Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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高円宮杯(U-15) 決勝 名古屋U15×京都U15 @国立競技場
 準決勝で神戸に一年がかりのリベンジを果たしてこの決勝に勝ち進んで来た名古屋。国立競技場という大舞台で迎える決勝の相手は京都U15だ。京都のメンバーを見ると今年のプレミアカップでU14を力任せに粉砕したメンバーも多く(しかも先発に)含まれている。名古屋で今年のプレミアカップに出場していたメンバーは先発では桜井、ベンチでも赤塚と笹沼しかいないが、弟の仇はぜひ兄に撃ってもらいたいところ。

 名古屋のスタメンは↓のような感じ。高田監督は結構動いてくるイメージがあったが、この大会では一回戦から終始このスタメンを貫いている。勝っているから変える必要がないと言えばそれまでだが、大会を通してチームとして成長していることも「変えない」理由のひとつなのかもしれない。

       北川

        森
伊藤            桜井
     金   石川

松田  中島  後藤  若園

       板倉

 対戦相手の京都は体格的に大柄な選手が多く、立ち上がりからそれを活かした戦い方を徹底していた。名古屋がDFラインでボールを動かすのを深追いせずに組織を整え、ブロックの中でボールを奪ったらタテ1本でスペースを突いて来る。中でも馬力のある岩元と瀬戸口の突破は脅威だ。そんな京都の「一発」が名古屋にとっていかに警戒すべきものだったかは、例えば前半終了間際の相手陣内深くでのスローインの場面で、後から「ハメろ」と指示が出ているにもかかわらず、その後では岩元一人に対して三人のDFが残っていたところを見ても明らかだろう。そして名古屋にとっては立ち上がり早々にヘディングが二回バーを叩いたセットプレーも京都の特徴が活かされる場面として注意が必要だ。

 そんな京都に対して名古屋はDFラインから「間」を通して→ボランチ→トップ(北川や森)へとボールをつけ、そこを基点(攻撃のスイッチ)とした攻撃を仕掛けようとしている様子が伺えるのだが、手ぐすね引いて待ち構えている京都に対してはクサビの入れ方やボールの運び方という面で駆け引きが不足しているような印象も受ける。簡単に言えば、パスを出す方では勇気を持って京都のブロックの中にボールを入れることが出来ているし、受ける方でも前線では強さとキープ力のある北川、ボランチでは卓越した技術とインテリジェンスを持ち合わせる金が上手くボールを引き出したり相手のプレッシャーに遭ってもボールを失わずに確実にキープすることが出来ているのだが、そのどれもが正面突破。京都のブロックを喰い付かせたりサイドを変えたりしながら前後左右に揺さぶったり、ブロックを左右に広げたりするような駆け引きはあまり見られない。

 個々の能力が高い名古屋の選手達はそれでもコンビネーションが上手く連鎖した時には、例えば15分に中央でのパス交換からDFラインの裏へ抜け出した北川の折り返しをゴール中央で伊藤がスルーしてその外に詰めていた石川がシュート→GKが弾いたボールをさらに伊藤がプッシュ(オフサイドの判定)という場面や、18分に中央でボールを持った森のスルーパスに外側からDFラインの間を斜めに走り抜けた伊藤がGKもかわしてゴールライン際の角度のないところからシュート(戻ったDFがブロック)という場面など決定的なチャンスを作り出しているが、「正直」に入れるクサビのボールが京都のブロックに引っ掛かって逆にピンチを招く場面も少なくなかった。そんな名古屋がリスクを抑えるためか時間の経過とともにDFラインからロングボールで直接北川にタテパスを入れようとするシーンが増えて行ったのは自然な流れだったのかもしれない。

 ただ名古屋では立ち上がりからほとんど存在感を出せていなかった右サイドの桜井が20分を過ぎたあたりからようやくボールに絡み始めるとチームとしてもピッチを広く使えるようになってきていた。名古屋にとってこれは良い兆候だ。
 登録上は170cmとなっているがひと回り大きくなったようにも感じる桜井は従来の技術的な部分に加えフィジカル的に無理が効くようになったことで上級生に交じって右SHのポジションで攻・守に渡って堂々たるプレーを披露していた。これなら俺がこのチームの中では北川に匹敵するぐらいに特別な存在だと思っている曽雌からレギュラーを奪っている現状にも納得だし、本大会になって突然登録メンバーから消えた宮市の離脱を感じさせない。この大会での名古屋の成長はすなわち桜井の成長と比例しているのかもしれない。

 そして迎えた後半、立ち上がりこそ突然目を覚ましたかのように襲い掛かって来た京都にシュートにまで持ち込まれて肝を冷やしたものの、後半開始から5分、遂に名古屋に歓喜の時が訪れる。ここでも正面突破でDFから金そして北川とつながったボールを混戦から森がシュート、こぼれ球に北川が詰めて名古屋が待ちに待った先制点を手に入れたのだった。

 これで攻めに出なければいけなくなった京都。準決勝の追浜戦を見る限り交代で入って来る選手もレベルが高く、交代のカードを切るごとにチームが攻撃的になって行った印象も受けたが、この試合についてもそれは同じで、特に名古屋にとって厄介だったのが、岩元が退いて代わりに瀬戸口がトップに入っていた時間帯だ。その後交代のカードが切られるごとに瀬戸口がポジションを下げて行ってくれて助かったが、あのまま瀬戸口がトップを張っていたら、ある程度失点は覚悟しなければならなかったかもしれないと思う。

 一方で京都が攻撃のスイッチを入れたということは、名古屋にとってはそれだけ攻め込むチャンスが生まれるということ。名古屋はプレッシャーが緩くなった中盤から高くなったDFの裏を突くように次々とカウンターを繰り出す。
 18分に右SBの若園がライン際を突破してゴールラインまでエグッてからの折り返しを金がシュート(GK正面)したプレーを皮切りに、森のスルーパスに抜け出した北川がドリブルから鮮やかな切り返しで対面するDFを手玉に取り桜井へラストパス(シュートは枠の外)した一連のプレー、右サイド桜井のドリブル突破から森→北川とボックスの手前でラグビーのようなパスがつながって、最後は北川のパスから抜け出した伊藤がシュート(GKが好セーブ)、再び伊藤が抜群のスピードでロングボールに抜け出してシュート(わずかに枠の外)、森のスルーパスに抜け出した北川が右サイドからドリブルで切れ込んで一人二人とかわし左足でシュート(GK正面)、左サイドでボールを受けた北川がDFをなぎ倒すようにドリブルで持ち込んでからのシュート(枠の外)と名古屋が京都DFの裏を突いて作りだしたチャンスは枚挙に暇がない。それにしても北川のドリブルは周りが良く「見えている」印象だ。

