ジョージ・ベスト、ブライアン・ロブソン、エリック・カントナ、デビット・ベッカム、クリスティアーノ・ロナウド(おまけ)。言わずと知れたマンチェスター・ユナイテッドのエースナンバー「背番号7の系譜」。
名古屋グランパスエイトの場合、W杯得点王・リネカー、妖精・ストイコビッチ、チーム史上初のJリーグ得点王・ウェズレイがリレーしてきた「背番号10」に注目が集まりがちだが、ピッチ上には、いつもその10番の脇で渋い光を放つ「背番号7」がいたことは、名古屋ファンなら誰でも知っているだろう。ジョルジーニョ(初代)、デュリックス、バウド、ウリダ。いずれ劣らぬ名プレーヤー。彼らにはさっきの10番みたいな大それた「肩書き」はない。(強いて言えば全員「仕事人」だ。(笑)) そして、今その7番を受け継ぐのが中村直志だ。
ピクシー引退後初の公式戦でゴール2発という鮮烈デビュー(正確にはデビュー戦ではないが)を飾り「ピクシーの後継者」などと謳われたこの男もまた、背番号7を手にした今「仕事人」としてのプレースタイルを完成しつつある。
名門市立船橋で全国制覇も達成した高校時代はアウトサイド、大学時代はトップ下でプレーしてきた直志がプロ選手として開花のキッカケを作ったのは、ズデンコ時代にボランチを経験してからだった。潜在的なフィジカルと対人プレーの強さ、そして折れない心がディフェンス面でも十分に活かされ、加えてドリブル、そしてシュート力という本来の持ち味もこれまで以上に発揮できるようになった。
トップ下にポジションを移した今シーズンは、中盤でのチェックやバイタルエリアまで帰ってのボール奪取などのディフェンス面から最前線に飛び出しての得点までフル稼働。大野や岩本等元日本代表選手も加わった中盤でガッチリとレギュラーポジションをキープしている名古屋期待の星だ。
しかし、プレー
スタイルは完成しつつあるとは言え、ひとつひとつのプレーの質に関してはまだまだ改善の余地は大きく残されている。それにさらなる成長、やがては代表入りも望むならばまだまだ注文したいこともいくつかあるのも事実だ。
(後編につづく)