Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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千葉国体2010 少年男子・一回戦 三重×徳島 ほか @市原スポレクパーク
 昨年鹿島から新宿を経由して新潟に向かった高速バス乗り継ぎ弾丸ツアーから早くも一年。今年もまた国体の季節がやって来た。昨年は少年男子(U16)で東海地区予選を圧倒的な強さで制した愛知県選抜が初優勝の期待を背負ってビッグスワンに登場したものの、青森山田勢を中心に構成された青森県選抜を前に緒戦敗退という悲劇的な結末を迎えたが、今年の愛知県選抜は二回戦総当たりの東海地区予選で全敗を喫して本大会出場を逃すというさらにショッキングな結果だった。予選時のメンバーが分からないので何とも言えないが、普通に考えれば昨年のクラ選や高円宮杯東海地区予選で名古屋U-15が無双を誇っていたことを考えれば、ちょっと理解に苦しむ結果だ。

 サッカー競技が開幕を迎える今日、俺が市原市内に点在するのサッカー会場の中からスポレクパークを選んだのは、東海地区予選を静岡とともに圧倒的な強さで勝ちぬけた三重県選抜の試合を観るため。個人的にはサプライズで名古屋U15の北川柊斗や中島康輔が選ばれていないか(能力的にはその資格は十分ある)と期待していたのだが、残念ながらメンバーは四中工、海星高校、三重高校、津工業の混成チームだった。

 三重はキックオフと同時に10番の溝田(津工業)がセンターサークルから相手陣内までドリブルでボールを持ち出し会場を沸かせる。そしてどことなく硬さの見られる徳島に対してこの1プレーでペースを握った三重は、ラストサードでのドリブルによる仕掛けを軸としたスキルフルな戦い方で、前半のうちにこの溝田による先制ゴールを含めた2ゴールを奪い、試合を決めてしまったかのように思われた。

 しかし後半になると落ち着きを取り戻した徳島が反撃を開始。185cmの長身FW西岡田(徳島ユース)をターゲットにしたダイレクトプレーを徹底してチャンスを作り始めると、ラストプレーでついに同点に追い付いてしまった。

 国体サッカーの少年男子は2006年からU-16化されている。公式戦の出場機会に恵まれないこの年代のプレーヤーに経験を積ませるためだと言われているが、三重県選抜の戦い方を観ていると、この年代ならではの(そして混成チームならではの)試合運びの拙さが露呈していた。リードして迎えた試合終盤に時間稼ぎをすればいいのにそれをする気配が全くなく、むしろロスタイムの同点ゴールは前掛かりになって攻め込んだところでカウンターから奪われたものだった。

 延長戦も同じような展開。延長前半、中央で右サイドからのパスを受けた溝田(10)が相手DFが寄せてくる前に咄嗟の機転でトーキック気味に放ったシュートで一度はリードを奪ったものの、今度はその後露骨にペースダウンして延長前半終了間際にコーナーキックのこぼれ球を蹴り込まれ3-3の同点。延長後半になってようやく溝田(10)のテクニカルな2ゴールと浅野(9/四中工)のゴールで徳島を突き離したものの、このペースで試合をしていると三重は点数を取り続けることでしか自分達の身を守ることが出来なくなってしまう。

 予期せぬ延長戦により、名古屋U15出身で早生まれ二年生の辻や尾上(データ上は二人とも異常に背が伸びていて、辻が179cm、尾上が175cm)がメンバー登録されている石川県選抜の試合会場(スポレクパークと同じJR八幡宿駅を最寄りとする八幡公園八幡球技場)へは移動できなくなってしまったが、その後は隣のグラウンドで、FC刈谷の選手が何人か登録されている愛知県選抜(成年男子)の試合や堀米、神田といったこの年代の代表選手を擁する北海道選抜とJFAアカデミーの選手が中心となる福島県選抜の試合をハシゴして帰宅。
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by tknr0326g8 | 2010-09-26 23:59 | Other Games
高円宮杯(U-18) 静岡学園×名古屋U18 @藤枝市総合運動公園サッカー場
 グループリーグ最終節で横浜と引き分けなんとか決勝トーナメント進出を決めた名古屋。中一日で迎える決勝トーナメント・Round16の相手はプリンスリーグ東海でも戦った静岡学園だ。高円宮杯は、夏のクラ選や高校総体、冬の高校サッカー選手権のように二日続けての連戦はなく選手のコンディションに配慮している(炎天下での試合は除く)し、トーナメント進出を賭けたグループリーグ最終節は同グループ同時間キックオフの原則が守られて公平性も確保されているが、なにぶん一ヶ月の長丁場ともなれば、決勝トーナメントが佳境を迎える頃には、毎週関東と地元を行ったり来たりする地方のチームと関東のチームとの間でコンディションに明らかな差が出てくることも少なくない。もっともこうした大会を行う以上どこかがそういったホームアドバンテージの恩恵を受けることになるのだが、関東以外で最もそれに授かっているのが静岡勢で、例えばこの静岡学園はグループリーグ三試合をいずれも今日の試合会場でもある藤枝で行っている。自宅(もしくは寮)から現地集合で試合会場へと出向けて、試合が終われば夕食の頃には自宅で食卓にありつけるような環境は、特にこの中一日での試合では大きくものをいうだろう。逆に言えば、俺が東京から電車で観戦に出向いて帰って来ただけで翌日までグッタリしてしまった前橋で二日前に試合を行ったばかりの名古屋にとって、これは大きなハンディキャップとも言える。ただ今更それを嘆いても仕方ないので、名古屋とすれば、グループリーグで三菱養和や横浜FMといった関東の強豪チームと対戦してきた経験、そして苦しい試合を覆して来た強いメンタリティをもってそれを埋めていくしかない。

 名古屋の先発はこんな↓感じ。

    足立  川村

小幡  水野  近藤  加藤翼

渡辺  川本  奥山  金編

      古川

 大学受験で前節を欠場した10番の小幡、そして正GKの古川がスタメンに帰還。FWの一角と左SBには前節に引き続き足立と渡辺が入っている。前節は足立と大西という185cm超級の2トップだったが、ベンチとしては特別な破壊力を持つ大西を「切り札」としてベンチに持っておきたいのだろう。