 ただ名古屋はそうしてチャンスを逃し続ける一方で、残り10分を過ぎたあたりからはさすがに足も止まり始めていて、セカンドボールをなかなか拾えない状態が続いていたりもした。ベンチからは桜井に対して「(スタミナは)大丈夫か?」という確認がなされていたが、ベンチから交代がないのであれば、こうした苦しい場面や最も集中を必要としていた終了間際のCKでピッチ上で声を出して盛り上げられる選手が欲しいところ。このチームで言えば、GKの板倉、DFの松田、そしてキャプテンの森あたりが良く声を出しているイメージがあるが、どちらかと言えば全体的にはシャイな選手が多いかもしれない。

 迎えたロスタイム。ようやく行われた選手交代で金に代えて赤塚、桜井に代えて曽雌が投入されると、右サイドからDFラインの裏へ抜け出した北川からファーサイドへ走り込んでいた赤塚にグラウンダーのクロスが通る。これをまだ入ったばかりで足元がおぼつかない赤塚がなんとかゴールに押し込んで名古屋が試合を決定付ける追加点を奪った。赤塚的にはプレミアカップ決勝でのオウンゴールのリベンジを果たせた感じだろうか。カウンターと見るやゴール前まで全速力で走り込む後ろ髪引かれないランニングが下級生らしくて潔かった。

 そして試合は2-0のまま終了。1999年以来名古屋が実に11年ぶりとなる優勝を飾った。
 平林を筆頭に、神丸、富岡、深谷、日下とタレント揃いだった当時も凄いチームだったが、今年のチームはそれを上回ると言っても決して過言ではないだろう。個人的に初めてこのチームを見た時の印象は強烈だった。しかし個々の能力が高いゆえに並みの相手ではなかなか課題を見つけにくく、また個々のプレーヤーも「自分でなんとかしよう」という意識が強過ぎてチームとしての成熟が遅れた印象は拭えない。一つ上のカテゴリー(U18)や一学年上の日本代表(U17)に参加していた北川などは今年に入って周りを使うプレー(の選択やタイミング)が抜群に良くなった印象があるが、それ以外の選手達については、正直なところまだボールを持ち過ぎて判断が遅れるような場面も少なくない。ただこれは逆に言えばチームとしてはまだ伸びシロがあるということ。実際チームはこの短期間での微修正によって日本一の栄冠を獲得しているのだから、そのポテンシャルは折り紙つきとも言える。彼等ならもっと凄いサッカーが出来るはずだしU18に進む選手は上のカテゴリーで更に成長した姿を見せて欲しいと思う。

 そして元旦の国立競技場から始まった2010年を(それも非常に意義深い一年を)、再び国立競技場でしかも最高の形で締め括らせてくれたU-15の選手、スタッフ、父兄を含めた関係者の皆さんにはお祝いとともに感謝の意を表したい。
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by tknr0326g8 | 2010-12-29 23:16 | Youth
第4回 GO FOR 2014 CUP 三位決定戦 名古屋U18×浦和ユース @埼玉スタジアム第4グラウンド
 午前中に行われた三位決定戦で札幌に敗れた名古屋は1時間半のインターバルを置いて浦和との三位決定戦に登場。対戦相手が浦和ということもあってか、白のジャージに黒のパンツ、赤のソックスというトップチームでは有り得ない珍しい出で立ちでの試合となった。

 もしこれが決勝戦だったらメンバーの構成も微妙に変わっていたのかもしれないが、三位決定戦ということもあってか、第一試合に出ていない一年生を多く含んだメンバー構成で名古屋はこの試合に臨んで来た。今年の一年生は公式戦にほとんど出場していないこともあり、彼等を観るのは去年の高円宮杯以来ほぼ一年ぶりということになる。そんな名古屋のスタメンは↓な感じ。11人中一年生は4人。

     中根   川村

都竹   真柄   冨田   野崎椋

佐藤   渡辺   奥山   加藤凱

        伊藤

 去年のこの大会でも結局浦和とは当たらなかったので、あの一昨年の高円宮杯決勝以来となる浦和との対戦を楽しみにしていたのだが、試合はキックオフから一方的な名古屋ペースになった。名古屋がポゼッションしながら進める試合は、ボールを奪った浦和が反撃に転じようとしても名古屋が中盤で奪い返してしまう展開が続く。浦和は名古屋同様9:30キックオフの準決勝を戦った後、この試合(12:30キックオフ)の前に11:00~の<B戦>を戦っており、いくら二チーム分相当の戦力があるとは言え、三試合ぶっ続けはさすがにキツイと推測される。攻めに出ようにもすぐにターンオーバーを喰らってしまうのは、ミスが出たり動き(サポート)の量が少なく名古屋の中盤にアッサリ引っ掛かってしまうなど体力的な問題も小さくはなかっただろう。

 ただそんな浦和の状況を抜きにしても名古屋のパフォーマンスは素晴らしかった。特に目を引いたのは、およそ一年ぶりに見る真柄と冨田のWボランチ。抜群の運動量とアグレッシブさが売りのいかにも名古屋らしいハードワーク型のWボランチは、中盤でルーズボールを拾いまくったり、味方との連携で相手を挟みこんでボールを奪取して前にボールを運んだりとそのプレーテンポが心地良い。特に印象的だったのは、相手のタテ(トップ)に入れたボールに対して、プレスバックしてCBと挟み込むように潰していたシーン。一見どのチームでもある当たり前のプレーのようだが、トップチーム以下どのカテゴリーにおいても一貫してバイタルエリアを空けてしまう傾向がある名古屋において、こうしたプレーを普通に出来てしまうことが斬新だ。

 そんな名古屋は21分に川村とのワンツーで左サイドを抜け出した佐藤がペナルティエリアに侵入して豪快に左足を振り抜き先制。そして25分、ちょっと目を離した隙に(選手達がゴール後に掛け合っていた声から推測するにおそらく)中根が川村とのコンビでゴールを決めて2-0とリードを広げて前半を折り返した。二点目は、目の前にいた名古屋のDFラインが微動だにしていなかったことや、隣にいた浦和の父兄の人が「有り得ない」というリアクションをしていたことを考えれば浦和の最終ラインでのミス絡みだろう。

 後半も試合は名古屋ペース。約半数の選手が第一試合と連戦ということもあってさすがに時間の経過とともに動きが重くなってきてはいたが、ラスト10分を切り交代選手を中心ににわかに活気付いてきた名古屋は、29分にカウンターから途中出場の足立が頭でスペースに出したボールに走り込んだ野崎椋の右からのセンタリングにファーサイドで佐藤が合わせて三点目(途中都竹に代わって入った樫尾が左SBに入り佐藤が左SHにポジションを上げていた)。さらには終了間際の33分、落ちない運動量で中盤でボールを拾った冨田から水野へとボールが渡り、水野からのスルーパスに抜け出した野崎椋が鮮やかにネットを揺らして4点目を決めこの試合を締め括った。

