC陣内奥深くへと突き進んでいき、その折り返しを(一度は相手DFにクリアされたものの)拾った7番の杉本がGKの股の間を抜いて決めたものだった。
 ゴールを決めた杉本はダノンネーションズカップでは(9人制の)1ボランチをやっていた左利きでセンス溢れるテクニシャン。キープ力を買われてのFW起用だろうか。そしてダノンネーションズカップでは1トップを務めていた長身の関根が右SHとして出場しているあたりのシャッフルも面白い。また先制点のシーンで田中に対してDFラインの裏に抜けるようなパスを出したのは先発メンバーの中では唯一の5年生である住田。去年の12月に同じくここマリノスタウンでマリノスカップ(U-10)を観た時には、このチームの一学年下に当たるチームで押しも押されぬエースストライカーを務めていたが、このチームでは左SHを任されているようだ。本来の(一学年下の)チームに入れば少し際立つサイズもこのチームでは並かむしろ小柄な部類。去年の12月には面白いように決まっていたドリブル突破も相手のリーチの感覚が違うのか抜けたり抜けなかったりを繰り返していた。このように普段5年生を相手にしている時のようには思い通りにプレー出来ないかもしれないが、途中出場で出て来て存在感を発揮していた水野や杉浦といった5年生とともに、来年に向けては非常に楽しみなタレントが揃っている。
 
 先制ゴールを決めた名古屋だったがその後試合(前半)は完全な川崎TCペース。特に前半終了間際はボールを前に出せども出せどもことごとく相手に拾われて(或いは奪われて)ほとんどハーフコートのように川崎TCの波状攻撃を受け続けている状態で、なんとかその1点のリードを保ったままハーフタイムへと入ることが出来た名古屋だったが、前半だけでも相手のシュートが二度ポストに当たるなど名古屋にとってはラッキーな面やGKの好セーブなどがなければ一気に逆転されていてもおかしくなかった。

 しかしハーフタイムを挟んで後半に入ると突然別のチームのようにゲームを支配してしまうのだからサッカーは分からないし、逆に言えばベンチから一体どんなコーチングがあったのか非常に興味がある。前半とは打って変わって前線の選手に上手くボールが収まりはじめ、それに連動した動きで2トップの相方や両サイドの選手達が裏のスペースに走り込む形が機能し始めた名古屋は、得点にこそ結びつかなかったが後半のキックオフから僅かな時間で2~3度の決定機を作り出していた。
 そしてそんな良いリズムの中、一度はコーナーキックからセカンドボールを拾われてボレーを叩き込まれワンチヤンスで同点に追いつかれた名古屋だったが、選手達はそれに気落ちすることもなく試合のペースも手放すことはなかった。中央でクサビのパスを受けた杉本がタメを作ってDFラインの裏に流し込んだスルーパスに反応した田中が、追いすがるDFとGKを次々と交わして最後はやや角度のないところから無人のゴールに流し込み再度勝ち越しに成功。さらにピッチを広く使った展開から再び中央でパスを受けた杉本のスルーパスを受けた田中が放ったシュートをGKが弾いたところに杉本が詰めて追加点。川崎TCを突き放した。

 結局試合はそのまま3-1で終了のホイッスル。後半は前半とは全く逆で相手GKの好セーブがなければもっと点差が開いていただろうという内容だった。

 第二試合まで約3時間のインターバルは、横浜駅から徒歩15分という好立地においては全く苦にならない。そして名古屋の第一試合終了とほぼ時を同じくして二つ隣の天然芝ピッチで翌日の清水戦に向けたトレーニングを始めたトップチームが全体練習を終え、居残りで狩野らととともに念入りにFKのチューニングをしていた中村俊輔が引き上げようかという頃に名古屋の第二試合はキックオフ。第二試合の対戦相手はアヤックス・モデルのユニフォームがピッチに映える柏イーグルスだ。言わずと知れた街クラブのレベルを越えたJ下部に匹敵する強豪クラブ。

 名古屋は第一試合から微妙にポジション&メンバーチェンジ。前線では長身の関根をトップにして、第一試合はFWで二得点だった杉本をボランチに起用している。そして空いた右サイドには第一試合も後半から出てきてスピードのあるドリブル突破でリズムを作った5年生・杉浦を起用。