 そして試合は序盤、そんな名古屋のペースで進む。高い位置でボールを奪えている名古屋は、そこからのショートカウンターで度々静学ゴールを脅かす。その中心にいるのはもちろんキャプテンの近藤で、中盤でボールを刈り取ったかと思えば、積極的に前線へと飛び出して行って小幡とのコンビネーションでシュートへと結びつける。
 さらにこの立ち上がりでは右サイドから加藤翼がキレのあるドリブルでチャンスを作り出すシーンが目立った。この試合ではワイドに張るというよりも内側から静学ディフェンスへと切れ込んで行く場面が多く見られた加藤だが、この良い時間帯に見られた、右サイドから走り込んだ加藤翼にパスが通って加藤の放ったシュートが相手DFに当たってコースが変わりポストをに弾かれたシーンなどは立ち上がりのクライマックスと言ってもよかっただろう。
 ただ試合を終えて振り返ってみれば、名古屋にとって唯一このキックオフ直後の時間帯だけが思い通りのプレーを出来た時間帯であり、彼等が残された体力の中でかろうじて気持ちと身体のバランスを保ってプレー出来る時間帯だったのかもしれない。その意味では名古屋からしてみればこの時間帯にゴールを奪えなかったことが致命傷となってしまった。

 対していつの間にかFC岐阜っぽいユニフォームになっていた静学は、序盤こそ名古屋の出方を伺っていたものの、中盤から後ろでボールを持つと常に2~3人(多い時は誇張抜きで4~5人)が名古屋DFラインの裏を狙って走り出しそこに縦パスを送り込むダイレクトプレーでチャンスを作り流れを引き寄せる。この大会で一本の縦パスによってDFとDFの間(特にSBとCBの間)を抜かれてしまう場面が目立つ名古屋は、やはりこの試合でもそこを狙われているようだった。これは例え相手が名古屋を研究していなくとも試合が始まれば誰の目にもギャップが出来ていることは明らかなので、静学もおそらく試合の中で意識・無意識を問わず見付けることが出来たのだろう。そしてそのギャップを狙って飛び込んでくる相手に対して名古屋はCBの奥山を筆頭にボックス内(或いは近辺)で難しい対処を迫られていたが、粘り強い守備でなんとか水際でこれを喰い止めていた。しかしSBが出て行く出て行かないの判断や、(SBが)出て行くなら出て行くでカバーリング(やDFライン全体のスライド)をもっと速くしてやらないと、これではいつやられてもおかしくない。

 そして20分過ぎにコーナーキックからニアサイドに飛び込んだ選手のドンピシャヘッドをゴールライン上で渡辺がクリアしてほっとしているのも束の間、名古屋は静岡学園に先制点を献上してしまう。左SBの渡辺がヘディングでクリアしたボールがそのまま相手に渡ると、その選手が渡辺の裏(すなわち渡辺と川本のギャップ)にボールを流し込む。川本がカバーに行こうとするも間に合わず、これをもらった選手がドリブルで中央へと切れ込んで行くと後から追走した渡辺がペナルティエリア内でこれを倒してしまいPKを与えてしまった。

 先制したことで好きなようにプレーし始めた静岡学園とは対照的に、これぐらいの時間になると名古屋の攻撃には早くも沈黙の気配が漂い始めていた。攻撃を組み立てようにも前線にクサビのボールが収まらないので名古屋はゴールに近付くことが出来ない。これは何もクサビを受ける側だけの問題ではなく、出す方にもそのパスにズレが生じていたので、(「疲れ」という要因を差し引いたとしても)受ける側も出す側もまだまだ技術を磨いていく必要があるということだろう。ならばと現在のチームで最も機能しているボールを奪ってからの速攻を仕掛けようとすると、静学は攻→守の切り替えにおける危ない場面ではプロフェッショナルファールを使って上手くこれを寸断することに成功していた。静学にはどことなくブラジル的な上手さ・いやらしさがある。

 後半になると、静学はいつの間にか9番の鈴木と11番の廣渡がポジションチェンジしており、前半はメインスタンド側だった(静学にとっての)右サイドに大型FWの9番がいてトップに小柄な11番がいることにどことなく違和感があったが、鈴木(9番)がトップに入り廣渡(11番)が右サイドに配置転換されたことでこの違和感は解消。そして後半の名古屋ディフェンスは右サイドから切れ込んで来るこの廣渡のドリブルに悩まされることになる。

 一点を追いかける後半立ち上がり早々、名古屋はこの11番廣渡のドリブルによって左サイドを破られ、そのマイナスの折り返しから最後は7番の長谷川が洒落っ気のあるループシュートを狙った(シュートは枠を大きく外れる)ことで命拾いしたものの、いきなり出鼻を挫かれた感は否めなかった。そして静学のコーナーキックから渡辺が本日二回目のゴールライン上でのクリアを見せたものの、名古屋は選手達の集中も徐々に散漫になって行く。ナーバスな笛を吹く主審のジャッジに対してキャプテンの近藤が「やってられない」とばかりに両腕を拡げるようなジェスチャーをしていたぐらいだから、その程度が分かるというもの。そして選手達は自分がやらなければという気持ちだけが空回りし始めていた。

 その後、同点そして逆転に向けて前線で3人の選手交代を行った名古屋だったが、それもどこかチグハグな印象を受けた。名古屋の選手達にもはや多くの運動量が望めないことに加えて、静学が後半になるとDFライン4枚とそのすぐ前にポジションを取るWボランチで堅固なブロックを作っていたことを考えれば、名古屋のチャンスはDFラインの「裏」を狙って縦パスを蹴るか、小幡や近藤などのボールキープが出来る選手に喰い付かせて「裏」にスルーパスを狙うぐらいしかない。となれば、FWには当然機動力のある選手を入れる(残す)べきだが、名古屋ベンチは二人目の交代で川村を下げてしまった。大柄ながら走力のある大西の投入は良いにしても、ここで代えるなら足立ではなかったか。これは足立のプレーがどうこうという問題ではなく、例え足立に(頭であれ足元であれ)良いボールが入ったとしても名古屋の二列目の選手達には既にそれに絡んで行くだけの運動量が望めず、また例えばSBが相手陣内深くまでオーバーラップして足立の頭を目掛けたクロスを入れるというようなプレーも期待できなくなっていたからだ(金編が一度オーバーラップして抜け出したシーンがあったが、静学はなんと1トップの9番の選手が付いて来てイエローカードと引き換えの胴タックルで止めた)。であれば、前半の静学がそうしていたようにDFラインの裏目掛けてダイレクトに人とボールを送り込んだ方が得点の可能性は高い。川村の交代後、中盤でボールを持った小幡のスルーパスから足立が抜け出したシーンで、もしあそこに残っているのが川村だったら、結果は違ったものになっていたかもしれない。