 浦和を4-0と圧倒した名古屋は、メンバー的にも絶対数が足りずに苦しい中、大会3位という成績を残した。新チームとしてのいくつかの試み(例えば小幡や近藤の穴を誰が埋めるのか)や新しい組み合わせなどでも、年明けから始まる新チーム作りに向けてそれなりに収穫があった大会になったのではないだろうか。
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by tknr0326g8 | 2010-12-28 18:38 | Youth
第4回 GO FOR 2014 CUP 準決勝 名古屋U18×札幌U18 @埼玉スタジアム第2グラウンド
 三日間6試合にも渡るグループリーグを終えて、3勝3分のYグループ2位で決勝トーナメント進出を決めた名古屋は、準決勝でXグループ1位の札幌と対戦する。一年生の堀米、神田を筆頭にこの年代の代表クラスのプレーヤーを揃える札幌は、グループリーグで藤枝東に不覚を取ったものの、浦和や柏といったJ下部相手に確実に勝ち点3を重ねてきた。名古屋からしてみたら札幌は一年前の決勝で勝って優勝を飾った縁起の良い相手ではあるが、名古屋が何人かの主力メンバーを怪我で欠いていることを考えても今年はそう簡単には行きそうもない。

 この準決勝の一時間半後には決勝戦が予定されているが、名古屋としてはまずこの準決勝に集中というわけで、今いるメンバーの中でのベストの布陣を組んで来た。一年生は右SBの樫尾のみであとは二年生が固めている。大会二日目を見た時にはここに樋江井が加わる感じだったが、大会中に怪我でもしたのだろうか。

     川村   足立

佐藤   都竹   水野   加藤凱

渡辺   川本   奥山   樫尾

        石井

 条件的には両チームともにイーブンだが、一日二試合を三日間に渡ってこなしてきた選手達には心なしか疲労の色が見える。見るからに身体が重そうでミスが多いのは疲労と無関係ではないだろう。そしてそんな名古屋がボールを保持して進める試合は必然的にスローテンポな立ち上がりとなったが、名古屋にボールを持たせておいて、中に入って来たボールを引っ掛けてカウンターを狙うリアクション・フットボールがベースの札幌は、ボールを奪った時のスイッチの入りっぷりがハンパなく、そのスピード溢れる突破に対して、名古屋は時間の経過とともに守勢に回る時間が長くなっていった。

 しかしそんな展開の中で先制点を奪ったのは名古屋。名古屋イレブンの中でも特に身体が重そうだった都竹が、15分を過ぎたあたりからようやくボールに絡みはじめ、中盤からボールを持ち上がるシーンが増え始める。そしてそんな都竹の持ち上がりから中央の川村へパスが出されると、川村が相手のファール気味のチャージで潰れて、ボールは大外の足立の足元へ。これを足立が持ち出してゴールへとプッシュしたのだった。
 名古屋はその前にも佐藤が左サイドから内側へと持ち出したボールを水野がノールック気味にもう一回左サイドに叩いて、これを受けた渡辺がGKとDFラインの間に流し込んだクロスに足立が飛び込む(触れず)という惜しいシーンがあったが、少しづつ成長している足立がストライカーとしての本能を覚醒させて得点を量産し始めれば、このチームもワンランク上のレベルに行けるだろう。

 先制点を奪って意気揚がる名古屋だったが、そのリードを守ることが出来たのは僅か5分間。21分に二列目の飛び出し(オフサイドトラップの掛け損ない)から独走を許して同点ゴールを献上すると、27分にはせっかくマイボールにも関わらず、不用意なクサビのボールを待ってましたとばかりにインターセプトされて、スルーパスからスピードのある札幌・榊に突破を許し逆転ゴールを決められてしまった。

 こうなると名古屋としても再び点を取りに行かなければならないが、今のチームには攻撃面でどこを「強み」として打ち出すのかがまだハッキリしていないところがある。例えば去年この大会で優勝を飾ったチームであれば、FWや両SH、SBによる強烈な突破力といったものがあったが、今年のチームはそれが足立の190cm近い高さなのか、名古屋の代名詞であるサイド攻撃なのか、まだその姿がハッキリと見えてこない。足立の頭を狙ったボールなどは試合を見ていても(ゴールキックを除けば)皆無と言っていいので、チームがそれを意図していないことは明らかだが、例えばWボランチのところで水野が引いてボールをさばき、都竹が前線とのつなぎ役として前に出て行くような役割分担によって中盤を構成し、トップにボールを付けてそこに絡んで行くような良く見られる形にしても、それをゴールという結果に結び付けるためには「プラスα」が必要だ。それは個の力かもしれないし、アタッキングサードでのゴールを陥れるためのコンビネーションかもしれない。

 逆転を許した後も盛り返すことが出来ないまま前半を終えた名古屋だったが、ハーフタイムを挟んだ後半の立ち上がりは意外にも名古屋ペースになった。名古屋は攻撃面でアグレッシブに人数を掛けることで、より札幌陣内深いところでボールを持てるようになり、これが攻撃に好循環をもたらしている。しかし良いリズムを作りかけてはいるものの、名古屋がなかなかシュートが打てないでいると、次第にゲームの流れは札幌へと押し戻されてしまった。札幌はハーフタイム中に修正が入ったのか、DFと中盤のラインの間をコンパクトにして、川村がボールを受けるポジションを潰しているし、そんな中で名古屋が無理に入れてくるトップへのクサビをことごとくカットしてカウンターへとつなげてくる。

 そして名古屋は18分には右サイドを突破されるとその折り返し(マイナスのクロス)に走り込んで来た選手に合わされ三失点目。20分には今度は左サイドから持ち込まれてその折り返しがファーまで流れてきたところを再び後から走り込んで来た選手に豪快に決められ四失点目、さらに21分にはボックスまで侵入した堀米に鮮やかなフェイントからDFを抜き去り左足で決められ五失点目と、立て続けのゴールラッシュであっという間に試合を決められてしまった。

