試合中ピッチサイドから大きな声で指示を出すでもなくただ選手達を見守っているザッケローニが、コーチングスタッフに向かって不満の意を表したり、後半にベンチの目の前のポジションにやってきた田中順也に動き方(ポジショニング)を指示していたのはすべてサイドのスペースの使い方だった。
この傾向はピクシー率いる名古屋とはいささか異質だ。そしてそれが原因かどうかは分からないが、右のサイドハーフで先発した藤本は試合序盤珍しくミスからのボールロストを連発するなどらしくないパフォーマンスを見せていた。まあこれは戦術的な問題とともに、たまに動きが被ってしまっていた隣の柏木を含め慣れていない周りのプレーヤーとの連携不足にも問題があったのかもしれない。
しかし30分を過ぎる頃にはリズムを掴み始めようやくらしいプレーを見せ始めるようになった藤本は、後半に中村憲剛のパスからDFラインの裏に抜け出すと、得意の左足ループシュートでゴールを陥れ海外組不在の試合でその存在をザッケローニに示したのだった。この後一度クラブに戻るのだろうが、昨シーズン後半からそのパフォーマンスが高水準で安定している藤本には2/29の豊田凱旋試合も楽しみにしたい。
本人を含む万人を驚かせたに違いない代表候補初選出となった磯村の代表初キャップはやはりお預け。昨シーズンの先発デビューから三試合連続ゴールという
プチブレークが折しもW杯アジア三次予選の予備登録の時期に重なったという幸運もあり、そのリストに名前が載っていたことは周知の事実だが、その後も名古屋でレギュラーを掴めていない磯村がこのタイミングでフル代表に招集されるなどとは思ってもいなかった。確かに磯村はJ屈指の強豪となった名古屋にとっても期待の若手には違いないが、チーム内でのポジション争いでも中村直志を押し退けたとは言い難いし、同年代との比較で見てもU-23日本代表の扇原の方が遥かに経験を積んでいる。磯村の再招集そして代表デビューの日がいつになるかは分からないが、来るべくその日のためにこの経験を糧にして今シーズン名古屋で本当のブレークを果たして欲しい。
阿部のデビューが期待された
三年前の熊本に引き続き、またしても名古屋生え抜きプレーヤーの代表デビューに遭遇するチャンスを逃してしまったが、それはまたの楽しみということで。