 試合は当然の成り行きとして圧倒的な静学ペースになっていく。名古屋は静学の網に引っ掛かってボールを失っては、逆に完全にフィルター機能を失った中盤を通過してラストサードまで静学の攻撃を受け入れる繰り返し。シュートはなんとかGKの古川がセーブしていたが、気が付けば、「そう言えば後半名古屋シュート打ったっけ?」という状態。そして静学はそんな状態でも容赦なく前からプレッシャーを掛けボールを奪い返しに来る。彼等は勝負所をわきまえているし、体力的には当然キツイだろうがみすみす自陣に引き籠って手負いの名古屋の攻撃を自分達のゴールに近付けるような真似はしない。静学にとって唯一不安があるとすれば、これだけシュートを放ちながらゴールが決まらないことで、こうした場合得てして攻めている側に嫌な感じが漂い始めるものだが、彼等が肝を冷やしたのはロスタイムの小幡のミドルシュートぐらいで、ほとんど産みの苦しみを味わうことなく準々決勝への進出を決めたのだった。

 この試合について言えば、トーナメント戦の1点差ゲームでよく見られるような、終了のホイッスルとともに負けたチームの選手達がバタバタとピッチに倒れ込むようなシーンは皆無だった(唯一、結果的に決勝ゴールとなってしまったPKを献上した渡辺だけがピッチにしゃがみこんでいた。本文中でも書いたように彼はコーナーキックから二点を救っているのだが・・・)。これはおそらくは体力的な問題もあって、満足なパフォーマンスを発揮出来ないまま不完全燃焼で試合を終えてしまったためではないだろうか。彼等の中では、今日の時点で出来ることは最大限やりつつも、「もっと出来るはず」という思いがあったに違いない。だとすれば彼等が次にやるべきことはハッキリしている。このチームで最後の大会となるJユースカップで完全燃焼することだけだ。
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by tknr0326g8 | 2010-09-19 23:59 | Youth
高円宮杯(U-18) 横浜FMユース×名古屋U18 @群馬県立サッカー・ラグビー場
 二年ぶりとなる高円宮杯で、ここまでグループリーグ1勝1敗と後がない名古屋。そんな状況で迎える相手が昨年のこの大会のチャンピオンで、ここまでグループリーグ2連勝を飾っている横浜FMユースというのは巡り合わせとして良いのか悪いのか微妙なところだ。単純に考えれば名古屋にとって横浜はこの上ない強敵だが、グループリーグ突破を既に決めている横浜にとって二日後のラウンド16を意識するなというのは土台無理な話であり、そこにこそ名古屋の突け入るスキがあるかもしれない。グループ2位でも決勝トーナメントに進めない確率の方が高いクラ選と違って、グループ3位でも決勝トーナメントに進める高円宮杯のレギュレーションを考えれば、名古屋にもまだ可能性はあるし、この試合でそれを引き寄せられるかどうかは彼等自身の手(足)に懸っている。

 ただそんな名古屋にとって一番の懸念材料はこのチームで背番号10を背負う小幡が大学受験によりこの試合を欠場するということ。欠場するのが負傷中のエースストライカー高原だけなら、まあ相手の横浜も小野がいないわけだし…と無理矢理納得するところだが、それに加えて小幡まで欠くとあってはチームにとっての一大事。横浜で言ったら、小野に加えて松本と後藤を欠くぐらいのインパクトがこの小幡欠場にはあるかもしれない。

 名古屋の先発は下に書いたような感じの並び。小幡のポジションに入るのはここまで二試合とも加藤翼と途中交代で入っていた加藤凱。前節退場を喰らった都竹の代わりには渡辺がそのポジションに入っている。そして小幡欠場を考慮してか、それともどうしても勝たなければいけない状況を意識してか、2トップを前節までの藤田&川村から大西&足立という二人にまるごと入れ替えていた。ともに185cmを越える大型の二人が最前線に並ぶことによって間違いなく攻撃の迫力は増すだろう。
 それにしても足立の大きさはどうだ。彼の公式戦でのプレーを観るのは(昨年の豊田国際ユースと新潟国体を除けば)初めてだが、昨年よりさらにひと回り大きくなったような印象の彼の隣では、大西が普通の(サイズの)プレーヤーに見えてしまう。

     足立  大西

加藤凱  水野  近藤  加藤翼

 渡辺  川本  奥山  金編

       伊藤

 立ち上がりから名古屋はアグレッシブで気持ちも出ている。前からプレッシャーを掛け、ボールを奪ったらタテに速い攻撃を繰り出す名古屋は、ディフェンスでもよく声が出ていたり、危ない場面は一切無理せずタッチに逃げるなど、勝利という一点に向けて自分達がするべきことが明確になっているようだ。

 しかしそんな名古屋に対しても横浜は落ち着いた対応を見せていた。ボランチの位置にいる熊谷アンドリューを中心にピッチを広く使ってしっかりとボールを動かし、簡単には名古屋に的を絞らせない。特に熊谷アンドリューは足元に一度ボールが収まると名古屋は複数でチャレンジに行ってもそこから奪うのが難しい状況だった。そうして左右に名古屋DFを拡げておいて、DFラインをナナメに走り抜けるFWの動きに合わせるように狙い澄ましたタテパスがズバッと出てくるのだから名古屋としては全く安心出来ない。

 ここまでを見ても両チームの間には少なからず力の差があるように感じられたが、名古屋はボールを持つと素早くサイドの裏のスペースにボールを流し込んでそこに基点を作るようなリスクの少ない戦い方をベースにすることでその差を出来る限り顕在化させないようにしていたし、時々近藤が中心となって中盤で上手くボールを奪えた時にはショートカウンターからチャンスを作り出したりもしていた。
 そしてその近藤が主役となるショートカウンターはが最大の決定機を迎えたのが35分過ぎ。近藤が相手ペナルティエリア手前でパスカットしてそのままDFラインを抜け出すとGKと1対1の場面を作り出す。近藤が放ったシュートは惜しくもGKのセーブに遭い、そのこぼれ球を狙った加藤凱のシュートもポストに嫌われはしたが、名古屋にとってこれはゴールへのイメージ(道筋)が一つ明確になったシーンだった。