     田中   関根

住田   杉本   若尾   杉浦

原田   三浦   牛丸   赤堀

        花岡

 第一試合を良いイメージで終えていた名古屋はこの試合も悪くない入り方をしていた。第一試合(前半)と比べても随分ボールがよく動いている。ただFWと最終ラインに名古屋の選手と比べても頭ひとつ分ぐらい出ている大型で運動能力の高そうな選手を擁する柏イーグルスは、堅い守備から攻撃ではボールを奪ったら名古屋DFの裏にボールを流し込み彼等に勝負させるといった、それらの選手の強みを生かすような戦い方をしていて、全体的な印象としてはボールは動くようになったがなかなかシュートまで辿りつかない名古屋とそんな名古屋に対してリアクション中心ながらゴールに迫っている柏イーグルスといった感じ。そんな試合は拮抗した展開となり、給水タイムごぐらいからは名古屋も徐々にシュートを放てるようになってきたものの0-0のまま前半を折り返した。

 後半になると名古屋は再びペースアップ。“間”に通すパスがビシビシと決まり攻撃の形を作れていた名古屋は、自らが起点となったショートコーナーから一度はクリアされたボールをペナルティエリアの左で再び受けた杉本が左足一閃。鮮やかなミドルシュートが逆サイドネットへと突き刺さり1-0とリードを奪うことに成功する。
 その後関根に代わり再び前線に戻った杉本を中心として名古屋は良い形での攻撃を続けていた一方で、球際に強く粘り強い守備で柏イーグルスを押さえ込んでいた守備陣のパフォーマンスもこの試合では特筆ものだった。確かに大型で運動能力の高いFWがいる柏イーグルスの攻撃は常に怖さを伴っていたが、集中したディフェンスでそれを防ぎ切った試合後にはそれは「後半はチャンスらしいチャンスを作らせなかった」と断言出来る。

 というわけで、名古屋は二試合を終えて決勝トーナメント進出が決定。二日目には残りのヴェルディ戦といよいよ決勝トーナメント一回戦(相手はマリノスMMかバディーSC)。公式戦ではないし結果にこだわる必要もないが、より強い相手と戦ってより良い経験を積むためにも少しでも上に勝ち進んで欲しいところだ。
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by tknr0326g8 | 2010-08-14 02:35 | Youth
J1 2010 第17節 FC東京×名古屋 @味の素スタジアム
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詳細は後ほどupするとして、ひとつ言えることは、(相変わらずプレーのディテールに課題は残すものの)小川のブレ球が十分に使えるレベルに達しているということ。その完成度は中村北斗の比ではない。このメンバーで直接FKを蹴らしてもらうのは難しいかもしれないが、そのミドルシュートが名古屋を救う日が近々訪れるに違いない。
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by tknr0326g8 | 2010-08-09 01:02 | Game Review
J1 2010 第16節 横浜×名古屋 @日産スタジアム
 世間では夏休みに突入したこともあり、名古屋もアンダーカテゴリーの各チームが関東を中心に積極的に遠征に出向いているようだ。そしてこの二日間は、偶然にもトップチーム、U-18、U15、U-13の四つのカテゴリーが横浜に集結。それはまるで日産のお膝元である横浜が豊田になったかのような二日間だった。

■名古屋U13×ジェフ千葉U13 @マリノスタウン
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 昨日の三ツ沢での敗戦を引きずりつつ夏バテ気味の身体に鞭打って起床し、昼過ぎに到着したみなとみらいでは名古屋U-13と千葉U-13の試合が行われていた。事前に入手した情報では大宮ジュニユースと13時から対戦ということになっていたので13時ギリギリにマリノスタウンに着いたら、何故か相手が千葉に変更されており、また既に試合が始まっていたので頭の何分かを見逃してしまった。

 この名古屋U-13は言わずと知れた昨年の全少王者。個人的にはあれからもう一年の月日が経過してしまったという事実に驚きを感じるが、おそらく俺の三分の一ぐらいの緩やかさで人生の時間が流れている彼等がこの一年間で一体どのように成長しているのかがこの試合の最大の注目ポイント。

 昨年のチームをベースとして、全少(県大会・全国大会)やフジパンカップで対戦した東海地区のライバルチームから主力選手を取り込んで組み換えられたチームは、ひと言で言うならいかにも“名古屋っぽい”チームになっていた。右サイドから上田(四日市JFC→名古屋U13)、左サイドから吹ケ(名古屋U12→名古屋U13)が迫力のあるサイドアタックを仕掛ける様には名古屋のエスプリが漂っている。俺は基本的にはそんな名古屋的な情景にノスタルジーを感じる名古屋原理主義者だが、全少制覇というかつてない偉業を成し遂げた昨年のチームは名古屋らしくないところが一つの売りでもあっただけに、それはそれで一抹の寂しさを感じると言ったらないものねだりになるだろうか。

