Grampus Diary from TOKYO
by tknr0326g8
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PlayBack#5 名古屋がレフティー天国と呼ばれていた時代
 今シーズンの新加入(新卒)選手の入団発表が16日に行われた。

 今年の新人は、
 ・DF竹内彬(国士舘大学)
 ・DF片山奨典(国士舘大学)
 ・DF阿部翔平(筑波大学)
 ・MF青山隼(名古屋ユース)
 ・MF和田新吾(磐田東高校)
 の5名。

 竹内は守備(1対1)の強さに加え技術、戦術、メンタルも高いレベルで兼ね備えたCB。片山、阿部はともに左アウトサイドのプレーヤーで、ありきたりな表現を使えば片山が剛で阿部が柔といった感じ。片山はパワフルな左足のキックとオーバーラップ、阿部はテクニックとナイフのように鋭い左足のキック、といったようにともに確かな特徴を持っている。青山に関しては選手紹介#15で俺なりの思いを書いたのでそちらを参照してもらうとして、この中で実際に生でプレーを見たことがないのが和田だが、MF登録ながら静岡国体選抜として出場したSBSカップを(スカパーで)見た時はCBを務めていた。青山ともどもいずれはヨンハッの穴を埋めるようなプレーヤーへと育つことが期待される。

 今年の新人はかなりディフェンスに偏った人選となっているが、二年前の豊田×平山、去年の本田×井上と特徴こそ微妙に違えど間違いなく同じポジションを争うことになるであろう選手をセットで獲得する傾向――ちなみに去年の鴨川と杉本は同じFWだけど大きく特徴が異なるし併用も可能なのでこの範囲でない――は健在なようで、今年も片山×阿部、和田×青山あたりはポジションが競合することが予想される。これはライバルを作ることで成長を促進させる狙いなのか、只でさえ未知数な新人だけに2人獲って片方でも育てばラッキーと思っているのか・・・。

 そんな、同じポジションに新卒を複数獲得するという現象で思い出されるのが1997年だ。
 名古屋はベンゲルの時代(1995-1996)から左サイドが補強ポイントと言われていた。平野という不動のレギュラーはいるが彼にもしものことがあった場合のバックアップに人材を欠けているというのがその最大の理由だった。ベンゲルの2年目(96年)には大宮東高校からヴェルディの下部組織出身という左利きのテクニシャン佐藤悠介(現湘南)を獲得したが、それでも岡山というレギュラーに加え第4の外国人として獲得したオリビエ、ユニバーシアード金メダリストルの望月、そして喜名等が控える右SHと比べるとその層の薄さは一目瞭然で、ベンゲルはプレシーズンマッチなどを利用してしばしば岡山の左SHをテストしていた。さらに言うなら、小川という不動のレギュラーはいたもののベンゲルが一年目に好んで使ってていた(単に人がいなかっただけかもしれないが・・・)津島(現FC岐阜)が95年シーズン終了とともに解雇されてしまった左SBのポジションも本職でない西ケ谷がバックアップを務めていた状態で、翌シーズンに向けて最大の補強ポイントは間違いなくここ(左サイド)でありレフティーだった。

 そして97年のシーズン開幕を迎えるに当たり(監督は前年途中からベンゲル→ケイロスへと代わっていたが)クラブはU-17日本代表としてワールドユースも経験した中谷(奈良育英)を筆頭に、滝沢(武南)、三原(佐賀商)といった全国レベルで名の知れた高校生レフティーを次々と獲得して行った。確か当時スカウトだった沢入重雄がTVで自信満々に「補強ポイントは左サイドだったので大満足」と語っていたぐらいだから、スカウトの自己評価としては満点補強だったのだろう。しかし俺はその時疑問を感じずにはいられなかった。高校生を何人も獲得したところで、その選手が平野や小川の代役として使えるのか?将来を見据えた新人(高校生)に加えて即戦力を獲得して始めて「補強」と言えるのではないか。

 そして不安は現実のものとなった。

 問題は主に負傷が長引きそうな小川のいた左SBだったが、期待の中谷はプロの練習に着いて来られずキャンプの時点で早々とリタイア、キャンプで頭角を現した二年目の佐藤悠介も開幕までその評価を持続させることは出来なかった。そしてリーグ開幕戦で左SBのスタメンを飾ったのは本職が左MFのルーキー・滝沢で、決してそれ(滝沢)だけが原因ではないが、優勝候補だった名古屋は開幕から怒涛の連敗を記録した。補強は失敗だった。シーズン途中に慌てて横浜で出番を失っていた元日本代表DF・鈴木正治を補強したが、時すでに遅しといった感じな上、その鈴木も移籍後最初のゲームで負傷による長期離脱という不運に見舞われてしまう。

 今から考えてもこのベンゲル~ケイロス時代にかけては、とっさに名前が浮かぶだけで小倉、平野、小川、西ケ谷、パシ、リカルジーニョ、佐藤、中谷、三原、滝沢といった才能溢れるレフティーが何人もクラブに在籍していた。それから約10年の月日が経ち、クラブは再び左サイド(特に左SB)を補強ポイントとし片山と阿部を獲得した。これに前年に高卒ルーキーとして獲得していた本田、井上、さらには同年代の渡邊を加えればちょっとした左サイド復興の機運が見えてくる。片桐のチーム復帰こそ叶わなかったが、獲得に向けた交渉が報道されている玉田が前線に加わることになれば名古屋に新しいレフティーたちの時代がやって来ることも決して夢ではない。そしてそんな新時代のレフティー王国復興を前に、95~97年当時の王国最後の生き残りである中谷の柏(レンタル)移籍が決定したのには何かの因縁を感じずにはいられない。

 今年半ばでベンゲルからはや10年か・・・。
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by tknr0326g8 | 2006-01-19 02:37 | PlayBACK
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