 今年のチームでキャプテンを務めている近藤はその自覚からか今年に入ってかなり伸びた印象がある。一年生の頃からちょろちょろと試合に出場し(浦和に大敗したあの高円宮杯決勝にも途中出場していた)、昨年もプレシーズン(スーパーリーグの頃)は目を見張るようなプレーを見せていたが、上級生に対する遠慮があったのか、その後の公式戦ではチームの調子とも比例してあまり目立った活躍は出来なかった。
 しかし最高学年を迎えキャプテンマークを捲いた今シーズンは吹っ切れたかのようにディフェンス・オフェンスを問わず高いパフォーマンスを発揮している。福岡戦の後のエルゴラで「ピッチの狩人」と持ち上げられたのも当然のボール奪取ぶりに加えて、彼の持ち味である前線への飛び出しによって小幡とのコンビでチャンスを作り出すプレーは、エースストライカーの高原を欠くチームにあってはまさに生命線とも言えるものだ。

 ただそんな近藤が演出した決定機によって前半終了に向けて収束していくはずの試合のペースが上がってしまったことは名古屋にとっては誤算だったかもしれない。これで目が覚めた横浜がその直後から攻勢をかけコーナーキックを獲得すると、名古屋はせっかくクリアしてもDFラインを上げ切れず、またセカンドボールも拾えないので横浜の波状攻撃からコーナーキックを続けて受ける展開になってしまった。そして何度目かのコーナーキックの後で再びそのこぼれ球を拾われると(名古屋にとっての)右からのクロスを受けた横浜の9番高橋にワントラップで前へと持ち出される。この動きで名古屋DFを置き去りにした高橋は落ち着いて名古屋ゴールへとシュートを蹴り込んだのだった。名古屋からしてみれば、リードできないまでもせめて0-0で折り返したかったはずで、この時間帯に失った点はまりにも痛い。

 ハーフタイムを挟んで迎えた後半名古屋はメンバーチェンジなし。そして名古屋は前半終了間際の失点で気落ちするどころか、後半もかなりアグレッシブな入り方をしていた。加藤翼の突破から得たコーナーキックからファーで合わせた渡辺のヘディングシュートがバー(の内側)を叩いていきなりペースを掴んだ名古屋は、後半開始から5分も経たないうちに、右サイドで相手のボールを奪った近藤がクサビに当てるふりをしてライン際をそのまま持ち上がると、横浜のDFとGKの間のいやらしいところにクロスを落とす。そしてこれに詰めた足立との接触を避けたかったのか飛び出してきた横浜GK鈴木のクリアが中途半端になったところで、これを拾った加藤凱が左足で叩いてゴールへと流し込んだ。

 殊勲の同点ゴールを挙げた加藤凱はこれまであまり出場機会が多くなかったが、俺が観たクラ選・準決勝、そして高円宮杯・グループリーグ二試合ではいずれも加藤翼に代わって途中出場を果たしている。そして正直なところ、スピードのあるドリブルで相手DFをブッちぎる加藤翼の華やかなパフォーマンスと比べると、加藤凱は途中交代で試合の流れに入り切れずその特徴を発揮出来ていないという意味でかなり控え目な印象があったが、頭から出場のチャンスをもらったこの試合では(加藤翼のようなスピードはなくても)そのトリッキーなステップで対面のDFを幻惑してチャンスメークしたりとその持ち味を発揮できていた。ただこの予兆は実は前節・三菱養和戦の最中からあり、相手のマークを引き付けた小幡のパスを受け左足でグラウンダーの惜しいシュート(枠の右)を放ったり、試合終了間際にはボックスの中でゴールライン際を左サイドから侵入して相手を交わしゴールマウスへと近づいたりとあと一歩で決定的な仕事が出来そうな雰囲気はあった。そして今日の試合では遂に値千金のゴールを決めるなどそのパフォーマンスは試合を重ねる中で確実に上昇して来ている。

 この得点に味をしめたわけではないだろうが、それ以降の名古屋はマイボールになって前を向いてボールが持てていたらとにかく横浜DFラインの裏にフィードを落とすような戦い方を徹底する。もちろん横浜のフォアチェックに前方を塞がれていればパスをつないで角度を変え前線にボールを入れる機会を探るのだが、後半になると横浜も体力が落ちたのかそれとも二日後に備えて体力を温存しようとしていたのかプレッシャーが甘くなり前線と二列目の連動性も薄れて来ていたので、名古屋は比較的容易にフィードを放り込むことが出来ていた。そしてこの形から名古屋は何度か横浜DFの裏に抜けることに成功する。こうした戦い方は抜ければ即決定機だ。スタンド悲鳴とも歓声ともつかない声を上げさえたのはひょっとしたら後半は名古屋の方が多かったかもしれない。

 そんな名古屋の攻撃とは対照的に、横浜はしっかりと中盤で組み立て、アタッキングゾーンでは運動量を生かした流動的なポジショニングから厚みのある攻撃を見せる。後半の決定機は、フィードに反応した松本が鋭いダッシュで名古屋DFラインを抜け出してGKと1対1になった時(伊藤がビッグセーブ)ぐらいだったが、横浜はボールを外側に押し出そうとする名古屋のディフェンスをむしろ逆手に取るように何度も真ん中からDFの裏へと抜け出しチャンスを作っていた。
 名古屋は守備に入ると4+4のブロックがそれぞれ均等にスペース(ピッチの横幅)を分担するのではなく、中盤の両サイド(この試合で言うとW加藤)がかなり内側に絞って来るのが特徴だ。中央からの縦パスを通されないように選手間の距離を縮め、そこに入って来てボールを受けようとする選手には両サイドから挟み込むような形でボール奪取を仕掛ける。しかし中盤の両サイドが内側に絞ることで必然的にスペースが空くサイドのケアにSB(金編や渡辺)が引っ張り出されてしまうと、今度は皮肉にも真ん中でSBとCBの間にギャップが生まれ、そこに走り込まれて縦パスを合わせれるシーンも多かった。