 名古屋もその後札幌GKがボールを持ち過ぎたとしてボックス内で得た間接FKを水野が沈めて1点返こそしたものの、反撃もそこまで。2-5という予想外の大差をつけられての敗戦は、名古屋にとっては来シーズン倒さなければならない天敵をまた一チーム増やしてしまったが、個々のプレーヤーのレベルも高く非常にソリッドな戦い方をする札幌が来シーズンどこまでやれるのかもぜひ注目したい。
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by tknr0326g8 | 2010-12-28 12:04 | Youth
高円宮杯(U-15) 準決勝 名古屋U15×神戸U15 @西が丘サッカー場
 名古屋の下部組織史上でも最高レベルのタレントを揃えている今年の名古屋U15。しかし今年はここまでその能力に見合った結果を残せているとは言い難い。この大会の東海地区予選でも準決勝で名古屋FCにまさかの敗戦を喫し、三位決定戦で今シーズン二敗している磐田を振り切ってなんとか本大会へとコマを進めてきた。
 しかしこの結果により全国大会の開幕戦をホーム(名古屋)で戦えるというアドバンテージを手放すことになってしまった名古屋U15だったが、負けた方が全国の切符を逃すというシビアな戦いを勝ち抜いたことで、逆にチームとしては失いかけていた自信を取り戻したのか、全国大会が始まると怒涛の快進撃。遂には優勝した99年以来となる西が丘(準決勝)の舞台へと辿り着いた。

 対する神戸は昨年のチームがスーパーなチームで、名古屋もクラ選の準決勝や高円宮杯のグループリーグで対戦しているが二度に渡ってその壁にはね返された。その意味ではこの試合はメンバーこそ違えど昨年のリベンジマッチとも言えなくもない。

 11年ぶりに西が丘のピッチへと姿を現した名古屋U15のスタメンは↓のような感じ。

       北川

        森
伊藤            桜井
     金    石川

松田  後藤   中島  若園

       板倉

 この大会から高田監督はU14のエース・桜井を飛び級で右SHのスタメンに抜擢している。もともとこのポジションにいたのが、去年の夏のクラ選(U15)などでは逆にU14(当時)から飛び級でスタメン入りしていた曽雌だったということを考えれば、いかにこのチームの競争が激しいかが分かるというもの。そうでなくてもこのチームでずっと試合に出続けているのは、北川、中島、松田、板倉ぐらいで、去年のプレミアカップの頃には早生まれの真柄やニッキに押し出される形で石川と森が右SHのポジションをめぐって争っていたり、後藤と若園が右SBのポジションをめぐって争っていたりしていたし、今年に入ってからも伊藤と宮市の左SHや金と石田のボランチ、若園と加藤のSBといったところで抜きつ抜かれつの激しいポジション争いが発生していた。そしてそれ以外にも児玉、直江、濱田といった他のチームであれば中心選手としてプレー出来る選手が控える陣容は層が厚く、桜井を筆頭に赤塚、笹沼といったU14からの突き上げもある。

 と少し話は逸れたが、この桜井の右SH起用(というよりかは北川との併用)は興味深い試みだ。今シーズンは北川が代表やU18の試合でチームを空けることも多く、そうした時にはよく一つ下のカテゴリーから桜井が飛び級で参加して北川の代役を務めていた。北川とはまた違った特徴を持つ桜井は、同年代ではサイズにも恵まれているもののフィジカルでゴリゴリといくタイプではなく、浮き球のコントロールが上手く独特のリズムで相手の間合いを外すようなドリブル突破が特徴のテクニシャン。得点感覚はもちろんのこと周りを使うのも上手いのでポストプレーも出来るし、ひょっとしたら1トップとしてなら北川より機能するかもしれない。実際、この桜井を1トップに据えた関東遠征でこの年代の最強チームのひとつと言われる東京Vやこの大会の準々決勝でも対戦した横浜FMを一蹴したりもしている。初戦の愛媛FC戦でスタメン表に北川と桜井の名前を同時に見かけた時は、北川との2トップや北川のトップ下や右サイドへの配置転換なども想像したが、桜井の右SH起用が正解。そして右SHとして起用されていた桜井は、依然と比べると随分とフィジカルレベルが上がっている印象で、攻撃に守備にと力強いプレーを披露していたのが印象的だった。

 試合はキックオフから1分と経たないうちに神戸のDFが負傷しそのまま交代を余儀なくされる波乱の幕開け。そして両チームともにどことなく落ち着かない雰囲気の中、北川が神戸CBの間でパスを呼び込むようにして抜け出し左足で放ったミドルシュートがバーをかすめるというプレーがキッカケとなりようやく熱戦の火蓋が切って落とされた感じだった。
 この年代では既に特別なプレーヤーであるとは言え、まだ本調子ではない北川の挨拶代わりの一撃だったが、もしあれを(効き足でない)左足でコントロールしてねじ込めるようなことにでもなれば、北川はU18を飛び越えてすぐにでもトップチームに合流した方がいい。

 アクシデントの影響か今ひとつ乗り切れない神戸に対して序盤は試合を優位に進める名古屋だったが、その攻撃はかなり中央に偏った展開が目立った。トップにボールを付けるところまでは悪くないと思うのだが、そこから先も中央突破を狙って少し強引な印象も受ける。
 このチームは、北川、森といったスペシャルなタレントを配するFWや、石川、金といった優れたセントラルMFに目が行きがちだが、チームとしてのパフォーマンスのバロメーターは実はサイド攻撃(特に左サイドの伊藤)にある。往年のライアン・ギグスを彷彿とさせるようなスピード溢れるドリブルで伊藤が自在に敵陣を切り裂いている時の名古屋はまるで打ち出の小槌のようにそこを基点として得点を量産するが、そこが塞がれてしまうと意外と苦戦するパターンが多いというのが俺の中でのこのチームに対する印象。
 そしてこの試合では、右サイドからは桜井と若園との絡みで何度か攻撃を仕掛けるシーンがあったものの、左サイドから伊藤がドリブルを仕掛けるようなシーンは数えるほどしかなかった。特に前半開始から15~20分ぐらいの間にいたっては、伊藤はほとんどボールに触っていなかったのではないかというぐらい。そしてそれは、名古屋が強引な中央突破を試みる中から掴んだ絶好のチャンス――中央で森から北川へとパスが渡り、北川が右から中へと流れながら左足で出した絶妙なスルーパスに反応した伊藤が抜群のスピードで一気にGKまで抜き去り右足で放ったシュートがポストを直撃した――においても微妙な影響をもたらしていたかもしれない。

 その後20分を過ぎたあたりから神戸もようやく攻撃に人数を掛け始め徐々に攻勢を強めてきた。神戸は昨年のチームと同様にボランチのところでボールを落ち着かせて上手く左右に展開してくる。こうなると今度は名古屋の守備力が試される番だ。そしてそこでは東海予選の頃には一歩間違えば崩壊寸前と言えなくもなかった名古屋ディフェンスの再生を僅かながら見て取ることが出来た。まだまだDF同士が重なってしまったり、中盤でボールを奪いに行って入れ替わられてDFラインの前のスペースをポッカリと空けてしまうようなシーンが時々見られるものの、カバーリングの意識や(特に攻守の切り替えにおける)ポジショニングには彼等も十分気を遣ってプレーしている様子が伺える。

