人気ブログランキング |
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
2009年 12月 24日 ( 1 )
インカレ_準々決勝 駒澤×関西学院、中央×福岡 @江戸川区陸上競技場
 インカレ準々決勝の舞台となるのは平塚競技場と江戸川区陸上競技場。平塚では流経×関大と明治×鹿屋体育大が、江戸川では駒澤×関学と中央×福岡の試合が開催される。俺が迷うことなく選択したのは江戸川の方だった。酒井隆介(駒澤)、上村晋平、津田真吾(関学)といった名古屋ユースの卒業生に加えて、中央大では来シーズンから名古屋入団が内定しているDF新井辰也の出場が濃厚なのだから議論の余地はなかった。
 俺が江戸川区陸上競技場を最後に訪れたのは2005年の12月23日。即ちちょうど4年ぶりということになる。前回もインカレ観戦だったが、当時名古屋入団が内定していた阿部翔平(筑波大)や竹内彬、片山奨典(ともに国士舘大)といった選手達が出場していた試合だった。
 スタジアムに着いてまず感じたのは、4年前はこんなにも観客が入っていただろうかということ。第二試合になると解放されているメインスタンドは正月の高校サッカー選手権で名の知れた強豪高が登場する時ぐらいの客入りになった。まあ関東のサッカーシーンから公式戦が消え、おまけに1000円ポッキリで今話題の日本代表プレーヤー(福岡大の永井謙佑)のガチンコプレーが観られるのだからそれも納得ではある。

 第一試合は関東の雄・駒澤と今年の関西学生リーグのチャンピオンで元日本代表監督の加茂周率いる関西学院大学の対戦。なんだかんだいって強豪ひしめく関東大学リーグでインカレ出場枠に滑り込んで来る駒澤はさすがだが、個人的な注目はなんといっても上村晋平(4年)と津田真吾(2年)の所属する関西学院大学。20日に行われた一回戦では上村と津田がともに先発していたようだが、今日の試合では津田が右SBでスタメンに名を連ねたものの上村はベンチスタート。後半途中から津田に代わって同じポジションで上村が起用されていた。駒澤ではもちろん髪をスッキリ切った酒井が右SBで先発出場していたので、この試合の右SBは名古屋率100%である。そしてともに先発出場を果たした酒井と津田がなにやら話しながら入場してきた光景は名古屋ファンからすればなんとも微笑ましかった。

 駒澤はいつも通りの、強く、遠くへ、ハッキリととでも言うべきスタイル。それでいて地を這うように鋭いドリブラーをアクセントのように配置している。今年のリーグ戦ではほとんど出場機会がなかったが、今年名古屋ユースから入った奥村情などは今後この役割を担っていくことになるのだろう。一方の関学はトップに村井という絶対的なFWがいるのでそこを基点としながら中盤で上手く散らして両サイドを広く使ってくる。そんなチームにおいて、俺が相手チームの監督だったらその(津田の)上がった後のスペースを突けと指示したくなるぐらい後ろ髪を引かれない思い切ったオーバーラップを見せる津田は、走るほどに加速度を増すそのスピードもさることながらクロスやフィードといったキックの質や狙いどころも良く、どことなくラテンの香りがするラテラルとしてその存在感を際立たせていた。

 そしてすっかり駒澤のデロップと化している酒井のロングスローから駒澤が先制すれば、前半ロスタイムには津田のクロスボールからファーに詰めた関学が同点に追い付くというような拮抗した試合は、後半にも一点づつを奪い合い、迎えた延長後半に伊藤龍の直接FKが決まって駒澤が粘る関学を振り切った。
 津田は上でも書いたように後半35分ぐらいに足を攣って上村と交代。上村もチーム全体の動きが落ちている中ではその最大の持ち味であるスピードを発揮出来ないまま試合終了のホイッスルを聞いた。そしてこの大会が学生生活最後の公式戦ということもあってか、試合後ピッチに座り込んでいる上村の姿が印象的だった。

 第二試合。昨年度のインカレ王者・中央大と総理大臣杯のチャンピオン・福岡大による好カードは期待に違わぬ好ゲームになった。今年度のベストゲーム賞をあげてもいいほどのドラマチックな展開だったが、個人的な注目はやはりまずは中央のCB新井。その存在を意識して観るのはこれが初めてだ。188センチとひと際その長身が目立つ新井は、彼自身のプロフィールにもある通りヘディングの競り合いには確かに自信を持っているようだ。実際並みの選手であれば彼にヘディングで競り勝つことは至難の業かもしれない。しかしプロでそれを売り物として生計を立てて行こうと思うのなら更なるスキルとパワーアップが必要不可欠だし、名古屋のスタイルを考えると、かなり怪しい感じがする足元の技術は少し心許ない気がしないでもない。インパクト(すなわちコントロール)に自信がないのか、蹴るというよりは撫でるような感じで蹴り足を送り出すキックは身体の割にはパワーが物足りないが、積極的に攻撃に絡んで行く意思は見せているので、これからの伸び白に期待したい。

 中央大はその名に似合わずサイドアタックを生業としているチーム。水戸入りが内定している10番の村田が正確無比なミドルパスでボールを左右に散らしてコンダクターぶりを発揮している。しかしこの試合では先制ゴールこそ得意のサイドアタックから奪ったものの、その後は福岡大の迫力あるハイプレッシャーに押されて中盤を経由したサイドからの崩しは減り、むしろそのプレッシャーをかわすために一本のロングボールで2トップの強さを生かすような戦い方が目立っていた。そして対する永井擁する福岡大も時々会場をワッと沸かせるような迫力ある攻撃を見せはするものの単発で終わっていたため、両チームともになかなかビッグチャンスを作れないまま前半は終了した。

 そんな試合の流れが変わったのは後半で、福岡大はFWに長身の高橋を投入すると途端に前線にボールが収まりだし、攻撃自体も機動力に溢れたものに豹変した。こうなると、全員がフィジカルを鍛え上げられていてボディバランスが良くダッシュの効いたランニングによる一瞬のスピードで相手を置き去りにしてしまう福岡大は、大袈裟ではなく全員が永井といった趣だ。それがスタンドをも唸らせたこのチーム強さの最大の源泉かもしれない。

 アビスパサポーターがバックスタンドに求愛の弾幕を掲げていた(笑)永井は、簡単に言えば杉本恵太の重心を少し低くして、技術とインテリジェンス(判断力)を上乗せしたようなプレーヤー。なのでおそらく杉本には出来ない1トップも出来るし、延長戦で1点づつ奪い合った後の決勝点のように後ろからスペースに大きく蹴り出しておけばその破壊的なスピードだけで相手DFを混乱に陥れてくれるというような多少乱暴な使い方でも十分に生きる。
 
 この試合で福岡大は総理大臣杯の優勝がフロックでなかったことも永井だけのチームではないことも証明した。マスコミ的にも永井のような分かりやすいネタがあった方が扱いやすいだろうし、国立でプレーすることが永井の夢のようだが、二冠獲得まであと一歩と迫ったこの期に及んで、決勝の日付(1/6)がイエメン戦の日付というのはなんとも皮肉な話だ。
b0036243_2142645.jpg

by tknr0326g8 | 2009-12-24 02:32 | College Football