 その後名古屋は、川村、奥村、藤田と前線のプレーヤーを次々と投入して勝負を掛けたが結局得点は奪えないまま1-1で試合を終了した。結果的に決勝トーナメント進出を決めた名古屋にとってこの勝ち点1はとても価値のあるものだが、試合として見れば(そして横浜との比較で見れば)学ぶべきところも多かった試合だろう。
 横浜は止める・蹴るの正確な技術をベースに個々のプレーヤーがまるでローテーションのようにポジションを変えて流動性と厚みのある仕掛けてくる。対する名古屋はと言えば、トラップミスやキックミスによってボールを失ったり次の動作にすぐに移れなかったり、また基本的には前(タテ)に速いので中盤でボールを持っても周りの選手(例えばSB)がこのパスをもらえるような位置まではなかなか顔を出せないでいた。
 ただこのチームは、そんな選手個々やチームとしてのクオリティの差に対して、それを乗り越えられるだけの精神的な強さが身に付いている。ラウンド16の会場となる藤枝では、グループリーグ期間から(そして試合当日も)移動の必要がない静岡学園と対戦するとのことで、ずっとホームで戦っている静学にとってそのアドバンテージはメンタル面以上に体力面で計り知れないが、そこでも名古屋のこの精神的な強さは生きるかもしれない。
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by tknr0326g8 | 2010-09-19 01:10 | Youth
高円宮杯(U-18) 三菱養和ユース×名古屋U18 @西が丘サッカー場
 一週間前に炎天下の中福岡U18を2-1と下して勝ち点3を獲得した名古屋U18は、今週も同じ西が丘サッカー場で三菱養和ユースと対戦する。なお気温は先週よりは若干下がったもののそれでも30度を越えており、第一試合ではやはり福岡のGKが足を攣っていた。
 対戦相手の三菱養和は初戦の横浜FMユース戦で1-5とまさかの大敗を喫していることもあり、名古屋としてはこの試合で勝利して最終節の横浜との試合を前にグループリーグ突破を決めてしまいたいところ。ただ昨年のこの大会でベスト4に入っている三菱養和もグラウンドのある巣鴨から都営三田線で5駅というほとんどホームみたいな西が丘でむざむざとグループリーグ敗退を決めるわけにはいかないだろうし、初戦はベンチスタートだった怪我明けの田中輝希をスタメンから起用してきたこの試合は必勝を期して臨んで来るはずで、名古屋にとって決して楽な試合にはならないことも十分予想できる。

 そして名古屋ファンにとってこの試合が特別なのは、来シーズンから名古屋加入が決まっている田中輝希が相手チームである三菱養和でキャプテンマークを巻き10番を背負ってプレーしていること。怪我明けでまだ万全の状態とは言えないかもしれないが、田中輝希が名古屋の下部組織を相手にどんなプレーを見せるのかは、名古屋ユースと同じぐらい楽しみな要素でもある。

 名古屋のスタメンはGKを除けばベンチ入りメンバーまで含めて先週の福岡戦と同じ。福岡戦で足を攣って交代した古川は単なる痙攣にしてはその試合が終了した後もまだ歩くのが困難な感じだったし、負傷が意外と深刻なんだろうか。それともこの時期にありがちな「高校生ならでは」の事情だろうか。

    川村  藤田

小幡  近藤  水野  加藤翼

都竹  川本  奥山  金編

      伊藤

 試合はキックオフから三菱養和のペース。過去の対戦(2005年のクラ選同年9月の高円宮杯期間に行われたBチームのトレーニングマッチ)の時と同じくプレッシャーがキツイ上に球際が激しい三菱養和に対して名古屋は縦にボールを蹴るのが精一杯。全くリズムを生み出すことが出来ない。そんな流れの中、試合開始から10分ほどで早くも先制点を奪ったのもやはり三菱養和で、左サイドから上げられたクロスを8番の選手が合わせたシュートは一度はバーに当たったものの、その跳ね返りを再度8番の選手に頭でプッシュされてしまった。

 その後も三菱養和のペースは続く。三菱養和は先発メンバーのうち1人だけFW登録だった田中輝希が4-4-2の左SHに収まって、個人的にはプリンス関東の序盤によく見られたらしい田中の1トップ起用の方が(観てみたかった半面)名古屋ユースにとって嫌だなと思っていたのでちょっと安心していたのだが、これが全くの読み違いで、強さの9番とスピードの8番というキャラクターのハッキリした三菱養和の2トップが予想以上に強力で名古屋のDFはギリギリの対応を迫られていた。
 対する名古屋の攻撃はと言えば、中盤もそうだが前線でもなかなか仕事をさせてもらえない。三菱養和のDFはクサビを受けようとするFWの背後からガツンと当たってみたり、ハイボールの競り合いで(レフェリーには見えないように)後からユニフォームの襟首を掴んで引き倒してみたりと少々ラフな傾向もあるものの、彼等は名古屋に何もさせない気概に満ちていた。

 時間の針が30分を過ぎた頃になると、小幡と川村がポジションを入れ替えたり等色々と試行錯誤を繰り返していた名古屋もようやく三菱養和のペースに慣れて来たのか相手陣内に入ってのショートパスが回り始めた。しかし好事魔多しとはまさにこのことで、パスを回しながらも相手の最終ラインを突破出来ないでいると、ボールを失い三菱養和のカウンターを浴びてしまう。左サイドから一気に自陣へとボールを持ち込まれた名古屋は、中へとカットインしてシュートを狙う相手の突破は素早く帰陣した川本と奥山のCBコンビがなんとか喰い止めたものの、そのこぼれ球(公式記録によれば切れ込んで来た7番の選手のパス)を田中輝希に決められ痛恨の追加点を喫してしまった。
 ボックスの外でボールを拾った田中輝希がゴール右隅に狙いを定めて右足で擦るようにカーブを掛けたシュートは、右側のポストに当たりサイドネットへと吸い込まれる溜息の出るようなゴール。この後、後半にはPKも決めてこの試合二得点を記録することになる田中輝希はそれでもまだ本調子とは程遠いが、このゴールはその価値の一端を垣間見せるような一撃だった。

 その後、前半ロスタイムには縦パスに相手DFが処理をミスして抜け出した藤田がGKと1対1になる決定機を迎えた名古屋だったが、藤田がGKの股の下を狙って放ったシュートがGKの足に当たってしまい得点には至らず0-2で前半を終了。縦1本で裏を狙っている試合では必ずと言っていいほど一試合に一度は現れるこうしたGKとの1対1で、その千載一遇のチャンスを決め切れなかったことは痛恨の極みであり、チームとしてそして個人としてそれを決められる力があったかなかったがこの試合の「勝敗」を分けたポイントだ。ただ試合全体を通して言うなら、三菱養和の圧力に対してなんとか前半を凌いで後半の体力が落ちる時間帯に勝負を仕掛けるしかない情勢だったので、そこで我慢し切れずに前半で二失点を喫してしまったことの方がやはり痛かった。

 「Never Give Up」が信条のチームにとって仕切り直しとなった後半は、しかし開始早々に名古屋がアクシデントに見舞われてしまう。左サイドで突破を試みた(抜け出した)相手を対応に当たっていた都竹が手で止めてしまいこの日二枚目のイエローカードで退場処分。二枚目のカードなんだからレフェリーも少しぐらいは大目に見てくれても…と思うのだが、あからさまに手で止めに行ってしまったのはどうにも印象が悪い。このシーン一つを取っても分かるように、名古屋は高さ、強さ、スピードといったフィジカル面で三菱養和に完全に後れを取っていた。