 そうした展開の中で迎えた前半終了間際、またしても中央突破から名古屋にとっては待望の先制ゴールが生まれる。中央で北川と森が重なりながらも森がボールをキープして前線に上がって来ていたフリーの石川へ。これを受けた石川は京都DFが寄せてくる前に豪快にニアサイドをブチ抜いた。最高の時間帯での先制ゴールにより名古屋は1-0とリードを奪って前半を折り返す。

 後半もリズム自体は前半とそれほど変わりはなく、なかなか上手くボールが回らないのなら、ともにボールを動かせるWボランチをもう少し使ってゲームを組み立てても良いのでは?と思うのだが、前線に北川、森というボールが収まる選手がいるためか、名古屋はどうしてもタテにタテにと急いでしまう。後半は北川がサイドに流れてボールを受けるような動きも見られるようになったが、神戸は方向を限定しつつボールホルダーに対して二人、三人とグループで囲んでくる上手いディフェンスをするので(北川の場合はそれを一人で突破してしまっていたが)、名古屋のアタッカーが少しでも判断に逡巡していると攻撃はすぐに行き詰ってしまう。こうなると名古屋に得点が入るとすれば、北川と森にボールが収まった後の即興によるコンビネーションか、高い位置でボールを奪ってからのショートカウンターしかない。

 そんな名古屋が残り10分を切ったところで待望の追加点を挙げたのもやはりショートカウンターから。神戸が攻撃に移ろうとしたところを石川が鋭い出足でブロックすると、そのボールがつながりこれを拾った伊藤が左足一閃。鮮やかなミドルシュートが神戸ゴールへと突き刺さった。試合を決める美しいゴール。
 このシーンで守→攻の切り替えの役割を担ったのは石川だったが、この試合では石川とともに金のパフォーマンスが素晴らしかった。前へ前へと詰めていくディフェンスで神戸の攻撃を寸断し、名古屋の攻撃に連続性をもたらしていたのは間違いなく金だ。前にも書いたが、去年のプレミアカップの頃にはまだ繊細なテクニシャンの印象が強かった(泥臭い役回りは真柄が担っていた)金だが、今では中盤での的確な散らしや前線への飛び出しといった攻撃面だけでなく、守備面でもすっかり闘えるボランチへと成長を遂げ頼もしい存在となった。

 その後、前半と同じような形で北川からDFラインの裏へ飛び出した伊藤へのスルーパスが通りあわやというシーンなども作った名古屋は、桜井、金と動きの良かった選手が次々と交代してしまって一抹の不安を感じさせたものの、残り時間が少なくなってロングボールを放り込んで来る神戸の攻撃を後藤が滞空時間の長いヘッドでことごとく迎撃し危なげなく試合をクローズ。12/29に国立競技場で行われる決勝戦へとコマを進めた。「ヘディングの強い人」特有のオーラを発している後藤は、京都のスタイルを見る限り、決勝戦のキーマンの一人になるだろう。

 11年振りの優勝まであと一勝。試合を見ていると彼等のポテンシャルはまだまだこんなものではないと思うし、彼等ならもっといいサッカーが出来るとも思うが、ここまで来たらもうそんなことは関係ない。誰もが踏めるわけではない夢の舞台・国立で伸び伸びと彼等らしいプレーを見せて栄冠を勝ち取って欲しい。
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by tknr0326g8 | 2010-12-28 07:03 | Youth
第18回 F・マリノスカップ U-10 名古屋U10×横浜FMSPクラス @マリノスタウン
 午前中でGO FOR 2014 CUPを切り上げて横浜までやってきた理由は、名古屋U10が参加しているマリノスカップU-10を観戦するため。このチームは個々のプレーヤーを含めて全くの初見だが、昨年のチーム同様に12/5のサーラ・カップ決勝大会で優勝を果たしており、このマリノスカップに向けても期待がかかる。

 大会初日となった昨日は、最大のライバルである東京Vとスコアレスドローの後、あざみ野FC、藤沢FCを連破して上々のスタートを切った名古屋だったが、二日目となるこの日は、第一試合で昨年のこの大会でも対戦して敗れているFCパーシモンに再び敗戦。1位2位トーナメントに進むためには横浜FMSPクラスとのグル―プリーグ最終戦で勝利した上でパーシモンが敗れるのを待つという他力本願となってしまった。ただ昨年も同じような状態から逆転で1位2位トーナメント進出を決めているだけに、これは決して有り得ないシナリオではない。試合前のピッチ脇では佐賀監督から選手達に諭し聞かせるかのようなミーティングが行われていた。

 名古屋のスタメンは(プログラムの名前が合っているとすれば)↓のような感じ。

       手嶋(9)

田邉(7)         川地(12)
       杉浦(6)

 近藤(2) 山崎(10) 若林(11)

       出谷(1)

 去年のチームはFWに大会ベスト8にも選ばれた住田という中心選手がいて(今年は飛び級で6年生の大会に出ていた)、そこがチームとしてのひとつの軸となっている感じだったが、今年のチームは小柄でドリブルが得意な選手が多く、それがチームとしてのパーソナリティにもなっている印象。それもそのはずで、ドリブルから抜群のボディバランスに支えられた鋭いターンを見せるトップの手嶋(9)と中盤でセカンドボールを拾いまくっていた杉浦(6)、そしてDFラインにいながら鋭い攻撃参加を見せていた近藤(2=後半は7とポジションを入れ替わってアタッカーに入った)は早生まれ。左サイドの位置からスピード溢れるドリブル突破を繰り出していた田邉にいたってはひとつ学年が下のまだ3年生だ。
 それに比べると横浜FMSPクラスの選手達は一様に大きな選手が多い。いわゆる「サッカー的な」成長という面では身体の成長に比べてやや遅れているような感じはあるが、目先の結果にとらわれずこうしたサイズがある選手を鍛えて行くことはそれはそれで重要なことなのだろう。

 そして試合もそんな両チームの特徴を反映するかのような展開だった。
 名古屋は多彩なキックを操る最終ラインのゲームメーカー・山崎を中心にボールを動かしながら前線でのドルブル突破を仕掛けるスタイルで概ねゲームを優勢に進めていたが、左サイドからサイズを生かした豪快なドリブル突破で先制を許すと、クロスボールのこぼれ球をパワフルに振り抜かれたミドルで追加点、さらにハーフタイムを挟んで後半にはコーナーキックからGKの頭越しにファーサイドで合わされる形で2失点と、そのサイズ(やフィジカル)の差が如実に反映された形で常にリードを許す形を強いられてしまった。
 名古屋もDFラインからパスをつないで最後は中央のちょっと下がったポジションでボールを受けた手嶋が絶妙なスルーパスを横浜DFの裏へと通して、これに右サイド後方からのダイナミックなランニングで追い付いた川地が鋭いシュートを沈め一度は同点に追い付いたり(1-1)、後半には手嶋がカウンターから抜群の加速で横浜DFを振り切って抜け出しGKとの1対1を冷静に沈めて点差を詰める場面(2-3)を作ったものの、横浜DFの身体を張った守りにも行く手を塞がれ、最終的には2-4で試合終了のホイッスルを聞くことになってしまった。同時刻に行われていたパーシモンの試合で、パーシモンがグループ最下位の藤沢FCに敗れるという波乱が起きていたことを考えると、名古屋にとってはなんとももったいない敗戦ではあるが、コーナーキックから喰らった最後の2失点などは、頭を越されてしまうといかんともし難い失点ではある。