 しかしやはりこのチームを語る上で欠かせないのは森&杉森のアタッカーコンビ。いかにこのチームがサイドアタックに迫力を増したとは言っても、最後に目線が行き着くのは彼等のところ。まずこのチームで10番を背負う森が面白いのは、この後の試合で登場する兄(U-15)と同じようなプレースタイルであるところ。そしてそれぞれのチームも彼等兄弟の特徴を生かすトップ下というポジションを作って4-2-3-1のような形を採っている。今年は無理かもしれないが、ひょっとしたら三年後にはユース(U-18)で4-1-4-1の二列目のセンターに容姿のそっくりな二人の森が並んでいるかもしれない。
 その名前が既に全国区でもある杉森は、ほとんど大人のような体格をしている千葉のDFを相手に、去年とあまり変わっていないようにも見えたひと際小柄な身体でゴールに向かってアグレッシブにプレーしている姿が印象的だった。そんな体格(サイズ)だけでなく、杉森がスピードで抜け出そうとした時にユニフォームを引っ張ったり身体を掴んだりするような「大人のサッカー」に手こずっているようなシーンもあったが、これからの彼にはそうした状況であってもそれを振り払いゴールを決めるだけの肉体的そして精神的な強さが求められるだろう。

 試合は総じて大柄な千葉相手に後手に回る時間帯もあった名古屋だったが、右サイドの突破からゴール前に折り返されたボールにファーサイドから吹ケが詰めて押し込み、苦しみながらも1-0と勝利を収めた。

■名古屋U15×横浜Fマリノスジュニアユース @マリノスタウン
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 ジュニアの交流戦二試合を挟んで同じピッチに現れたのは、8/15に開幕するクラ選(U-15)全国大会に向けて強豪ひしめく関東で腕試し中の名古屋U-15。ひょっとしたら昨日のクラ選(U-18)準決勝に飛び級で出場していた北川が登場するかもと期待したが、残念ながらこちらには合流していなかったようだ。

 U-18だけでなく既にトップチームのトレーニングにも参加しているエースの北川のみならず、その他にも(控え選手に至るまで)非常に能力の高い選手を揃えている今年の名古屋U-15は、名古屋の下部組織史上でも最も才能に恵まれたチームであり、全国レベルで見ても間違いなく頂点を狙える力を備えている。しかしながらクラ選の東海大会では全国への出場権こそ獲得したものの準決勝で磐田に2-0からの逆転負け。こうした状況から脱皮するには高田監督の言うように精神的な強さを身に付けることが必要とされるだろうし、遠征で各地へ出向いて強豪チームと対戦することの意義もそういったところにあるかもしれない。

 名古屋は連戦を考慮しているのかそれともローテーションを組んでいるのか、はたまた全国大会を前にまだスタメンを固定せず競い合わせているのか分からないがかなりテスト的な色合いの濃いフォーメーションを組んでいた。

        桜井

伊藤       森       曽雌

     金     石田

加藤   中島    後藤   松田

        板倉

 1トップには北川に代わってU-14のエース桜井。普段センターバックに入っている松田を右SBに出して去年は右SBをやっていた後藤をCBとして起用している。現時点では中島&松田のCBコンビはほぼ鉄板といっていいが、サイズ的にも恵まれている後藤をセンターに据えるのは将来を見越してという意味もあるのだろう。

 このメンバーでの名古屋はボランチに入った金が前線や両サイドへ的確にボールを配給して攻撃のタクトを振るうスタイル。昨年は北川とともにU-14Jリーグ選抜としてオランダ遠征なども経験していた金だが、今シーズン俺が見た試合ではいずれもベンチからのスタートだった。これはチーム全体のバランス(組み合わせ)を考慮してのものだと思うが、試合終盤や三本目に金が投入される時には松田をボランチに上げてWボランチを組ませたりしていたのを見ると、どうやら高田監督は守備に強いタイプと組ませてその攻撃センスを発揮させようとしているように感じる。実際この試合でもフィジカルコンタクトの部分で少し苦戦しているようなシーンがあり、そのあたりは今後の彼にとっても課題のひとつなのだろうが、これは試合を経験する中で身に付けていけるものであり、また彼の能力を考えてもこの試合のようにひとたびスターターとしてピッチに立てば広い視野と戦術眼を武器に試合をコントロールしてしまうぐらいのものを持っているので、なんとか試合の機会を増やしてあげたいところだ。