 都竹を失った名古屋は川村をベンチに下げ渡辺を左SBに入れて4-4-1のような形で陣形に変更。都竹とタイプこそ違うがサイズがあって左足で鋭く正確なフィードを蹴ることが出来る渡辺もレベル的には全く遜色ないプレーヤーだが、0-2という状況で一人少ないハンディはどうにも厳しい。
 しかしこれで絶対的な優位に立った三菱養和が開店休業状態になっていくのに対し、一人少なくなったことで逆にやることがハッキリして個々のプレーヤーの集中力も高まっていった名古屋はむしろプレーに活気がみなぎってきた。まずはしっかりと守備を固めてショートカウンターを狙う名古屋は、球際でも前半とは比べ物にならないぐらい闘えているし、ボールを奪ってからの小幡と近藤を中心とした名古屋らしいスピーディーな攻めは見応えもある。そしてこの機を逃すまいとベンチも前半から動きまわって動きの落ちた藤田に代えて大西を投入。勝負に出た。

 ただ名古屋にとって誤算があったとすれば、左サイド~中にかけては小幡が相変わらずのズバ抜けたパフォーマンスでマッチアップする相手にカードをプレゼントしていく一方で、そんな小幡とともにいつもは名古屋の攻撃の核弾頭となっている右サイドの加藤翼の突破がこの試合では相手の左SB(12番)に抑え込まれ成りを潜めてしまったこと。一瞬でトップギアに入る加藤翼のスピードと小柄ながら“パワフル”と表現するのが相応しい爆発力のあるドリブルは、三菱養和のU-17日本代表・田鍋(この試合は欠場)と比べても遜色ないレベルだと俺は思っているが、そんな加藤を完璧に止めてしまうSBがいるのだからこれは驚きだ。ひょっとすると12番の彼は普段のトレーニングから田鍋とのマッチアップでこうしたスピード系ドリブラーとの駆け引きを鍛えられているのかもしれない。

 そして名古屋が良いテンポでショートカウンターを繰り出すリズムの中、それでもなかなか奪えない得点に選手達の動きが少し落ち始めた後半30分過ぎ、相手のなんでもないロングボールを渡辺が(効き足でない右足)でクリアしようとして中に蹴り込んでしまう。これを拾った三菱養和の中盤の選手が名古屋DFの裏に抜け出した8番にパスを送ると、8番の選手のスピードに慌てたのか金編が後ろからこの8番の選手を押し倒してしまいPKを献上。致命的とも言える3点目を三菱養和に与えてしまった。

 その後も名古屋は金編から大西に当て大西の落としを拾った小幡(後半途中から右サイドに移動)がドリブルで切り込んで相手DFを引き付けて加藤凱(加藤翼に代わって後半途中から出場)にパス、加藤凱が左足で放ったシュートが僅かにゴール右に外れるといったような決定的なシーンを作るものの得点には至らず、試合は結局0-3で終了。名古屋は順位をグループ3位に落とした。

 これでグループリーグ最終節の横浜FMユース戦は名古屋にとって勝つしかなくなった(グループ3位でも可能性があるので引き分けでも可能性があるかもしれないが確実に突破するなら勝ち点3を取るしかない)。希望的観測を言えば、既にグループリーグ突破を決めている横浜FMが決勝トーナメントのRound16を見据えて主力メンバーや体力を温存してくれるかもしれないということだが、見るからに熱い松橋監督に鍛えられているであろう横浜がそうした戦い方をしてくるとも思えない。試合では大技あり小技ありの万能ぶりで、そしてとにかくよく走る横浜FMが難敵であることに疑いの余地はないが、U-15の高田監督やU-12の坂本コーチ等も動員して第一試合をスカウティングしていた名古屋は突破口を見付けられるだろうか。
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by tknr0326g8 | 2010-09-12 23:59 | Youth
第90回天皇杯 2回戦 FC東京×駒澤大学 @味の素スタジアム
 一回戦から中一日で開催されたこの二回戦は、蘇我まで新川織部(名古屋U18~名古屋~FC琉球)を観に行くかどうかで直前まで迷った末に、同じ名古屋ユース出身で新川と同期の酒井が副将を務める駒澤大学の試合を選択。場所は味スタ。相手となるFC東京のホームスタジアムだ。

 途中までJ1相手によく凌いでいた駒澤大学だったが、0-2とリードを許した終了間際には右SBの酒井を前線に上げるという思い切った策を採って来た。それはスローインに際してこのチームでロングスローが代名詞となっている酒井に投げさせず、酒井をボックスの中に置いておく徹底ぶり。裏を返せば、どうしても点が欲しい(得点を奪わないことには先に進めない)場面で前線に配置されるのだから酒井はそれだけコーチングスタッフから信頼されているということなのだろう。

 酒井が駒澤大学に進学すると聞いた時、俺は酒井がFWに再転向するのでは?と勝手に思っていた。チームが採用するシステムや久保(明治~千葉内定)との兼ね合いで名古屋U18の高校2年時にFWから右SBにコンバートされた酒井だったが、個人的にはユース時代もタイプが違う二人(久保と酒井)なら前線で共存出来るのではないかと思っていたし、チームのフォーメーションに落とし込んでみても、花井がやっていた右のウイングを酒井にやらせて花井には中をやらせる手もあると思っていた。そしてなにより酒井の特徴を考えれば、この身体能力が高いアタッカーはFWで伸び伸びとプレーさせた方がチームにとっても酒井自身にとってもメリットが大きいような気がしていた。しかし大学進学後も酒井は自らの持ち場を右SBから動かさず、大学3年時には関東大学サッカー界の雄・駒澤大学で完全にレギュラーを獲得、今年は副将を務めるまでになった。チームカラーとそのプレースタイルがマッチした部分も大きいが、これはこれで結果的にコンバートの成功例と言えるのかもしれない。
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by tknr0326g8 | 2010-09-07 07:34 | Other Games
キリンチャレンジカップ2010 日本×パラグアイ @横浜国際総合競技場
 ヨーロッパからの凱旋組を各ポジションンに散りばめ、CBは横浜をホームタウンとするマリノスの中澤と栗原、そして極め付けはワールドカップのパラグアイ戦でPKを失敗した駒野の顔見せ出場と、売れない構成作家が描いたかのような安っぽい演出に対して過敏になってしまったのは、ちゃんとした監督がベンチに座っていないこんな代表であっても心から選出を願っていた玉田や金崎といったプレーヤー達が、新監督の意向が一切反映させているわけでもないのに当たり前のように発表された今回のメンバー選考で思いっ切りスルーされているからだろうか。
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by tknr0326g8 | 2010-09-07 07:32 | Other Games
高円宮杯(U-18) 福岡U18×名古屋U18 @西が丘サッカー場
 二年ぶりに名古屋U18が高円宮杯に帰って来た。今年のチームは、終盤戦でメンバーをシャッフして戦ったプリンスリーグでは首位の清水と得失点差僅かに1の2位、2トップが負傷欠場そしてU-17日本代表でもあった三鬼が退団という緊急事態に見舞われた夏のクラ選でもクラブ史上初のベスト4進出と、逆境に打ちかってしっかり成績を残して来ている。
 プリンスやクラ選の準決勝を観る限り、このチームは最高学年になって(MVPを獲得した昨年末のGO FOR 2014 CUPあたりから)そのポテンシャルを発揮できるようになった小幡を攻撃の軸として、ディフェンス面でも個々のプレーヤーの球際の強さだけでなく互いの意思疎通やラインの統率なども含めて随分と安定感が出て来ている印象。全治6ヶ月というエース高原はこの大会でも引き続き欠場(登録メンバーからも外れた)になってしまったが、クラ選でベスト4に入っているだけに、この高円宮杯でもかつては常連だった国立そして埼玉に戻ることは決して手が届かない目標ではない。