 グループ3位となった名古屋はA組4位にして昨年度のチャンピオン・レジスタFCと明日の9:40から3位4位トーナメント一回戦を戦う。優勝を懸けた1位2位トーナメント進出を逃した失望はあるだろうが、この大会で一試合でも多く試合をこなすためには、名古屋はまずこの試合に勝利しなければならない。
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by tknr0326g8 | 2010-12-26 02:36 | Youth
第4回 GO FOR 2014 CUP 名古屋U18×矢板中央 @埼玉スタジアム第4グラウンド
 名古屋U18が浦和そしてFC東京という名だたる歴代のチャンピオンチームを戴くこのGO FOR 2014 CUPで優勝を飾り(そして小幡がMVP獲得)新チームとしての華々しいスタートを切ったのはちょうど一年前の出来事だ。この大会は第一回王者の浦和がその年の高円宮杯優勝、第二回王者のFC東京がその年のJユースカップ優勝と、優勝チームにとって非常に縁起の良い大会だったが、この一年でU-16日本代表の三鬼が退団し、同じくU-16日本代表の高原が怪我による長期離脱、昨年のU17日本代表候補だった岸がいつの間にかベンチを温めるようになった名古屋U18は、結局今年タイトルを獲得することが出来なかった。しかし二年半前にクラ選(U-15)で優勝を果たした世代が最終学年を迎える来シーズンは名古屋U18にとっても大きなチャンスの年であり、新チームでのぞむこの大会をぜひ踏み台として次へとつなげて行って欲しいところ。

 昨日の第一日に神戸ユースと引き分け、浦和東に2-1と辛勝した名古屋は、この二日目に矢板中央そして岐阜工業と対戦する。

 名古屋のスタメンはこんな↓感じ。

     足立   川村

佐藤   都竹   水野   加藤凱

渡辺   川本   奥山   樋江井

       伊藤

 個人的に9月の高円宮杯以来となるこのチームの率直な第一印象は、声が良く出ていて活気があるなということ。それはいくらこれが公式タイトルでないとは言え、ちょっとリラックスし過ぎではないかと思えるほど。そこには気心の知れた仲間同士でプレーする喜びや楽しさのようなものが溢れていた。

 メンバー的な注目点は水野と都竹のWボランチ。新チームにとって間違いなく最大のポイントとなるのは、絶対的なエースだった10番・小幡が抜けた左SHとキャプテンであり文字通りチームの「心臓」だった近藤が抜けたボランチをどうやって埋めるのかであり、そこでは今シーズン本来とは違うポジション(左SB)でプレーしていた都竹の存在を抜きに語ることは出来ない。そしてサイドにはこの試合でも起用されていた佐藤(高円宮杯でハーフタイム中のアップを観ていた時に無回転系の弾丸シュートをビシビシとゴールネットへと突き刺していた)やU-15時代に鮮烈な印象を残している岩田がいることを考えると、都竹にとってのファーストチョイスはボランチということになるし、U-15時代に二列目(トップ下)に二枚並ぶインサイドハーフの一人だった都竹が1ボランチの水野に対して気の効いたサポートを見せていたことを思い出すと、現時点では都竹のボランチ起用は最適な選択であるとも言えるかもしれない。

 試合は立ち上がりから名古屋がコントロール。コンパクトに保ってはいるもののどこでボールを奪うのかがハッキリしない矢板中央に対して、名古屋は中央でタメを作って相手を喰い付かせておいて一つ外を使ったり、DFラインの裏を狙うような展開で矢板中央のブロックを振り回す。フィニッシュの精度が足りなかった前半は、得点こそカウンター(速攻)から左サイド佐藤の折り返しに中央で足立が詰めた1点のみだったが、右サイドをエグった加藤凱からの折り返しを中央で川村が放ったシュートや、中央でつないだパスから加藤凱の放ったシュート、足立が相手GKにプレッシャーを掛けて奪ったボールを前線に飛び出して来た都竹が放ったシュートなどはいずれも打った選手が思わず頭を抱えるぐらいの超決定機と呼べるもので、これらのシュートが枠に飛んでいれば、試合はもっと名古屋のワンサイドになっていただろう。

 GKのみを石井に代えて挑んだ後半は、左サイドでパスをつないで佐藤が川村に入れたボールを、川村がドリブルで中央に流れながら大外を駆け上がって来た樋江井にパス。これを受けた樋江井がそのまま持ち込んで豪快にネットを揺らすと、足立と川村の連動したGKへのプレスからこぼれたボールをやや距離のあるところから都竹が無人のゴールへと蹴り込んで3点目、さらには再びバイタルでボールを受けた川村からのスルーパスに抜け出した加藤凱が決めて4点目とちょっとしたゴールラッシュが沸き起こった。

 そうした展開の中で目立っていたのは、川村と水野だろうか。川村は前線で、水野は中盤で、良いアクセントとなってパス回しに変化を与えていた。得点シーンの記載でも出てきた川村は、記念すべきトップチームの優勝決定号となった12月の「GRAN」のユースコーナーの中で小川監督がシュートセンスを含めたその得点感覚と技術を絶賛していたが、いわゆる「間」でボールをもらうのが上手く、その辺りからは個人戦術のレベルの高さも垣間見られる。中盤で名古屋の攻撃にリズム作りまた変化を与えていた水野は、俺なんかが普通に流れに沿って観ていると「こっちに出すんだろうな」と思う方向とは逆方向やその先にパスを出すようなシーンが何度かあり、またそのパスをことごとく成功させていたのだから恐れ入る。ユースに上がってからのこの二年間、プレーが少し淡白だったり小さくまとまりかけているような時期もあったように感じたが、ようやくその高いポテンシャルに見合ったパフォーマンスを発揮しつつあるのかもしれない。こうしたパフォーマンスを厳しいプレッシャーの中そしてワンランク上の相手にも発揮出来るようにしつつ、あとは阿吽の呼吸でゴールを紡ぎ出す「相棒」高原の復帰を待ちたいところだ。
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by tknr0326g8 | 2010-12-26 02:32 | Youth
インカレ 1回戦 国士舘大×関西大、仙台大×福岡大 @プレイテック・スタジアム
 生・永井を観るのは、一年前のインカレ・準々決勝で新井(現名古屋)のいた中央大と対戦した時以来。その時もちょうど年明けのアジアカップ予選(イエメン戦)に招集されたばかりで注目度が高く会場(江戸川)が大入りだった記憶がある。今回も記憶に新しいアジア大会での金メダル獲得そして得点王の凱旋ということもあって、それ以上の集客が期待出来るかもしれないというのが戦前の俺の予想。
 しかしいざ蓋を開けてみると、東京都下から電車で1時間かかる成田駅にほど近い中台運動公園陸上競技場改めプレイテック・スタジアムというヴェニューの条件が悪かったのか、観客数は思ったほど伸びず、逆に永井目当てのマスコミが殺到するという事態が発生していた。スタンドには、各大学のスカウティング用ビデオカメラと並んで数台のテレビカメラ。そしてピッチ上ではプレスのビブスを着込んだスポーツ紙のカメラマンが永井の行く先々へと集っている。