 試合はキックオフ直後こそ横浜の勢いに押し込まれて動揺も見受けられた名古屋だったが、GKの好セーブもあって落ち着きを取り戻し始めるとチャンスを量産。そして曽雌のスルーパスに抜け出した桜井が豪快に右足を振り抜いて先制点を奪うと、(GKのパスミスから一度は同点に追い付かれたものの)後半には伊藤のスルーパスに抜け出した森からの折り返しをファーサイドで詰めた曽雌が詰めるという綺麗な形で2点目を奪う。その後また一点を返され二本目を終わって最終スコアは2-2だったものの、内容的には名古屋が優勢で、エースの北川を欠きメンバーもシャッフルしていた名古屋U-15がそのポテンシャルを見せ付ける形になった。

 三本目もありそうな雰囲気だったが、トップの試合もあるので二本目で切り上げて新横浜へ。どうせならトップチームの前座でやってくれたらよかったのに。
 
■J1 2010 第16節 横浜×名古屋 @日産スタジアム
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 そしていよいよ今日のメインイベント。Jリーグ再開後、相手に恵まれたとはいえ2勝1分と好調の名古屋が曲者の横浜とぶつかるこの試合は、名古屋にとって今後を占う上で非常に重要な試合だ。昨シーズンこの日産スタジアムで横浜相手に勝ち試合を落とした名古屋は、その後リーグ戦の優勝争いから完全に脱落した。今年はそれより時期も二ヶ月以上早いのでまだ致命傷とはならないかもしれないが、この先続く連戦の相手(FC東京、浦和、川崎)と現在の横浜の状態を比較すれば、この試合は落とせない。

 試合はキックオフ直後はどちらかと言えば名古屋が仕掛け横浜が守備を固めてカウンターを狙う展開。しかし名古屋はミッドウィークを含む真夏の連戦でまさかの「先発メンバー固定」を断行したことにより選手達の動きが重く、次第に横浜のカウンターの回数が増え始める。そして徐々に攻撃のリズムを掴み始めた横浜は20分頃には名古屋の弱点として広く認知されているダニルソンの両脇のスペースに山瀬などが流動的に顔を出し始め、これに田中隼麿あたりが喰い付いたところでDFラインに出来たギャップに坂田が自慢のスピードを生かして走り込むといった攻撃が機能し始めた。

 このままいくとちょっとマズイかなと思っていた矢先、名古屋を救ったのはやはり「救世主」ケネディだった。先発メンバーの中でも最も乳酸がたまっていそうだったケネディが相手のスキを見逃さず放ったミドルシュートが横浜ゴールへと突き刺さる。その少し前に放った異常に打点の高いヘディングシュート(横浜DFがゴールライン上でクリア)といい、パワーの残量が少なければそれを貯め込んでおいてここ一番で発揮するあたりは抜け目ない。

 名古屋というチームの特性や横浜にはセットプレー(中村俊輔)という一発があることを考えれば、前半のこの時間帯に奪った一点ではまだ安心出来る展開ではもちろんないが、試合が終わった後で結果論的に振り返るならば、試合はこのケネディの一発によって終わったと言っても決して過言ではなかった。先制に成功した名古屋がブロックを作ってカウンター狙いに切り替えたことで、横浜はそれまで自由に使えていたスペースが極端に減ってしまった。スペースがなくなった後(特に後半に体力が落ちてきてから)の横浜の打つ手のなさ加減も酷かったが、名古屋がこうした大人びた守り方も出来るというのはちょっとしたサプライズだった。ひょっとしたら連戦によって選手達の体力の消耗が激しく必要以上に動けなかっただけなのかもしれないが、この試合では中盤から後ろで不用意に選手がアタックに行って交わされ穴を空けてしまうようなシーンもほとんどなく、落ち着いて守れていた印象だ。そして後半にはカウンターから勝負どころと見るとダニルソンまでもが攻め上がる分厚い攻めで追加点。まるで横綱相撲。これは個々の能力が高い名古屋らしい戦い方かもしれない。

 ただ心配があるとすれば、これまで俺の知る限り肉離れなど起こしたことがない中村直志がカウンターから前線に出たボールにダッシュした際にモモ裏を押さえて途中交代を余儀なくされてしまったように、この季節に無謀とも言えるスタメン固定によって選手達の疲労が溜まっているのではないかということ。ピクシーは自らが信頼を持ってピッチに送り出した選手達をギリギリまで引っ張ってその見極めをプレーの質によって行っているよう(例えば金崎は立て続けに三つぐらいミスをした後で交代になった)だが、怪我が起きてからでは遅い。試合後にはダニルソンが足を押さえてしばらくうずくまっていたし、怪我が多いマギヌンなどはいくらいつも好調な夏場とは言えオーバーワークが心配だ。可能であれば選手達のコンディションを考慮しながら上手くローテーションを活用して欲しいところだが。
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by tknr0326g8 | 2010-08-01 03:13 | Youth