 この大会の名古屋は、前回王者の横浜FMユース、来シーズンからの名古屋入団が内定している田中輝希擁する三菱養和、そしてプリンス九州王者の福岡と同じグループに入った。高円宮杯に限って言えば横浜とは、四年前のグループリーグ二年前のグループリーグ同じく二年前の準々決勝で対戦しいずれも勝利を収めている。福岡とは五年前のグループリーグ三年前のベスト16で対戦しこちらも全勝。青山隼のいたチームが福岡を下したのがつい最近のことのようだが、今こうして振り返ると名古屋そして両チームからは多くのプロ選手が排出されていて隔世の感すら感じる。

 そんな名古屋がグループリーグ初戦の相手として迎えるのは福岡U18。上で書いた過去の対戦でも4-4-2でソリッドなチーム作りをしてくる印象があるが、今年のチームもその例外に漏れないようなチームだった。そして名古屋ファン的に言えば、プログラムで最も目を引いたのは「コーチ 宮原裕司」の表記。かつて高校サッカー選手権を沸かせ(膝をテーピングでぐるぐる巻きにし満身創痍で出場し続けていた宮原が決勝で決めたGKの頭越しループはもはや伝説)、鳴り物入りで名古屋入団が決まった後、プロ入り前にも関わらず名古屋の10番のユニフォームを着用してサッカーマガジンの表紙を飾り、当時10番を背負っていたピクシーを激怒させたという逸話を持つこのファンタジスタが、今度はコーチという立場からこのソリッドなチームにスパイスを加えられるだろうか。とは言え、グループリーグ突破のためにも名古屋としては負けられない相手だし、勝ち点3を確実に取りたい相手でもある。

 名古屋のスタメンはこんな感じ↓。クラ選の時のメンバーがベースとなっているが、登録メンバーから外れた高原の代わりに川村が「9」を背負う。

     川村    藤田

小幡   水野    近藤   加藤翼

都竹   川本    奥山   金編

        古川

 この試合について語る上で、まず前提として欠かせないのはこの日の西が丘の殺人的な暑さ。「猛暑」とひと言で片付けるのは簡単だが、これはほとんど「我慢大会」のノリ。40度近い気温だけでなく直射日光を真上から浴びるこの条件下で昼下がりに行えるスポーツは小学校のプールの授業ぐらいだろう。

 試合はキックオフ直後は初戦の緊張感からかどちらもセーフティーにロングボールを蹴り合う展開だった。名古屋も相手に合わせていたが、どちらかと言えばそうした戦い方が堂に入っている感じがするのは福岡の方で、福岡が先に落ち着いたように見えたのは自然の流れだったかもしれない。
 だが時間の経過とともに名古屋も少しづつ落ち着きを取り戻し始める。攻撃で基点となったのはやはり小幡だ。小幡が左SHの位置からやや中に入ってボールを触ることでようやく名古屋は攻撃が形になり始め、小幡のスルーパスに抜け出した藤田が外に流れながらキープしてその戻しから左SBの都竹が左足で惜しいシュートを放ったり、小幡のボールキープから右サイドへと展開してそれを受けた加藤翼がスピード溢れるドリブルでゴールライン際をエグってゴール前まで迫ったりとようやくその攻撃に得点の予感が漂ってきた。

 またこんなコンディションでこそ求められる守→攻の切り替えについて言えば、名古屋はボランチの二人が前を向いた状態でディフェンスに入るとプレスの効きが良く、組織的なボール奪取から逆サイドへと展開するスピーディーなサッカーを実践していた。これはベンゲル時代の名古屋を彷彿とさせるリアクションフットボールそのもので、いかにもベンゲル時代にその薫陶を受けレギュラーとして活躍した小川誠一(監督)、そして控えGKとして初の天皇杯制覇に貢献した石川研(GKコーチ)の作ったチームという感じがする。

 ただそんな名古屋に足りなかったのは、アタッキングサードでのアイデアや意思の疎通といったところだろう。「裏」を強く意識した組み立てやパス出しそして前線の選手の動き出し(まずはタテ1本で裏を狙い、難しそうならボールをポゼッションし相手DFを横に拡げておいた上でバイタルエリアから往年の宮原ばりのスルーパスで裏を狙う)の中でチーム全員がより強く共通のイメージを描けていた印象の福岡に対して、名古屋はアタッキングサードにおいては選手個々の自由な発想にかなり任されている感じがあり、FWがパスと逆の動きをしてしまったり、クサビに対して前線の二人が落ちて来てしまったり、動き出し自体もパスの受け手というよりは出し手主体のものになるのでどうしても相手DFに読まれたり、パス出しとともに「よーいドン」でスタートしても先回りされてしまうシーンが目立つ。また肝心のイマジネーションについても、それをピッチ上で如何なく発揮できているのは小幡ぐらいで、名古屋の攻撃はその分小幡頼りな印象が強まっていた。