 そんな遥々成田まで足を伸ばしたマスコミを空振りに終わらせることなくゴールという結果で迎え入れた永井はやはり「持っている」プレーヤーだが、福岡大のチームとしてのパフォーマンスは、正直なところこれが(去年と)同じチームなのかと思える程ひどく、戦術も完全に永井仕様へと切り替わっていたのが衝撃的だった。このレベルでは突出したプレーヤーである永井を中心に、彼を生かすためのチーム作りをすることは当然とも言えるが、これでは「永井頼みの―」と言われても仕方ない。後半は仙台大の攻勢に青息吐息となり、ロスタイムには仙台大が福岡大GKもかわして放ったシュートがポスト当たる幸運もあってなんとか準々決勝へとコマを進めたが、これではいくら永井を擁しているとは言え、ファイナルで昨年のリベンジを果たすという目標達成は難しいだろう。

 永井個人に関して言えば、前半からパスがズレるシーンが散見されたものの、逆にそうしたプレーからは周りがよく見えている印象を受けた。「オレがオレが」というスタープレーヤー特有のエゴや「自分がやらなければ」という気負いも必要以上には感じられない。守備に回ってもドリブル同様緩急を効かせた迫力満点のチェーシングでチームに貢献している。そして極めつけが往年のウェズレイを彷彿とさせるような地を這うミドルシュート。永井はドリブルや単なる素走りだけでなくシュート動作や振り足も速い。永井はもはや立派なプロ仕様だ。ピクシーが来シーズンの開幕に合わせて、今シーズンろくに試合に出てもいないのにトップチームに合わせて長いOFFを強いられているセカンドチームの面々よりもこの大卒ルーキーを重宝したとしても何ら不思議ではない。

 なお第一試合の国士舘大×関西大では、二ヶ月前に関西学生リーグを観た時にはスタメンで、この試合の予想スタメンにも名を連ねていた西山洋平が「クローザー」として終了間際に交代出場。二ヶ月と比べると金園をはじめとした前線のタレントをシンプルに使えている印象の関西大が国士舘大を振り切った。関西大と福岡大による準々決勝は23日平塚競技場で行われるが、第二試合を前半途中までスタンド最前列で観戦していた西山の頭の中には、バイタルエリアを上手く使えるようになった永井の対策は浮かんでいるだろうか。
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by tknr0326g8 | 2010-12-18 20:21 | College Football
高円宮杯 名古屋U-15 登録メンバー
1 GK 板倉徹汰 (176/79)
2 DF 後藤弘樹 (175/60)
3 DF 加藤良真 (169/60)
4 DF 赤塚竜馬 (168/65)
5 DF 松田翔平 (172/60)
6 MF 石川大貴 (180/76)
7 MF 曽雌大介 (165/58)
8 MF 金来遠 (170/58)
9 FW 北川柊斗 (176/64)
10 FW 森勇人(CAP)(169/60)
11 MF 伊藤昌記 (163/58)
12 DF 若園敦貴 (172/58)
13 MF 濱田恭輔 (164/47)
14 DF 中島康輔 (175/66)
15 MF 直江翔悟 (172/50)
16 GK 近藤大河 (177/73)
17 FW 児玉海 (173/56)
18 MF 石田雅俊 (172/56)
19 FW 桜井昴 (170/63)
20 MF 笹沼孔明 (166/52)
21 DF 大橋祐太朗 (169/55)
22 GK 佐藤快 (169/54)
23 FW 藤島樹騎也 (151/41)
24 MF 青山景昌 (162/50)
25 DF 吉住幸一郎 (167/55)
26 MF 杉原啓太 (170/55)
27 DF 吹ヶ徳喜 (171/57)
28 FW 杉森考起 (151/40)
29 FW 森晃太 (153/44)
30 GK 柏木大輝  (169/62)
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by tknr0326g8 | 2010-12-18 05:29 | Youth
Jユースカップ 決勝トーナメント2回戦 東京Vユース×三菱養和 @よみうりランド
 途中で一度交代の札を上げられながらもギリギリで撤回させた田中輝希は、序盤は左SHとして、途中からは2トップの一角としてフル出場。東京Vに押し込まれる中、左SHとしては(おそらく得意ではないはずの)守備に奮闘する時間帯が多かったが、献身的かつ粘り強くハードな守備でチームのために戦っていた。一方の攻撃面では、その右足から放たれる危険なキック(セットプレー)で2点を演出。2-2からもつれ込んだPK戦では、10番そしてキャプテンらしく最初のキッカーも務めて重責を果たした。完全燃焼とはいかなかったかもしれないが、この悔しさはぜひプロ(名古屋)で晴らして欲しい。

 またこの試合の三菱養和では、田中とともに名古屋が声を掛けていたとかいないとかいう田鍋陵太が本来のポジションよりも一つ下がった右SBとして出場。後半途中から右SBの本職の選手がピッチに入って来た後もポジションが変わらなかったところを見ると、おそらく東京Vの杉本竜士対策として起用されていたのではないだろうか。そして期待に違わず杉本を抑え込んだ(杉本のゴールは中央で浮き球に抜け出したもの)田鍋だったが、時折見せるオーバーラップの迫力はこの年代のレベルを優に超えていて、そんな田鍋をアタッカーとして(前で)使わなかったことが、三菱養和にとっては攻撃の決め手を欠くひとつの要因になってしまったようにも思われた。