 一方で守備に目を向ければ、名古屋はボランチの二人が後ろを向いてディフェンスしなければならない場面(福岡がシンプルにトップに当てたそのセカンドボール)では後手に回ることが多く、そうした状況で相手に寄せ切れない場面も目立っていた。また攻撃の時には小幡が中に入ることで左SBの都竹がその外側から(途中このチームが3バックかと見間違うほど)高いポジションを取って積極的なオーバーラップを仕掛けるわけだが、逆に守備面ではこれによって川本との間にギャップが出来やすくなり、そのサイドから福岡に裏を取られるようなシーンが頻発していた。給水タイム後のファーストプレーで奪われた失点シーンもまさにこのサイドから裏に抜け出されてのもので、ちょっと左サイドに流れ気味に裏へと抜け出した相手のアタッカーを川本が捉まえ切れず、その折り返しから中央を経由して大外でフリーだった選手に渡って決められてしまった。
 そんなシーンがこの場面だけでなく何度か見られた名古屋は、もし福岡のゴール前での甘さとGK古川のビッグセーブ連発がなければ、前半だけであと3点ぐらい決められていてもおかしくはなかった。

 前半終了間際には名古屋にも決定機。近藤のインターセプトからスルーパスを受けた小幡が左寄りのポジションから放った鋭いシュートを福岡GKが弾いたところで、その跳ね返りを待ち構えていた藤田が右足ボレーで合わせたがシュートは惜しくもポストを叩いた。だが得点に向けた具体的なイメージをチームが持てたことは後半に向けて間違いなくプラスになったのではないだろうか。

 後半名古屋は(福岡も)メンバー変更なし。課題があるとしたらフィニッシュの部分なので、ひょっとしたら後半頭から大西を入れてくるかなとも思っていたが、この気候条件などを考えれば小川監督は勝負どころはもう少し先にあると判断したのかもしれない。
 そして依然として炎天下の中で戦う後半の開始から5分ほど経過したところで名古屋はラッキーな形で同点ゴールを手に入れる。福岡DFラインの裏に出たボールに対して、福岡DFとGKの連携の問題かそれともGKが単に目測を誤ったのかGKがこれを空振り。これを拾った川村が無人のゴールへと流し込んだのだった。
 名古屋からしてみたらまだベンチに攻撃的なカード(大西、足立)も残しているし、なによりこのコンディション下で追いかける展開という厳しい条件を労を割くことなく覆せたのだから精神的な効果は計り知れない。実際ピッチ上の選手達からはそれまであまり出ていなかった声が現金なほどに出始めた。

 この後試合は思わぬ方向に向かう。まず後半開始から僅か10分で福岡GKが足を攣って倒れる。時間帯といいGKというポジションといいあまり見たことのない光景。不思議に思っていると、さらにその5分後には今度は名古屋GKの古川が足を攣ってピッチに倒れ込んだ。後半早々に両チームのGKが足を攣るというのは不思議と通り越してもはや異常でもある。
 だがそれに対する両チームの対処法は対象的で、名古屋がアッサリとGKを伊藤にスイッチしたのに対して、福岡はその後三度ぐらいGKの治療にトレーナーがピッチへと入っていった。名古屋の場合はサブの伊藤もこの年代では屈指のレベルを持つGKであり交代しやすかったという事情があったのかもしれないが、その後福岡GKのビッグセーブによって名古屋が追加点の機会を阻まれ続けたことを考えれば、福岡ベンチの判断も正しかったということだろう。水野のノールック気味のスルーパスに抜け出した藤田が左足で放ったシュート、ボックス内の混戦から最後は近藤が意外性のあるトーキックで放ったシュート、ショートコーナーから逆サイドへと展開したボールを都竹が左足で放ったミドルシュートと、名古屋がゴール前に人数を掛けた分厚い攻撃を福岡GKがいずれも(とてもさっきまで足を攣っていた人とは思えない)ビッグセーブで弾き出す。とは言えGKも三回ぐらい足を攣っているのだからCKからGKの前に入れば決まるのでは?と思ってもこれもなかなか決まらない。

 そしてそのまま試合は流れ迎えたアディショナルタイムは6分。このコンデシション下でさらに6分も試合を引っ張ることはほとんど拷問だが、福岡GKの三度に渡る蘇生や名古屋も古川の治療を踏まえればこれは決して無茶なロスタイムではないし、おそらくピッチ上の選手達も「早く試合を終えたい」よりも「決着をつけたい」と思っていたに違いないことを考えれば、正しい判断だったと俺は思う。
 そんなロスタイムに試合を決めたのは試合を決められる選手を擁していた名古屋だった。藤田が持ち出したボールを中央の小幡に託すと、小幡はボックスの手前を薄く左に流れながら左足一閃。小さな身体から放たれた豪快なシュートが逆サイドネットへと突き刺さった。福岡も後半終盤には何度か決定機を迎えながらオフサイドで取り消されていたことを考えれば、こうして試合を決める力を持つ選手がいることはやはり大きいと言わざるを得ない。

 このコンディション下では試合や選手のパフォーマンスについて語れるような素地は到底ないと思うが、それでも気になったのは最近名古屋の試合を観に行くとよく聞こえていた選手間の「声」が減っていたような気がしたこと。おそらくピッチ上は大声を張り上げるのも憚られるぐらいの状況だったのだろうが、これは上でも書いたポジショニングの問題とともにDFラインが揃わず簡単に裏を取られる原因のひとつになっていたはずで、これから先相手のレベル(ゴール前での決定力)が上がって来ることを考えると今のままでは少々心許ない。また攻撃面でも上で書いたようにアタッキングサードにおけるコンビネーションの精度をもっと上げて、小幡依存となっている現状を改善していく必要があるだろう。
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by tknr0326g8 | 2010-09-05 13:00 | Youth
高円宮杯 名古屋U-18 登録メンバー
1 GK 古川真大
2 DF 奥山政幸
3 DF 金編勇佑
4 DF 岸光
5 FW 大西勇輝
6 MF 近藤洋史(CAP)
7 MF 水野泰輔
8 FW 藤田大喜
9 FW 川村啓輔
10 MF 小幡元輝
11 FW 奥村駿
12 FW 樋江井悠貴
13 MF 加藤翼
14 MF 佐藤和樹
15 MF 都竹俊優
16 GK 伊藤悠稀
17 MF 加藤凱
18 DF 川本拓也
19 DF 渡辺大輝
20 DF 野崎翔平
21 FW 足立智紀
22 GK 石井綾
23 MF 岩田考弘
24 MF 真柄俊作
25 DF ハーフナーニッキ
26 FW 青山貴浩
27 DF 樫尾和明
28 MF 野崎椋
29 MF 森勇人
30 FW 北川柊斗
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by tknr0326g8 | 2010-09-04 03:22 | Youth