 来シーズンに向けて各クラブの争奪戦となることは必至だが、久米さんと名古屋のスカウトには、田中に続いてぜひこの爆発的なスピードを誇るサイドアタッカー獲得に全力を傾けてもらいたいところだ。
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by tknr0326g8 | 2010-12-13 03:02 | Other Games
Jユースカップ 決勝トーナメント1回戦 千葉×三菱養和 @西が丘サッカー場
 気が付けば名古屋U18がグループリーグで敗退していたJユースカップ。準々決勝でその後王者となるFC東京にボコられた昨シーズンをはじめ、少なくとも過去5年間ぐらいはもれなく決勝トーナメントに進出していただけに、今年のチームは少し寂しい形で活動を終えることになってしまった。

 しかし名古屋ファン的観点からすれば今年のこの大会はまだ終わっていない。
 18年目にして初のリーグ制覇や槙野や藤本の名前が挙がっている来シーズンに向けた大型補強、さらには浦和や神戸、福岡と争奪戦を繰り広げているアジア大会・金メダリストにして得点王の永井など、このところの派手な話題ですっかり影が薄くなってしまったが、シーズン序盤における名古屋の最も明るいニュースは田中輝希の入団内定だった。そんな田中輝希が10番を背負いキャプテンを務める三菱養和ユースがクラブユース枠としてエントリーしているJユースカップ決勝トーナメント一回戦は、対戦相手がかつて名古屋U15を日本一に導いた菅澤大我(コーチ)率いる千葉U18という意味でも必見のカードだ。

 試合は目立ったタレントはいないながらも攻守に人数を掛けてチーム(グループ)で戦う千葉と、個々のプレーヤーの技術と能力が高くこれをシンプルに使って来る三菱養和のせめぎ合いといった印象。その戦い方はある意味では好対照だった。
 中盤で群がるようにしてボールホルダーを囲い込み、ボールを奪うと二人目三人目の動き出しによって機能的な崩しを見せる千葉は、ボックスの外から強引にシュートを放った選手に対して菅澤コーチから厳しい「指導」が飛ぶ。普通の試合だったら「ナイスシュート」と客席から拍手が起こっていても不思議ではないシーンでだ。
 一方の三菱養和はと言えば、後ろでゆっくりとボールをキープしながら、高円宮杯で名古屋U18も苦しめられた強さと高さを備える9番(若狭)とスピードのある8番(近藤)の特徴を生かすように千葉DFラインの裏目掛けて比較的シンプルにタテパスを入れてくる場面も目立つ。この試合の二点目などはその典型で、ロングフィードに対して若狭がヘディングで後ろにスラしたボールに近藤が走り込んでゴールへと沈めている。前半の途中で菅澤コーチがDFラインを上げろと指示していた場面があったが、DFは怖くてそう簡単にはラインを上げられないというのが実状だったに違いない。そして三菱養和は千葉とは逆に「シュートを打ち切る」ことを意識しているようにも思えた。

 シンプルなタテパスに次ぐ三菱養和の武器はサイドチェンジ。ベンゲル時代の名古屋を彷彿とさせるようなダイアゴナルなサイドチェンジから、スピードのあるサイドアタッカーがDFラインの裏に飛び出してサイドをエグる。この試合では特に右からの突破が目立ち、左に構える田中は守備でのバランスを取ったり、右からのクロスのこぼれ球を狙ってシュートを放ったりといった役回りが多かったが、名古屋U18との試合でも見せた射抜くように正確なシュート(キック)は試合序盤の千葉にとっても脅威だったに違いない。

 右サイドからのドリブル突破(1点目、3点目)とタテ一本(2点目)によって前半のうちに3点を奪った三菱養和に対して、千葉は前半のうちにカウンターから鮮やかな速攻で1点を返し(その段階でのスコアは2-1)、さらに後半になると三菱養和がゴール前での決定機を逃し続けたことに加え前半から飛ばしていたこともあってか全体的な運動量も落ちてきたことで、次第に千葉が三菱養和を押し込むような展開になっていった。しかし決して焦らず冷静に相手を崩し切ることを意識したかのような千葉の攻撃は、観ている側からすれば時として焦れったくなるほどに「急がば回れ」を実践しているのだが、志が高すぎるのか、目的を完遂することが出来ないままに時間だけが過ぎて行き、右サイドからのクロスに三菱養和のGKが被ったところでファーサイドに詰めていた選手が頭で押し込み1点を返すのが精一杯だった。

 注目の田中輝希はと言えば、前半は4-4-2の左サイドのような位置でプレー。序盤こそ上でも書いたように右サイドからの突破に対してゴール前まで詰めてシュートを狙うようなシーンがあったものの、中盤のセンターに構える14番の選手が前目にポジションを取り始めるとボランチのような位置取りをすることも多くなり、攻撃面ではDFラインからボールを引き出したり、守備面では千葉の右SBの上がりに付いて行ったりといったシーンが増えて行った。そして後半になると、俺が田中輝希のプレーに注目すべくバックスタンドに移ったことを逆手に取るかのように、パッタリと左サイド(すなわち攻撃)に顔を出さなくなってしまった。シュートやドリブル突破もそれぞれ一回ぐらいしかなく、ひょっとしたら本人はキャプテンとしてチームプレーに徹していたのかもしれない。このあたりは例えば宮市を生かすために(その能力を最大限引き出すために)チームが作られているような印象を受ける中京大中京などとは真逆のチーム作りだ。

 今日の試合を観る限り、攻撃面に関してボールがこぼれて来そうな位置を予測して(ゴール前に入っていく)センス(感覚)と、動いているボール・止まっているボールを問わずそれを正確にミート出来るシュート技術は本物。これはプロでも即通用するだろう。ただこれだけの恵まれた身体であれば、相手を背負った状態でもボールキープ(からの落とし)だけでなく、ターンして前を向けるようなプレーヤーになれればもっと怖さが増すんだろうなぁというのが率直な感想でもある。良い意味でエゴイスティックなオーラが漂っている宮市なんかと比べればこのあたりも正反対かもしれない。
 
 そんな田中輝希にとってプロでやっていくための最初の課題はフィジカル(コンディション)を上げていくことだろう。ただ個人的には永井よりもこの田中輝希の方が今の名古屋には転用が効きそうな気がしている。
 というか、永井は確かに全盛期の杉本にインテリジェンスと技術を搭載したようなスーパーなプレーヤーでありJの舞台でも即戦力であることは間違いないが、今の名古屋で一体どんな役割を任せようとしているのかあまりイメージが湧かない。3トップのウイングでは持ち味半減。2トップの一角や1トップとして、この試合の三菱養和のようにある程度ラフにでもタテパスを入れてあげた方が生きるプレーヤーだけに、永井のことだけを考えれば福岡なんかに行った方が良いような気がしないでもない。そんな「形」というよりはむしろゲームの流れの中での戦術で終盤のオプション(スーパーサブ)として起用しようとしているならそれは理に適っている最強の補強だが、それで果たして永井は納得するだろうか。
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by tknr0326g8 | 2010-12-06 03:14 | Other Games